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今、香港で何が起きているのか?デモの原因と実情を分かりやすく解説 /香港警察の暴力行為に対する東京でのデモのレポート(2019/8/17 )

2019年11月7日

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現在、逃亡犯条例改正案に対するデモで、警察の武力行使などで揺れるている香港。
今回、東京で、そんな香港警察の武力弾圧に抗議する活動があり、参加しました。
この記事では、問題の簡単な解説も踏まえ、レポートしています。


そもそも、香港とは?

まず、日本人のみなさんは香港ってなんだと思いますか?国?中国の都市の名前?

僕も、彼女(香港人)と付き合うまで、よく分かっていなかった。

僕はオーストラリアに住んでいた時、中華系の国籍の若者達と、シェアハウスで暮らしていたのだが、

彼らに出身を尋ねると、香港の人、台湾の人は決して自分の出身を中国だとは言わず、

「香港人だよ!」 

「台湾人だよ!」


と答えていた。

「彼らに、あなたは中国人でしょ?と言うと怒られるから気をつけてね!」

と、中国本土出身の女性が半分冗談みたいに教えてくれたけど、実際、そういう認識のギャップは大きいのだろうな、とは思っていたので、

国籍などのデリケートな部分に触れる時は、気にするようにしていた。

そして今、彼女と付き合ってみて、香港の事をよく調べるようになったのだが、今のところの僕の結論、

香港は、限りなく独立国に近い、開かれたエリア

という、結局曖昧なイメージに留まっている。



まず、香港は政治・経済や立法などで、中国からは独立した運営がなされているエリアである。

中国が共産主義なのに対し、香港は日本と同じ資本主義経済

法律に関しても、中国国内では共産党を批判するような表現の自由は激しく取り締まられているのに対し、香港では基本的な表現の自由が認められている

150年続いたイギリスの統治の歴史もあり、在住者からは、中国とは違うスタイルを持った”国”であるとの認識は強い。



実際、僕も香港にも行ってみて、中国とは全く違うエリアなのだな、というのは肌で感じた。

まず、SNSが普通に使える。(中国では、Facebook、twitter、LINEなどのSNSは使えない。情報統制を図るため)

そして、書店などで普通に、中国共産党を批判する書籍などが売られていることにも驚いた。

独自の国旗?も持っているし、


サッカーのW杯予選など、スポーツの国際チームも、HONGKONG(香港)として参加している。

そんな香港で、今何が起こっているのか?

・逃亡犯条例とは

今回のデモの発端となったのは、逃亡犯条例の改正を、香港政府が行おうとしているからだ。

逃亡犯条例とは、犯罪者の引き渡しに関する諸外国との決まり事、などを定めたものである。

現在、例えば香港人が中国で犯罪を犯した場合、香港政府がその身柄の引き渡しを要求するには多くの手続きが必要となる。

この逃亡犯条例を変えて、中国、台湾などとも自由に身柄の引き渡しを行えるようにしよう!というのが今回の改正案である。

一見、国際的に重罪人を取り締まることができるのだから、いいことなんじゃない?と思うんだけれど、
香港人はこの改正を行うことで

中国によって言論の自由が奪われる可能性がある!

と訴えている。

どういうことか?

・可決されると、なにがおこるのか?

改正案が可決されると、例え香港人でも、中国政府が犯罪人だと判断した人物を、簡単に中国に連行させることができるという事、 

例えば、

中国共産党を批判する活動を行う香港人が、中国側からなんらかの罪の疑いを意図的にかけられ、中国側に強制連行されてしまう!

そんな事が許される可能性がある、というのだ。

あくまで仮定ではあるが、チベット、ウイグル自治区での弾圧の様子や、天安門事件などを見ていても、あり得そうな話ではある。

これでは、自治を認められたはずの香港の自由が、中国によってコントロールされてしまう。

香港の若者は、これらの事態を未然に防ぐために、立ち上がり、抗議活動を行っているのだ。



・逃亡犯条例改正は、デモのきっかけに過ぎない。

今回デモが起きた発端となったのは、この改正案に対する抗議からである。

しかし、これはただのきっかけに過ぎず、近年香港に対して中国政府がずっと影響を強めている事が積もり重なって起きた活動、とも言える。

まず、香港政府上層部は、親中国的な人物が多く(すべての国民による選挙で選ばれていない)、この改正案自体、中国政府が裏でコントロールしているとする意見も、香港の世論では一般的だ。

中国政府の強い要請により開通した、香港、マカオ、中国をつなぐ 「港珠澳大橋」(こうじゅおうおうはし )を象徴として、中国政府は“ワン・チャイナ”の印象を強めている。

