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エチオピアの主食「インジェラ」の味をオブラートに包みながら解説する話。【3日間お酢に浸したクレープ】

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ぼっちシンガー
ぼっちシンガー

サラムノウ。ぼっちシンガーです。
路上ライブで世界一周の旅を終え、現在は東京で音楽活動中。
旅の話や音楽の話を好き放題語るブログだよ!

「わかる…めっちゃわかる…」

その日おれの心は、Twitterに流れてきた旅人のタイムラインを眺め、

一人共感のエクストリームハリケーンであった。

それがこの方のこちらの投稿。

わかる…わかるで…

究極の空腹状態のなか、何か胃に入れないとヤバいからと口に入れるんだけれど、体がそれを拒否するんや。

そう、エチオピアを旅をした人は絶対に直面するのだ。

エチオピアでの食事は戦いなのだ!

絶対に胃に収めたいおれと、動物的本能で絶対に体内に入れてはならないと拒否する食道との

生死をかけたサバイバルゲームなんやで…!!!!

エチオピアの主食インジェラは驚異的な味。

観光地の高級レストランで食べた、ハイグレードな一品。
高級クレープ生地を胃液に浸し真夏に3日間寝かしたような風味は、これぞインジェラ。
食通も唸る一品。

エチオピアの食事の一体何が、そこまでのし烈を極める戦いを生むのか。

その理由は、エチオピアの主食である「インジェラ」という食べ物にある。

インジェラとは、テフの粉を原料としたクレープのように薄い円盤状の発酵パンです。トウモロコシやソルガムなどの穀物で作られることもありますが、テフで作ったインジェラは、ふんわり柔らかな手触りと独特の食感があり、エチオピアでは大変好まれ日常的に食されています。

新しいスーパーフード!? エチオピアのインジェラ~世界主食発見!~ https://agri.mynavi.jp/2018_07_11_31811/ より引用

このようにインジェラとは、日本人にとってのお米みたいな存在で、

インドカレーのナンのように、おかずをインジェラで包んだり浸したりして食べられている。

エチオピアでは大体どのレストランに入っても、

大きなプレートに座布団サイズの巨大なインジェラを敷き詰め、その上に様々なおかずを乗せる、

エチオピア式定食スタイルで食事を提供される。

つまりは、エチオピアを旅することというのは、インジェラを食べ続けるということになるのだが…

そのインジェラのお味というのが…



…うん。

…いやね。あんまり、他の国の食や文化を悪く言う事はしたくないのよ、おれは。

自分たちの一般常識は遠い国の誰かの前では非常識にもなりえる。

日本人から見る価値観だけで他の国のことを批判したりするのは、

想像力が欠如した浅はかな行為であると思っている。

だからこそ、そうだな。

「インジェラ」のお味についても、当記事ではこのように表現させていただこう。

「99%の日本人が生理的に受け付けないであろう、驚異的で特異異質なお味」

であると!!

ええぇっと…具体的な味を説明するならば…

クレープ生地をお酢に浸して真夏に3日間寝かしたような…

水で溶かしたホットケーキミックスにレモン絞ってぐしゅぐしゅにしたような…


そんな、強い酸味とふわふわびちょびちょ、でろでろな触感が特徴な食べ物だよ♪

その生地に、野菜の漬物やシチューなどおかずをつけて食べるんだけれど、

これがまた、逆流性食道炎を涙目で飲み込んだ後の口内みたいな、

さわやかな風味とつらみが口いっぱいに広がって、ここでしか味わえない特別なお味なんだ!!

いや、だれもマズイなんて一言も言ってないよ?日本人にとって、体が食べ物として認識できないお味ってだけで、一言もマズイだなんて言ってないからねっ!???

(ふぅ…これだけオブラートに包み包み書いとけば、インジェラがいかにマズイかを秘密裏に読者のみんなに伝えられただろう…。)

インジェラは栄養価満点のスーパーフード

そんなで、最後の一文で心の声がダダ洩れハルンケア予備軍してしまい、

「日本人視点から一方的に他国の食文化を批判するなんて想像力が欠如した浅はかなブログ記事だ」

と揶揄されたおれ氏。

エチオピア観光協会からの訴訟が着実に進む中、挽回の為に、必死にインジェラのいいところを紹介していこうと思うっ!!

