カヤファール到着と手をつないでドキドキする話
エチオピア南西部の端の端、ツルミという街を目指すローカルバスの旅!
アルバミンチからカヤファール行きのバスに乗ったおれは広大な自然保護区をバスで駆け抜け、訳の分からん田舎町に降ろされた!
どうやらここが民族マーケットが行われるという、カヤファールの街らしい!
こんなとこ!
お、おお!
バスを降ろされた場所が何もない更地みたいなとこだったおれ。
うむ、あまりもの僻地具合に驚愕して写真撮り忘れたので、これは別の日に近くまで行って撮ったものだ。
時刻は午後3時。
写真よりは明るい時間だったんだけれど、それでもあたりに見えるのは、走ってきた道と、電柱、藁葺き屋根の家が数軒。
目に見える範囲に人工物といったらそれくらいしかねぇ。。
ほほう!
お、面白くなってきたじゃねぇか!
なんだ!?スレでも立てるか!?
「エチオピアの極田舎で遭難中なんだがなんか質問ある?」
とさっそくスレでも立ててやろうか!!?
おれは考えていた。しかし、
「その辺りの村の住人だけど、ガチレスするとネット繋がってんなら救助呼べ!釣りおつ!」
とか返されそうだな・・
、、うん、
のんきなことを考えている場合じゃねぇ。
びゃぁぁぁぁぁ誰かいませんかー!!!!
と心の中で泣きじゃくりながら、表向きは敏腕冷静サラリーマンを演じながら、道をとぼとぼ歩くこと数分、なんかそれっぽい通りに出た。
かやぶき屋根のどんぐりハウスが2.3軒あるだけのとんでもない場所を想像してたが、まだ、大きな交差点があって、その周りにポツリポツリと、水やら売ってる小さな商店がある!!
よかったー、なんとか生きてはいけそうだっ!
と赤い目をこすりながら歩いていると、バイクのにいちゃんが声をかけてきた。
「ちょ吹いたwww釣り人だと思ってたやつがほんとに遭難していた件www 宿さがしてるんすか?おれが乗せてってあげるっす。」
「あぁなんだと!?あのコメントはお前のか!!しょーもないこと言ってないで早く乗せやがれすいませんお願いします!」
た、助かった・・!!
そこからほんの1分ほど出ると、ポツポツとゲストハウスや商店が見受けられるストリートに出た。
一応、毎週木曜日のマーケットに向けて観光客もちょいちょい訪れる場所のようで、何軒か安宿があったが、一番安かった100ブル(600円)のところにチェックイン!
あぁよかった!なんだ案外普通の場所じゃねぇかよ!!大げさな写真載せて二回に分けてブログ書くほどのもんでもねぇよ!注目浴びようとしやがってクソが!
と部屋に荷物を置き、ようやく平静を取り戻したおれ。
よし!とりあえずシャワー浴びよ。
と、地球温暖化防止のために三日間シャワーを我慢していたおれは、共同の浴室に向かった。
キュルル・・
はい、安定の、水でないやつ。
くそっ!!じゃあ最初からシャワー室作るなよ!ほんまエチオピアそんなんばっかじゃないか!とか思うんだが、まぁしかし、どうせ極たまにしかシャワーを浴びない汚物系バックパッカーのおれである。
そんなやつが
「ちょっと!このホテル、シャワーの水が出ないじゃないのよ!!?どうしてくれるの!?」
なんて、いちゃもんをつけることは道徳的にどうなんだろうか?
そんなの、どうせ最終的に、
「ねぇ、旅男君が抱きしめてくれないと私、寝られないっ!」
「仕方ないな。ほら。」
みたいな雰囲気なって一緒のベッドで寝る事になるカップルが、
「私たち予約の時にはダブルベッドって聞いてたんですけど!?なんで?おかしくない!?」
とかなんとかいうてるのと同じなんちゃうかな?
とか考え出すと、シャワーを期待した自分が急に恥ずかしくなる。うう、ごめんなさい・・
それならと、日暮れにはまだ早いということで、おれはギターを持って宿を飛び出した!
