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【セビージャ/スペイン】情熱のフラメンコとうれしくて泣きたくなった話

2020年5月13日

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今日の旅の一曲!Syroup16gの “リアル"!
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靴のかかとで、生音なのに胸を揺さぶられる様な、情熱的なタップがなる!

太ったおばちゃんの、力強い、でも色気さえ感じさせるうねった歌声が響く!

そしてもうどうなっとるんか訳の分からん無駄のない動きの右手から奏でられる、異国情緒溢れる、いやギター弾きからしたらサイケデリックにさえ感じてしまえるギターの音が混ざり合う!

すごい!

フラメンコってやつを、初めて見たんだ。

ここセビージャは、フラメンコの濃い文化を持つアンダルシアでも中心的な街である!

一回見てみたいなぁなんて思ってたんだけど、ツーリスト的なところしか知らなかったおれには、値段が高くて、とてもじゃ無いけど今の稼ぎじゃ無理だなぁなんて諦めてた。

まさかこうして見られるなんて。

今日、本当に素敵な人に出会ったのだ。

セビージャ4日目!

ちょっと焼きすぎな感があるリゾート休暇中のお姉さんを心配の目で見ながら、おれは街を歩いていた!

昨日、路上が全然うまく行かんで深く深くブラジルまで落ち込んだおれ。

今日はリベンジにと……

…ん?ちがうな、今スペインやから、地球の裏側言うたら、オーストラリアぐらいか。えー、どうせならシドニーのチャイナタウンまで落ち込んでラーメン食べて帰りたいな…

昨日、路上が全然うまく行かんで、深く深くシドニーまで落ち込んだおれは、チャイナタウンで、相撲ラーメンをもやし大盛りで2杯も食べて、満足げにセビージャに帰ってきた。

今日こそはリベンジだ!と午後5時!まだまだ太陽が高くて殺人的に暑いが、はやる気持ちを抑えられず中心街へ向かったのだ!

いつも歌うショッピングストリートに出るまでのストリートに、馬鹿でかいチャーチがそびえ立っていて、市電の駅が近いからか、観光客もちらほら歩いている。

生音でやるには、かなり道幅が広いんだけど…

やってみるか!

ギターを置いて、歌いだすんだけれど、

うーぬ、だめだ、遠いからかな、見向きもされない…

広々としたスペースで、のびのびとは歌えるんだけれど、レスポンスがないとどんどんと表情や、音楽の温度が下がっていくのが自分でわかる…

バカ野郎!自分の中で盛り上がってりゃいいんだよ!

なんて弱音気味な自分を蹴飛ばすんだけれど、昨日の記憶がどんどんよみがえってきて、なんだかスランプ気味だ…

とんでもない暑さにもやられて、40分くらいやって地面に尻をつけた。

うーん…うまくいかん!

3ユーロくらいしか入らなくて、移動!

いつもの歩行者天国の、ショッピングストリートへ!

わ!だめだ!いつもやってる場所にフルート吹きが!

むむ!こっちのザラの横には物乞いが…

行き場所をなくしてしまったおれ。

トボトボとあたりを歩いていると、ストリートの交差点ど真ん中のタバコ屋が、今日は休みなのかシャッターが閉まってる!

いつもなら絶好の場所!なんて思うんだろうが、ラーメン食べるほど落ち込み気味だったおれはなんか自信が無くなってて、

おれなんかがこんなとこでやっていいんだろうか…

とか弱気になって、ギターバックを置いたものの、なかなか取り出せない。

(大物ミュージシャンが後で来て、追い払われるんじゃ…

このど真ん中で、みんなおれなんかの音楽より、地元ミュージシャンのを聴きたいんじゃないかな…)

とかいつもの様にうだうだと…

うるせぇうるせぇ!!やりもせんで、最初から諦める準備してんじゃねぇ!!!負けるか負けるか負けるか!!

やっとの思いで、ギターを取り出す!

そんな心配も全部、じゃらんとGコードを鳴らせば、ふわりどうでも良くなるんだけれど。

30分くらい歌った時。

なかなか立ち止まって見てくれる人はいなかったんだけれど、前を通り過ぎようとしたアジアンのお兄さん2人が、パッと歩みを止めて見て行ってくれる。

腕組んで、ニコリ笑いながら、でも目はしっかりおれを見据えて聴いてくれるもんで、なんだかチェックされてるように感じてちょっと緊張!

「アーイムヤーァァズ!」じゃらーん!