というのも、このインジェラ、お味の方はアレなんだけれど、とにかくめちゃくちゃ健康にいいのだ。

その秘密は原材料であるテフと呼ばれるイネ科の穀物の持つ栄養素に由来している。

インジェラの原料となるのは、世界で最も小さな穀物と言われるイネ科の穀物テフ。粉にして使用しますが、その小ささから胚芽やふすまなどを分けたり、取り除いたりせず、そのまま挽いて製粉します。つまり、すべて全粒粉です。そのため、アミノ酸、タンパク質、鉄分、カルシウム、食物繊維など豊富な栄養を含んでいます。また、小麦同様に炭水化物を含みますが、グルテンの含有量がほとんどなく、カルシウムや鉄分、マグネシウムは、小麦より多いのが特徴です。

栄養豊富でグルテンフリー!「テフ」でつくる
エチオピアの国民食「インジェラ」

より引用

このように、テフは主要な栄養素をバランスよく含む革新的な穀物であり、先進各国も生産に手を付けるなど、現在世界的に注目を集めているそうだ。

まだまだエチオピア以外では供給が少ない穀物の為、メジャーな食物ではないが、デイビットベッカム夫人のヴィクトリアさんがファンであることを公言するなど、セレブの間ではそのヘルシーさが人気らしい。

そしてこのテフの全粒粉を自然発酵させているのがインジェラというわけである。

独特の酸っぱさもこれに起因するわけであるが、発酵食品としての栄養素も非常に高く、

現地の人々は「これさえ食べてれば病気しない!」と胸を張る。

実際にエチオピアの平均寿命を見てみると66.59歳※1で、

一人当たりのGNI(国民総所得値)で同程度のトーゴ(61歳)やウガンダ(63.3歳)など同じアフリカの国々に比べると※2、若干長生き。

そして、主食でありながらグルテンフリーで太りにくい性質もあってか、エチオピアの成人の肥満率は1.2%※3で世界2位の低さ。

肥満度は人種や民族の違いで差が出やすいものの、隣国のスーダン(6.6%)やケニア(4.7%)と比べても格段に低い。

エチオピアの女性はアフリカ一美しいとか旅中よく噂されていたし、確かに実際旅してみてもスレンダーな人が多かった印象だ。

このようなことから、インジェラは、エチオピア人の美容と健康に大きく関与している可能性が高く、

厳しいアフリカの大地を健康に美しく生き抜くためのスーパーフードなのかもしれない。


※1アフリカ各国の平均寿命についてはこちらを参照

※2 世界の1人当たりGNI(国民総所得) 国別ランキングについてはこちらを参照

※3 世界・成人の肥満率ランキング(WHO版) についてはこちらを参照



おれがエチオピアで食べたインジェラを紹介する

とまぁ、いろいろとエチオピアの主食「インジェラ」について調べてみたわけであるが。

栄養満点で長寿の秘訣・そしてグルテンフリーでダイエットにオススメと、

インジェラがいかに最強の主食である事がおわかりいただけただろうか!?

そう…ただ一つ…

ただひとつ、本当においしくない事を除けばね…

それではここからは、おれが実際にエチオピアを訪れた際に食べたインジェラたちを、

旅のエピソードを踏まえて紹介していきたいと思うっ!!

摩訶不思議なエチオピア世界を、とくとご覧あれ!!

アディスアベバで初対面♡

首都アディスアベバに到着し、初めていただいたインジェラがこちら。

ミントのきいたおいしそうなスクランブルエッグのお皿の下に、折りたたまれて敷かれているのがインジェラである。

なんという重厚感!!まるでブランケットみたいだ!!

映画館で寒がる彼女に「使う?」とそっと差し出せば、君の好印象は間違いなし!!

バッグには常にインジェラ一枚!これは出来る男の鉄則だ!!

とにかく、このスクランブルエッグが美味しかった。ふわふわで塩分もちょうどよくて。

いやぁ、卵とトマト、最高だな~~~!!(震え)

※この時のインジェラ初体験を綴った当時の僕のブログ記事にて、

”ぞうきんにレモン汁絞ったような味”

などと、その味を不適切な表現で紹介する場面がありました。

つつしんでお詫び申し上げます。



ビールと一緒に♡

エチオピア中部の田舎町、アルバミンチに到着した時の事。

長距離バスでお腹はペコペコ、なんか食べたいと街をさまよっていたんだけれど、レストランがどこもやってない。(昼休憩の時間?っぽかった)

空腹と灼熱の気温でぶっ倒れそうな中、やっと開いているお店を見つけたおれ。

「とりあえず生!!」

お店に飛び込むなり白昼堂々生ビールなおれ。

まるで日本の居酒屋みたいだけれど、なんとエチオピア、生ビールが激安いのだ!!

