【アスワン/エジプト】アスワンで路上ライブと生きたいように生きるってなんなんな話
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エジプト・アスワン初日!
アスワン到着早々、バス停で朝を迎えたおれ。
朝一で安宿を探そうと3キロほど歩くとアスワンの街に出た!
今日は金曜日!イスラム教国家は金曜日と土曜日が休みに当たるので、朝の街はどこも商店はシャッターが閉められて、ゴーストタウンみたいに静まり返っている。
しかし朝陽を浴びて黄色く輝くモスクの二本の塔が高くそびえ立っていて、これまでのアフリカの地方都市には絶対見られなかった3階建て以上のマンションやビルが平然と並ぶ。
きれいに管理された公園を、おじさんがジョギングしてる・・
やばい、と、都会だ・・!!
ネットで安いって載ってたマルワホテルというところを探しながら歩くんやけど見つからんで、結局ヌビアンオアシスホテルという宿にチェックイン!50ポンド(600円)でWi-Fi付き!
これ、エジプトでは安いんか高いんかしらんけど、エチオピアの時は同じ値段で牛のうんこ壁の鍵の壊れたバラック小屋だったんだが・・
部屋に一歩足を踏み入れ、おれは驚愕した…!!
や、やばい、部屋でWi-Fiなんて繋いじゃっていいんですか……!!??
スーダンはどこもシャワーが無かったので、3日ぶりにシャワー!!!!!
や、やばい、水圧が強いぃぃい!!!
ぎゃぁぁあ、ホット、ホットシャワーが出るじゃねぇかっ!!!!!!!
と、トイレにトイレットペーパーがぁぁぁぁ!!!!!
洪水のようにおれに流れくる先進国基準のあれこれに、感動で心臓がもたん!!!
えええまって、何て柔らかいベッドなんだ!!
なんだと!?コンセントプラグが個室に!!??しかもふ、二つも!!??
何もかもが新鮮であった!
日本やオーストラリアにいた時。
普通に電気が使えて蛇口をひねるときれいな水が出て、虫のいないきれいなベッドで寝られる、こんな素晴らしい事にどれだけ感謝して生きていただろう。
生まれてこのかたずっと当たり前で生きてきた常識は、アフリカの長い旅の中で180度ひっくり返された。
ゴンダールの宿にコンセント何てなかった。
スーダンの砂漠の街では、手を洗う桶一杯分の水を大事に大事に使っていた。
あぁ、ありがとうなにもかもよ!
なんか、アフリカを旅してきてたくさんの思い出や新しい価値観を知る事ができたけど、今までの生活がどれだけ恵まれていたのかって事に気づけた、それだけでも旅してよかったなぁと心から思う。
ちょっと昼寝して、ギターを持って街に繰り出す!
「おいにいちゃん!ウェルカムウェルカム!」
すぐに、ホテルのよこのチャイ屋でおしゃれな服装のにいちゃんに捕まる。
彼らにウェルカムって言われると、奢ってやるよ!という意味のようだ。
「その代わり、プレイミュージックだぞ!それはギターか!?」
紅茶が運ばれてきて、ありがたくすすって、かわりにボブマーリーを弾く。周りからわらわらとおやじやにいちゃんがやってきて、盛り上がってくれる。
「吸うか?」と、葉巻みたいにでかい巻きタバコを誘われて、軒先でみんなでまわして吸う。
いやぁ!!良さすぎる・・!!アスワンもう好きになりそうや!!
人に優しくされるから気持ちいいってわけではなくて、受け入れる余裕のある、ピースフルな雰囲気、これを久々に感じられて心地いい。
時間に追われて全て機能化された都会でもなければ、ハングリーに観光客の一挙手一投足に目をギラつかせる貧しさもない。
広い駅前の通りの横には緑の芝生が輝く公園があって、おじさんが水をまいて手入れしている。
なんか、当たり前のよくある風景も、ものすごく洗練されてて先進的に感じるぜ・・!!
3時のアザーンが流れて、10分ほどはお祈りの時間。
それが終わった頃を見計らって、公園の前にギターを置いてみた!
エジプト初路上ライブ!!!!!
砂漠からの暑すぎない爽やかな風が吹き付ける公園。
洒落たサングラスや襟を立てたシャツでおしゃれしたにいちゃんや、公園で遊んでる子供達が通り過ぎて行き、そのうちの何人かが立ち止まって聴いてくれる。
遠くでじいちゃんが「おおぉい!!」と叫んでやってくるので、怒られるんかと思ったけれど、「わしも混ぜろ!!」と輪の中に入ってきて、機敏なダンスを踊る。
アフリカの熱狂と、音楽への愛と、そして先進国家の人たちの落ち着きとが混じり合ったなんかたまらなく居心地のいい場所だった!
1時間歌って、9.5ポンド、約120円。。
うーぬ、雰囲気めっちゃええから、もっといけそうなんやけどな・・
でも、にいちゃん達が笑顔でいい音楽だよ!エンジョイ!センキュー!なんて言って、25ペティストリ(1ポンドの4分の一)とか投げてくれる、その、路上ライブを文化として受け入れてくれている感じが、懐かしかった!
うん、ここはいけるぞ!久々に、(というかアフリカきて初めて)ビビッとくるいい街だ!
