危険な実体験:ローマ駅前の路上で野宿したらこうなるという話【盗難・スリのメッカ】
チャーオ!ぼっちシンガーです。
路上ライブで世界一周の旅を終え、現在は東京で音楽活動中。
昔の旅の話など鼻息荒く語るよ!
皆さんはイタリアと聞くとどんなイメージを持つだろうか?
グッチ、プラダなどきらびやかでハイセンスなブランドショップ…?
ヴェネツィアに代表されるような美しい地中海の街並み…?
たしかにイタリアは観光大国としてめちゃくちゃ魅力的な場所ではあるのだが、
その反面、ダークな裏社会が存在する、アフリカや南アジアに劣らないなかなかに危険な国である!というのが、おれがイタリアを訪れてみて感じた印象である!
一体イタリアの何が危険なのか?そしてそんな危険な国の駅前の路上で野宿したらどうなるのか?
今日はそんなことを書いていくよ!
もくじ
アフリカより危険!?イタリアの治安の肌感。
ある意味、アフリカや南アジアよりも危険かもしれない。
それは、ヨーロッパの治安のよさそうな雰囲気に流されて、旅行者がオープンな気持ちになってしまう事が原因かもしれない。
たしかにローマは、おしゃれな石畳の中世の街並みやセレブなショップストリートなど、絵にかいたような優雅なヨーロッパ風の街並みが広がっていてテンション上がる。
一見、犯罪や貧困とは無縁の世界のように思えて羽目を外してしまいそうなんだけれど、一歩裏路地に入ったり、観光エリアを外れた郊外を歩いたりすると、ローマのもう一つの顔を見る事が出来る。
- 大勢の物乞い達
- 裏路地に点々と転がるドラッグで昏睡状態の若者たち
- 街中に平然と不法投棄されているごみや注射器、そしてなぜか首のない鳥の死骸
- 郊外の幹線道沿いはコンドームの山。
これらは全部、おれがローマを旅した際に実際に目にしたリアルである。
イタリアは度重なる経済危機による影響か、ヨーロッパでも随一の貧富の差が激しい国であるように感じた。
一部のセレブたちは映画の世界のような生活を送っている反面、 多くの国民は日々に困窮し、 みんなどこか疲れた顔をしていたのが印象的だった。
ただ、誤解の無いよう書いておくけれど、生活の苦しい人がみんな犯罪に手を染めているとか、悪い人だとか、そういう訳ではない。
厳しい生活の中でもイタリア人のほとんどは陽気で優しい。
おれは郊外で野宿していた時に、ドライブスルー娼婦のおばさんに助けられた経験があり、そこからイタリアが好きになった。
(前述の幹線道沿いのコンドームの山の原因は、ローマ周辺に売春婦のドライブスルーのような文化があるため。)
しかし、残念ながら一部の貧困層の人々は、スリや置き引きなどを生業にして日々を過ごしているのも事実。
開放的な気持ちで旅をしていたら、一瞬の油断で犯罪に合う国。そんな印象を受けた。
そんな、危険と隣り合わせのイタリア、
その首都ローマの駅前で野宿したらどうなるのか?
『いや、そんな危険で無知で馬鹿な真似するわけないから興味ないです。』
とか言わずに、まあ聞いていってくれよ!!
実際、昔いたんだよ!!そんな馬鹿なヤツが!!
これから旅をするみんなへの教訓として、見せしめにしておくよっ!!!
結論:ギターを盗まれます。
先に結論からお話します。
ローマの駅前で野宿したらどうなるのか。
ギターを盗まれます。
そうだね!そりゃあたりまえだよね!
外国の路上で、しかも悪いやつが集まりやすい大都市の駅前で、丸腰のまま居眠りなんぞしようものなら、もちろんスリや窃盗など、犯罪に巻き込まれることは目に見えてるよね!
