【リマカ~ツルミへヒッチハイク】ついに!最終目的地ツルミ到着と、ヒッチハイクで因縁の対決の話
ひゃほぅぅぅぅぅ!!!!!!
風を受けて、かけるぜサバンナのドライブ!!!
ビールの瓶を大量に積んだトラックの荷台に乗って、おれはエチオピア南下の旅の最終目的地、ツルミへと向かっていた!!!!
昨日、詐欺集団のミニバンにリマカというようわからん田舎町に振り下ろされたおれ!
そして今朝、おれはそこからツルミへ向かうトラックのヒッチハイクを敢行!!
小さな頃からそんな事したら危ない危ないと過保護に育てたれ続けたガモさん in the boxなおれ。
何を隠そう27歳にしてヒッチハイク処女だった訳であるが、今日!ついに大人の階段をまた一つ、登ったわけである!!
地元のにいちゃんも手伝ってくれて、ツルミへ続くひたすらの未舗装道路の端っこで、秘境へ向かう数少ないトラックを待つ事10時間・・
とか言いたかったが、ものの5分でビールを運ぶ大型トラックが止まった!!
ヒッチハイクと言ってもここはアフリカ!乗せてもらう分には金を払うのが一般的!
「50ブルで!50ブルで乗せてくれっ!」
「だめだ安すぎる、150払え!」
「金ないんだよ!頼むよ!」
「だめだ!」
っと一度は通り過ぎたものの・・
10メートル走ってまた止まった。
「今回だけだぞ!乗れ!」
まじで!?アザーッスすすすすすす!!!、
ロッククライミングみたいに、デケェトラックの荷台によじ登ると、すぐさまにフルギアで駆け出すトラック!!!
うぉぉぉ待って!待ってまだ心の準備が!!
トラックの荷台部分にはビールケースが大量に積まれて山になっており、振り落とされたら支えなんて皆無、必死にビール瓶にしがみつくっ!!
ガコングゴン!!!!!
あっ!!
あーっ!!!!
未舗装道路を掛けるトラックの、振動の度に、ビール瓶がおれのア◯ナルをっ!!ア◯ナルを刺激するっ!!!
あっ!!
いやっ!!
やめてっ!!!
初めてなのっ!!!!
優しくしてーっっっ!!!!!!
しかし、最初ばかしは、初体験のおれにとってはなかなかなハードなプレイに苦しめられた訳だが、こう、お尻の穴で「へ」の字を書くようにぎゅっと力を入れて、ビール瓶からの力点を作用点にフレミングの法則をすると、だんだん慣れてきたっ!!!!!
荒野をかける風が全身にビシビシと伝わってくるっ!!!
気持ちいいーー!!!!
なんかヒッチハイクだけで世界を旅してるひととか話聞くけど、わかる!分かるわこの、自分で捕まえた車で大地をかける開放感に酔う感じ!
最高の「旅してる」感っ!!!!、!
こりゃ、病みつきになりそう!
私、やめられないわー!!!!!
と、取りようによっては官能小説でも発行できそうな快感に酔いしれながらひたすらに伸びる一本道をかけていると、別のヒッチハイカーがトラックを止めた。
ん?
よじよじと登ってきたがきんちょ。
この子、どっかで見た事あるような・・
「よう、調子はどうだい?」
見下した態度で流暢な英語を話してくる・・
こ、こいつはっ!!!!!!
さ、詐欺集団バンのガキだぁぁぁぁぁぁあーーーー!!!!!!!
そうっっ!!!!
昨日、ツルミまで行くはずだったバンで、砂漠のど真ん中まで来たとこで、おれに500ブルという破格の値段をふっかけてきて、結局おれは一個前のリマカで降ろされる事になった、元凶のガキ~!!!!
この野郎なんでこんなところにっ!!!!
あの時の激しいバトルで負った憎しみの悪霊を宿す呪われた右腕が、いにしえより伝わるナイトサーベルの剣を引き抜かんとするのを左手で必死に抑え、おれはブログの手前、平静を装う!!!
「よ、よう、調子はどうだい?おれのこの右手が、剣を抜くまでにおれの前から失せねぇと、そこに並んだ空のビール瓶にお前の新鮮なレッドアイをぶち込んで出荷する事になるぜ・・!?」
「ま、まぁまて!そんな事ばっか言ってるから、いつも、中学高校の同窓会、呼ばれないんだぜ?もう過ぎた事じゃないか!楽しく行こう!な!」
「う、うるせぇ!呼ばれたってどうせ仕事だから行けなかったんだよ!!!くやしくなんてない!くやしくなんてないんだ!!!」
乗り込んできた昨日の詐欺ガキは、今日はやけにフレンドリーでおとなしく、昨日の敵は今日の知人、といった感じで拍子抜けした。
な、なんだよ!!また昨日みたいに金よこせ!貧乏人!とか言うてきたら、正当防衛ということで力づくでバスから降り落としたとてブログに書く時の説明にもなるのに・・!!
そんなで、サラサーティーコットン100並みの爽やかイケメンな性格で命拾いをした詐欺ガキと、体の半分がゴキブリホイホイの粘着面で出来ている練り物系シンガーのおれを乗せたトラックは、ついに三十分後、ツルミに到着!
おお!!!
ここがツルミかっ!!!!
やったーーー!!!到着だっ!!!!