中国から香港への移民も年々増えており、移民に対する過剰なまでの手厚い保証のために、その税が元々の香港人の生活を圧迫している。

世界一土地の高い場所としても有名な香港。

移民には国営の住宅マンションが割り振られるが、それが原因で住環境が圧迫されて、香港人の若者や低所得者の間では、6畳ほどのワンルームに家族6人で住む、といった環境も珍しくない。

このように、生活環境の面でも親中国的な香港政府に対しての反発は多く挙がっていた。

また、2015年と2018年には、中国共産党を批判する書籍をメインに取り扱って販売していた書店、銅鑼湾書店(Causeway Bay Books)の店長らが、中国によって連行、監禁される事件も発生。

表現の自由が約束されたはずの香港で、中国当局からの圧力の強まりを印象付けた事件であった。

これまでのデモの状況は

2019年3月から始まった抗議デモは、民間人権陣線という団体が主体で、初回で1万人程度の参加者が香港政府新庁舎までを歩いた。

3回目の大規模デモとなる6月9日のデモでは、主催者予想も大きく上回る103万人が参加、その後13日には200万人もの人が参加している。

香港の総人口は739万人であり、諸外国からデモに参加している外国人もいるとはいえ、香港世論が何を望んでいるのか、は、この参加人数を見れば一目瞭然である。

それでも香港政府は改正案の棄却を決定する事なく、これら活動の批判を強めている。

その頃から毎週末、各地でデモ活動が行われるようになる。

8月にはデモ隊が香港国際空港内に集まり、入国する外国人に現状を知ってもらうためのビラ配り活動などを行なったが、中国政府はこれらの活動を「テロリズムだ」と批判し、

「情はいらない、徹底的に弾圧すべき」

との声明を公表。

12日から14日まで、国際便の発着を見送り、事実上空港が完全閉鎖される事態となった。

デモ活動の内容

市民はデモ参加時、黒い服マスクなどを付け(顔や服装に特徴があると、中国当局からの拘束の危険がある、との理由)、催涙弾体策にサングラスやゴーグルをつけて、プラカードを持って行進するなどしている。

緊急車両が通行する際には道を開けたり、デモ終了後にはゴミ拾いを行なったりと、当初は完全非暴力で比較的穏やかなムードでデモは行われていた。

しかし、6月ごろから警察の強制排除が始まり、武器などを持たない無抵抗のデモ隊を警棒で殴打し、催涙弾やゴム弾で目を失明する人も出るなど、多くの負傷者が出るようになる。

これに抗議するためにデモ活動も加熱し、各地で衝突が起きている。

過激なまでの警察の対応に対抗し、デモ隊の中にも武装して応戦する者も出たり、空港でのデモ時にはデモ隊と見られるグループが中国の新聞記者を暴行するという事件も起き、冷静な対応が求められている。

しかし、暴力沙汰を起こしたデモ隊と見られる男の持ち物を他の参加者が検査すると、バックの中から中国籍のパスポートが発見さた事や、

破壊活動によって地面に押さえつけられ取り押さえられたデモ隊とみられる男が、ペンライトを点灯させると、警察官は急に力を緩めてその男を解放した(ペンライトの点灯が、実は仲間です、のサインか?)映像がSNSで拡散されるなど、

これらの事件は、

デモの危険性を世論に示すための、中国スパイによる自作自演ではないか?

という意見も多く出ている。

香港の世論は

香港紙の世論調査(2019/6月)では、逃亡犯条例改正案について、完全撤回すべきである、と答えた人が全体の72%を超えたと伝えている。

また、香港政府トップの林鄭月娥(りんてい げつが)行政長官の辞任を求める声も過半数の52%あった。

もちろん、改正案に賛成する人や、デモ運動には反対する人も一定数存在する事は確かである。

現地の感覚からすると、それらの考えを持った人は中高年層が多く、政府寄りの報道に終始するテレビ局からの情報のみで今回の騒動を見ている人が多いようだ。

それらの人々と、SNSやインターネットを通じてリアルな現場の声を集める能力をもった、若年層との間には、大きなギャップがある。

各家庭でも、毎週末デモに参加しに行く子供と、それを批判する両親、といった家庭環境も多いらしい。

香港大の世論調査では、18歳から29歳の、若者の75%が、自分は中国人ではなく香港人である、という認識を持っており、香港が中国であると考えている人は2%にとどまったと発表していて、若者の独立意識の高さを物語っている。


