小山田壮平のマジカルダンサーの歌詞の意味を考察してみたい話
ナマステ!ぼっちシンガーです。
20代で路上ライブ世界一周、30代は東京で働きつつ音楽活動!
旅と音楽、サッカーなど、好きな事を鼻息荒く語るだけのブログだよ!
プーラジャパティーマハデーヴァわっしょい!??
andymori時代からずっと好きで、僕が世界一周の旅をするきっかけをくれたアーティストでもある、
小山田壮平の新アルバム「時をかけるメロディー」が先日公開された!
早速聴いてみたんだが、その二曲目「マジカルダンサー」が衝撃だった。
一周目は「どいうこと!??」と困惑するような意味わかんない歌詞も含めて、
めっちゃいい曲なんやぁぁぁ!!!
もくじ
小山田壮平「マジカルダンサー」の歌詞の意味を考察してみたい
とにかくマジカルダンサー、楽しくて摩訶不思議でちょっと刹那的で、いい曲なんよ。
そして中毒的。アルコールともマリファナとも違う謎の高揚感に包まれる。
ふいに流れ始める!脳内で勝手に再生される!
どこに行っても何をしてても、ぐるぐるぐるぐると頭の中ゆらめき続けるのだっ!!
さざ波の音から響きだすバスドラの入りはまるでandymori時代の名曲「クラブナイト」を彷彿させるのだが、
そのあとに聴こえてくる音はまるで童謡の世界のようで楽し気で、
見上げた壮大な夜空から落ちてきた星くずみたいな清涼感を伴いながら、
祭りばやしみたいな心跳ねるリズムが全部巻き込んで踊りだす。
なんかね、文章にすると「何言ってんだこいつ?」って感じになるんだが、
まるですごく懐かしい子供のころの夢のなかで流れていた音のような、愛らしい慣れ親しんだ質感を感じるんだ。
曲の終わりは、そんな夢から目が覚めてなぜか泣いてしまっていた朝みたいな、儚さとさみしさを感じてもう一度再生しちゃう。
小山田壮平の曲にはいつも、こういう壊れそうなくらい不安定な「無邪気さ」や「純粋さ」がある。
はしゃぎまわった友達が笑わなくなった飲み会の帰り道や、永遠みたいな椅子取りゲームへの手続きの毎日のなかで、やっぱり僕は、
この人の作る音楽の持つ「たった一人最後まで寄り添ってくれるのはロックンロール君だけなんだ。」って思わせてくれる、
なにか普遍的な音楽の持つ優しさを、必要としちゃうときがある。
そしてこの曲「マジカルダンサー」でも、一番印象的なのが歌詞だ。
個人的思い出が自己中心的にわんぱくに盛り込まれてて、一見意味不明な言葉の羅列。
でも、おれもいつか遠い昔に壮平さんと同じ景色を見ていたような、なんか不思議な愛着を感じる言葉たちなんだ。
今回はそんな「マジカルダンサー」の歌詞の意味と意図を、僕なりに勝手に考察してみたい!
ペンギンゲストハウスはネパール・ポカラの安宿と思われる。
とにかく歌詞が愛らしい。楽しい。
昔バックパッカーだったころの自分の思い出補正もあるんだけれど、どっかの安宿で、
「俺この人と会ったことあったっけ?」なんて、小山田壮平を恐れ多くも古くからの友達みたいに、感じちゃう。
まず歌いだし。
ペンギンゲストハウスのテラス
「マジカルダンサー」歌詞 小山田壮平
フルスロットルの君が登場
ゴッホの絵のような夜に
現れた君はいきなり盆踊り
ペンギンゲストハウス?なんか聞いたことあるな~っと思って調べたら、
ネパールのポカラって町にある安宿のことみたい。
聞き覚えがあったのは、僕も昔ポカラを訪れたことがあって、そのころに「日本語をしゃべるオーナーがいる、日本人バックパッカーに人気の宿」として、旅仲間にお勧めされた覚えがある場所だったからだ。
ポカラは湖沿いの保養地で、ゆっくりした時間が流れる、ちょうどこのアルバムのジャケットの絵みたいなこじんまりした街で、(意図して描かれてるのかな?)
