【カマタマーレ讃岐】勝利のおじさんになりたかった話

ナマステ!ぼっちシンガーです。
香川県発、路上ライブで世界一周の旅や東京生活を終え、地元香川にUターン!
旅や音楽、香港人妻氏との日常について語るブログだよ!
9月某日!!
水色に歌舞伎柄をあしらったカマタマーレ讃岐のユニフォームを身にまとい、背中にはギター。
「サッカーを見に行くんか? 路上ライブをしに行くんか?それともただの変質者か?」
そんな、目的地も素性もまるで判別できない滑稽な装いで、高松市内を意気揚々と闊歩する男がいた。

そう、俺である。
本日は、我が愛する地元Jリーグクラブ・カマタマーレ讃岐の試合前イベントで、
なんと弾き語りライブで歌わせてもらえることになっているのだ!!
ステージでは、ご当地アイドル・MEiSM(メイズム)さんとの夢の対バン(というかおれは前座)
そして試合終了後には、夜空を彩る美しい花火まで打ち上がる予定だという…!!
歌って、サッカーを見て、花火を眺めながらビールを飲む。
なんやこれは!!
俺の好きなものを全部ひとつの鍋に放り込み、強火で煮詰めるような一日ではないかッ!
きっと、そうだな…俺の歌声に勇気をもらった選手たちがピッチを躍動し、カマタマーレ讃岐が劇的勝利。
試合後にはサポーターのカマタマキッズたちが俺のもとへ殺到し、
「ありがとう、勝利の女神…あ、ちがった!おじさんだった!」
「ありがとう、勝利のおじさん!」
と、ヒーローをたたえる黄色い歓声を浴びる可能性だって、決してゼロではない。

DAZNで本日のMOMインタビューまでされたらどうするかな…!!
ふっ…中学時代から練習してきたサインを披露する時がついに来たか…!
などと電車に揺られながら、あまりにも完璧すぎる一日を妄想していたのである。
そんな今日の対戦相手は、今年Jリーグ初参戦の新参クラブ・レイラック滋賀。
あのJ2経験者松本山雅や群馬に勝利しているとはいえ、J1年目の若造に我々饂飩集団が苦杯をなめるわけにはいくまい…!!
ここはJリーグの先輩として、Jリーグの壁は高いんだなぁ…と滋賀サポさん達に思い知らせたらなあかんっ!!!!
がはははははっはは!!!!
Jリーグに(毎年ギリギリ)10年生き残ってきた我々カマタマーレの底力を、その歓喜の声を!
声を3玉にして(大にして)叫び散らかしたるぞぉぉおぉぉぉぉ!!!!!
もくじ
いざ戦いの舞台、丸亀メグリオスタジアムへ

などと、このあとJFL上がりのバキバキの強さを無様にも見せつけられることなどこの時は知る由もなく、
滋賀さんをしっかり煽っては伏線を丁寧にまきちらしつつ、
電車内でにやにや妄想を繰り広げ「おまわりさんこっちです!」と変質者の通報を受けながら到着!!
丸亀駅!
リハーサルもあってスタジアム行きのシャトルバスがまだない時間だったので、路線バスに乗ったんだけれど、
バス停で第一滋賀サポさん発見!!
お互いユニフォーム姿ということもあり、自然と挨拶して始まる会話。
あぁ、いいなぁ。サッカー好きというただそれだけで、見ず知らずの人たちといきなり仲良くなれるこの感じ。
こういう何気ないコミュニケーションが、Jリーグがこの街にある価値の一つだと思うのです。
レイラック滋賀のホームスタジアム「鳩スタ」は、アウェイ席から彦根城が見える駅ちかスタジアムで、
「もつまみ」っていうスタグルがたまらなくおいしいらしい…!!!
行きてーーー!!!超行きて―!!!!
有名な観光地を巡るだけでは分からない、その土地ならではの景色や文化、そしてスタグル情報。
そういう話を聞くたびに、まだ見ぬスタジアムへ行きたい欲がどんどん膨らんでいく!
名も知らぬ滋賀サポさん、いろいろなお話を聞かせてくださり、ありがとうございました!
そして滋賀サポの皆さんにも、ここ香川でのJリーグ旅を存分に楽しんで帰ってもらいたいものだ。

そんなちょっとした出会いを経て、いよいよスタジアムいり!
まずは本番に向けて、ステージでリハーサル。
時刻はまだ試合開始の5時間以上前。
にもかかわらず、スタジアムの周囲では、すでに大勢のスタッフやボランティアの皆さんが慌ただしく動き回っていた。

テントを立てる人、看板や柵を運ぶ人、来場するサポーターを迎えるため、黙々と会場を整えていく人たち。
おれたちは普段、チケット代を払ってスタジアムへ行く。
だから無意識のうちに、「お客さん」のような気持ちで試合を見てしまうこともある。
けれど、Jリーグという文化は、決してクラブや選手だけで成り立っているものではない。
街を挙げて、地域の人たちが力を貸し、たくさんのボランティアの皆さんが時間と労力を注ぎ、一つの試合をつくり上げている。
おれたちサポーターも、ただ用意されたものを見に行く客ではなくて、声を出して、手を叩いて、街でクラブの話をして、できる範囲で一緒に盛り上げながら、このJリーグという文化をつくっていく一員なのだ。
などと、そんな感覚を持てることが、おれはなんだか嬉しい。
ピッチの上だけを見ていたら気づけない、たくさんの仕事と努力がある。
その見えない部分への感謝だけは、サポーターとして絶対に忘れないようにしたい。
本当にいつもありがとうございます!

