【香港旅行記その⑤】父ちゃん、病に倒れる!トラブル続きの香港家族旅行な話。
ネイホウ!ぼっちシンガーです。
20代で路上ライブ世界一周、30代は東京で働きつつ音楽活動!
旅と音楽、サッカーなど、好きな事を鼻息荒く語るだけのブログだよ!
これまでのあらすじ。自身の親を連れて妻・ようちゃん氏の地元、香港にやって来たおれ氏。
40年ぶりの海外に驚きつつも香港観光を満喫し、妻氏ファミリーとの会食で親睦も深めたのであった。
しかし、その会食後の帰宅途中、父ちゃんが『寒いな…あったかい風呂入りたいな…』などと不吉な一言。
(香港はこんなに暑いのに…まぁ、じじいになったら体感温度おかしくなるんやろなぁ…)
などと、大して気にしてなかったのだが…!!
④はこちら
翌朝!!
いつものようにみんなより早くに起き出し、一人街を歩く。
この旅のおれの恒例行事『香港朝活』である!
今日は駅の近くの路上で良い雰囲気のコーヒースタンドを発見。軒先に椅子が置いてある。
ふっ…ここはクールに一杯、コーヒーでもしばいていくか。
ハローマスター、いやぁ今日も暑いね。
こうも暑いと、アヒルの汗もダックダックwwなんつてwwwデュフ…デュフフフ…www
あ、コーヒーを一杯。
マスター『はぁ…(くだらねぇ…なんだこいつ)』
フッ…!!
マスターとの何気ない会話のやり取りを楽しみながら、せわしなく通り過ぎる街の景色を流し込みつつ、香ばしいコーヒーの香りに包まれる朝。なんて幸福度の高い朝だ。
今日はきっといい日になるぞ…などと自分に浸っていた時、ようちゃん氏からLINEが。
『パパさんが高熱が出とるから早く戻れ!』
な、なんですとぉぉぉぉ…!!!!
そんなで、呼び名の切り替え時を見逃してこの年になって父親のことをパパさんと呼んでいることなどをブログ内で赤裸々暴露されたりしながら、
朝のチルタイムを強制終了させられ、しぶしぶ宿に戻る!
するとそこには、高熱にうなされる父ちゃんが。
父ちゃん『体温計がないからわからんけど、80度ぐらいは熱でとるんちゃうかな…』
はぁ…(くだらねぇ…なんだこいつ)
とりあえず帰りの飛行機は明日やから、明日までに治らなかったらパパさん一人置いていくことになるからよろしくな。じゃ、おれたちはトラムツアー行くから今日は寝といてくれ。
お前パパさんに向かってなんちゅーこと言うんや!
とりあえずすぐに病院探しましょう!
え~香港最終日ですから観光しなきゃなのに~
お前、ホテル代も食費もぜんぶ出してもらっといてよくそんなことが言えるな!このクズヒモが!!
ちょ…カメラ止めて!!
ようちゃんさん!『両親を香港に招待した親孝行息子・おれ氏』ってイメージでブログ書いてるんですから!ホテル代とか出してもらってることは言っちゃだめじゃないですかっ!
うるせぇなら早く海外保険適用の病院探せや!(足蹴り)
ひ、ひぃぃぃいっぃぃん!!!!
そんなで、カメラを止めた後の会話もしっかり文字起こしされていることなど知る由もなく、
朝のトラムツアーの予定をしぶしぶキャンセルしタクシーに乗り込むおれたち。
外国人受付やってて日本語通訳さんもいるという大きな病院を見つけて、そこに行くことにしたのだ。
病院は、ビクトリアパークを過ぎて山を登った場所にある。
香港とは不思議な場所だ。めちゃくちゃ都会なんだけれど、すぐそばに自然がある。
タクシーは金融街ど真ん中の巨大ビル群を抜けると、すぐに緑豊かで急こう配の山道を登り始める。
日本の山間部の田舎みたいに蛇行した山道、しかし裾野を覗けば、ごくわずかな平地にも所狭しと高層ビルが乱立している。
本当に、山と平地のはざま、人間が住める場所を極限まで活用し続けて開発されてきた街であるのがよくわかる。
ふむ、ここは香港の都市形成について独自のメスを入れて旅情緒にひたって…
などという余裕はまったくなく!!
「酔った…!!気持ちわりい…!!ウプ…っ!!!」
タクシーの運ちゃんのカーチェイスか言うくらいの荒い運転で山道を爆走すること20分ほど。
山の上の立派な病院到着ッ!!!!
まぁ、でも海外の病院だからな~どうせ適当にあしらわれるだけだろうな。
昔インド・バラナシで異次元の腹痛で苦しんだ時、海外保険使って病院いったけれど、
『ストマクエイク?はいはい~次~』
と診察も詳しい問診もなにもなく、『お前それどっから出してきたねん!』って感じの10万年くらい使いまわしてそうな注射器説明もなしに突然ぶっ刺されて終了、
そのくせ点滴中は、海外保険で少しでも稼いだろ感丸出しにチャイやらバナナやらなぞの差し入れがひっきりなしに運ばれてきてたからな…(たぶんあのチャイ一杯を1000円とかで計上するんだろうな)
どうせ香港でもそういう適当な診察だろな…
『Mr.パパさん!ご家族の方もご一緒にどうぞ~』
お!呼ばれた!!は~い!!
