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【ツルミ~アルバミンチへヒッチハイク】騙されて愛されて、冷や汗ツルミ脱出大作戦と、遠い遠い空の向こうの話

2020年4月29日

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ツルミ2日目!!

よし!!

こんな大地の果ての果てのような場所で、昨日はギターを弾いたし、今日の朝日も最高だった!

もうなんも思い残すことはない!

今日街を出よう!

いや、出ないといけないのだ!

金がやばい!

水道もなければ電気も自家発電でまかなっているところがほとんどの、絵に描いたような田舎町、ツルミ!

もちろん銀行や両替屋なんてあるはずがない。

ポケットの中には300ブル(1800円)。

ここから銀行がある、ある程度の街アルバミンチまでは300キロぐらい離れてるんだけれど、帰りのバス代を考えると今日中にアルバミンチまで帰ってドルを両替してお金を得ないと、戻れない!

今日は月曜日!バスがあるのは火曜日と土曜日だけ!

バスに乗れば安いが、今夜泊まるとして、宿代を考えても明日まで待つどいう選択肢はない!

なんとしても、今日ヒッチハイクでバスが出てる街まで行き、そこからアルバミンチを目指さねばいけない!

うぉぉぉこぇぇよ!

この辺は秘境も良いところなので車もほとんど通らない!

ドライバーも足元を見てくるので、

「この辺でヒッチハイクしたら、旅行者ならだいたい200ブル(1200円)ぐらい払わないと乗せてもらえないよー!」

と商店のおっちゃんが言ってた。

たとえ200ブルで運良く車を見つけて、別の街まで出ることができても、そこからアルバミンチまでのバスチケットが100ブルを超えた時点でアウトだ・・

うおぉそうなったらどうする?

路上で稼ぐしか・・しかし最貧国エチオピア、稼げる気がせんが・・

とにかく!とにかく今日ここを出ないと、今日の夜ホテルなんて絶対泊まれないから、飲まず食わずで砂漠で野宿という最悪の展開だ・・!!

なんとしても今日ここを離れなきゃいけない!

節約のため昨日からビスケット一袋しか食べていなかったおれは、なけなしの300ブルから水とサモサ計20ブルを買い、力をつけてメインストリートに出て、車が通るのをひたすらに待った!

待った!!

待ったけど!!

ほんま全っ然車とおらねぇ!!!!!!!!

うぎゃぁ!!!!!

大丈夫かこれ!?

もう怖いくらいに、目の前を通り過ぎるのは変な部族たちと彼らがひく牛の大群ぐらい!

20分に一回とか、かろうじてジープが通りかかるんやけど、別の場所に行くよーとか、無視されるとか。

焦ってると、昨日一緒に荒野にギターを弾きに行った英語の上手な少年シェロがおれを見つけて話しかけてくる。

「この街で、ヒッチハイクをするのはローカルの僕らでも難しいんだ。でも、午後3時には、ジンカーへ行く木材搬入のトラックが通るはずだけど・・」

ううう、そんな時間まで待ってたら、着いた頃には夜だ、アルバミンチ行きのバスなんて無くなってる・・。

気晴らしに道端で砂埃にまかれながら路上!

まぁお金はまったく入れてくれんが、集まってきたオヤジたちが、「もしそんな車見つけたら知らせてやるぜ~」と応援を申し出てくれた・・

と思ってたら!

おれが歌ってる間に目の前を一台のトラックが通り過ぎるっ!!

熱唱してて気づかんかった!

「おい!車が来てたら止めてくれよ!!」

「おお、あれは多分別の村に行くやつだ!」

「そんなの分からんだろ、方向はアルバミンチへ向かう道なんだ!」

「まぁそのうち別のが通るよ!カルムダウンだ!よし、なら次の曲をやれ。」

クソ野郎どもめ・・!!!

焦りから、すげぇ苛立ってしまった。

もうおれはヒッチハイクに集中するんだ!とギターをしまって、道端の岩の上に腰掛けて車を待つんだけれど、日が高くなるにつれてますます車の通りは悪くなる。

んでふざけた野郎が多すぎてイラつく。

「&;&:@;&アルバミンチ??」

3人組の女が、エチオピアの言葉でなんか話しかけてくる。

「ん?アルバミンチ行くのってこと?そうだよアルバミンチ!もしかしてアルバミンチ行くのか!?!?

「アルバミンチ!ゴー!」

と、自分を指差して、私たちもいくから来なさい!みたいなジェスチャーをしてくる。

「ほんまに!!やったー!!!!」

とすぐに、重い荷物を背負って彼女らの元へ。

彼女らが歩き出したので続いて歩くんだけど・・

なんか様子がおかしい。

おれの方を3人でずっと振り返りながら、今にも吹き出しそうな表情でバカにしたように笑ってくる。

なんか変だな。

「アルバミンチ、行くんでしょ?ウェアドゥユーゴー?」

「ププププ・・ウィーゴーツルミ!」

キャーハハハハ!!3人大爆笑!

