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日本に帰ってやりたい事の話

2019年8月1日

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歩きながらたくさんのことを考えていた。

これまでのことじゃなくて、これから自分がどう生きるかってこと。

忘れないうちに書き留めとこう。

ここインドには、他の国とは比べ物にならないほどの貧困が存在している。

朝、街を歩いていると目にするのは、昨日の雨でドロドロにぬかるんだ牛と人の尿の匂いが立ち込める道端のゴミ捨て場から、プラスチックゴミやカンのゴミを漁って集めているおじさん。それでいくらになるんだろうか?

彼らが自分の仕事に対して誇りを持っているのは分かる。
彼らがいなければ街も綺麗にはならないしゴミはリサイクルされない。
意味のある仕事ではあると思う。
しかしいつも思う、もっといい仕事があるのに、と。

もちろん物乞いも多い。

普段彼らはただ路上に行き交う人に手を差し伸べて悲しそうな声を上げるだけなんだけど、

昨日会った男性は、俺が視線を向けるとなぜかニコリと微笑んでくれた。

正直彼のような対応をされたのは初めてだったので、なぜお金も入れてもない俺に、スマイルをくれたんだろう?

彼は両手が無く、両足もぐにゃりと曲がって枝のように細く、スケートボードにその体を乗せてのたうちまわるように移動をしていた。

彼のくれたスマイルのその意味がまだ俺には分からない。
けれど、それでも彼が人間的に本当に豊かな人だという事だけはよく分かった。

こんなに素敵な人なのに、なぜ道端で小銭の恵みを得る事しかできないんだろうか。

もっと、うまくやれるはずなのに!

しかしこの"仕事"という観点において、インドには他の国とは少し違った状況がある。

長く続いていたカースト制により、物売りの子供は物売りとして、洗濯屋の子供は洗濯屋として、そして物ごいの子供は物乞いとしてしか生きられない、そんな価値観が今も根強く残っている。

僕らの感覚からならアイディア一つで乗り越えられるような困難も、彼らにとっては、でも私は物乞いだから、という絶対的な意識の中で浮かばない、もしくはそんなアイディアを思いついてはいけないような空気がある。

でも現に今、このインドではすでにカーストは廃止され、自由を生きる権利があるはずなのだ。

それに対する出る杭を打つ的な圧力は依然強いのだろうけど、僕らが人生一度きり!なんて言って旅に出るように、彼らの人生も彼らにとって一度きり、生きたいように生きて欲しい。

一体僕らに何が出来るのだろう?

彼らを変えてあげたい!なんて思うのは先進国の人間の一方的な価値観の押し付け、かもしれない。

たしかにそれを頑なに拒んで今の生活を愛する人達もいるだろう。それはそれでいい。

でも、チャンスがあるのに、やりたいのにやらない、というのは嫌いだ。
そんな人にはアイディアを与えてあげたい。

その場しのぎの10ルピを渡すんじゃ無くて、彼らが自分で状況を打開できるような何かを、見つけるチャンスを与えてあげたい。

福祉的な気持ちでじゃ無くて、俺自身のエゴとして、意思としてそう考える。

おれはマザーテレサでも野口英世でもない。

はっきり言って、自分がやりたくない事はしたくない。
やりたいからやるんだ。

じゃあ俺にできる事ってなんだ?

バカな一般人のおれには、音楽しか思いつかない。

こんなのはどうだろう。日本に帰ってからもこんな感じのチャリティーバスキングは続けるつもりではいる。

親の許しをもらって東京でやりたい。

今までの旅で感じた思いや思想を、思いっきり日本語でぶつけてやるんだ。インドでよく見かけるように、ポットに入れた暖かいチャイを小さなカップ100円なんかで売って、飲みながら、ちょっと休みながら聴いてもらうのも悪くない。

そこで、得たチップで小さなギターを買って、インドに行くんだ。

この子こそは!って子にそのギターをあげて、弾き方を教えてあげるんだ。

悲しい顔でお金をねだるだけじゃ生活は変わらない。これで好きな歌を歌うんだ。このあたりで路上でパフォーマンスする人は、私は生活が苦しいんだよ~と悲しい顔で訴えるが、そうじゃない。楽しそうに歌うんだ。音楽は楽しいんだ。どんなに悲しい歌を歌っていても楽しいから歌うんだ。そしてそれは伝染する。人をハッピーにして、お金はもらうものなんだ。もしお金を得られるようになったら、それで周りの人達にもいくらか食べ物を恵んであげなさい。

そんなうまくいかんかな?

夢見てるかな?

もしかしたら親にすぐ見つかって、すぐ売られるかもしれない。

結局うまく弾けずに持て余すかもしれない。

それでも、例え彼が路上ミュージシャンとしての生き方を見つけられなかったとしても、かれや周りの人達にとって、「あぁ、こんな方法もあるんだなぁ」「やってみようかなぁ」なんて少しでもこびりついた思考の垢にひびを入れるキッカケになってくれないだろうか。

I can not change the world, but I can change our world.
なんて標語で日本で歌ってみようか?

クサイかな?

似たようなこと考えてる人おらんかな?

旅をしていると、日本に帰ってから、やりたい事もたくさん浮かんでくる。
思いつく度に忘れないようにと書き留めるけれど、日本に帰ってどれだけ取り組めるのか、定かじゃないけれど、その時最善のアイディアを実践したい。

もちろんなにか仕事をしっかり探さないといけない歳ではあるので、現実を見ないといけないかもしれないけれど、働きながらできる範囲で精一杯本当にやりたいことをやっていきたい。

やりたいことは金にはならないけれど、それでもやりたいからやりたい事なんだ。


↑道端で薄く呼吸をしながら死を待つ皮と骨だけの犬。不謹慎だから人間の写真は撮らないけど、インドではこれは犬だけの話ではない。じいさんが虚ろな目をして転がる横を、iPhone6で楽しそうに話をするビジネスマンが通り過ぎる。そんな空間を見ながらおれもまた、そこを通り過ぎる。偽善と虚空を並べるのは簡単だ。マザーテレサはすごい。心から尊敬する。

そんなところです。

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インド

Posted by gamoyuki