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感謝の気持ちってなんなんな話

2019年8月1日

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今日の旅の一曲!the back hornの “冬のミルク"!
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………………..

ファロ3日目!

2日間ファロに滞在し、路上である程度お金も作れたおれ。

「ガイドブック通りにバスや電車で普通に移動なんかして楽しいか?」

とか言いたい、ドミに一人いたらかなりうざい系ブロガーのおれは、特に誰も望んでないのに、

「ポルトガルでも公共交通機関は絶対使わん!」

と公言してしまった。

その自分の言葉に尻を叩かれるように、おれはどんどんと急勾配になる山道を進んでいた…。

おれの中でのめんどくさい自分ルールでは、ポルトガルからは、バスには乗れずともヒッチハイクは出来ることになっている。

おれは一ヶ月後の可能滞在期間までに北スペインにあるという、"世界の果て"と呼ばれる場所までたどり着きたいと考えている。

プランでは、ポルトガル最南端のファロから、ひたすら北にポルトガルを縦断し、スペインに抜けようと考えているのだ。

まずは北に直線距離で100キロぐらいの場所にある、ベジャという街を目指すことにした!

ふはは!おれはスペインの150キロを完歩した男なんだぞ!?自分で決めた誰得ルールのせいでヒッチハイクさえできず、何百、何千と横を取り過ぎていった車たちを、

(あぁ…ヒッチハイクさえ出来れば、150キロなんてすぐなのに…)

とか思いながら見送ってきたのだ!

あの時の、取り残されたような孤独感からしたら!!ヒッチハイクが解禁になった今なんて、初めてストリーミング再生という機能を手に入れた思春期の男子高校生のようであるわ!!!がはは!!無限大!!可能性は無限大!!まさかサイトの一番下に無料サンプル動画の入り口があったとはなぁぁぁぁぁ!!!!!!!

と、おれは大興奮で、ファロから北へ行く車をヒッチハイクしようと、郊外まで1時間ほど歩いて出てきた。

うむ。こうやって、郊外まで出て、北へ行く車をピンポイントに狙える場所でやるからな。おれくらいのプロフェッショナルになってくると。

やみくもじゃだめなんだよ。ただやみくもにクリックしても、訳の分からんサイトに転送されたり、場合によっちゃ

“有料サービスのご利用ありがとうございます。3日以内に料金の218,000円をお支払いください。さもなくばご実家に請求書を…."

なんて画面出て、お母さんに相談すべきか本気で悩んで三日間寝られんからな。あの時はほんとに生きた心地が…

ブログでは書けないような秘密の思春期などをブツブツ言いながら思い出しながら、おれは自信満々に親指を立てた!!!

しかし

全然止まらねぇぇぇぇ!!!!!!

うそやん!止まらんとか以前に、まず車が走ってねぇぇぇ!!!!

自信満々な前置きを書いた後には大抵上手くいかない系ブロガーのおれは、「いつもワンパターンなんだよクズが!」などの応援コメントにも励まされ、決めたのだ。

歩くか…。

地図を見ると、北に5キロほど歩くと小さな街があるのが確認できた。

とぼとぼと歩き出すんだけれど、スペインの時と違って、ポルトガルの国道はやけに幅が狭い。

歩道なんて気持ち程度しかない。

今日は店も全部お休みになる日曜日だからかな?車は5分や10分に一台とか、そんなレベルでしか通らないからいいけど、多かったら歩くのは危ないかもしれんな…。

そして、そんな国道は、さらにどんどんと道幅が狭くなっていき…あたりに民家が無くなってくると、山を登り始め…正午の太陽がギラギラに照りつける頃には、

あじぃ…もういやだ…僕ちゃん帰りたい…

と、いつもの様に弱音を吐いていた…

たった5キロと思っていたけれど、坂道で、しかも山道なので蛇行している。

もう感覚的には3000光年、ここから月まで、いや、ちなみちゃんの家まで歩いていくぐらい遠く感じるのだ…

全く進まん!

うぎゃぁあこまった!!パンツもう5日くらい替えてねぇや!こんなんじゃちなみちゃんに嫌われるー!!!

とか思っていたら!

ブルルン!「乗ってくかい!?」

おおお本当ですか!!

なんと手を上げてもないのに、通りすがりのにいちゃんが止まってくれた!

モロッコから出稼ぎでやって来ているという彼!

20分ほど揺られ、アルポテルという街まで乗せてもらった!

ありがとう!!


