【アルバミンチ】で閲覧注意の血塗られた館に泊まった話
秘境ツルミからヒッチハイクを経てなんとかアルバミンチまで帰ってきたおれ!
なんと都会なのか!!
一週間前、
ここアルバミンチを訪れた時には、南部の中継都市って言う割にはちっせぇ街だな~と思っていたが、水も電気もない荒野の村から帰ってきたおれは、
うぉぉ街灯がまぶしぃぃ!!!は!三階立ての建物だと!!??牛の糞じゃなくコンクリートだと!!???びゃぁあニューヨークじゃぁあ!!!!
と大はしゃぎであった。
多分今おれが東京なんか行ったときには、失禁して昇天してしまう事だろう。
バスは夜9時頃バスターミナルに到着!
ゲストハウスを探して歩くんやけど、なかなか見つからん!
時間が遅いので、どこもフルだったり、値段が高かったり。
一週間前来た時に泊まった宿は安かったんだけれど、一面にトイレのアンモニア臭と特大のナンキン虫がウリ!みたいな恐ろしい宿だったので、あんま行きたくないんよな。
時刻は午後9時半。
ケニアやタンザニアに比べれば治安がいいと言われるエチオピアでも、あんまり遅くまでぶらぶらするのは、女の子が小さなタオル一枚だけ持って銭湯の男湯に入っていく企画もののように危険だ。
おれはいそいだ!
そんな時によくいるガイドマンの客引き!
「へい!宿を探しているのかい?なにレスザン100ブル?こっちだ!」
おっ!知ってるのか!?
ガイドマンに続いて通りを歩く。
大通りを渡ると、ん?なんか臭うな。
そのまま歩き続ける。
なんか、こう、おしっこ臭がプンプンと・・
「ここだ!」
やっばりーーー!!!!!!!
彼が紹介してきたのは、紛れもなくおれがこの前泊まってた、ニョウナンキンロッジであったっ!!!!!涙
「えっ、ここ以外はどこかなひでふか?」
鼻で息が出来ないくらい臭いぜアピールを執拗にやるも、
「ひやぁ、ここ以外だと、どこも150オーハーだへ!」
まじか・・
うむ、こんな話を聞いたことがある。
人間は、希望的観測をしたがる生き物だということ。
たとえ難しいとは分かっていても、人間は、もしかしたら、上手くいくんじゃないのか?とか、案外やれるんじゃないか?とか、そういう考えに流されやすい生き物なのだそうだ。
(どうせ寝るだけだから、臭いは我慢しよう!そして、この前の部屋は特別ナンキン虫が多い部屋だっただけで、別の部屋なら虫も出ないんじゃないか?)
この時のおれもまた、このような希望的観測に判断を鈍らせてしまった訳である!!
この前の恐怖の4号室以外で!と指定をすると、ここしか空いてないよー!と通された14号室。
鍵を受け取って、部屋の鍵を開けて、、、
おれは目を疑った!!!
いや、まじ閲覧注意!!!
夜シャワー浴びれんくなるよ!??
夜一人で寝られんよ!!?????
ガチで怖いのダメな人見ん方がええよ!??
こんなんが壁にっ!!!
ひ、ひやぁだぁぃぁぁぁぁぁぁ!!!!
嘘やロォォォ!!!なにこれ血痕!??
え!?よく見えない!?ちょ、ちゃんとズームしてみてみて!!!血だらけの手で、壁を引っ掻いたみたいな、赤い跡がいたるところに!!!
どうだ!!怖いだろうぐへへへへへへへへ
!!!!
ごめんなさい。
「ち、ちょっと!ほ、本気で閲覧注意のやつじゃん!もうっやめでよ!キモオタぼっちのことだからどうせまた(ずっと一緒にいようね!たびお・たびこ)とかのカップル落書きかと思ったぢゃん!もゔ最低!・・」
と、ズームしちゃって今にも泣いちゃいそうな恐がり女子のみなさん。
本当にごめんなさい、責任を取って今夜、あなたが寝静まった頃にそっと添い寝しに行きます・・
そして、読者の間でこのブログを読んだことによる精神的苦痛に対する訴訟の準備が着々と進む中、おれは考えていた。
真顔で。
いや、ガチで怖いんやけど、と。涙
いや、正味、こんな怖い写真のせないでよ!とか言うてる君達の三億倍、おれは怖いんぞ被害者ぶってんじゃじゃねぇぇぇ!!
写真を撮るのもなんか写りそうで怖くて、これしか撮ってないが、壁のあちらこちらに、こう、血だらけの指で、壁を、こう、すっとやったような跡があるのです・・!
やめてくれ・・!!
なに!?
これほんまなにっ!!!!????