パチパチ

「ナイスだよ!」

と、コインを落としてくれる。

見た目は中国人っぽい、サングラスかけた旅行者っぽいにいちゃんと、ラフなスタイルのにいちゃん。

その、ラフなにいちゃんの方が、上手な英語で話し出す。

「日本人なんだね!日本語の曲は歌わないの?」

「うーん、日本でいる時は歌うんだけれど、海外じゃみんな分からないから、あまり歌わないんだ。」

「そうかー、でもスペインみたいな非英語圏だと、そうとも限らない。英語の歌はブリティッシュやアメリカンが歌えばいいし、人々は文化のエクスチェンジを求めてるかもしれない。」

「そ、そうですかね。」

「あと、君のポジション。いい場所だけど、もうちょっと前に出た方がいいかもね。なぜなら、横断してくる人が遠くから、この角度からでも君を見られたら、いいと思った人が小銭を用意する時間を作れるからね!」

「おぉお、なんだか専門的ですね!あなたもギター弾くんですか?」

「いやぁ、実はね、僕も10年前、君みたいに音楽で1人、ヨーロッパを旅してたんだ!」

「な、なんですと!!」

なんと、香港出身だというこのお兄さんも、おれと同じく26歳の時に世界中をギターを弾きながら旅してたのだそう!

そしてその時に、ここスペインのセビージャを訪れて、フラメンコギターに出会い、虜になった彼。

そのままスペインに学生として住むことを決めて、フラメンコギターの学校で2年間、勉強したんだという!

その後、香港に帰ってフラメンコギターの専門学校を開校し、

しかし校長として、もっとテクニックを勉強したい、と、数年前からまたここに戻って、勉強中なのだそうだ!

しかも、偶然にも、最初の学生時代に出会ったというフラメンコダンサーの奥さん、まさかの日本人らしい!

「だから日本のことはとてもファミリアなのさ!君の姿を見つけて、僕の目にはあの日の自分に写って、声をかけてしまった!」

「おおぉぉ!!嬉しいです。」

お兄さんの名前はペニーさんと言った!

もう一人のサングラスの、ユェンさんは短期旅行で彼を訪れてやってきてるんだと言う。

彼に街を紹介がてら、ブラブラ歩いているとおれを見つけたというわけだ!

「きみは、フラメンコはもう見たかい??」

「チケットが高いから、まだ見れてないんだ。」

「なんだって!それはもったいない!ここセビージャはフラメンコの最も大切な街なんだ!そうか…ちょっと待ってて!」

一瞬悩んだような顔をして、それからどこかへ向かおうと歩き出すペニーさん。

「また戻ってくるから、ここで歌っててよ!とりあえず一曲、日本語の歌歌ってみなよ!」

なんて、少し進んで立ち止まって、おれに言って、またくるりと向こうを向いて行ってしまった。

ユェンさんも、よく分かんないような顔をしながらも、彼に続く。

どういうことだ?

なんて思いながら、ポツリ残されたおれはとりあえず言われた通りに日本語で歌った。

歌いたい歌がとっさに浮かばなかったので、早いカッティングのリズムに乗せて、適当にキレのいい言葉を乗せて歌ってみた。

おねぇさんが笑顔で立ち止まってくれて、コインを投げてくれた!

なんか嬉しくなって、ぐんぐんとスピードを上げて、二度と歌えないようなアドリブの言葉を混ぜて、リズムを刻んだ!

学生たちがドバッと押し寄せて、おもしろがってポンポンとコインを投げてくれる!

自分の中枢がどんどん音楽にのせた言葉の洪水に満たされていくような、なんといったらいいかわからんけど、とりあえずキマってた。

嬉しくなってしばらくその一曲を無駄に引き伸ばして歌っていると、彼らが帰ってきてるのが見えた!

適当なところでジャガジャーンと曲を終わらせた。

久々に日本語の曲を歌ったけど、母国語な分、リズムにはまると、自分の中で浸りきれるから楽しいなぁなんて思った、

次から、日本語の歌もどんどんやっていこうかな…

ペニーさんに気づかせてくれてありがとう!って伝えよう!

なんて考えながら、彼らを見る。

すると、にっこり微笑んだペニーさんが近寄ってきて、言った。

「9時のスタートで、フラメンコが始まるから!行こうか!」

え?

ペニーさんが笑って、親指で向こうを差しながら言う。

「いや、でもおれチケット持ってないし…」

「大丈夫!お金はいらないよ!」

「え!!?なんで??で、でも」

「僕はどうしても、きみにフラメンコを見せてあげたい。きみは僕と出会えたからね、このラッキーは受け入れないといけないよ!」

おれは眼をぱちくりした。

一秒間に300ぱちくりはしてたと思う。

な、なんということか…!!!

