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優しさのワインと犬と友達になる話

2019年8月1日

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今日の旅の一曲!Uyama hiroto ft. shing2の “Luv(sic) part 6″!
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この世の果て、フィステーラを目指してヒッチハイク旅!

おれはポルトガルのベシャという街までやって来ていた!

ここからさらに北に60キロほど行ったところに、エボラという少しおぞましい名前の街がある。

この辺り一帯の中心都市となる場所で、出来ればそこで路上をして、お金を作らなければ財布の中がかなり厳しい。

まぁ実際、実家に届いた新しいクレジットカードの、ナンバーだけで航空券が買える事を知ったおれ。

それを知らず飛行機代用にと残しておいたUSドルが400ドルあるので、これを崩せばいいんだけれど…

出来れば手はつけたくないのだ!

おらぁ!生き抜いてやるんだ!!!

鼻息荒く、ノートに"エボラ"と書いて、親指を立て、気持ち悪いほどのスマイルを送ってみたり、セクシーに体をくねらせてみる事、30分!

一台の社用車が止まってくれた!!

「エボラは行きますか!?」

「あぁ通るよ!カム!」

やったぁぁぁ!!!!

乗せてくれたおっちゃんは、水道管の設備士として働いていて、これから仕事でエボラの先にある街に行くのだそうだ!

仕事中にもかかわらずヒッチハイクの若者を乗せてやれるような、ポルトガル人の時間に対する価値観というか、考え方がなんとも素敵だ。

1時間くらい走って、それまでひたすらの乾燥した牧草地だったところに急に突如マックや大型スーパーの看板が現れ、白壁の街が姿を現した!!

「ここがエボラだよ!!」

おおおぉ!!!

郊外型スーパーや住宅街を抜けると、古い城壁が見えた。

「昔、ここエボラは王が住むキャッスルがあったんだ!観光地になってる旧市街は、このウォールの向こう側さ!あ、ちょっとそこのスーパーに寄っていいかい?」

もちろん、と言うと住宅街のなかの小さなスーパーに停車した車。

とりあえずおれもついて中に入る。

なにやらおっちゃん、赤ワインにチーズ、チョリソーと言うソーセージを、量り売りの精肉コーナーで買っていく。

おいおい仕事中に一杯やる気なのかな、すげぇなポルトガル…!!

とか思ってたんだけれど。

店を出て再び車に乗り、旧市街の入り口で停めてくれる。

「ほんとにありがとうー!!」

と握手して別れようとすると、彼がさっきのスーパーの袋をおれの方に突き出す。

「良い旅を。これは君にプレゼントだ!」

え???…

ええぇぇぇぇ!!!!

なんと、さっきスーパーで買っていたワインやおつまみは、実はおれのために買ってくれていたそうなのだ!!

ここまでくる道中、ワインの話やらたくさんしてて、

「おれの地元は赤ワインの名産地なんだ!チョリソーと一緒に飲むそのワインは格別!君にも是非味わってもらいたいよ!」

なんて、嬉しそうに話してくれてたんだけれども!

い、いいの!!?と慌てふためくおれに、彼はこう付け加えた。

「おれも若い頃、君みたいに世界を旅してみたかったんだ。結局叶わなかったけど、おれには君と同じくらいの息子がいてね。あいつには、君みたいないい経験をさせてやりたいと思う。もしあいつが日本を旅する事があるなら、ぜひとも助けてやってくれよ。ハハハ!」

愛だなぁ、なんて思う。

もし息子さんが日本に来ることがあるなら、喜んで案内させてもらうよ!と言って、Facebookを交換して、ありがたく受け取った!

優しさに胸を焦がしながら、おっちゃんと別れて、早速、エボラのその、城壁の中を歩き回ってみる。



古い石造りの町並みが続く。

一歩歩くごとに汗が滴り落ちてくるほど暑いんだけれど、その突き抜けるような白と黄色、鮮やかな赤と緑を眺めていると、ドキドキとさせられて、進む足を止められない。

ポルトガルの旅は色彩に魅了されるんだ。

強烈な太陽の光、そしてそれが白壁に落とす影。

曖昧さを微塵も許さないその鮮烈なコントラストが美しすぎてどきりとする。

徐々に移動する太陽の位置でその模様は伸びたり縮んだり、変形していく。

そんな世界の中で、ベランダに掛けられた植木鉢に咲く花の、この世のすべての赤を混ぜ合わせて殴り描いたような赤色が、恐ろしく美しかったりする。



そんなで、だらだらになりながら街を歩いたおれ。

おや?歩きすぎてアテネまで来てしまったか?パルテノン神殿を眺めたり、

タバカリア屋を営むおれの親戚のおじさんの店を発見したり、

したが、うぬ…なんで?全然人が歩いとらん!

そこそこ大きな街なのに、ストリートに人が少なく、店もほとんどがシャッターを閉めているのだ。

おかしいな、と思って、唯一かろうじて営業してた近くのかわいい雑貨屋さんのかわいいお姉さんに聞いてみた。

「これ、そこのかわいい娘さん。この街はなぜこうも静まり返っておる…?ま、まさか西の国の魔女の仕業か!?こうはしてられん!娘よ、私と一緒に来るのだ!じきにドラゴンの火がこの街全てを焼き尽…

「今日は祝日よ。うちももう閉めるから出て行ってくれるかしら?」

な、なんてことだ!!!

ショックすぎる…

とりあえず今日は路上は出来そうにないので、その後公園でさっきおっちゃんに買ってもらったチョリソーを、

「う、うまい!!うまいぃぃぃ!!」

と、むしゃむしゃ武者武者やっていると、汚い野良っぽいヨークシャーテリアっぽいやつがおれを福山雅治が演じる武田信玄かなにかと勘違いしたのだろう、

「ワンワン!全然福山雅治ではない汚物顏だけどうまそうだわん!ちょっとくれよワン!」

と寄ってきた。

一応ブログ用に優しく撫でてやったおれは、10分ぐらい噛み続けて味も栄養も吸い取り尽くした肉のくずを口から吐き出し、

「可哀想に、お腹を空かせているんだね。」

とあざとく声をかけるとそれを食わせてやった。

「うはぁ!お前のアミラーゼの味しかしないけど肉だワン!きたねぇけど無いよりましかワン!」

と無邪気に喜ぶそいつは、この福山雅治を主人と決めたのか、その後ずっとおれの周りで寝転んだり遊んだりしていた。

や、やばい、なにこの人に必要とされてる感!え、やだ、ちょっと嬉しい…

と、久々に芽生えた愛情だか友情だかに照れたおれであったが、その後軽く居眠りをしてしまい、目をさますと奴はいなくなっていた。

薄情なやつめ…

なんなんだこの取り残された感は…。

そして今日も1人、少し郊外まで歩いてちょうどいい草原にテントを広げて、眠る。

明日、もう一回街に出て、歌えそうなら歌おう。

そんなところです。

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ポルトガル

Posted by gamoyuki