ったく…これだから危機管理できない旅人は嫌いなんだよな。
世界一周を終えた玄人旅人のおれからしてみれば、これは完全に旅人側のリスク管理のNASAアポロサーティーンが原因だよね。
そんな危険な場所で野宿なんて、まず命を奪われなかったことに感謝すべきだし、
海外の恐ろしさを何も知らずに軽率な行動をとる、平和ボケした日本人は海外旅行なんてしないほうが良いと思うよ。
一番タチが悪いのは、その被害をブログで公表して、周りから同情を集めようとするようなやつね。
いや、自業自得だっっての!!なにが命の次に大切なものを失う話だよ!!www
まったく、だれだよこのローマ駅で野宿して大切なギターを盗まれたっていうぼっちシンガーってやつは。
うん・・・まぁ・・・
おれのことなんだけれど・・・。
ローマ駅で野宿するとこうなる。
数日前にヨーロッパ最初の国イタリアに入国した当時のおれ氏青年は、一人燃えていた。
「ヨーロッパはヒッチハイクで巡るぞ!!うぉぉぉおぉ!!」
ヨーロッパは治安がいいのでヒッチハイクもすぐ止まってくれるだろう、という楽観的思考で思い立ったおれ氏。
ローマ郊外の幹線道路に立ち、勝手に一人電波少年企画をスタートさせたのであったが…
ローマ市民の防犯意識はめちゃくちゃ高く、得体も知れないアジア人の男を乗せてくれる車など一向に現れず。
結局、2日間チャレンジして一台も止まってくれないであえなく撃沈。
失意の中、夜にローマ市内に帰って来たのであった。
(今からホテルを探すのも大変だし、朝一で電車に乗って移動したい。
ローマのターミナル駅であるテルミネ駅周辺なら深夜も明るいし、
主要駅だから24時間オープンしているんじゃないか?
そのまま駅で電車を待ちながら、朝を迎えてやろう。)
そんなことを考えて駅のベンチに腰掛け、始発の電車を待とうとしたのだが・・・
夜のテルミネ駅は浮浪者の寝床
よく考えれば当たり前の事ではあるが、 もちろん日本と同じでイタリアでも、電車は24時間営業ではなく。
終電が終わったタイミングで駅は封鎖。
『もう閉めるから出なさい!』と警備員に追い出された。
駅を出たとたん、異様な光景に驚かされる。
駅の建物に沿うようにずらーっと段ボールが敷かれて、浮浪者たちが眠っている。
すごい数の人。どうやら夜のテルミネ駅周辺は浮浪者たちの寝床のようだ。
そしてところどころに人だかりが出来ている。
炊き出しでもやってんのかな?と思って覗いてみると、真ん中には畳んだ段ボールの山。
その横で爺さんが、わずかな金額でそれを寝床を求める人たちに販売していた。
いろんな商売があるんだな。と感心した。
意外にフレンドリーな浮浪者のおじさんたち
とにかく疲れが極限に達していたおれ。
判断力もマヒしてしまっていて、何でもいいから少し眠りたいと思った。
今から深夜の街を徘徊して宿を探す方が危険だ、とか思って、ここで一夜を超すことを決意。
じいさんたちが並ぶ壁沿いにわずかなスペースを見つけ、おれもそこに寝袋をひかせてもらった。
よそ者は出ていけ!とか言われないか心配だったが、意外にも彼らはフレンドリーで、
『ここで寝るといい!カムカム!』
『グッドナイ~!』
と陽気に声をかけてもらえた。
二日間ヒッチハイクをして誰一人止まってもらえなかった後のおれ。
都会の冷たさに胸を痛めていたので、なぜかひどく感動した。
『うぐっ・・・こんなよそ者にも優しく声をかけてくれて・・・やっぱ人間、お金やないで・・・』
と感慨に浸りながら寝袋に潜り込む。
周囲の人たちの思わぬやさしさに少しだけ、油断してしまっていたのがいけなかったのかもしれない。
力業で何でも盗られる
ガサ…
物音がして目が覚めた。
目を開いた瞬間、ひょろ長い顔の白人の男が目の前でおれを覗き込んでいた。
何故か硬直し、動揺したような仕草の男。
『ヒ、ヒア、ノースリープ!はは・・・』
そう言ってそそくさと立ち去って行った。
なんだ?警備員か?でも小汚い服装だったし、やけにあっさり去っていったな…
いや・・・でも限界・・またまぶたが落ちてきて…
とうとうとしながら、無意識に持ち物を手で触れてチェック。
バックパック、ある。
ギター、ある。
・・・あれ?