ずっと(言うて一週間ぐらいやけど)ここを目指してローカルバスを乗り継ぎ、時にナンキン虫に食われ、時に詐欺集団にやられ(まだ言う)、南へ南へ、やっと辿り着いた最終目的地!
かなりきつい旅だったが、なんかこの一週間でおれ自身かなり強くなった気がする。
ヒッチハイク処女も卒業したし、クソ詐欺集団バンにやられた時も(まだ言う)、昔のナヨいおれなら、「えぇーなんでなんかなぁ?おかしいと思うけど・・はい、すいません払いますという・・」と丸め込まれていた気がする。
ツルミに特にこれといって何があるわけではないが、ここを目指すまでの過程が与えてくれたものはとてつもなく大きいような、そんな気がした。
詐欺ガキが、安くて綺麗な宿があるよと案内してくれた。
あとでチップでも要求してくるんだろうと思っていたが、「じゃあな、良い滞在を!」と爽やかに去っていった。
ありがとう!もう君は詐欺ガキなんかじゃなく、爽やかレモンの生ガキだ!
電気もなければ水もない秘境だ。
雨水を貯めたタンクから水をもらい、シャワーを浴びた。
なんか、日本なら当たり前に、飲めるぐらいきれいな水が出て、お湯が出る。
ここでは、バケツ一杯分の、ちょっと葉っぱが浮いてる水、それだけで、体を洗って髪を洗って、歯を磨かないといけない。
でも、不思議と、少ないなぁ、とは思わない。
大切に使わなきゃなぁと、この荒野の中でこうやってシャワーを浴びられる事が、すごい幸せで特別な事のように感じる。
日本の当たり前がここでは当たり前でなくて、
でも逆に、ここでの当たり前の、幸せだなって感覚は、日本にはない。
ものが満ち足りてるからいいんだっていう事は、一概には言えないのだなぁとか思う。
6時の荒野を照らす強烈な西日を浴びながら一本道を歩いた。
エチオピアの端っこまで行くというこの旅の最後のハイライトに、静かに荒野に沈む夕陽を見ながら、ギターでも弾いてたいなぁと思って!
昼に出掛けた時に出会った英語の上手な少年、シェロがおれを見つけて、近寄ってきた!
昼間に会った時に
「50セントみたいな音楽が好きだ、将来の夢は音楽でニューヨークにいくことなんだ!」
と言ってたシェロ!
一緒にギター弾こうぜ、と並んで歩いた。
村のはずれを歩くと、小さな教会に出た。
太陽の光は全てを焼け尽くすような黄色から、優しく甘いオレンジ色に変わりつつあった。
ゆっくりと夜へと色を変えていく岩や木々が作り出す、とろけるような雰囲気に身を委ねながら、それでもまだ、生暖かい風が夏を気取ってる。
ポロロンとギターを鳴らして、好きな歌を歌った。
風の音と、それが草木を揺らす音と、虫の声しか聞こえない世界。
その世界に声を響かせて、太陽の方を向いて歌う。
歌詞の一つ一つが、胸を締め付けたり、勇気つけさせたり、この旅の思い出と重なって聞こえてきて、この時にずっと身をまかせていたくなる。
そんなで、素晴らしい雰囲気に浸りきってたんだけれど、そのあとシェロにギターを教えてあげたりしてたら、わらわらと遠くから、目ざとく俺たちを見つけてはがきんちょたちが集まってきた。
教会から小さなシスターたちや、なんとなんと偶然、観光ツアーで来ているという日本人のおねぇさんも立ち寄って来てくれて、みんなで日が暮れるまで輪になって歌った。
なんも恥ずかしくないぜ、心の底から歌に心を委ねて歌えば、荒野のど真ん中もなんでもない路地の端でも、アポロシアターにもスタジアムにもなるぜ!
メロディが心のドアをノックしたなら、何も考えずに迎え入れていいぜ!
最初は、せっかく浸ってたのにみんなきて面倒くせぇなぁなんて思うんだけれど、この音楽に対して心のままに、遠くで聞こえてくるといてもたってもいられなくなるところがアフリカらしくて、いいなぁとやっぱり思う。
太陽がバターみたいに溶けて、小高いはげ山の向こうに、トワイライトを作りながら消えていく。
なんでもない最高の1日!
みんなに手を振って、一番星を見上げながら歩く。
この世の果てのようなこの場所、ツルミまで、しんどかったけど来てよかったなぁと、しみじみ思う。
陽が暮れる前に歌った歌が、まだ頭のなかをぐるぐると回ってた。
もう一度口ずさみながら小石を蹴った。
andymori の、 スパイラル って歌。
泣くなよベイベ。
ずっとそばにいるって言った
あいつもいつかいなくなった。
この微熱はあの日の夢のなか。
次の場所まで飛んで行こうよ
雨の日にはふて寝決め込んだってスパイラル、
憂鬱を切って混ぜる様な日々はいつまでも続いていく。
果てのない旅、異国の街で、
一人きり迷子になったならチャンス。
誰でもない、誰でもない、自分だけのために歌うチャンス。
僕たちは、時間がない時間がない、あの頃に戻りたいなんて言いながら、
いつだって、もう少し、もう少し君にいて欲しいだけ。
泣くなよベイベ。
迷子になって、本当の自分って何だろうなんて考えて、また歩き出すんだ。
アフリカの大地は、どこまでもどこまでもでっかかった。
そんなところです。
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