【ワシト-ノエバ-タバ/エジプト】イスラエルまでヒッチハイクでたどり着く話
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ワシト二日目!
ヒッチハイクでイスラエルを目指す旅!
ヒッピー文化の町があるという話を聞いて、おれはシナイ半島を北上し、ノエバまでやってきた!
そこから北に10キロほど、ひたすら砂漠を歩いてたどり着いたワシトという村で、まさかの200円で最高のシンプルバカンスを過ごしたおれ!
結局ヒッピーの文化どころか、ほとんど人に会うことも無い孤独の旅であったが、出会ったところで結局一人だろうがこのカスが!という読者の皆さんからの暖かい励ましにも助けられ、朝を迎えることができた。
目を覚ました時に目の前の海に広がっていた光景、対岸のアラビア半島から昇った目もくらむ太陽の輝きは、巨大なエネルギーを感じて感動した。
体力も完全回復したので、朝6時、朝日を背中に浴びながら再び歩き出す!
Googleマップで見ると、ここからさらに3キロほど歩くと、国境の町、タバへ向かう高速道に出るはず!
足を一歩、一歩と踏み出すたびに、体温が上がっていく。
ううギターが重いぜ・・
と嘆きながらひたすら砂漠を歩いていると、通りすぎのトラックが止まる。
「乗って来なよ!」
「あぁ、でもお金は無いんだ・・」
「いらねぇよ!乗りな!」
と、トラックのにいちゃん!
ありがてぇ!と乗り込む!
しばらく砂漠をかける途中、どこから歩いて来たんな、という小学生達も何も言わず乗り込んできた!
きっと、バスなんて無い、この辺の交通の便としてトラック運転手が一躍買ってるんだろうな。
助手席から窓越しに荷台を眺めてみると、女の子がはにかんで笑った。
到着した高速道沿いに、売店を発見!
やばば!!!ついに食べ物を見つけた!!
昨日の朝、ダハブを出る時にハチミツとパンを食べてからというもの、砂漠に迷い込み、たどり着いたウィストの村でも水道水しか見つけられず、何も食べられていなかったのだ・・
なにか!なにか食物をくれ!!と駆け寄ったが、朝早いからかオーナーの姿はない。
ちくしょう!売ってくれ!ポテチを!そのクッキーをおれにくれよ!??
ただただショーケースのなかを舐め回すように眺めて、実際ちょっとガラスも舐めてみたとき、ついに店屋のおやじ登場!
「おいおい異常な性癖のにいちゃん!なにやってんだ!」
「これを!これをおれにくれよっ!?なぁ!?いくらだ??いくら出せばいい!??」
「へへへ、、そのクッキーかい?良いものに目をつけるじゃねぇか。そいつぁ15ポンドだ!」
なに!!!??15ポンド、180円だ!!???
高すぎる!エジプトじゃクッキーなんて、だいたいどこも50円あれば買えるのだ。
ぼったくってるのか!??と思ったけれど、聞けばポテチもコーラも、全部このくらいの値段だと言う!え!?日本より高いやん!
たぶん、砂漠の町の僻地価格だと言うのと、物価の高いイスラエルが近いから、そんな値段になるのだろうか?
しぶしぶ10ポンド130円の高級ポテチで朝ごはん。
あぁ、この値段ならローソンのいくらの入ったちょっといいやつのおむすび食べたい・・
たいこさんでもいい・・
いくらやと思っておむすび買ったら、割ったらなかからたいこさん出てきて・・みたいなストーリーのAVありそうやな・・
とか考えながらうつろな目で砂漠を眺め、朝食を終えたおれ!
いくぞ!目指すは国境の町、タバだ!!!
おれは高速道に立ち、腕を上げ、親指を立てた!!
実は、今回ヒッチハイクでイスラエルを目指す事に決めたのは、大学の軽音楽部の後輩である、けいが結婚すると聞いたからである!!
同じく大学の後輩の、エロがっぱセノーが、
「けいの結婚式の二次会で流すムービーを撮るので、5秒くらいのメッセージを撮って、送ってください!ぐへ、ぐへへへ!」
と言うので、厳しいチャレンジを乗り越えて、苦闘の末にイスラエルに到着した姿を一時間ぐらいの長編VTRに仕上げて、冒険好きだった彼の門出に少しでも花を添えてやろうと企んでいるのだ!!!