今回のデモは、テレビやラジオなど国家権力の影響を受ける情報源に頼らない新しい世代の主張であり、真の民主主義をかけた戦いのように、僕は感じる。

香港のデモに対して僕が思うこと。

誤解のないよう書くが、僕は決して、中国という国そのものを批判しているわけでも、共産党が悪であると思っているわけでもない

中国国内で、情報操作によって国の経済と人々の生活が保たれ、皆幸せに暮らせるのならばそれはそれで良いと思うし、各国のスタイルに任せるべきであると思う。

そこにつべこべ言うつもりはない。

しかし、今回の件では、自由な思想が認められているはずの香港で、強制的な圧力によって権利を剥奪されようとしている民意もほとんどがそれに反対しているのに、それが無視されようとしている、そんな状況である。

これはさすがに、異常であると言わざるを得ない。

香港の人々が自由で開かれた国を望むのであれば、その権利を弾圧するようなことはあってはならないと思うし、日本の地からでも何かできることがあるのであれば、協力したいと思う。

ただ、最終的に、両国が適度な距離感を保ちながら、国民がそれぞれ幸せであればそれで良い、と考えている。

そして、批判しているのはそういった香港への過剰な介入を行っている、という面での中国政府に対してであって、中国人そのものを人格否定したりするような事はあってはならない

そこは強調していきたい。

また、今回記事にするにあたって、現地報道や香港人である彼女の、地元の人達の話の内容を元に、出来るだけ公平に事実を述べたつもりだが、やはりデモ支持側の意見に偏った文章となっている可能性もある。