そのお値段、なんと一杯約60円!!!

やべーよ価格破壊だよこんなん毎日仕事終わり通っちゃうよエチオピア。

他の諸外国だと基本ビールはビンで出てくるので、ジョッキで生ビールが飲めるってだけで幸せなのに、

それが安いと来たら、もう飲まずにはいられないよね。

「ごきゅ…ごきゅ…ぷはぁぁぁっぁぁぁぁ!!!!!生き返るっぁぁぅうぅぅぅうっぅ!!!」

猛暑の中を歩いてきたので、もう涙が出るくらい美味しかった。

この瞬間の為に働いてんだよなぁぁぁ!!(当時は当然無職)

さてさて、腹が減った。まずここはどんな料理を出す何屋さんなのかもわからん。

店内を見渡してもメニューはない。(まぁあってもアムハラ語なので分からんのだが)

店員さんにジェスチャーで聞くと、

「ビーフ?」

みたいに言っている。

ビーフ!??肉が食べれるの!??それそれ!!プリーズプリーズ!!

と即決。

(ビーフステーキかな~?ハンバーグかな~??ワンチャンすき屋の牛丼なんて可能性も…しまった、それなら3種のチーズ牛丼にすればよかった!!)


などとワクワクてかてかしていると、案の定出てきたのは…


う、うん…いや、わかっていたよ…うん。田舎のレストランは基本インジェラ一択だって…

ステーキなんてありえないって…分かりきったことじゃないか…。

絶望なんて、全然してないんだから…号泣

儚く散った夢の欠片を拾い集めてその胸にギュッと抱きながら、まずは真ん中のお皿に盛られたおいしそうな牛肉らしき肉片の入ったシチューをすすってみる。

うん!全然いける!

お肉の方は、夏の日にスーパーで買った生肉を冷蔵庫にしまい忘れたまま旅行に出てしまい、三日後に発見しちゃったけど、

「まぁ死にはせんだろ。もったいないし使っちゃお」

とてへぺろしてシチューにぶち込んでみましたみたいな独特の臭みとヤバみを感じたが、

まぁまぁこれまで食べてきたエチオピアでの食事の中では、普通においしいビーフシチューだった。

お次はそのシチューを、いよいよインジェラに包んで食べる。

うん…うん…(うぷっ…)(嗚咽)

「び、ビールお替りください!!!」

酔いに任せて食道の拒否反応を黙らせ、息を止め味覚をシャットアウトし、

なんとか胃に食べ物を詰め込む、そんな感覚。涙

何度も言うが、エチオピアでの食事は戦い。自分と自分との、仁義なき戦いなんや…!

このように田舎町に行けないくほど、レストランのメニューはインジェラ一択になっていく。

いやがおうにも生きるため、戦わねばならぬ日々が続くのであった…。

エチオピアのガチの田舎で食べた故郷の味。

マジで過酷だった。

世界一周の旅で、どの国が一番しんどかったと聞かれれば、おれは確実にエチオピアと答えるだろう。

まずエチオピアはアフリカの中でも特にインフラが整っておらず、移動も宿の設備も不便。

(田舎の宿は電気・水道・ドアロックなし、トイレが地面に穴ほっただけの開放的な仕様、みたいなのがザラ。)

英語は通じないし、エチオピア独自の時間や暦が存在してて時間感覚が意味わかんないし、文化の違いも大きい。

極めつけは人種差別。

エチオピアはヨーロッパ帝国主義時代に唯一欧州列強からの支配を免れ、独立を守り抜いた国である。

人々はそのことを誇りに思う意識が強いあまり、自分たち以外の人種を見下す傾向が根強い。

白人やアジア人は「金ヅル」として平気で吹っ掛けられ馬鹿にされ、

逆に南部アフリカのより肌の黒い人々に対しては「野蛮だ」などと見下されていたりする。

ローカルバスでの移動中は何度も乗客たちに「チャイナチャイナ!」とののしられたり、「お前の肌はブラックじゃないから2倍の料金だ!払わないならココで降りろ!」と荒野のど真ん中で脅されたり、散々だった。