フラフラ歩くと赤土の広場みたいなのがあった。
周りにポツポツと藁葺き屋根の家があって、その柱に隠れて、小さな女の子が恥ずかしそうに手を降ってる。
「こんにちわ、恥ずかしがり屋のお嬢ちゃん!おじさんと一緒に、ギターでお歌を歌って遊ぼうか!大丈夫、おじさんはロリコンなんかじゃないよ!」
「へーロリコンはいつだってそう言うよね!でも楽しそう!歌って歌って!」
「よーし行くぞ~!あなたは~もう~忘れたかしら~」
そんなで、ギターとタンバリンに興味津々の子供達がどこからともなくわんさかやってきて、大騒ぎ。
お母さん達も駆けつけて、大騒ぎ。
ギターを奪い合ってじゃかじゃかと。
彼らの、なんでも実際にやってみたいって思う好奇心は素敵だ!
さっきまで、なんだこのアジア人は!?みたいな圧倒的異質感を感じてたおれであったが、音楽がおれを愉快なギター弾きのロリコンに変える。
不思議な感覚。
彼らに音楽と向き合ってもらって何が得られるのかなんて知らんが、なんかちょっとでも人生をプラスに変える材料となってくれたらうれしいなぁ、なんて、偉そうなことを考える。
まぁ、そんな理由づけはおれの勝手な都合であって、所詮彼らには関係ないんだけどね。
笑顔がマジで眩しいぜ!
再び街を散策。
するとどこからともなくやってきた少年が、にこにこしながらおれの隣に並んで歩いて、ずっとずっとついてくる。
なんだこのガキは、という表情はブログの手前上微塵も見せずに、一緒に"かぐや姫"を歌いながら踊ってやる。
なんなんだこの辺の子供達の、100パーセントの無邪気さは・・!
そして、テンションの上がった彼は楽しそうに、「ユーユー!」と言っておれの手を握ってきた!
あっ・・なんかこんな小さな子供、しかも男の子とはいえ、ひ、久々に人と手をつないで歩くと、なんかちょっと照れちゃうな・・・
と変に緊張してしまって、足が絡まったり蝶々結びになったりしながら、二人でぶらぶら街を歩いてみた。
そして、ツーリスト向けのちょっと小綺麗なロッジの前を通りかかった時である!
ん?ロッジの前にアジア人が。
一応観光客他にもいるんだなあよかった~とか思って通り過ぎようとしていたら!
「え?ユウキさん!?」
え!?なぜか名前を呼ばれて振り返ると!
「あ、あー!!!!!!!!!シャシャマネの宿で会った、シンくんじゃないか!!!!!!!」
「やっぱり!!ギターで、ロリコンキモオタの、ユウキさんじゃないっすか!!!何でこんなところにってええええええ!!どうしたんですか足が蝶々結びになってますよ!!」
なんとこんな小さな田舎町で再会するとは思わんかった!!
3日前、シャシャマネという街で偶然会った日本人の爽やかイケメン青年起業家の、シンくんだ!
シャシャマネで別れたあと、あの時一緒だった日本人メンバーと一緒にジンカという街を経由してここにやってきたのだという。
イケメンでおれより若いのに起業家で、女友達とアフリカ周ってて、とか、どこぞのキモオタブロガーあたりがブログでネチネチ書きそうなぐらいのリア充っぷりであるが、そんなロリコンの心を射止めてしまうほどに爽やかで頭の切れる好青年の彼!