唯一開いていたカフェの一ユーロコーヒーでのんびりと灼熱の時間をやり過ごした後、まだ暑いが午後4時に再び歩き出す!

小さな街で、5分と歩くと商店や集合住宅は消え、坂を登る小道沿いには、白壁の家々がポツリポツリと佇む。




登り切ると、眼下に田舎町の風景が広がる。

白壁に太陽光が反射する。

そこらじゅうからセミの鳴き声が聞こえて、空き家の、古代遺跡みたいに崩れ切った石塀にツタを絡み付けて、朝顔の花びらの青が揺れる。

木製の、今にも倒れてしまいそうな電柱に支えられた電線の向こうに、入道雲がもくもくと揺れる。

初めて来た場所なのに、なんか懐かしい。

田舎のばあちゃんちで過ごす、夏休み。

そんな感じがする。

でも、ふと耳を澄ましてみると、セミの鳴き声にまじって、ガランガラン!と教会の鐘の音が響いてくる。

この辺はヨーロッパだなぁなんて思う。

不思議な世界観。

街の外れまで出てきて、ヒッチハイクを試みるも、だめだ!!さっきにも増して、全く!!全く車が来ない!!

うーーーーぬ!!!

地図を見てみる。

ここから蛇行続きの山道を進めば、小さな集落がある。

直線距離だと5キロくらい。蛇行してるから、実際には10キロくらいか。

2・3時間歩けば到着する距離である。

今日、ここまで行って明日ここからヒッチハイクチャレンジするか?

そんな事を思ったおれは、木々生い茂る山道へと、のろのろと歩を進めていった!

背中に背負ったギターバックやバックパックが背中を引くように体を重くする …

くそう、スペインの時はどこまでも続く平地だったので、5キロや10キロなんて屁でもなかったが(いや、ごめんすかしっぺぐらいにはしんどかった)、山道の5キロたるや…

よっしゃもうだいぶ歩いた!半分くらい行っただろう!と一休みして地図を見てみても、まだだった1キロぐらいしか進んでいない、なんてそんな感覚である…

まじかよ…

空気はこんなにも乾燥しているのに、汗が額から顎まで伝って、ポツリ、ポツリとまるで足跡を残していくように滴り落ちて、地面を濡らす。

最強にしんどいんだけれど、なんだかわからんが、

おれ、生きてるんだなぁ…

なんて変に感心する。

1時間半ぐらい歩いて、急勾配の坂を登り切ると、木々だらけだった森の中にポツリと残された石造りの家の廃墟があった。

その影に背をもたれ掛け、タバコを一本。

地図を見ると、これでやっと半分。

ここから先は緩く下り坂になっていた。

どうやらここが一番高い場所みたいだ。

反対側のガードレールの向こうには、ゆるやかな斜面に木々が生い茂っているのが見えた。

相変わらず、空は嫌気がさすくらいに真っ青で、午後7時になろうかというのに太陽は眩しすぎる光を落としてるけれど、日陰に入ると吹き抜ける風も涼しげで、汗も引いて行く。

とりたちのさえずり、蝉の声、そして風に揺れる木々のざわめき。

それしか聞こえない世界はどこまでも透き通っていて、心がどんどんとしがらみをなくして、透明になっていく気がした。

気持ちよくなって、アカペラで"青い空"を歌った。

眼下の数え切れない木々たちが目を閉じて聴いてくれているような高揚感と、逆に木々たちの自然の音の中に仲間いりさせてもらっているような一体感とを交互に感じた。

誰にも聞いてもらってはないが、いい歌が歌えた。

しばし休んだ後、

「山の日暮れは早い…先を急がねば。」

とかかっこつけてブツブツ独り言を言いながら、ふたたび少し歩いた時。

それまでも、たまーーに通り過ぎる北へ向かう車には親指を立てて、乗せてくれー!とアピールしていた。

まぁ当然、こんな人通りの皆無な山道で、ギターか猟銃かわからん大きなバックを背負った怪しいアジアンを乗せてやろうなんて思う人は皆無で、みんな強張った表情で通り過ぎるだけだったんだけど。

まぁどうせ無理やろなーと、後ろからやってくるメルセデスに親指を立てると!!

ブルルン!

「ハーイ!3キロ先までしか行かないけどいいかい?」

やったぁぁぁ!!!

「もちろんです!オブリガード!!」

乗せてくれたのは買い物帰りのご夫婦。

目的地だった山間の集落に住んでるそうで、わざわざその先の、軽食をとれる小さな村のカフェまで乗せてくれた!