そんな過酷な旅の途中、おれはエチオピアのガチの田舎にいた。

上記のような詐欺師とレイシストを夢いっぱいに詰め込んだドリームバスに揺られて心底辟易しながらたどりついた最南端の最果ての村。

複数の部族が集まる週末マーケットみたいなやつを見た後、空腹に耐えかねて入った藁ぶきやねの小屋みたいな食堂にはいってみた。

中で食事をとる周囲の村民たちに、

「なんでこんなところにアジア人が…?」

と圧倒的異物感を携えた視線を送られながら席につく。

何も注文していないのに勝手に運ばれてきたのは、当たり前にインジェラ。 (なんかいきなりステーキの姉妹店みたいだな。)

おれが常連だからいつものが運ばれてきたわけでは無い。たぶんメニューがこれしかないのだ。

しかし、普段食べていたインジェラとはどこか様子が違う。

電気も通っていない村の食堂の為、昼間なのに暗闇の中での食事である。画質が異様に悪いのはそのため。

暗くてよく見えないが、何やら黄色やオレンジのソース、マカロニ見たいなやつ、シンプルな蒸しイモ、野菜のピクルスなど、シンプルなおかずがたくさん乗っている。 なんだかネパールのミールスみたい。

どれも、ほとんど塩気のない自然本来の味で調理されていた。

きっとこれこそが現地の人のリアルな食事なのだろう。

いままで食べていたレストランは若干ツーリスト向けなところがあったので、卵焼きやビーフシチューなど、おかずは豪華な食材が使われていたわけだが、ここはホンマもんの田舎。

そう、これまでは肉や卵の味にごまかしながら飲みこむように何とか腹に入れていたインジェラであるが、

今回はそんな技も使えない。

正々堂々、おれとインジェラの一騎打ちというわけである!

(なんで飯食うだけでこんなに気合いを入れなければならないんだ…)とか思いながら深呼吸をしてインジェラをひとちぎり。

ダイレクトに味わうその酸味、そしてしっとりびちゃびちゃな食感っ…!!

んん?

あれれ??

いつものような拒絶反応がでないぞ?

衝撃的であった。それはまぎれもなく100%インジェラなのに、ひと口目で胃酸が逆流してこないのだっ!!

シンプルで優しい味の野菜たちを巻いて、手巻き寿司みたいにパクパクいける。

出来立てアツアツを出してくれたので、ホクホクしてるのもあるのかな?

なんか、田舎の母親が昔よく作ってくれた蒸しケーキ(にうっかり砂糖と間違えてお酢入れちゃった)みたいな、

給食で食べる蒸しパン(にレモン絞った)みたいな、

なんというか、素朴で飽きのこないお味。

うん。うん。なんか、懐かしいお味。実家に帰ってきたような気分である。

まるで、これまでのエチオピアの旅の過酷な思い出を、インジェラが優しく包み込んでいくよう。

疲れ切った精神状態を癒してくれる優しい田舎インジェラの味。

何故か俺は故郷を思い出していた。

うぐ…うぐ…かあちゃぁぁぁん!!!

食事を評価する際に「胃酸が逆流してくるか来ないか」が基準になること自体がおかしいわけであるが、 確実にエチオピアで食べたインジェラの中で一番すんなり食べられた!

ほんとにおいし…くはないが、食べログ5点をつけたい素晴らしいインジェラの名店であった。

皆さんも都会の忙しなさに疲れた際は、ぜひシンプルな田舎スタイルのインジェラを味わってみてください。

まとめ

エチオピアの旅で一番おいしかったミートスパゲッティ。
3時間湯がき続けたようなデロデロのパスタに、レトルトのミートソースが雑にぶっかけられた一品。
それでも、慣れ親しんだ味覚は、泣けるうまさであった。

以上!エチオピアの主食、インジェラの特徴的で独創的なお味をオブラートに包み包み紹介しました!

この記事を読み終えたあなたはすでに、そのユニークでファンタスティックな食感と風味、

その魅力の虜となっている事でしょう。

ちなみに僕は旅中、このインジェラのすばらしさに触れた結果、最終的に「1日3食ビスケット」という食生活に落ち着きました。

皆さんもその摩訶不思議な食文化を体験するために、ぜひ一度エチオピアを訪れてみてはいかがでしょうか?

胃酸が逆流するほどの驚きの旅が、あなたを待っている事でしょう。


そんなところです。

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