ない!!
ドキリとして目が覚めた!
昨日スーパーで買っておいたサンドウィッチを入れた、レジ袋がない!!
そうか、最初に聞こえたガサって音はレジ袋が盗まれた音だったんだな!?
突然俺が目を覚ましたから、あいつあんなに動揺していたのか・・・!!
くそうおれの朝ごはんが!!!!
やはりここは危険だな。もっと安全そうな場所を探そう。
そう思ったおれは駅の正面へ。
シャッターが絞められた駅入り口前はこうこうとしたライトに照らされていて、警察もうろうろしていた。
ここなら大丈夫だろう、と思って荷物を下す。
さすがにこの目立つ場所で寝袋を敷いて寝ていたら怒られそうなので、壁にもたれかかって座った。
盗られないようにバックパックは壁と背中ではさみ、ギターは腕でガッチリと抱え込んだ。
これで万が一寝落ちしてしまっても大丈夫だ。
このまま始発まで起きていられたらいいけれど…
だめだ、座っただけで睡魔が・・・・
ギターが…ない!
ガクン!と体をゆすられるような振動で目が覚めた。
壁にもたれかかって座ったまま、おれはまた眠ってしまっていたようだ。
辺りはようやく夜が明けようとしていて、青白い空が旧市街の隙間から覗いていた。
ふわふわした頭であたりを見渡すと、
(あれ?あれは、さっきのひょろ長い顔の男・・・)
そそくさと立ち去っていくその横顔が見えた。
ま、いいか。とそのまま再び寝落ちしてしまいそうになりながら、落ちていく瞼の奥。
寝起きの動かない頭で、 しかしなにか、とんでもない事を見落としているような違和感を払しょくできずに。
胸騒ぎでもう一度目を開いた。
『・・・あれ?何だったんだ、今の揺れた感覚は…』
と寝ぼけ眼にまた無意識の荷物チェック。
背中にはさんでたバックパック、ある。
抱えてたギター、あ・・・・
一気に血の気が引いた。
ギターが…!!!
ギターがないやないかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
絶望、そしてローマの警察は最悪。
高校の時にジュークに憧れて買ったギター。
ずっと旅を共にしてきた、唯一の旅仲間である、おれの大切なギター。
無い。確かに腕でしっかり抱えていたはずなのに、無くなってる!
スコーン!!と崖から突き落とされるような絶望感。
一瞬で飛び起きたおれは、考えるより先に駆け出して、さっきのひょろなが男を追いかけた。
『あいつだ!絶対あいつが、ずっと付けてきていたんだ!!あの野郎絶対ぶん殴ってやる!!』
自分でも体験したことが無いくらいの怒りが心の底から湧き上がってきて、衝動のままに男の去って行った方向に走った。
けれど、すでにその背中は見えなくなっていて、しばらくあたりをしらみつぶしに探したが見つかるわけもなく。
ぽつぽつと増えてきた街を歩く人々が、血走った目で息を切らす俺を遠めにチラリと眺めては、冷たく目をそらし、去っていく。
『そんなところで寝てるやつが悪い。』
まるで町中の人々からせせら笑われているような気分になった。
泣きそうになりながら、しばらく駅前の広場の石畳の上に突っ立っていた。
絶望感の中、最後の望みをかけて警察を頼ろうとしたが
『盗難?あぁ、今忙しいからあと一時間後にきてよ。ハイ次~』
必死に探しあてて駆け込んだ警察署では、恐ろしいほどの氷点下塩対応で突き返される。
警官たちは忙しいとか言いながら、カウンターの中でYoutube見ながら他のスタッフと大爆笑したりしている。
このくそが!!!!