そんなことを考えながらリハーサルを終え、小休止!
控室も用意してくださって、ありがたやー!!
そしていよいよ本番20分前!ここは最終チェックとのどのメンテナンスを…
どんどんどん!!「カマータマーレ!!」
くっ…試合2時間前の選手バス入場か…!!バス待ちの応援も行きたいがここはライブの準備を最優先に…
「讃岐!!アレ!!讃岐!!アレ!!」
‥‥!!!!
うおぉぉぉぉぉぉ!!!サポーターなるもの、選手のスタジアム入りから選手を鼓舞せねばっ!!!!

そんなで、ライブ開始直前選手バス待ちの輪へ突撃!!
「本番前に声、枯らさんようにね!」
周囲の皆さんから至極まっとうな心配をされながらも、太鼓に合わせて思いっきり飛び跳ね、腹の底からカマタマーレコールを叫ぶ!やっぱ応援は楽しぃぃぃぃぃ!!!
そして無事に選手バスを迎え終え、満足していた俺は、すぐさまステージへ駆け戻る!!
気合入ってきたでぇぇぇぇぇ!!!!!
ミスしまくり!語りすぎ!でも最高に楽しく歌えた!!

そして、ライブ終了!!!うわぁぁぁぁぁ!!!めちゃくちゃ楽しかったぁぁぁぁぁ!!!
正直、こんなにもたくさんの人がステージの目の前まで集まってくれるとは思っていなかった。
声援を送ってくれる人、手拍子をしてくれる人、俺の呼びかけに、元気よく掛け声を返してくれる人…
正味前日までは、「ライブ始まっても誰も集まってくれなかったらどないしよ・・・」などと心配してたんだが、
ステージから見える景色は、想像していたよりもずっと温かかった!!
ただし、反省点も山ほどある。この日のために何度もスタジオへ入り、本番を想定しながら、曲順からMCまで何十回と練習を繰り返してきた。
しかし、いざ野外のステージに立ってみると、雰囲気がまるで違う。
目の前には予想以上の人、心細くなるほどのただっぴろさ、少し震える足元…めちゃくちゃ緊張する!!
練習では身体に染み込んでいたはずの動きが、脳内から一斉に消えて真っ白になっていく恐怖。
ところどころ歌詞が飛び、ストロークもミスしてしまったのが悔しい…
しかし、そんなガチガチになっていた俺を救ってくれたのが、いつもスタジアムで顔を合わせるサポーターの皆さんだった。
知っている顔の皆さんが手拍子やコールをくれ、ポジティブな声を飛ばしてくれている!
その声を聞くたびに、張り詰めていた緊張が少しずつほぐれ、どんどん気持ちが音に乗っていった!


もしかすると、ピッチの上での選手たちも、こんな気持ちなのだろうか。などと思った。
試合前は、「本当に自分にできるのか」と不安になる。
それでもスタンドからコールを叫ばれ、前向きな声を浴びることで、少しずつ身体が動き始める。
応援の力というものを、おれはこの日、選手ではなく歌い手として全身で味わった気がするのだ!
見てくれた皆さんが本当に楽しんでくれたのかは、おれには分からない。
けれど少なくとも、あの場所で一番楽しんでいた人間は間違いなく俺だった!!
途中から完全に調子に乗り、気持ちよく歌い、自分でも驚くほどペラペラと語り始めた。
普段は話ベタの陰湿おじさんのくせに、テンションが上がるとキモオタのように自分語りを語り始める…!!ぎゃぁぁぁうぜぇぇぇぇ!!!(思い出死)
それでも、俺が伝えたかった言葉に、皆さんがたくさんのレスポンスを返してくれてうれしかった!
ずっと胸の中にあったカマタマーレへの思いを、きちんと言葉にして届けられた気がするのだ!
みなさんに支えてもらいながら、一生の思い出に残る最高のステージにすることができた。
本当に、本当にありがとうございました!

ライブを終えた俺は、わざわざ歌を聴くために駆けつけてくれた地元の友人、うどんYouTuber・ヤグタウンたちと合流。
「いいライブだったぞ!ほれ!」
とビールを差し出される。
くっ‥‥気が利くじゃねぇか…!!!!!
ライブ終わりのおじさんにさりげなくビールを差し出せる男ってのは、
さりげなく歩道を歩いてくれるイケメンと同等のモテスキルなんよ…!!!!
などと、おじさん同士恋に落ちあいながら、乾杯っ!!!