彼らについて小さな路地を進むと、小さな映画館みたいな雰囲気の建物があった。

ペニーさんに渡されたチケットを見せて中に入る!

西部劇の撮影セットみたいな、古い街のバーみたいな装飾がされた風景をバックに、木でできたステージがあり、それを囲むように観客用の椅子が並べられていた。

「フラメンコって音楽は、例えるならロックみたいなものさ!ロックにも、ハードロックからブルース、パンクなんかあるように、フラメンコにもたくさんの種類がある。それも、地域性によって色があるんだ!」

「歌っている事は、友情や恋愛や、よく他の歌でも歌われるような歌詞なんだけど、スペイン人の気質を表すようにとにかく情熱的なのさ!」

いろいろと、フラメンコについての説明を聞いていると、会場が暗くなり、BGMが止まる。

拍手に包まれて登場する、ワイシャツ姿のギタリストと、太ったおばちゃん。

そしてダンサーの、これでもかと艶やかに化粧をした真っ赤なドレスの女の人と、西部劇にでも出てきそうな、クサいくらいに決めたピチピチパンツの男の人。

上品な雰囲気じゃなく、はじめはバーで飲んどるのかいなという感じで雑談なんか始めるんだけど、BGM代わりに弾かれていたギターの音が徐々に大きくなっていって…

タタン!!タタンッタン!!!

胸に響くような、鋭いタップを刻み出すダンサー達!

おばちゃんの歌声が重なって、ギターが激しさと繊細さを増していく!!!

観客も含めて、和やかだった空気が一気に、音楽の世界へ引きずりこまれていく!

すごい!

ギターもそうとうな凄技なんだけれど、とにかくダンサーの人達の、表現力に痺れる!

彼らはなにも言葉を語らないんだけれど、ダンスで全て伝わってくるのだ!

曲によって、恋人と過ごす華やかで愛しい日々や、

かおの表情や、崩れ落ちるような全身の動きで表現される、悲しさが伝わってくるものや。

その表現力に、しびれてこっちも泣きそうになる。

思わず体が揺れる。

鼓動とリズムが一体化する。

美しいなぁと思った。

血液が巡るリズム!情熱!感情表現を100パーセントでやると、こんなにも美しい。

必死なのはカッコ悪くねぇ、むしろその逆

なんでか、Syroup16gというバンドの歌詞が浮かぶ。




最後の、ダンサー2人のコンマ一秒もズレないタップの音が響き、スタンディングオベーションの大歓声が観客席から沸き起こる。

感情表現に満ち溢れた、痛いくらいに華やかな、しかし繊細な時間。

あっという間に時間は過ぎた!

ペニーさん達に、本当に素晴らしかった!と鼻息荒く語りながら、会場を後にする。

少し歩いたところで、また別のハコ(ライブハウスみたいな感覚なのだ)の前で、係りの人と親しげに何か話してるペニーさん。

「今、ここでも別のグループが演奏してるんだけれど、彼が特別に、入れてくれるらしい!ラッキーだね!行こう!」

ええええ!!


な、なんという贅沢!

フラメンコのハシゴである!

なにやら、このグループのギタリストはペニーさんのギターの先生をしていた達人らしく、彼の顔で、おれらまで通してくれたのだという!

こっちのハコはより小さくて庶民派って感じで、さっきの説明の通り、また違った曲調の少しゆったりめの曲をやっていた!

しかしとにかく、こちらも情熱的!

ここのライブハウスは相当な老舗らしく、壁には往年のフラメンコ奏者のギターが飾られてた。


1800年代とかのもあって、たまげる…!

なにやら、この辺りにはこういうフラメンコのライブハウスが何軒もあり、でもそれぞれのハコが専属のフラメンコグループを持っているという訳ではなく、週替わりとかでグループに出演依頼を出しているらしい。

つまり、フラメンコグループのそれぞれはフリーランスで、上手いグループはいろんなとこから声がかかるという完全実力主義の世界らしい。

そんなで、街の至る所では、そんなフラメンコグループの卵といった人達が、夜な夜な路上でバスキングしてたりする!

二軒目を出た時に、チャーチの前でやっていた彼ら。

いや、全然レベル高い…!!