オブリガード!と別れた後、そのカフェに入る!

今日は日曜でどこも店が開いていなかったので、朝から、昨日買っていた殻付きの落花生しか食べていなかったのだ!

「ど、どうも~」

恐る恐る中に入ると、軒下のイスに座ってビール瓶を並べたおっちゃんたちが、案の定、

(こ、こんな田舎に、なんだこのアジア人は!!)

と言う聖飢魔IIみたいな表情で、時が止まったように固まってこっちを見る。

まぁ、山間の、家が十数軒だけ集まったような場所である…

おれの田舎の、地元のおやじが集うちっさい商店に突然外人バックパッカーがやってきたら…なんて考えたら、その反応は容易に想像はつく、というか恐ろしくなる。

でも、おれが、

「お、オラ!」

とひきつり笑顔で挨拶すると、みんな止めていた息を吹き返すように、オラ!と暖かく返してくれる。

カウンターのおばちゃんにサンドイッチを注文して、おやじたちの隣のテーブルに着く頃には、みんなおれの話で持ちきりであった!

「どこから来たんだい?」

「歩いて旅してるのかい?」

「ポルトガルは好きかい?」

グループのにいちゃんの一人が少し英語を話せるようで、おっちゃんたちが口々に言うあれこれを通訳してくれる!

「ギターを弾くのか!?いいぞ!プレイ!プレイ!」

と、盛り上がってくれるので、ギターを取り出して、カントリーロードとスタンドバイミーをうたった!

言葉は全く通じんでも、音楽は偉大なもんだ。

この二曲はじいちゃんたちでも知ってたようで、肩を揺らして聴いてくれて、拍手をくれる!

車の通りもなければ、騒がしい店屋のBGMも何もない静かすぎるあたり一帯。

声を張って歌ったおれの声は、この小さな集落の隅々まで伸びていきそうだった!

歌い終えると、席を外していた、英語を喋れるにいちゃんが帰ってきた。

「これは君にプレゼントだ!」

と、何か渡してくれる!

え!めっちゃ嬉しい!!Tシャツだっ!!!

ドイツでバックパック一式を盗まれたおれ。着る服を二着しか持ってなくて、しかもうち一つはヒートテック…

Tシャツもう一着は欲しいなぁなんて思っていたところであった。

なにやら、このにいちゃんがやっているバイクの修理工場のユニフォームらしい!笑

「これで君もうちのカンパニーの仲間入りだ!これを着て世界中にうちを宣伝してくれよ!!ハハハ!」

おぉぉ!!なんだかおれの旅に胸スポンサーがついたみたいな気になって調子乗りそう!!

「え?このロゴ?言ってなかったっけ?おれ、旅にスポンサー付いてんだよね。毎回写真あげろって言われて、参っちゃうよね。ははは!」

とか言っちゃいそう!!

とにかくみなさん!バイクが壊れたら、安心安全、確かな技術の"セラ・ド・カルデイラ" へ!!!

と、宣伝効果はテレビCMの5億分の1と呼ばれるこのブログで、しっかり宣伝をし終えたところで、また一人、白ひげを生やしたおじいちゃんが店にやってくる。

手に大きなブタの脚を握っている。

「持ってきたぜぇぇ!」

なんて言って、みんなからおぉー!!と歓声が上がってる!

「これはハムさ!ここらの人たちはみんなマイナイフを持っていて、こうやって誰かが脚を持ってきたら、直接肉をそぎとって、パンと一緒に食べるのさ!」

なんて教えてくれる。

「トライ!トライ!」

と呼ばれて、食べさせてもらった!

しっかり塩が染みてて、ジャーキーみたいにかみごたえもあるんだけれど、脂の部分はとろけるように柔らかくて、甘い!

パンに乗せると、素朴なんだけれど、ものすごくゴージャスな味わい!

いや、これビールに最高に合うやろなぁ!なんて思ってたら、

はい!

とビール瓶を置かれる…

「おれからの歌のお返しのプレゼントだ!」

とにいちゃん!

うぎやぁぁぁありがたい!!!

ただご飯を食べに寄っただけなんだが、日曜日の午後の、田舎町の何気ない空気感に心底心満たされた、優しい時間。

時刻は午後9時。

太陽も山の向こうに隠れてしまって、空は赤く色づいている。

涼しいうちに少しでも歩いて、暗くなるまでに寝床もきめないと!そろそろ行かねば!と財布からサンドイッチのお金を取り出そうとすると、

「お金はいいよ!キープゴーイン!」

とバーのおばちゃん…!!!