バックパッカーたちの間では、過酷で混沌としたインド旅を生き抜いて、なんとかネパールまでたどり着いたあとの、心と体をゆっくり休めることができる「回復ポイント」として有名だった。
この曲で歌われている「ペンギンゲストハウス」が本当にこの場所なのか、確証はないのだけれど、
このあと出てくる「ネパールアイスで乾杯」って歌詞からも、ほぼこの場所で間違いないのではないかと思う。
※ちなみに「ネパールアイス」はアイスクリームじゃなくて、ネパールの地元のビールの名前。
きっとインドネパールを旅していた壮平さんもその旅の途中でこの街に立ち寄って、ゴッホの「星月夜」みたいな幻想的な夜に、
ゲストハウスで出会った旅人と地元の話などで盛り上がって、マジカルな夜を過ごしたんだろう。
そして、バックパッカー経験者ならきっとこの感じわかると思うんだけれど、
その日宿で出会った人と一緒に街を散策して飯食ってビール飲んで一本のタバコを回して吸って、
すっかり昔からの友達みたいになって、はじめてふと、思う。
「そういえば、君の名前を教えてよ?」
と。
するとその旅人はこう答える。
プラジャパティー、マハデーヴァはインド神話に登場する神様のこと。
我は「プラジャパティーマハデーヴァわっしょい」
「マジカルダンサー」歌詞 小山田壮平
絶好調 マントラでトランス
この曲で最も難解で解読困難で、意味不明な歌詞だと思う。
名前を尋ねられたその旅人は「プラジャパティーマハデーヴァ」という謎の名前を名乗るのだ。
僕は3回聴いてもなんて歌ってるのかわかんなくて、歌詞調べてみてもよけい分かんなくて(笑)、
意味を一つずつ調べていって、やっと判明した。といってもまだ理解が追い付かんが(笑)
まず、「プラジャパティ」はインド神話に登場する「宇宙万物の創造神たち」のこと。
神様ブラフマーが生み出した10人の神様のことを指す、いわば「神様エリート部隊」的な集団の相称のことみたい。
そして、「マハデーヴァ」の「マハ」は、サンスクリット語で「偉大な」「最高位の」という意味らしい。
インドの大金持ちを「マハラジャ」とか呼んだりするけど、あれは「偉大な王様」って意味なんだそうだ。
そして「デーヴァ」とは、そのまんま「神」を表す言葉。
つまり「マハデーヴァ」で「偉大な神様」という意味だ。
一般的にインド神話で登場するシヴァやブラフマー、ハヌマーンやガネーシャなど、
有名な神様たちのことを「マハデーヴァ」と呼んだりするらしい。
つまり要約すると、「プラジャパティーマハデーヴァ」で、
「我は”万物創世の偉大な神”だ!」
って言ってるみたいな感じなのかな?もしかしたら、特定の神のことを指す場合もあるかもしれないけど。
そして予想するに、そのあとに続く「わっしょい」に特に意味はないと思う(笑)
自分も作詞作曲するのでなんとなくニュアンスがわかるのだが、曲作りって語感とか言葉の持つリズムがすごく大事。
偶然「プラジャパティーマハデーヴァ」に続く言葉として最高にキレがよくてマジカルダンサーなニュアンスを感じれる言葉が「わっしょい」だったのだろう。
僕は小山田壮平のこういう、突拍子もない言葉選びが大好きなんだよな~(もし深い意味があるのならごめんなさい)。
そんな、自らを神様と名乗る怪しい旅人と(笑)、もうそんなことどうでもいいくらいに楽しくなって、マントラでトランスを踊る。
(※マントラはヨガなどで使われる精神を安定させるインドの短い言葉のこと。呪文、というか仏教でいうところの「南無阿弥陀仏」と読経する感覚に近いのかな?)