手をつないでいた少年に「バイバイまた遊ぼうね!」と大人の便利な"また"を使いつつ別れたおれは、日も暮れてきたので彼とビールを飲んで話した。
シン君の話は面白い。
もともとビジネスをやる事が好きで、今のネット販売の会社を立ち上げるまでにも勉強としていろいろな業種を、世界的視野を持ってみてきたという。
「アフリカで日本車めっちゃ走ってるじゃないすか?あれ、ほとんど中古車なんすけど、日本人じゃほとんど儲けが出ないんです。アフリカまでの輸送費かかるから、日本人レベルの収入を得るのは難しいんです。だから、いまはほとんどの輸出を、パキスタン人に取られちゃってる状態なんです。」
「アゼルバイジャンって国知ってます?あそこ、いま投資を集めてて急激に発展してるんですよ。なんでかっていうと、石油が見つかったんです、もう、地球全体の何十年分っていう。だから、首都のバクーは今後、UAEのドバイみたいな世界的都市になるって言われてます!」
「アフリカで発展してる国ってどこか知ってます?もちろん南アフリカは一番なんですけど、意外にもガボンって国が、国民の平均月収が6万円ぐらいあって、タイやマレーシア並みの経済大国なんです!ちなみにここエチオピアは平均月収が8000円なんて言われています。」
おれ、終始「へぇぇー!」しか言ってない。笑
いや、ほんまに知らん事ばっかりでかなり聞き込んだ。
知識ばっか豊富で、あれはちがう、これはダメだなんてケチつけるのが趣味みたいな人はたまに会うけど、たくさんの事を知った上で「だから今投資するならアゼルバイジャンですね!」とか「こういう方法が有効だと思います!」とか、それを実際になにか行動するための判断基準として取り入れられる考えができるのがすごいなぁなんて思う。
きっと若くして起業しちゃうぐらいだから、情報を主体的に捉えられる力に長けてるんだろうな。
ビジネスなんて、おれは自分の事で精一杯なポンコツなのでやろうとは思えないけれど、成功したらこれほど面白いものはないんやろうなぁとも思う。
宗教の話にもなった。
「今ある多数派の宗教の中で一番古いのはユダヤ教で、でもユダヤ教はユダヤ教徒のみが救われるよってとく考え方だって、そんな事はない、信じれば誰だって救われるんだって言ったのがキリスト、つまりそれらの宗教は同じ神様で、その後、その同じ神からのお告げを別の形で聞いたムハンマドが説いたのがイスラム。
だから、イスラムの神様はアッラーと呼ばれるけれど、アラビア語で神様って意味だから、例えばエジプトでは、キリスト教徒も神様をアッラーと呼ぶんですよ!」
へぇえへぇぇへぇぇ!!!
いや、歴史勉強してる人には当たり前なんか知らんけど、おれは知らん事が多すぎた!イスラエルに行く前に勉強しなおさないかんなぁ。おもしろいなぁ。
マレーシアに家族のゆかりがあってよくクアラルンプールで暮らしているという彼。
しかし日本人の中には、マレーシアがムスリムの国だというだけで、「えーじゃあマレーシア行くのやめとこうかなぁ」なんてナンセンスな事を言う人が多いのが悲しいという。
見た事聞いた事、そして感じた事、それが全てだ。
だから俺たちは、本当はどんな国なんだって、旅をするんだ。
世の中にはやってみなきゃわからん事ばっかりだ。
確かめたいと思ったなら、今やらなきゃもったいない。
前評判や誰かの言いなりで、目隠しされた馬車のロバみたいに、決められた"前にしか進めないのは悲しい。
たくさんのものを聞いて、感じて、そして考えていけるような、そんな自分でありたいな。
おれはこれまで旅した中で、住むならマレーシアかな、と思ってる。
南国の雰囲気が最高で、イスラムの文化もほんまは、旅行者とかよそ者に対してすごい優しいし、人が穏やかだから。
おれはそう感じたのだ!
バーの軒先で随分熱心に話してると、気づけば外はひどい雨になって、足の先がびしょびしょになった。
カミナリもすごくて道には街ごと地滑りするんちゃうかというほどの大きな泥の川が、赤土の道をふさいでた。
こんな乾燥した地域でも、雨は降るんだなぁと、びっくりした。
またどこかで!と手を振って別れた。
帰ろうと歩き出したら、泥に滑ってこけた。
な、なんだこりゃ!…..足が蝶々結びになっていやがる!!
そんなところです。
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