「ラッキーだったね!3組もフラメンコを見られるなんてね!」

「全てはあなたのおかげです!ウオォォなんて日だ!」

信じられない展開に大興奮のおれ。

もうすっかり日も暮れて、時刻は11時半。

晩御飯に、6ユーロでピザ食べ放題をやってるらしい、ドミノピザに3人でやってきた。

「うぎやぁぁぉぁうまい!!最近、30セントのパンに60セントのツナ缶挟んで食べるしかしてなかったから、あったかいフードがこんなに美味しいなんて!うぎなぁぁあ!!」

「よく分かるぜ!おれもあの頃は食パンばっかり食べてたなぁ!本当に、君を見てるとあの頃の自分みたいだよ!」

彼は懐かしそうに、ケータイでYouTubeを開いて、動画を見せてくれた。

10年前、まさしく今日おれが最初に歌ったチャーチの前で、飛び跳ねながら広東語で歌う彼。なにやら地元テレビに取材を受けた時の映像らしい!

「このころ、おれは本当に悩んでたんだ。何もかもうまくいかなくてね。お金もなかったし、もう香港に帰るか、飛行機代を削ってでも旅を続けるか。まさしく命がけの選択だよ!

おれは空を見上げて、神様に尋ねたんだ。どうするべきか、教えてくださいってね。そして、コイントスをした。表なら旅を続ける、裏なら、もう帰ろう。三回投げたんだ。

…三回とも、表だったんだ!

神様、本当に正しいんですか?なんて尋ねて、もう三回。全部表だった!

やるしかないって、強く思ったんだよ。」

彼は思い出を噛みしめるように、語ってくれた。

結局、その後旅を続けるなかで、優しい現地の中国人のおじさんに泊めてもらったりお世話になって、その人に連れて行ってもらって初めてフラメンコも見たらしい。

その時のフラメンコとの出会いが、結婚や仕事、彼の人生の全てを変えた訳である。

きっと、ここまで彼を導くための、神様の引いた運命の糸だったんだ。

それに必死に食らいつき、たぐり寄せた結果なんだろうな。

音楽、そして、旅。

この2つは、とんでもない力を持ってんだ。

ペニーさんの熱い話を聞いて、単純だけど、すげぇ…と思った。

おれも負けられん!

とか、なにに勝つのかもよくわからんが、熱くさせられる。

昨日まで重く抱えていたあれこれが、なんか少し軽くなったような気がした。

ピザの方は1人1ホール(ってカウントするの?)分食べたあたりから、みんなもう限界って感じで、手が止まった。

もともと一ホール(であってるの?)が6.5ユーロらしいので、食べ放題でも同じか。よく出来てるな。

まぁとにかく久しぶりに満腹だぜぇぇ!!

と、満足してお金を払おうとすると、

「良いよ!お金ないだろう!」

と、出してくれようとする。

フラメンコも見せてもらったのに、ご飯まで…とか思ったけれど、

「おれも、10年前、本当にいろんな人にお世話になったんだ!おれはそのカインドを返す必要があるのさ!これはおれの義務なんだ。」

と話してくれる。

そうか。ならおれも、日本で腹すかしてる外国人にうまいもん食わしてやろう。

ありがたく、そのバトンを受け取る事にした。

やっと冷えてきた夜の街を歩いて、今日は本当にありがとう!と、2人と握手をした。

別れ際、ペニーさんが全部見据えたような表情で、言う。

「バスカーとして旅をするのは、苦しいだろ?」

「え!はい…」

「そして、すっごく孤独じゃないかい?」

「その通りです。なんで分かるんですか?」

「分かるさ!おれはきっと、君の全てを知ってるよ!ははは!

…でも、音楽は好きなんだろう?」

「もちろん!」

「それならいいんだ!その苦しさは、なにも間違っていないよ!キープゴーイン!」

…なんだか、ここ最近の事とか思い出して泣きそうになる。

歩きながら話してたんだけれど、ぐっと込み上げてくるものがあって立ち止まっちゃった。

最近、ずっとスランプ気味だった。

音楽もそうだし、旅自体、しんどい思いばかりできつくて孤独で、早く日本に帰って、心配の少ない穏やかな暮らしに戻りたい!と思ってた。

旅って、楽しむもんだろ?なんでこんなにしんどいんだよ?

なんて、思ってたけど。

全部、意味がある事なんだ。

無駄なんてねぇ。這いつくばって生きようが、必死なのはカッコ悪くねぇ。

あきれるほどのリアルを、おれは生きてやるんだ!

最高にハートフルな心で、自転車で去っていく彼らに大きく手を振った。

ありがたい。本当に素敵な出会いだった。

そんなところです。

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Posted by gamoyuki