【ハンピ/インド】Don’t worry be Hampi な話
ついにハンピを去る日が来た。
世界一周ハネムーン中のモモさん、ショウコさんと一緒に、ゴアトランス発祥のヒッピーの地、ゴア行きの深夜バスに飛び乗る!!
バス停まで、慣れ親しんだみんなが見送りに来てくれていて、頭の中ではゆずの「サヨナラバス」がリピートされて泣かせてくる(サビしか知らんからサビが延々リピートされる)。
「またハンピで会おうぜ!」
「東京でハンピーズ会をしよう!」
なんか色々な約束をした気がする。
今ならまたみんなに会える気がするのだ。
そんな約束は、時代の流れや、日々の忙しさに埋もれていつか現実味を無くしてしまって淡い思い出になるだけかもしれない。
実際、ハンピの街は政府の方針による建物の撤去が進んでいて、5年以内に村は消滅するなんて言われている。
それならせめて、俺たちの記憶の中にしっかりと焼き付けておかなければなぁ。
僕の泊まっていたカルヤンゲストハウス(KALYAN GUEST HOUSE)ではたくさんの日本人に出会えた。
さすらいボウズのミズキにハーモニカをもらった。
ハーモニカは本当に前から欲しかったけれど、高くて買えなかったので嬉しかった。
けれどほんまにこんないいものもらっていいの!?なんて思ったりもした。
でも彼は言う、
「おれは何かを手に入れるためではなく、捨てるために旅をしているんだ」
悪人のおれには、他人に無償で何かを与えるということに、なにか得るものはあるのだろうか?なんて考えてしまう。所有欲ってやつだ。
でも、彼は失うことを恐れていない。
彼はよく、「心の垢がとれる」という表現をしていたけれど、自らにまとわりつく"モノ"達から解放されること、それで誰かが喜んでくれること、それに幸せを感じられる事、それが大切なのだと。
ちょうど20代も後半に入って、「あれも欲しいこれも欲しい」という考え方に違和感を感じ始めていた僕にとって、同世代のはずだけれど今の僕の究極体のような考え方で生きている彼がなんとも眩しく見えた。
彼はこの後、ミャンマーで出家予定だという。
再会した時に、お互いどんな人間になってるのか!会うのが楽しみだ!!!その時までにこのハーモニカもマスターしてやるぞ。
お母さんバックパッカー、ひろこさんから聞いた話も面白かった。
30歳の息子さんがいるという、ぼくの母親よりも歳上なはずなのに、しかし僕らでも登るのに息を荒げてしまう山道でもすいすいと登っちゃうようなとても若いママさん!
昔から一人旅が好きで、初めての一人旅がアメリカで、当時流行りはじめていたヒッピー文化にふれる旅だったそう。
70年代のフォーク、ブルースが大好きだというひろこさん、ぼくがテラスでテロテロとボブディランの風に吹かれてを歌っているのを聞いて、当時のベトナム戦争に対する反戦ムーブメントの話や、日本赤軍の影響で、今ほど自由には旅をさせてもらえなかったという僕らの知らない時代のリアルな話をたくさん聞かせてくれた。。
息子さんが独立して、親の介護が始まる前に行きたいところ全部に行きたいという彼女。
「とにかく楽しく生きてこそ人生よ!」
という彼女の言葉は、1人の大人としての責任を果たした上でなお、自分の人生の楽しみ方を知っているようで、深くすんなりと心に染み込んだ。
そして、ハンピでの一大イベント、世界一周ハネムーン旅中のモモさんとショウコさんのハネムーン撮影会!!
ドレスとタキシード姿のふたりを囲んで夕日の見える丘を目指して街を練り歩く僕らはまるで、てんとう虫のサンバに出てくる結婚パレードのよう!
夕日の沈みかけた丘で、撮影会!
うう、美しい!!!!
数億年前から存在したこの岩達も、この太陽さえも、この日の二人を祝う飾り付けにすぎなかった。
地球はでっかい結婚式場やーーー!!!!!!
もう言葉はいらないぜ。
美しい。
そのワードさえあればふたりの半径1000Km以内の世界のすべては説明がつく。
気取らない性格の二人をイメージして、のほほんとした雰囲気でジャックジョンソンのbetter together を歌った。
“僕らは世界にたった二人だけだから
やらないといけないこともそんなにないし
いなきゃいけない場所だって決まってないはずだ。
とりあえずちょっとマンゴーの木の下で休もっか。"
そんな歌詞みたいに、常に二人の間に優しい時間が流れていますように。
なんて願う。
願いたくなる、そんな素敵な二人なのだ。
夜になればみんなで人狼というトランプゲームでもりあがった。
これがみんなの本性をあばくいい機会になって、面白かった。
しっかり者なのになぜかいじられキャラのザック、ザックをいじるのが大好きなシゲくん、頭脳明晰塾講師のヒゲさん、弁護士なのにどっか抜けてるかじくん、シャイな破天荒ボーイがっちゃん。
そして宿のオーナー、エンジェルハートのマース。
あぁ、本当にいい人たちに出会えた素敵な宿だったな。
川を渡る舟着き場に続く土手の階段で何度か路上ライブもした。
墜落してく太陽と川の流れの音、遠くのヒンドゥー寺院から聞こえる民族音楽、そしてギターの音。
たくさんの人たちの拍手に包まれて、歌い終えることができた。
風の吹くままに生きているなぁなんて思う。
多分いつまでもこんな生活はできないし、そうやって楽な方ばかりになびいて埋没していくような生き方はしたくないけれど、本当に心落ち着けられるような場所には自然と風が運んで来てくれるんだろうな。
そこで大きく深呼吸をして、こうやって自分を見つめなおすのも悪くない。
自分のありたいようにあれたこの一週間は、ぼくの中でずっと何年も生き続けることだろう。
ザックとカジくんがマーケットのオヤジにぼったくられながら購入したTシャツには、簡単なプリントでこう書いてあった。
“Don’t worry be Hampi"
これから先、なんか困難や辛いことがあっても、ハンピで感じたあの開放的な感じ、思い出していられたらいいな。
ありがとうみんな!またいつか会いましょう!
そんなところです。
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