とか思いながら律儀にぴったり一時間後、再度訪れるも、また
『まだ忙しいんだよね。また一時間後来て~アハハ』
そしてさらに一時間後。
『今日はもう担当が帰っちゃってさ~ヘラヘラ』
とまたYoutubeに目を落とす姿を見て、いつもは温厚なおれ氏もさすがにブチギレ!!
『国民の生命と財産を守るのがあんたらの仕事とちゃうんか!!おどりゃー俺ら被害者がどんな不安な思いを抱えて警察を頼ってきているか分かっているのかぁぁぁぁ!!』
と殴りかかって怠惰なその仕事に対する姿勢をたたき直して世直し侍ィィィィ!!
する妄想を脳内で繰り広げながら、そんなことしたら警官の腰に携えている木刀みたいなやつでたしなめられて痛そうなのでやめて、『じゃもういいです。』とちょっと不機嫌感だして書類だけ書いて提出するので精いっぱいだった。
不慣れな英語対応がめんどくさいのか、アジア人に対する人種差別的な感覚なのか、はたまたただ単に腐ってるだけなのか分からんが、
後で調べてみるとローマの警察の外国人観光客に対する対応の悪さはネットでも有名だった。
まぁここは外国。日本みたいに警察官が親身な対応をしてくれると期待するのは間違いである。
しかし、インドや南アフリカでも警察に被害届出しに行ったけれど、もうちょっとちゃんと対応してくれたぞ・・・
まぁ、それもこれもあれも全部、自業自得。
駅前で眠ってしまったおれの軽薄な行動が招いたことであるのだ…。
この体験談からの教訓
結局、当たり前だがギターを見つける事は出来ず、ローマで新しいギターを購入したおれ氏。
この時の悔しさを晴らすべく、ここから怒涛のヨーロッパ路上ライブ旅が始まるのであった。
とにかく、ローマは想像以上にスリや盗難などの軽犯罪が多い街だ。
そして盗難に合ったら最後、警察官には何も期待できないと思え!!
つまるところ、この経験をもとに皆にお話しできる教訓はこれだ!
『ローマ・テルミネ駅で野宿は絶対するな!!』
以上!!解散!!
(『言われなくてもしねーよボケ!』という罵倒を一身に浴びながら。)
まとめ
いい話じゃ。昔、ローマで盗まれたワイのオベーションも、どっかの国の街角で、知らない誰かが弾いてるんだろうか。
— ガモウユウキ / ぼっちシンガー世界を周った後。 (@gamoyou) October 20, 2021
カナダのロックスター、45年前に盗まれたギター発見 日本人が演奏していた(https://t.co/eBjQ03baRP)#Yahooニュース
https://t.co/WM4cepXccv pic.twitter.com/DvQ3ujnbRS
そんなで、ローマの駅前で野宿するとどうなるのか、その経験談と旅人諸君への教訓をお伝えしました!
いいか、よいこのみんなは海外で無防備に居眠りなんてしちゃだめだぞ!
そして万が一盗難に合ったって、間違ってもトラブル実体験記事としてブログで公開なんてするなよ!!
『自業自得プギャー!』
『人の不幸で白米10杯いけるwww』
等アンチコメントしか反応無いんだからな!!くそう!!血も涙も無いやつらめ!!
ところで、今回この時の記事を書こうと思ったのは、上にあるツイートの通り、とあるミュージシャンの、昔盗難にあったギターを巡る奇跡のエピソードを目にしたからだ。
なんと45年前にカナダで盗まれたギターが、遠く離れた日本で発見されたそうなのだ。
ビンテージ品として転売され続け、盗難品とは知らない日本人ギタリストが最終的に購入して所有していたらしい。
うーぬ、おれのギターもどこかで、知らない国の街角で、ギター小僧に弾かれているのであろうか?
そんなの考えるとすこしワクワクしてきた。
盗られたことはやはりムカつくけれど、どこかで大切にされているのであれば、それはそれでいい気もする。
何十年後、ふと立ち寄った異国の街で感動の再会をする、そんな妄想を膨らませたり、するのだ。
そんなところです。
●過去記事もぜひ!
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