リズムに乗ってUFOに乗って、満点の星を連れて宇宙まで飛んでいきそうなくらいに、気持ちよくなる夜。
そんなぶっ飛んだ異国の安宿で過ごした夜を歌ってるんだろう。
いやー一般的に考えて、サビに最もふさわしくない、キャッチーさの欠片もない言葉選びだと思う。
しかし不思議と、なぜか妙に耳にこびりつく。
聴き手にこびない歩み寄らない、愛してるなんてまさか言わない、その遊び心が小山田壮平らしくてすごく好き。
追記:プラジャパティーマハデーヴァわっしょい!について、日本人ダンサーの方の名前から来ている説が浮上しました。詳しくは一番下の段落の追記情報にて!
くみこって誰?
そしてサビの後も難解な歌詞が続く。
軽快なリズムに乗せて、「プラジャパティーマハデーヴァ」のほかにもたくさんのいろんな人名が登場しては踊りだすんだけれど、一人ひとり特定が忙しいのだ(笑)
クリシュナのダンス ヴィーナスのダンス
「マジカルダンサー」歌詞 小山田壮平
母の手を繋ぎ歩いた道
くみこのダンス デニスのダンス
ワイルドなビートに乗り込んで
まず「クリシュナ」とは、同じくインド神話に登場する神様の名前。
ヒンドゥー教徒に最も愛される神様の一人で、人間味があって「愛と知性の化身」であるといわれている。
続いて「ヴィーナス」はご存じの通りローマ神話やギリシャ神話に登場する「愛と美の女神様」のこと。
いきなりギリシャ神話が出てきて戸惑うのだが、興味深いのは「ヴィーナス」も「クリシュナ」も「愛の神様」である点。
全く別の世界の神様同士、しかし母の手を繋ぎ歩いた日々に感じた「愛情」は人類共通なんだ!という、
小山田壮平らしいコスモポリタンな思想が垣間見える。
この後の歌詞に出てくる「シャンティーなグッドきょうだいしまい!すべて君のお気に召すままに!」って歌詞のように、
インド神話もギリシャ神話も人種も宗派も性別も超えてみんなが一つのリズムで体を揺らしてる、ラブアンドピースな世界観を感じられる。
「アンチコリアンやアンチチャイニーズな島国の俺たちも、みんな同じモンゴロイドモンゴロイド!」
と痛快に歌ったandymori時代の「モンゴロイドブルース」の時から、壮平さんの思想自体は変わっていないが、
より伝え方がマイルドに、優しくなった気がするね。
そして、わからんのがこの後の歌詞。
くみこって誰?デニスって誰??
昔からの友人や元カノの名前をサビで連呼しちゃうような人だから(ともゆきとか優花とか)、
ほんとに超個人的な、その旅で実際に出会った旅人たちの名前を歌っているのかもしれないけど(笑)
あえて元バックパッカー目線から勝手に考察してみると、クミコはインドの聖地バラナシにあるゲストハウス、
「久美子の家 / クミコハウス」のことではないだろうか???なんて思っている。
久美子の家とは、1980年ごろにインドに嫁いだ日本人女性「久美子」さんが開業したゲストハウスで、
1990年代の日本人バックパッカーブーム時には毎晩60人以上の日本人が泊ったとされる、バラナシを訪れる日本人バックパッカーなら知らない人はいない伝説の日本人宿だ。
そしてそのバラナシは、今回の曲で歌われている(と推測される)ネパールに入国する際に通過する国境の町・ルクソールへ続く主要都市だ。
完全な推測までだが、壮平さんがネパールでペンギンゲストハウスに泊まる前はインドのバラナシにいて、
久美子の家で、同じようなマジカルな夜を過ごしたのではないだろうか?