異論や指摘は歓迎です。

実際にデモに参加してみた。

2019年8月17日、東京、千鳥ヶ淵で香港警察の暴力的弾圧に対する抗議活動が行われる、ということで、彼女と参加してきた。


当日は晴天、立っているだけで汗が吹き出るような真夏日だったが、集合時間の15時を過ぎると、続々と黒い服に身を包んだ参加者たちが集まる。

皆、黒いTシャツにマスク、サングラスやゴーグルといった怪しげな格好をしているのだが、こちらが香港ではデモ隊の基本的服装となっている。

日本では連行される心配はないのだろうが、みな同じような服装で集合していたのが印象的だった。

主催団体からもマスクの着用を呼びかけており、持っていない人には無料で配っていた。

その他、デモのスローガンなどが書かれた紙が開催側から配られる。


ポストイットにそれぞれのメッセージを書いた。

レノンウォールと呼ばれ、香港ではこれらが市民の声として、多数地下鉄改札前などに貼られているらしい。

集合時間になり、主催者側から、広東語と日本語でそれぞれ今回の抗議活動の内容と注意点が説明される。

騒音問題であまり大きな音が出せないのか、拡声器の音が小さく聞き取りづらかったが、

・とにかく冷静に、安全に行進しよう。
・熱中症にはくれぐれも注意しよう。


といった、身の安全の確保を強く呼びかける内容が中心だった。

広東語での説明時には笑いも起きるなど、そこまでピリピリしたムードは感じられなかった。



しかし、15:30分、ついに行進が始まると、その空気は一変する

集合場所の公園の出口付近で、脅迫めいた口調で大声で、数人が叫んでいる声が聞こえ出した。

公園内は参加者でごった返しているため、何が起きているのかわからない。

しかし、プラカード等を持って行進を始めた先頭集団の列に続き、公園の外に出た時である。

中国国旗を持った数名の男達が、大声でこちらに向かって罵倒するような声を上げているのを確認。



彼らは香港の民主化運動に反対する、右寄りの中国人達のようで、オーストラリアやイギリスなど、各国での香港デモ会場にも現れているらしい。

オーストラリアでは、彼らが大挙して押し寄せ、香港側デモ隊と衝突、デモ行進そのものが中止に追いやられる事態となっていた。


今回は幸い少数人で、大声で罵倒したり、軍歌のような歌を歌ったりするに留まっており、僕のみる限りフィジカル的な衝突は起きていなかった。

ただ、叫んでいる言葉はかなり挑発的なもののようで、中国語もわかる彼女に聞くと、

「香港は俺たちのおかげで発展したんだ!言うことを聞け!」

という内容から、

「お前の母親を犯してやる!」

と言ったスラングまで叫ばれていたらしい。

煽る言葉を投げかける彼らに応戦するように、香港のデモ隊側からも何かを言い返す声が聞こえたが、周りに「やめろ!」と静止されていた。

運営側からも、しきりに

「絶対に挑発に乗らないでください!無視してください!」

と、呼びかけがあり、大半の人は冷静に行進を続けていた。


今回のデモは日本の警察にも連絡、許可済みのようで、彼らとの衝突が起きないよう、数人の警察がデモ隊との間に入って、監視を続けてくれていた。

市民の敵となってしまった香港の警察に対して、しっかりと仕事をして下さる日本の警察が、誇らしく思えた。



交通整備も行なっており、歩道を開けるよう指示があって、三列で端側を歩いた。

行進中、なにか掛け声とかを叫びながら行進するのかと思ったが、みな静かにプラカードを掲げるだけだった。

後で聞くと、指定の位置以外での大声や掛け声は警察側から許可されていないとの事だった。

かなり忠実に、事前のルールに則った行進がされているな、という印象。



しかし、3分も歩かない内に、行進が止まった。

なにやら、先ほどの中国人団体と揉め事が続いているようで、一旦その場で立ち止まることになったようだ。

そのまま20分くらい待ったと思う。

僕らのいる場所からは、先頭集団も、最後列も見えないほどに、長く列が歩道に続いている。

ざっと数百人はいるだろうか。

香港人、日本人と、欧米人参加者もちらほら見受けられた。

NHKや、the FACTの記者の方など、大きなカメラを持ったジャーナリスト達も見受けられた。

僕らが列を作ったのが丁度、二松学舎大学のキャンパス前で、学生らが

「なに?この黒服の集団?」

みたいに驚いた顔でこちらを見ながら、写真を撮ったりしていた。

このような機会を目にすることで、少しでも今香港で起こっていることを考えるきっかけになるのなら、良いのかもしれない。

20分ほどして、ついに列が再度動き出した。

またわずか2、3分のみ歩いて、すぐに香港経済貿易代表部のビル前に到着。

この前では一度だけ、声を上げることが許されているようで、主催者主導のもと、配られたスローガンを全員で声に出す。

光復香港、時代革命!(香港を取り戻し、今のための平和革命)
没有暴徒、只有暴政!(暴徒はない、暴政あるのみ)
五大訴求、・(缶に央の時)一不可!(五つの要求、一つも欠けさせない)
徹査香港警察暴力行為!(香港警察の暴力行為を徹底的に調査せよ)

という内容。

呼びかけが終わると、主催者からコメント。

「では、みなさんお気をつけてお帰りください。次会う時は問題が解決して、別の機会でお会いできることを願っています。」

あ、もう終わりなの!?

と拍子抜け。

しばらく立ち往生していたけれど、行進自体は5分もしてないんじゃないかな?

ただ、あまり長くやってもいろいろ問題になるんだろうな。

集合した公園には先ほどの中国人団体が集まっているため、絶対に戻らないで、帰宅して下さい、などと説明があったので、そのまま反対側の靖國神社方面まで出て、帰宅した。

まとめ

予想外に早い撤収に、驚いた。

想像していたよりも平和的で、主催者側もかなり神経質に秩序の維持を心がけているように感じた。

第三国でのデモ活動という事で、“近隣に迷惑をかけない”をとても意識されていたように感じる

警察と連携した、スムーズな進行だった。

しかし、後でSNSで確認すると、僕の見てないところでやはり、先の中国人団体と軽い衝突があったようだ。

大ごとにならなくてよかったと思う。

彼らに対しても、彼らなりの正義があっての主張であると思うので、そこに関しては尊重し合うことが必要だ

今回のデモは、香港人に対する、香港警察、ひいては中国による武力弾圧に反対する運動であり、中国という国そのもの、また中国人そのものを批判するものではないはずだ。

ここは日本。彼らにも、彼らの表現の自由がある。


しかし、不思議なのは、なぜ彼らは香港人をそうも責めるのか、という点。

中国の主張からすれば、香港は中国である、という見方なのだ。

例え話だが、日本で、沖縄の人が独立を目指して活動しているとしよう。

僕らは、そんな沖縄の人々に暴言を吐いたりするだろうか?

僕なら、そうではなく、逆に沖縄の人たちに、より優遇措置をとったりして、
「やはり日本人である方がいいや!」
と思わせる方が効率的じゃないか?とか考えそうだけれど。

独立運動を力で弾圧しようとしても、より溝が大きくなって革命の声が強まるのは目に見えていると思うが…

というのが純粋な疑問だった。

とにかく今回、この活動に参加してみて、現地の生の声、雰囲気を掴むことができ、この問題への理解が深まった

あくまで平和的に、この問題が収束し、香港に真の民主主義が現実する事を願う


そんなところです。