うっっっっっっま!!!!!
冷えた神々の聖水が、ライブで乾ききった喉を駆け抜け、祝福のファンファーレを打ち上げていく!!
そして、つまみは揚げたての「かまコロ」。
サクサクの衣をかじり、熱々の具をビールで流し込む!!
最高だぜ。今日という日は、まだ試合も始まっていないのに、すでに優勝している!!
ビールを飲みながら、今度はMEiSMさんの華やかなステージを楽しむ!
自分のライブを終えた解放感もあって、もう完全にただの酒カス酔っ払いサポーターである。
さあ、いよいよスタジアムの客席へ!!
ここからが本番や!前節は鹿児島を相手に、あれだけええ試合ができたんや!
レイラック滋賀にきっちり勝って、Jリーグの先輩としての威厳を見せつけたるんや!!!
勝利のおじさんに、おれはなるっ!!
うぉぉぉおぉかまーたまーれ!!!かまーたまーれ!!!!!

レイラック滋賀に「Jリーグ1年生」の強さを見せつけられる

「うわぁぁぁ、綺麗だなぁ……!」
「たーまやぁぁぁぁ!!!」
おれたちは、丸亀の夜空に次々と打ち上がる花火を見上げていた。
スタジアムのすぐ近くから打ち上げられているため、想像していたよりもはるかに近い!
ドォン!!! という腹の底まで響く音とともに、大輪の花が夜空いっぱいに咲き誇る!
片手にはビール。頭上には、鮮やかな花火。そして隣には、一日をともに楽しんだ仲間たち。
おいおい…最高の夏の終わりやんけ。
夏の暑さが少し遠ざかり、夜のスタジアムには、ほんのりと冷たい風が吹き始めていた。
その風が肌をなでるたび、「ああ、今年の夏も終わりか」と、少しだけ切ない気持ちになる。なんとも言えない、くすぐったい気持ちで、最後の花火を見送った。
いやぁ、よかった。本日の「スタジアム花火大会」。
楽しいライブがあり、うまいビールがあり、最後にはこんなに美しい花火まで見られた!
大満足である。
それでは皆さん、お疲れさまでした!!また次の記事でお会いしましょう。
……
…………
飲み込んだビールは、ほんの少しだけ涙の味がした。
そうであった。試合であった…!!
花火があまりにも綺麗すぎて、一瞬すべてを忘れかけていたが…
我々カマタマーレ讃岐は…レイラック滋賀に…
0対3で敗れたのである…!!!

ぐうの音も出ないほどの完敗。
勝利の女神ならぬ「勝利のおじさん」になる予定だった俺は、一夜にして「完敗のおじさん」へと成り下がっていた。ちくしょおっぉぉぉぉぉぉお!!!
とりあえず、レイラック滋賀が強すぎな。
JFLから昇格し、Jリーグ1年目を戦っているクラブとは思えないほど、個々の技術も攻撃の完成度も高い。
ボールを持ったときの判断は速く、パスは正確。こちらが少しでも隙を見せれば、洗練された攻撃で一気にゴール前まで運ばれてしまう…!!
試合のほとんどの時間で主導権を握られ、カマタマーレは最後までまともに自分たちの形をつくらせてもらえなかった…!!
ちくしょぉぉぉぉぉ!!!!強すぎんだよレイラック!!さっさとJ2行きやがれっ!!
しかし、やっぱり気になるのは毎度毎度の後半立ち上がりの失点である。
「さあ、ここから巻き返すぞ!」とスタジアム全体が気持ちを入れ直した矢先に失点してしまうと、あまりにも苦しくなる。
なんかこの症状に効く特効薬とかないんか??ザグザグとかで売っとるやろか…??

もちろん、おれたちサポーターだって気を抜いていたつもりはない。声を出し、手を叩き、最後まで選手の背中を押したつもりだ。
それでも勝利まで届かなかったということは、まだ俺たちの声が足りなかったのか…
くっ…力不足でかたじけねぇ…!!
しかし、Jリーグはまだまだ序盤!これで終わりではない!
思いっきりのどをからして歌った後のビールが最高なように、悔しさが溜まれば溜まるほど、勝利の瞬間は気持ちいいんだ!
今回は叶わなかった「勝利のおじさん」に、今度こそなってみせるぞぉぉお!!
(ですので、カマタマーレ讃岐さん、よろしければ、また試合前イベントに呼んでください。)
試合には負けてしまったけれど、この日は俺にとって、間違いなく一生忘れられない一日になった。
大好きな地元クラブの試合前に、自分の想いを伝えられたこと。
スタッフやボランティアの皆さん、出演者の皆さんと一緒に、一つの試合を盛り上げられたこと。
そのすべてを、心から誇りに感じられる。
この一日に関わってくださったすべての皆さん、本当にありがとうございました!
最高な夏の終わりでした!!
試合結果以外はなっ!!!(号泣)
次は勝たせるぞぉぉぉおぉぉぉぉっぉぉおぉ!!!!!!

そんなところです。
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