イケメンドクター『今回はどうされましたか?(にこにこ)』
『昨日から悪寒を感じてて…今は熱がありそうなんです…』
イケメンドクター『それは大変ですね…海外で病気になるとさぞ不安だったでしょう…せきやのどの痛みは?(心配そうな表情)』
『今のところないです。でも明日の飛行機で日本に帰らなければならないので、なんとか熱を下げたいのです…』
イケメンドクター『なんてこった。重要な問題ですね…そういった事情なら少々強いけれど解熱剤をお出ししましょう。大丈夫、きっと日本には帰れますよ、安心してくださいね。ひとまず詳しい診療をしましょう。口を開けて…』
いや、診察丁寧すぎんかっ!!!!こんな丁寧な診察、日本でも受けたことないぞ!!
ドクターはさわやかなスマイルのイケメン香港人、彼が喋る英語を、通訳の香港人(日本語めちゃうまい)の方が説明してくれるの。
普通発熱外来とか、症状聴いて薬出してハイ終了~とかだとおもうけど、父ちゃんがなんか言うたびに
『それは大変でしたね…』『不安になりますね…』
と、役者ちゃうか!??ってくらいにめちゃくちゃ心配の言葉をかけてくれるのよ。
診察もめちゃくちゃ丁寧で、15分くらいかけてゆっくり診てくれた!
結局コロナやインフルの可能性は低そう、ってなって、解熱剤で熱が下がれば明日には飛行機には乗れるでしょう、とのことだった。
説明も日本語サポートも充実してて、超いい病院でした。
ようちゃん氏いわく、
ここは金持ち向けの私立病院やからな。
香港では金さえ払えばどこまでもいい待遇を受けられるんや。
とのことで、香港の病院全てがこんなに親切丁寧なわけではないらしいが(笑)
まぁ旅行者が海外保険で行くなら少しでもいい病院で診てもらえるとお得だよな。
皆さんも、香港渡航の際はぜひ訪れてみてください!!(できれば行く機会がないほうがいいが)
さて、再びタクシーでティンハウ駅に帰還し、両親は今日はおとなしくホテルで寝ておくことに。
ようちゃん氏とひとまずホテル近くのラーメン屋で遅めの朝ごはんを。
朝はさっぱり牛肉麺やぁぁぁぁ!!!
なんか適当に入った店だったんだけれど、実は超人気店みたい。数分待って入れた。
時短主義で待つことが大嫌いな香港人が、待ってでも食べたい店の味とはいかに…
う、う、うまぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!
やさしいお味のダシ、プチプチと独特な噛み応えの細麺、
そして特大ボロンボロンでゴロゴロ入ったハチノスをギュッと噛み締めれば…
うまい…素朴なんだけれど満足感半端ない…!
朝飯もいいけど、呑んだ後とかにもうまそう…
ようちゃん氏が頼んだ、つけ麺みたいなやつもおいしかった!
激うまラーメン『八寶煮意』!!なんて読むんかはわからんっ!!(笑)
これまたおすすめなラーメン屋です!!
そんなで、朝に予約していたツアーもキャンセルしちゃったし、どうするかな~と思っていた時。
ようちゃん氏がおもむろに言う。
朝キャンセルしたツアー、昼からの部に変更できないか聞いてみるか。
え~~~たしかに直前だったから返金なしだし、もったいないけれど、
そんなワガママ絶対聞いてくれないですよ~~
まぁ香港人はその辺適当やから。ちょっと聞いてみる。
そういってトラムツアーのトラムが発車する駅に相談しに行ったようちゃん氏。
どうせ無理でしょ、と半信半疑でついていったのだが…
『まぁ、お父さんが病気で来られなかったのね!?それなら仕方ないわ!せっかく日本から来てくれてるんだもの!昼からの部に空きがあるから、乗って行きなさい!』
大阪のおばちゃん風の気前のいいスタッフさんに事情を説明すると、なんと昼の部への変更を快諾してくれた!
直前でバタバタしてて連絡なしの無断キャンセルだったし、利用規約にも『当日のキャンセル、時間変更は一切できません』と書いてたのだが…
ありがたや…!!!
ようちゃん氏を見ていても思うけれど、香港人って本当に機転が利くというか、臨機応変なひとが多い印象。
…いや、もしかしたら我々日本人があまりにもルールに縛られすぎているのか?