優しすぎだろぉぉ…

ほんとにありがとう!と言ってみんなに手を振った。

しばらく歩いて、いよいよ空の色が夜を迎える準備を始めたような、薄暗いブルーに変わりだしたので、適当な丘に登って、頂上にテントを張った!

遠くに見える、ポツポツと灯りだした小さな村の灯りを見下ろしながら、今日の優しさにまみれた1日を思い返している。

ヒッチハイクで拾ってもらえて、1日でここまで来ることができた。

小さな集落での、何気ない日曜日にどっぷりと浸ることもできた。

たくさんの優しさをもらった。

ありがたい、なんて言葉を思い浮かべるんだけれど、ふと思う。

感謝ってなんだ?

してもらって当たり前になっちゃだめ、常に感謝を忘れずに。

とても大切なことだ(とおれは認識している)。

でも、感謝する気持ちってなんなんだ?

こんなこというと語弊があるかもしれんが、皮肉とかじゃなくてふと考えてみて、分からなくなる。

当たり前に使う漢字を、ふとした瞬間に思い出せなくなる感覚。

ありがとうって言うこと?

謙虚であること?

でもそれは、"感謝する心を見せるための行動"であって"心"自体じゃないよな。

人に優しくされると、おれは鼓動が高鳴る。

期待もしてなかった良いことが思わず起こると、ぶわっと、感情が高ぶる。

やったぁぁ!って。

それはすごく自分勝手な、無邪気な喜びであって、そこに誰かに対する愛はないのだけれど。

それが感謝の心?でいいのか?

なんか違うような…

とにかくそんな、自己愛を満たしてくれた誰かの無償の愛に、答えたい、と思う。ありがとうって言葉を発するのは、ただの礼儀だからじゃなくて、伝えたいって思うから伝える。

受けた愛だって、返したいって思う。その人じゃなく、他の誰か、おれが補えるだけ持ってるものを、欠如させた人に。

でも、あれもこれもそれも全部、結局は自己愛そのものなんだよな…

よく分からんけど、とにかくそんな感情欠如型人間にも取れるおれみたいなやつは、その高揚感や、幸福感を感じられなくなった時。

そしてそれを誰かに返したい!なんて思えなくもなってしまったとき。

旅なんてやめた方がええんだろうな。

今日みたいに素敵な偶然や親切を期待して旅してるつもりじゃない。

けれど、どうあがこうが路上ライブやヒッチハイクで旅をしているおれは、どこかでその親切を期待し、それを受けて生きている。

それがないと、おれの旅は楽しいと思えない。

だからせめて、与えてくれる気持ちに対して、出来るだけ対等な気持ちを与えたい。

路上ライブで、コインを入れてくれる替わりに、心を込めて歌って、少しでもその人の1日を鮮やかに飾ってあげたい。

ヒッチハイクで乗せてくれる人に、少しでも耳寄りな話題や、刺激的な世界の話をして、ドライブを楽しんでもらいたい。

奢ってもらった分、未来でおれが経済的に余裕ができたら、少しでも別の若者にうまいもん食わしてやりたい。

それが、おれにできる事であるし、受け継ぐべきものであるのだ。

その根底の話はまだ今のおれには自分でも理解ができんが、行動で見せられることは目に見える"確かさ"であって、揺るがない。

とにかく、それを続けるべきだよな。

それに情熱を燃やせるかどうか。

なんだか、ポルトガルで出会う人達があまりにも親切なので、わけのわからんところまで思考が流れ込んで行ってしまって、答えは出ないままであったけれど。

とにかく、日本に帰って、旅をしている外国人や若者に会ったならば、たくさん助けてやろうと思った。

なんか、それをするのはおれも楽しそうやし。

…ん?それって結局自己愛よな…

いかんいかん、キリないわ!

無限ループを抜け出したくて、テントのジッパーを開けると、すっかり真っ暗になった空に天の川がぶわっと広がってるのが見えた。

遠くの町の光以外、ただただ永遠に続く闇をバックに、ものすごい数の星。

風もなくて、あたり一面時が止まったように静かで、自分の心臓の音がとくりとくり、鳴るのが聞こえるほどだった。

素晴らしい1日をありがとう。

そんなところです。

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ポルトガル

Posted by gamoyuki