ゴミすぎて怒る気にもなれない。

無言できびすを返した。

二度と話しかけてくんな!

元いた道沿いに戻ってくると、オヤジがおれの気持ちを知りもせんでクソみたいに話しかけてくる。

「ヘイチャイニーズ!ユアシューズイズグッド!レッツチェンジ!」

と自分の汚いスリッパを指差してる。

イラついてて無視しようとしたけど、おやじの服が目に付いた。

えっ!これおれのシャツやん!

なんでか、そのオヤジが、朝おれがシェロにあげたストライプのシャツを着ていたのだ!

「なんでおれのシャツを着てるんだ?それおれが朝・・」

「あぁこれかい?貰ったんだよシェロにさ!それより、なんでシェロにはプレゼントをあげて、おれにはくれないんだい?おれにも何かくれよ、その靴がプレゼントだぁ!」

そのストライプのシャツは、おれのバッグの中でも一番キレイ目の、やらしいけど高かったやつなんだけど、逆に旅してるとキレイなシャツとか着る気にならんでずっとバッグの奥で眠ってたやつ。

どうせならって思って、昨日たくさんおれにこの街のことを教えてくれて、いい写真を撮ってくれてたシェロがボロボロのサッカーシャツしか持ってなかったのを思い出した。

だから今朝、さっき会った時にあげたんだ。

ミュージシャンになりたいと言っていた彼が、ステージで着るとカッコいいかなって思って。

「お前にあげるものなんて何もない!おれはそれをシェロにあげたんだ!」

と言っては見るけど、強くは言えない。

もしかしたら、シェロはシャツを売っておかねにかえたのかもしれない。

またはこのクソに奪われたのか?

それならまだ、お金に変わってりゃいいけど。

深追いしても気分が悪くなる一方なので、一瞥をくれて道に戻った。ら急な雨が降り出した・・。

あぁもうやだ・・エチオピアはよ出たい・・。

いろんな事の怒りと不安で、おれの心はぽっきり折れたどころかもう複雑骨折状態で、でも泣きそうになるのをこらえて、近くの商店で雨宿りさせてもらう。

30分くらいして、雨がやんだので外に出た。

街のイケイケガイズみたいな、おしゃれ決め込んだ3人組が話しかけてきた。

「ハロー!調子はどうだい?アルバミンチまで行くんだって?応援するよ!俺たちは仲間だ!」

もう近寄ってくるやつ全員ゴミムシだと思っているおれ。

超上の空で返事。へい。

「ずっと道で立ってても疲れるだろ?向こうでコーヒーでも飲もうぜ?おごるよ!」

あーめんどくせぇ!助けた素振り見せて後でチップくれだの靴くれだの言うんだろ!ファックファーック!!!知るか!コーヒー奢ってくれるならそれだけ飲んでやる!後で何言われようとなんもせんからな!

と心に深く誓いながら、18円のコーヒーをご馳走になる。

たちっぱで疲れてた体に、超甘いコーヒーがしみる。うめぇ。

彼らの名前は、ジェケと、えーと、あー、あと2人。いつものように名前忘れる。

「どうして今日車を見つけないといけないんだい?明日にはバスがあるよ?」

「お金がないんだ!なんとか今日中にアルバミンチまで行かなきゃ、ホテルに泊まるお金もない!」

「そっか、大変だね!大丈夫、困った時は助け合うのがエチオピア人のカルチャーさ!もし今日見つからなかったら、おれの家に泊まるといいよ!ご飯も食べられるし!」

と言ってくれるが、荒みきっているこの時のおれは、

(そんなカルチャーエチオピアに入って微塵も感じ無かったがな!家に招いて、追いはぎ強盗か!?そうはいくか!)

などと考えていた。

しかし、コーヒー屋の軒先でだらだらそんな事を話していると、

「ユーキー!!!車が見つかったぞ!!!」

通りを眺めていた1人が慌てて声をかけてくる!

えっ!!!

見ると一台のニッサンの軽トラが止まってて、運転席からおっちゃんが手招きしてきてる!!!

「うひぉぉぉ急げユウキー!!!」

「おっしゃー!!!」

一同大盛り上がりで車へ駆け寄る!

「どこまで行きますかっっっ!!!?」

「ジンカーまで行くよ!」

よし!ジンカーなら、アルバミンチまでのバスがある!!!

「お金がないんです、、100ブルでなんとか乗せてもらえないですか!??」

「あー、うん、いいよ!」

よっしゃぁぁぁぁだだぉあ!!!

「急いで荷物持ってこーい!!!!」

「やったなユウキー!!!願えば叶うゼェェェ!!!」

みんなの自分の事のような喜び具合に、当事者はおれなのになんか逆にほほえましく思えてくる!