たとえば、2002年の日韓W杯の時、日本のスタジアムが満員にならないことが世界から問題視されてた時があったのを思い出した。
大人気の試合で見たい人はたくさんいるのに、システムの関係ですべての席をさばき切れず、『それなら俺たちに当日券売ってよ!』と訴える人たちにも『規定で当日券は出せないことになっているから』と突き返した結果、収益も下がり、見たい人も見れない、大会の盛り上がりにも影響を与えたという誰も得しない事態に。
明らかに席がさばけていないなら、その場で機転を利かせてチケット販売すればみんなが幸せになるのに、責任を負いたくない人たちが『ルールでダメってなってるから』とかたくなに拒否し、上に確認します、と許可を求めているうちに試合始まっちゃう、みたいな・・・。
みんな、その判断に対して責任を負うことを過度に嫌いすぎるし、日本社会は「間違いに対する責任を過度に問いすぎる社会」であるな、と思う。
それぞれが自分の頭で考え、その場の最適解を自分の判断で下せるような、そういう臨機応変な柔軟性と、仮にそれが誤った判断だったとして、そのミスを許容する文化が、日本の社会には欠けているなぁとつくづく思うのだ。
まぁその分、組織で一貫した行動ができるっていうのは、日本人の強みでもあると思うんだけれどね。
ふむふむ、ツアーの時間変更を通して、日本社会の問題点を外側から垣間見たような気分になったなぁ…!!
とはいっても、ステレオタイプな文化論の危険性についても我々は常に意識しなければならない…グローバル化が進展する社会では、異なる文化が接触する、その境界線があいまいな中でひとくくりに日本人論を語っても…
何をごちゃごちゃ言うとるんや?
もう出発するらしいからトラム乗るぞ!
とりあえず言いたいことは、トラムの係員さん、臨機応変に対応してくれてありがとうぅぅぅぅうっぅ!!!ってことです!!!!涙
このツアーではトラムで街をめぐりながら、香港島の歴史ガイドをイヤフォンで聴ける仕組みになっている。
清王朝時代の香港はクソ田舎の小さな港町だったらしいんだけれど、1841年のイギリス統治スタートに伴い街が整備され、今の大金融ビル街が形成されたのだとか。
その際に、イギリス人たちがこの香港島側にイギリス人街を作ったため、香港島側だけイギリス風のこの二階建てトラムが走っているんだって。
イギリスの植民地支配というとマイナスなイメージを抱きがちだが、ようちゃん氏はじめ多くの香港人は『今の香港があるのはイギリスのおかげ』であるという認識が強く、香港の自治権を脅かしてくる中国よりイギリス植民地のままの方がマシだ、と考えている人は本当にめちゃくちゃ多い。
ちなみに、太平洋戦争中に4年間だけ日本の植民地支配も受けていた香港だが、英語禁止令や通貨変更による深刻なインフレを発生させたとして、香港人たちからの日本時代のイメージはすこぶる悪い。
しかし、現在では「第二言語か!?」ってくらい街に日本語があふれ、日本旅行や日本製品があふれる香港。
香港人の日本愛は、たぶん日本人よりも強いと思う。
(おれは「親日国」って言葉は上から目線で無礼な気がするので好きではないのだが、世界中回ってきて唯一、香港だけはまじで世界最強の親日国であると感じている。)
大日本帝国のイメージは最悪だけれど、過去のことは過去のこと!と割り切って今の日本を好きになってくれるのは、日本人として申し訳ないし、ありがたいことだなぁとも思う。
そんなで、香港島の歴史を学びながらトラムで終点まで。
そこから少しだけ歩くと、金融ビル街のすぐ横とは思えない、昔ながらな魚の干物屋が立ち並ぶ通りに出る。
ようちゃん氏いわく、この辺りは昔から猫の街としても有名なんだとか!
干物をたくさん売っているから、自然と猫たちが集まってきて、そのねこが店前にいることで観光客がかわいがってお店にやってくることから、店主も率先して猫を飼う文化が出来上がったとか。
そんなわけで、店先で店番する猫たち多数!!
こ、これは猫好きにはたまらない街だ…!!!
そんなで、街の情緒に浸りながら観光終了!
いやぁ朝から病院行ったりでバタバタしたが、無事ツアーにも参加できたし、いい一日になった。
フッ…一時はどうなることかと思ったが、やはりこういうトラブルを楽しんでこそ、旅なのだ。
常に心にゆとりとユーモアのパスポートを。これこそ旅人のエチケットさ。
さて、まだ夕方だし、これからまだどこかに行こうかな…などと考えていた時である!
ピロン!
む!?なにやら見慣れないアカウントからLINEのメッセージが…???
『アドベンティスト病院です。お電話がつながらないため、LINEメッセージしました。パパさん様がパスポートを当院にお忘れです。PM5時の閉館時間までにお越しください!』
な、なんやてぇぇぇぇえぇぇぇぇ!!!!!
現在すでに時刻は16時過ぎっ!!!
明日朝の飛行機なので今日中に何としても回収せねばならない!!
果たして間に合うのか!!?それとも、このままパパさんは本国の地を踏むことなく、香港の藻屑となってしまうのか!!???
長くなってきたので、とりあえずそんなところです。
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