場所もっと探して、明日はホテル代ぐらい稼ぎたいな。
夜!宿でまさかの日本人、しかも、まさかまさかの香川出身、おれの実家の隣町出身の大学生と遭遇!!
テンション上がって色々話していくと、めっちゃおもしろしい人やった。
彼は大学の春休みを利用して来てるらしいんだが、釣りが好きでアスワンの南からスーダンに続く湖ナセル湖で巨大魚を釣るために個人で来てるんだとか。
釣り専門のツアーとかは使わず、完全独自に、現地の漁師や一帯を管理している兵士らと仲良くなって、交渉で船を出してもらって釣るらしい!
一週間ジャングルで野宿とか現地民の家でホームステイさせてもらうとかザラらしく、
「本当のところは、どうしても巨大魚を釣りたいっていうんじゃなくて、釣りっていうツールを生かして現地人のコミュニティや価値観を理解したりするのが好きなんです!次は、インドに行きたいんです!売春婦という生き方を、貧困からくるものじゃなくて、誰かを癒すっていう社会奉仕的な観点から望んでやっている女性達が住む寺があるらしくて、そこに潜入してみたいですね!」
とか、熱のある眼差しで語ることができるおもしろい男!
旅人中の旅人や・・!
エチオピアからスーダンまで、旅行者とほとんど会わない日が続いたので、日本語はおろか英語で語ることも少なかったおれ。久々にこうやって語らうことができて、テンション上がった!
彼の、自分の興味に忠実に、感性のままに生きられる身軽さが素晴らしく輝いて見えたし、羨ましくも思えた。
旅で出会う素敵な生き方をしてる人たちに会うと、すごいなぁって思うと同時に、おれはどうだ?生きたいように生きれているか?なんて考える。
アフリカの長かった旅が終わろうとしてる今。
殻にこもってばっかだった自分を変えたい、というかタフにしたい、んで何といっても大好きな音楽で、未知の大地アフリカで、彼らの生活に馴染みたい、価値観の匂いを嗅いでみたい!
そんな目標を立ててヨハネスブルクに到着した。
正直これが自分の中で達成できたのかは全然わからん。
おれはまだ弱いままでこうやってぐじぐじ考えてしまうし、おれの音楽でどれだけの人が心を開いてくれたろうか?金づるの旅行者という付き合いの奥で、お互いを理解し合えただろうか?だれかをハッピーに出来ただろうか?
おれは生きたいように生きれているのか?
別に、おれがいい旅ができようができなかろうが、誰かを傷つけるわけじゃない。
親は早く帰ってきて就職して欲しいって願ってる。
友だちはみんな立派に出世して結婚して幸せにやってる。
おれが旅を続ける理由は、おれの周りには何もない。
でも、大切なもんはいつも自分の中にあって、味の混ざったきしゃない色のスープをぐるぐるとかき混ぜるように、原型をなくしながらとぐろを巻く。
自分がわからんくなる。
正しい生き方ってなんだ?
なんでみんなそうやって胸張って生きていけるんだ?
おれは自信がないんだ。
いつまでも自分という深い深いプールのど真ん中で、暗い夜の海のように不気味なプールの中で、溺れながらなんとか息継ぎをしてる。
なんかそれを誤魔化すように、自分の中の自分に
「お前は生きたいように生きてるよ」
って言ってやるために、旅を続けているような気さえしてくる。
本当のおれってなんなんだろ?
おれが彼に、ヨハネスでカードを盗られちゃって、親に緊急で送ってもらったお金も底をついたら、ギターで稼ぐ以外生きていく道がないんだ、なんて心細く言うと、彼は言う。
「へえー!よかったですね!」
え?
「あ、語弊があるかもですけど、そんな極限状態でなきゃできない体験が、たくさんあると思うんです!絶対、普通の旅じゃ知れなかったものに出会えますよ!やべぇ!」
な、なんてポジティブ!!!
と思うと同時に、ちょっと空が明るく見えた気がした。
そっか。
そうだよな、大事なんは、これからのおれに何がまってるのか、何をしたいのか、それだけだよな。
いくら過去を振り返って、うまくできたかどうかを評価してみたって、その評価点どうこうで未来が良くなるわけじゃない。
いつまでもいつまでも、ドロだらけに靴を汚して、トゲのある木に血を流しながら、突き進んでいくことに意味があるんだよな。
そうやって生きていくその全てがおれであって、他の誰でもないもんな。
比べてもしゃぁないか。
それなら、前を見ていきたい。
多分エジプト終わって、行けたら夢だったイスラエルとパレスチナも行って、その頃にはほんまに帰りの航空券分もお金は残ってないだろう。
クレジットカードの期限もあと二週間で切れる。
それでも生き抜いてやる!
音楽はすごいんだ。なんとかなるさ。
やっぱり、なんだかんだ、おれはそんな自分でありたいんだ。
いろんなものがぐるぐるまわって気持ち悪くなったり、武者震いしたりする夜。
とにかく、旅のいい出会いに感謝!!
そんなところです。
ランキング11位入賞を目指してブログランキングに参加しています。香川出身です、と言うと、「香川って、蛇口ひねったらうどんのダシ出てくるんでしょ?ひゃひゃひゃ!」と馬鹿にするみなさん。それ事実です。田舎のうどん屋でよくあります。↓↓
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