そんな、なんとも後輩思いな先輩を気取ってがもさん正味めんどくせぇ…と言われるおれは、VTRの構成について、考えていた。
よし、ならまずは、軽くここらで2時間ぐらい車キャッチに苦悩して、
「あーなかなか車止まってくれない・・!水も尽きた・・!太陽が殺人鬼のように襲い来る・・!」
みたいな苦悩の様子を写して、
“砂漠のヒッチハイクやばい!ガモさん死なないでぇぇぇ!!"
と、出席した新婦側の女の子にキャーキャー言われるような、過酷な砂漠のシーンを撮りたいな…
REC…
“あぁ、水滴の一つも許さぬ乾いた世界に1人立つおれは、まるで地球最後の日に残された唯一の人類のように雄々しく…
ブルルン!!
「へいにいちゃん!!なんだ乗ってくか!?」
開始1分で車キャッチに成功!笑
「タバに行くかい!!??お金が無いんだけど、いいかい??」
「うーん、ここいらでタバを目指すと、本当は25ポンドなんだ!無いのかい!?」
「10ポンドしかないんだ・・」
「うーん、まぁいいや!サービスだ!乗れよ!!」
「ほんとに!!??」
しかし、この時、おれは一瞬考えた。
(….ん?待てよ・・お金払って乗せてもらうのなら、それヒッチハイクで行った、なんて偉そうに言えないんじゃ・・ブログにヒッチハイクでイスラエルまで行く話!とか嬉しそうに書いて、また「ウソじゃねぇか!釣り師おつ!」とか書かれるんじゃ・・うう、
まぁいいや!どうせバスの半額、たった一ドルでいけるんだ!逃す手はねぇよ!ブログにはそうだな、適当にヒッチハイクの定義についてWikipediaから引っ張ってきてはっときゃだれも・・
「おい!乗るのか乗らないのか!?早くしろ!!」
「はっ!!みんなにどう説明するか考えるがあまり10分ほど硬直してしまっていた!乗るよ!ヒッチハイクした事には変わり無いんだから!ヒッチハイクが無賃でないとなり立た無いなんてルールないしね!Wikipediaにもこう書いてある!
“ヒッチハイクとは、目的地が同じ車やバイクなどの車両に乗り合いをさせてもらう行為のことで・・
「いいから早く乗れ!ヒッチハイクで行こうが行かまいが、みんな、だからなに?って話だ!たいして視聴率なんてねぇよ!」
「えっ、、そ、そうなのか、、??」
「自惚れんな!」
そして、なぜかひどく傷心したおれを乗せた車は、左手に砂漠と切り立った岩々、右手に見た事もないような青の美しい紅海の景色を見せる。
基本的には人口物なんてなにもないようなワイルドな景色が続くんだけれど、たまにポツリと藁葺き屋根のコテージやロッジなどの宿泊施設が見える。
たぶん、穴場リゾート地なんだろうな。
民家も商店もなにもないビーチは、まさにだれにも邪魔されないプライベートビーチそのものだ。
たぶん、やる事なんて何もない滞在になるんだろうけど、ただひたすら海に漂うモクズのように波に揺られて、飽きたらシャワーを浴びて、ヤシの木の下のハンモックに2人で飛び込んで、風に彼女の柔らかい髪が揺れて、その匂いを嗅いだりするんだ。
やばい、新婚旅行はここで決まりやな・・!!!
と、彼女もいないのに新婚旅行の候補地ばかり決まっていくおれを乗せた車は、一時間ほど走った後、海沿いを抜けた検問所にて、
「おい、にいちゃん!ここがタバだ!降りろ!」
へ!?
なにもない検問所で降ろされたおれ。
車はそのまま、国境とは別の方向へ、走り去って行ってしまった。
国境までまだ5キロあったので、ライフルを持った警官に促されるままに、検問所の端でヒッチハイク再開!
うむ!すぐ大型トラックが捕まる!
「ソーリーノーマネー・・OK??」
「ノープロブレム!!カム!」
「シュクラン!」
たどり着いた国境沿いのエリアには、ヒルトンやカジノや、なんだか高級なホテル街!