久美子の家でのダンスや、デニス(というゲストハウスがあったのかな?)でのダンス、
いろんな旅先での思い出を回想しているような、そんな歌詞なのかな?
完全に独断と偏見ではあるか、個人的にそんな風に解釈してみる。
まとめ
いやぁ解読すると、歌詞を知らずに聞いた時より、より旅心あふれる歌詞だった。
よりどっぷりと、この曲の魅力に浸ってしまったような気がする。
僕は旅をしながら、異国の田舎道を走るバスの車内とかで好きな音楽聞きながら車窓を眺めるのが最高に好きなんですが、この曲は絶対にプレイリストや!僕の心のど真ん中!
メアリージェーンからのこの曲とか、気持ち良すぎてシラフのまま飛んじまうぞ。
寂寞とハイテンションの隙間、あきらめにも似た旅心に、そっとしみこむ名曲だと思う。
このアルバムの一曲目「コナーラクへ」に出てくるコナーラクというのも、インド・ベンガル湾添いの小さな港町のことを歌っているみたいだし、また考察してみよう。
そんなところです。
追記情報で答え合わせ!ほんとに久美子の家だった!(笑)
この記事を公開した後、記事を読んでくださった方から情報提供などいただき、
いくつかの謎の答えが発覚しました!
ここにその内容を追記しておきます!
まず、最大の謎であった「久美子って誰?」って疑問。
なんとこの考察、どうやらほんとにバラナシのゲストハウス、久美子の家のことを歌ってるようでした!
失礼します くみこは久美子ハウスの久美子さんであってると思います 実際去年小山田さんは久美子ハウスの前でこの曲を披露しました ちなみに久美子さんの旦那さんの名前はシャンティーです 歌詞にも出てましたねhttps://t.co/guUM4fL4lw
— きょく (@kdokun1) January 24, 2024
すげぇぇぇ!!!バラナシのガートで壮平さんが歌ってるっ!!!めっちゃ行きたいんだがこのライブ!!
勝手な妄想で考察していたんだけれど、まさかの正解でうれしいっ!!(笑)
さらには、後半の歌詞で出てくる「シャンティーなグット」のシャンティーというのが、久美子さんの旦那さんの名前なんだそうだ。
知らなかったー!!情報提供くださったきょくさん、ありがとうございます!!
そして、最大の疑問であった「プラジャパティーマハデーヴァわっしょい!」という謎の旅人に関してですが、
後で見つけたこのロキノンの記事に、その答えが載っていました!!
「プラジャパティーマハデーヴァわっしょい!」とは、壮平さんがネパールの宿で出会った旅人、
「ハルキプラジャパティプリティーわっしょい!」という日本人ダンサーの方の名前から来ているのだそう!!
まじかよ、まじで名前に「わっしょい!」が入った旅人とマジカルな盆踊りを踊った思い出を、
そのまんま歌にした楽曲だったのかよっ!!!!(わっしょいに特に意味はないとか言ってすいません…笑)
うわーーすっきりした。というか、記事書くならこれぐらい事前に調べてから書けよカスが!とか言われそうだな。
まぁ、音楽に正解なんてないのだよ!(割り切り)
勝手に個人的な考察と妄想を込めてこの曲を聴いた感想と、その答え合わせ記事ってことで!
とにかく、小山田壮平の作る音楽は、下手したら彼の身内にしか伝わらないんじゃないかってプライベートな思い出や出会いが、気取らずかっこつけず、そのまま綴られてる。
「あの時あのゲストハウスで出会った、あの彼にだけ届けばいいや」ってくらいに等身大な歌詞こそが、
まるで昔どこかの安宿で、僕も壮平さんに会ったことがあったような、不思議と身近であったかい気持ちにさせる原因なのかも、しれない。
そんなところです。
●こちらの記事もぜひ!
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