「ありがとみんな!!!」

窓からギュと握手をして、手を振った!

最後まで彼らは、なんかくれだの、チップだの、一言も言わなかった!

時間あったらなんかお返ししてあげたいぐらいだった!

疑ってごめんよー!!!!!

そうして道に立って4時間、ようやく車を捕まえることに成功したおれ!!

走り出した車は1分で街を抜け、一面の荒野をかける!

乗せてくれたおっちゃん2人。

建設の仕事でジンカーへ行くところだったらしい。

演歌みたいな、情緒系のこぶしのきいたエチオピアンミュージックが車内に流れて、ノリノリでかけていく!

「エチオピアンミュージックは知ってるか?おれたちの音楽はいいぜー!!!!」

ひやひゃひゃとわらう。

さっきの雨で、窓から吹き込む風が冷えてて心地いい!

見たこともないような青い綺麗な鳥や、荒野にポツリと立つ家々、どこから歩いてきたんなって言う裸の民族の男と彼に追われる牛たちを眺めながら、すごい速さでトラックはかけていく!

二時間後、トラックはジンカーのバス停の前にとまった!
荷物を引きづり出し、乗せてくれたチップ払わなきゃ、と財布から100ブルを出そうとすると・・

「いいよ、お金はいらないから!グッドラック!」

まじでーーーーーっっっっ!!!!!!!!!!

ありがたい・・いや、ありが大トロだ!!

なんどもありがとー!!と手を振った!

そのまま無事アルバミンチ行きのバスをゲット!!

いやぁまじでよかった、彼らが止まってくれて無かったら、本当にヤバかった!

そしてあの三人組に会って無かったら、おれはもしかしたらこの車をキャッチできて無かったかもしれん!

エチオピアは、中毒性がある国だなぁ、なんて考える。

クソみたいな思いばっかりさせられて、もう嫌だ、こんなところにはいたくないっていつも思わされるのに、ふとしたところでとんでもなく優しい。

そんな暖かさに触れて、もっと浸っていたいってまた誰かを信じて、また裏切られる。

こんな国大嫌いだって思うほどに好きになっていく。

きっとそんな繰り返しでこの国の旅は続いてく。

ゴミみたいだって嘆くのも自由、愛に満たされて没愛するも自由。

不思議な国だ。

とにかくそんなヘドロと優しさの人間観が渦まく、その中に飛び込めたことが嬉しい!

ブルルンとバスについにエンジンがかけられ、アルバミンチへ向けて走り出して、やっとこれで安心だと、おれは安堵のため息をつく。

あと5時間でバスはアルバミンチに到着だ!

いやぁ長い一日だった。

やっと落ち着けて、まだツルミにいた今朝の事なんか思い出してみる。

昨日頭痛で早く寝たせいか、今日の朝は早朝5時に目が覚めたんだ。

防犯で閉められていた門と地面の数十センチの隙間から這いずりだして外に出て、ゾンビが出たとか思ったのか泣きそうな顔で逃げていくちびっこに手を振りながら、薄青く明けていく朝の村を歩いた!


一番賑わっているエリアから3分も歩けば、あたりは一面の乾いた荒野になる。

風がゆらす、乾いたトゲトゲの木々の、カサカサと擦れる音だけが耳に伝わってくる。

透明なほどに静かな朝。

細い細い三日月は、手で触れるとすぐにひび割れて、ポロポロとガラスの粉になって風に吹かれて消えていきそうだ、もろくかすかな光を放っている。

誰もいない朝をただまつだけの赤土の大地。

雲の色をゆっくりと赤く染めながら、丘の向こうから真っ赤な太陽が、静かに静かに、やって来る。

なんてダイナミックな朝日なんだ。

アフリカ、アフリカ。

ずっと一人で靴をボロボロにして歩いてきた先の、孤高の大地のようなエネルギーと、まるでお母さんのゆりかごの中で今もまだ子守唄を聞いているような懐かしい落ち着きと。

太陽が大地を照らし出す。

長い夜を待っていたような木々達のざわめき、鳥の鳴き声。

ここから始まり、ここから終わっていく。

すべては。

明けていく大地の色合いに酔いながら、懐かしい自分の曲の鼻歌なんか口づさんで、少し遠回りして来た道を引き返してた。

“アフリカに行きたい”って、そのまんまのタイノルの歌。

サラリーマン時代に、世界の果てを見てみたいって思って、でももう就職しちゃってるし、夢見る時代は過ぎたんだって、自分に言い聞かせてたころ作った。

自分の人生に、嘘をついちゃいけない。

夢に見てた景色が、今ここにあった。


アフリカ、アフリカ。もう無理か、もう無理かと後悔ばかりの日々を詰め込んだ、そのリュックで、また今日も歩こうぜ。



遠い遠い空の向こうに、口笛を響かせながら。


そんなところです。

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