きっとイスラエル側からも、金持ちがバカンスに訪れるんだろうな。
300箇所くらいズボンに穴空いているおれ。
やばい!場違い感ハンパねぇ・・早く抜けなければ!
奥の国境まで、歩き、荷物チェックを終え・・
エジプト出国完了!!!
うむ。ここまでは問題ない。
問題はここからである・・
長くアラブ各国と緊張状態が続くイスラエル。
テロなどへの警戒から、入国時のチェックがかなり厳しいことで有名だ。
しかも、おれのパスポートには、イスラエルと特に仲の悪いとされるイスラムの国の一つ、スーダンのスタンプが押されている・・
スーダンに入国時、イスラエルのスタンプがパスポートに押されてあると入国出来ないなんて聞いた事があるけれど、逆にイスラエルに入国するぶんには大丈夫なんだろうか・・!!??
あ!しかも、宿の名前忘れた!「今日のホテルはどこに泊まるの?」と聞かれた時に、答えるホテルの名前!
予約をしたホテルの名前や住所がないと怪しまれるから、いつも国境を越える際は、ネットで適当に調べて、ウソだけど、「ここを予約してます!」と答えられるよう名前だけでも用意しているのだけれど、わ、忘れた!
ひやぁぁ!!!
イスラエル入国できんのおれ!??
「ネクスト!」
緊張の瞬間!アイボのような足取りで、窓口のおねぇさんの元へ!
「は、は、ハローハウアーユ!ガシャンガシャン!」
「ハーイファインよ!ポンコツロボットさんは今日も配線飛び出してる?パスポートを見せて!」
「は、はい!」
「ふーん、ジャパニーズね。。」
入国審査員のおねぇさんがぺらぺらページをめくる・・
おねぇさん、スーダンのスタンプが押されたページで手を止める・・!!!!
ひやぁぁぉぁ!!!!!
「・・あなた、随分たくさんアフリカを回ってるのね。。。。今、~~~~は持ってる?」
へ?
緊張のあまりなんて言ったか聞き取れんで、おれ、慌てふためく。
んで、
えっ!なに!?ホテルのバウチャーを持ってるかと聞かれたのかな?
って勘違いして、とりあえず
「はい!持ってます!」
と元気に答えるんやけど、痛恨の失敗!!!
眉間にしわを寄せるおねぇさん。
「・・あなたちゃんと聞きとれた?私は今、
“ショットガンや爆弾など、なにかウエポンは所持していますか?"
と聞いたのよ?」
ひ、ひぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!いや!おれ!今イエスって!!
「の!ノーノー!!!断じてノー!!プロバブリーノー!!!」
「プロバブリー(きっと)…?持ってる可能性もあるの?」
「ノーーーーノーーーー!デファネタリー!!!ワンハンドレッドミリオンタウザンドパーセントノーーーー!!!!!!!」
「うーん。とりあえず、別室に来てちょうだい。」
えっ!!!
ま、まさか!!!!
別室送りされた!!!!!涙
いろんな旅人のブログで読んだぞ・・!!こうやって別室送りにされたら、拘束されてあれこれ聞かれて、最悪入国拒否もあるって・・!!
いやぁぁぁぁあ!!!!
勘弁してくれよ・・スーダンのスタンプがあるだけで拘束って・・なんで仲良くできないの?宇宙船地球号でしょ?ってかおれ日本人だよ・・??
などと半泣きで、人生初めて向かった国境別室。
しかし、これまで行った国の名前を告げて、
「次はどの国に行くの?中東には行くの?」
との質問に、ノーと答えると、あらま、あっけなく入国は許可された!!!
あら!?
こんなもんでいいの?
と、ともあれ!!!!!
18カ国目!!!イスラエル入国じゃー!!!!
ひやぁ!おれはついにやってきたのだ。イスラエル!!
