入国二時間でやられた!ヨハネスブルグ最恐都市伝説は本当だった話。
ビヤァァァァァォアッッ!!!!!!!
………
おれは、ついにやって来たのだ。
南アフリカ、ヨハネスブルグ。
犯罪発生率世界1位、街を歩けば強盗に合う確率150パーセントなどと噂されるこの街。
早々。
おれは発狂していた。
やられた。。。
ヨハネスブルグ最恐都市伝説。マジである。
思い出すだけで超悔しいが、整理の意味も込めて回想しておこう……….
そうだ。
ほんの数時間前まで、おれはまだ見ぬアフリカの大地に夢をはせながら、飛行機の中で空の旅を楽しんでいたんだった。
カタールドーハ発、ヨハネス行きの飛行機の中で、座席のモニターに映し出されるアフリカに無邪気に喜ぶおれ。
おおお!エジプトを超えてエチオピア上空だ!ここはタンザニア、ケニアだ!!
一体どんな人達が住んでるんだ?
食事はどんなだ?
言葉は通じるのか?
どんな旅が待っているんだ!!
瞳を3万ルクスの明るさで輝かせて他の乗客を極度の睡眠不足に陥らせながら、ついにおれはアフリカ大陸最南端の国、南アフリカ共和国のヨハネスブルグに到着した!!!
飛行機を出た時点で、おや、と思う。
澄んだ青空、真夏だというのに25度ほど、からりとした気候、そして明るく清潔な空港。
ん?
なんか南アフリカ、しかも最恐都市ヨハネスブルグというくらいだから、クソ暑くてどんより湿った荒野に佇む銃痕だらけの廃空港を、やせ細った野犬が人の腕をくわえて這っているような、北斗の拳的イメージをしていたが。
思いの外綺麗だ。
空港の中に入る。
荒野の空港どころか、日本の高級ショッピングモールのように広々と明るい大きな建物には、カンボジアの入国の際に入国審査室をうろついていたような野良犬もいなければ、インドのようにゴミ屑も無い。
銃痕や真新しい血痕も数えるほどしか見当たら無いではないか。
なんか、イメージ違うな。
案外安全なところなんかな。
なんて思ってきてしまっていた。
空港から出るタクシーは危ないから使わ無いほうがいいと聞いていたので、ガウトレインというゲートの周りを何人もの警官が厳重に警戒する富裕層向けの電車を使って、ヨハネスブルグ中心部から北に位置する、サントンという駅で降りる。
ここはネットで見ていると、ヨハネスブルグで唯一外国人が外をふらつけると言われる、富裕層の生活エリアで、比較的安全だと聞いた。
駅を出ると、その周りには高級ショッピングモールが立ち並ぶ。
見た感じ、ほんとパリやらロンドンの新市街そっくりだ。(行ったことないけど。)
駅前のこじゃれたカフェで、150円の美味しいカフェラテで一服。
アフリカンのガタイのいいにいちゃんが、気さくな笑顔で接客してくれる。
なーんか、すごい過ごしやすそうなところだな。
きっと、危険な場所さえ行かなかったら、ただの先進国なんだろう。
そんな風に感じてきてしまっている。
おれの予約したゲストハウスはここからさらに西に行ったところにあるのだけれど、市バスや徒歩は絶対に危ないと聞いたので、信用できる会社のタクシーを使う予定。
その前に、金だ。
駅の近くに、アパルトヘイト解放の父、ネルソンマンデラの大きな像が迎えてくれる高級ショッピングモールがある。
シティバンクのカードなら、ATMの表示にプラスマークが付いていれば世界各国で下ろせるようになっている。
モールの中に地元の銀行があって、そこのATMでおれはお金を下ろすことにした。
列に並んで、2万ランド、約一万五千円を下ろしてカードを抜き取り、ATMから離れて次の男に譲る。
…….
その時である。
次にATMを使っていた男が慌てた表情で声をかけてくる。
「おい!お前のトランザクション(取引)がまだ終了してないぞ!はやく画面を終了させないと、追加料金がかかっちまうよ!はやくこい!」
なんかそんなことを言ってせかしてくる。
言われるがままATMに戻ると、たしかになんかまだ取引中の画面になってた。
「もう一回カードを入れて、ピンコードを入力するんだ、早くしないと追加料金が!」
えっまじか!
ネパールでATM使った時も、お金を受け取ったあとに立ち去ろうとしたら、画面が終了してないのに気づいて慌てて消した時があった。
今回も、そういやおれ、最後の「終了しますか?」「はい」みたいな選択してないかも!!
国によってATMもタイプが違うので、そんなもんかとおれは男を信じてしまった。
あれ?
でも現地の言葉の画面になってて、内容はよくわからんが、deposit(振り込み)とある。
「おれ、振り込みなんてしてねぇよ?」
男「知らんけど、カードを入れて、ピンコードを入れたあとキャンセルボタンを押せば、終了させられるよ!急ぐんだ!」
「あ、そうか。」
一瞬、こいつの口座に振り込ませようとしてるのか?なんて疑ったけど、たしかにキャンセルボタンを押せば振り込みはされない。
小柄なアフリカンのその男。
革靴にカジュアルスーツを着こなしていて、金持ちそうな雰囲気。
とてもじゃないが悪いやつには見えなかった。
その男の言う通りにカードを入れて、ピンコードを入力して、キャンセルボタンを押す。
すると、あれ?
画面が固まった。
「問題が発生しました。バンクスタッフをお呼びください。」
と英語の表示が出てる。
ん?
なんだこれ?
ボタンをいじってみるが、一向に動かない。
カードがまだ中に入っているんだけど!!
おいおい。どうしよう。
…と後ろにいたはずの男に尋ねようと振り返ると、男はもういなかった。
あれ?
何がなんやらわからんけれど、とりあえず銀行員に聞いてみよう。
ちょうど、スーツを着た小太りのアフリカンの女性が、どうかしたの?と話しかけてきた。銀行員かな?
「ATMが固まってカードが返ってこないんだ。大切なカードだから、すぐ取り出してほしい!」
「あら!OKわかったわ。待っててね。」
そういって彼女は奥に消えていった。
頼むでほんま~と、
その時はまだ、すぐにカードを取り返せるもんだと思っていた。
しかし。
5分、10分しても彼女が帰ってこない。
もし画面が戻ってカードがATMから返ってきたら!なんて思ってATMの前を離れられなかったのだけど、
流石に不安になって、向かいにある銀行員窓口のブースまで行き、別の女性店員に尋ねる。
「ATMにカードが入ったまま、フリーズしてるんだけど!さっき他のスタッフに尋ねたけれど、彼女帰ってこないんだけどどうなってる?」
「え?」
不思議そうに周りのスタッフと確認を取る窓口の女性。
「ATMが止まってるの?誰もそんな報告は受けてないわよ?」
「えっ??でもさっき…」
「とにかくすぐ調べるわ!奥に座って待ってて!」
なんか他の客の対応をしていたのに、それを別のスタッフに任せて、彼女はすぐATMに向かってくれた。
おれはバカだ、この時はまだ、
最初に尋ねたスタッフめ、オッケー!なんて言って奥に消えた後、先に昼飯休憩にでも入ったな!これだから外国は!
などと、まだすぐにカードは戻ってくると楽観していた。
5分ほどして、彼女がATMの裏手側から戻ってきた。
そこで、衝撃の事実を告げられる。
「あなたのカードはATMには残ってなんていないわ。盗られた可能性がある!すぐにカード会社に電話しなさい!」
「えっ???えーーーー!!!!!??」
泣きそうや。
そんなところで続く。
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