長きにわたり、複雑な中東情勢の渦の中心に巻かれる国・・
イスラム教国ばかりのアラブ諸国において、唯一ユダヤ教を信仰する国・・
パレスチナ人への迫害から、国際社会から批判を受けながらも、先進国家として中東をリードする経済大国・・
二年前に、オーストラリアでワーホリをすることを決めた時。
この時はまだ、ワーホリの後に世界を周ってやろうなんて思ってもいなかったんだけれど、ここ、イスラエルには行ってみたいと思っていた。
ナチスドイツの迫害などが原因で、世界から集まったユダヤ人達が、第二次大戦後の混乱の中でアメリカなどの手助けで建国したこの国。
そんな彼らが次は、パレスチナ人達の居住区を脅かし、批判を受けている。
終わりの見えない民族闘争と、ボーダー一本で人種で当たり前に暮らし方が変わる世界。
でも、彼らには彼らなりの普通があるはずだし、イスラエル側にだってアラブ人が、パレスチナ側にもユダヤ人がいるはずだ。
いったいどんな価値観の中で彼等は暮らしているのだろうか?
新聞を騒がすテロや侵攻のニュースには出ない、かれらの普通の生活の匂いを嗅いでみたい、とずっとすごく興味があった。
その時は、本当に危険な、あたかも紛争地域に飛び込んでいくがごとく、入国は難しい国なんだと思っていたが、ほんの一時間のチェックで、VISAもお金も必要なく入国できてしまった。
飛び込んで来たのはエメラルドグリーンの海、開放的なファッションの白人達と、手の行き届いた先進的な出国ゲートの建物。
ん?
と思った。
あぁ、なんか日本や、オーストラリアの、綺麗な町の雰囲気と、何も変わり無いなぁ。
と。
ゲート周辺には無料Wi-Fiが飛んでいる。
それだけでも感動もんなのに、その通信の早さに涙出そうになる!
アフリカじゃヤフーニュースのアプリを開く事も3日くらい待たないとままならなかったんだけれど、ここなら一瞬だ・・!!ひやぁぁ!!!
看板に溢れるヘブライ文字。
なんとなく、カタカナに似ている。
なんて書いてあるのかは全く分からんが、下に英語の補助表記、港町"エイラット"の文字!
とにかくエイラットまで行かなきゃ!
ボーダーに併設された両替所を探す。
しかし、し、しまってる!!!!
この日は金曜日。
えっ!!?イスラムの国は金曜日はどこも休みだったけれど、ユダヤ教でも金曜日が休みなの!??
おれはイスラエルシュケルを全く持っていない!街まで行くバスにも乗れない!
うーぬ、こんな状況、いつもなら大慌てで泣き出すところであるが、さっきまでのアラブの世界とは全く違う世界に、なんか、新たなチャレンジ意欲がわき立てられる!
よし!ちょうどいいや!お金は両替しない!!
もうここから、おれは一切お金を使わずに暮らしてやろうじゃねぇか!!!!!
と、張り切る。
うん、やれるだけやってみよう!どっちみちもう後には引けないんだ!
とりあえずヒッチハイクで街まで行って、路上ライブで、なんとか食いつないでやろう!!!
不安と、やれるんだって勢いとが交錯している。
iPodをつないだイヤホンからは、大学時代の先輩バンド、twich のgive me alrightが流れていた。
君にオーライと問いかける!
けったいな顔をして生きていけ!
大学時代超憧れだった、大好きなバンドの歌が、新たな始まりに軽快なビートを鳴らしている!
今、信号が青に変わる!!
おれはとりあえず、最寄りの街、エイラット行きの車を止めようと、幹線道路に立った。
そんなところです。
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コメント一覧
がもさんはいつも、孤独、ぼっちっていう言葉を使うけどそれは正しい感情なんです。
人間誰もが孤独を感じてます。
それを感じられるのが正しいんです。
誰もが自分自身であって誰もが自分しかもってないんです。
うんこさんコメントありがとうございます!!!
えっ!!?きゅ、急に哲学的になって、どうしたんですか!!!そんなギャップ見せられたら、好きになっちゃいます!ポッ
旅は、孤独に気づく事ができるっすよね。というか、どんどん遠くへ行くにつれて、どんどん自分の内側に近づくというか…!ありがとうございます!
慧が6/4の結婚式前にこのブログを読んでサプライズに気付かないことを祈っておこう。
エロがっぱさん、コメントありがとうございます。
まぁ見てないやろ!笑