おれは動揺を抑えるために、なんとか希望的観測をしようと計った。
これは・・血・・えっ!?違うか?あれか?血じゃなくてあれか?カラーラン??あのペンキ投げ合って盛り上がるパーティみたいなやつ!?トマト祭り!?あーそうか、なるほどねぇトマト祭り後の観客が!スペイン帰りで泊まってたんだ!そっかそっかー!
ふーんそっかー!!……..
いや、もう血にしか見えん・・!!涙
や、多分あれだな!でっかいナンキン虫出たんやろ!直径30センチぐらいの!
んで、手でひねりつぶしたんやろな!ぶちゃぁって!んで、めっちゃ血吸ってて、でもその人めんどくさかったんだろうな、そのまま壁で手を吹いたと。
なるほど!!それなら納得いくわ!うん!
決して"バラバラ殺人事件"や、"一家心中"の現場だなんて、そんなんじゃないからね!!
うんっ!!絶対そんなんじゃない!!!涙
そして、直径30センチのナンキン虫がでてきたところでかなりの修羅場ではあるが、殺人現場でないことを立証するために、この前とは打って変わって
「どうかナンキン虫さん、いてください・・」
などと願いながら、おれは涙目で数分ベッドの前に立ち尽くしていた。
部屋はこの部屋以外どこも満室で、今からまた別の宿を探しに行くのも暗くてそれはそれで怖すぎるおれは、一生分の「仕方なく」を使ってここで眠ることを決意。
もちろん電気をこうこうとつけたまま、なるべく楽しいことを考えようと、ちなみちゃんと香川デートで三嶋製麺所でうどんを一緒に食べる妄想をしながら寝ようとしてたんだが、深夜急に降り出した大雨に雷、そして停電!
アルバミンチ恐怖の夜は永遠のように続くのであった・・。
次の日!
なんか思い出せんがものすごくおどろおどろしい夢を見てて朝5時に目が覚めたおれ。
鏡で顔を見ると、そこにはげっそりやつれた垢だらけのイエローな肌が写っていた。
早く出よう。
ここはなんかやばい!
空気違うもん!
なんか臭いし!!
そして、結局、もれなくたくさんいた普通のナンキン虫達に刺されまくってぼっこぼこになった体をぽりぽりと不潔にかきながら、おれは逃げるようにニョウナンキンサツジンロッジを後にした!
もう二度と泊まらねぇ!!!!!
朝!
無事両替を終えて、ついに極限貧困生活から解放されたおれ!!!
飯をくれっ!!飯をくれよっ!!!!
ここ三日ほど、10円のごみくずビスケットと20円のカエルの卵サモサしか食べてなかったおれ。
おれはこのまちでも一際ラグジュリオスな富裕層向けカフェに飛び込み、卵と肉と、豆の炒めたスペシャルプレートなる豪華な朝食(150円)を注文した!!!
うまっ!!!肉ってこんなに美味しかったっけ!???
卵も、うわっ!!
た、タンパク質バンザーイ!!ノンベジタリアンバンザーイ!!!
おれは久々のまともな食事に、皿まで食べてしまいそうな勢いでミンチの最後の一粒まで舐め尽くして食べ、実際ちょっと皿もかじって、大満足で店を後にした。
嬉しさの涙で目をウルウルさせながら店の外に出ると、うわ、さっきのがきんちょどもめ、まだいたか!
「ヘイ、ユー!マニー!マニー!」
ボロ切れの隙間から木の枝みたいな腕を差し出して、おれにほどこしをこう二人の、まだ小学生になるかならないかぐらいの子供。
エチオピア人全員に言える事だが、外国人はどいつも捨てるほど金を持ってると思ってるのか?なんの気兼ねも無く、マネーマネー。
あの宿を出たあたりからずっと、もう20分くらいついてきてて、振り払う意味でも、警備員さんいるようなちょっと良さげなカフェに入って朝ごはんを食べたわけだが。
まだいた。30分ぐらい待ってたのか。
「ユー。ミーノーシューズ。ギブミシューズ。」
「アイハブオンリーワン!全部使うもんしか持ってないんだよ!ごめんね!」
「シューズショップ!ショップ!」
なら買ってよ!って事だろう、向かいの靴屋を指差してる。
「外国人は金持ちなのに、貧しい僕らにお金をくれるのは当たり前でしょ?なんでくれないの?」
とでも言いたげな不服そうな顔で見てくる。
正味イラつく。
もう時間の無駄だからついてくんな!どいつもこいつも外国人を金の塊だと思いやがって!お前らが思ってるほどリッチじゃねぇんだよ!おれらだってギリギリでやってんだぞくそが!
なんて頭の中では考えてる。
子供に対して無視したり怒鳴ったりすると、自分がもっと下等な人間に成り下がる気がして、やらない。
無理に笑顔を作って、あげられないよ!と言って聞かせる。
そこに愛はない。
自分の事しか、考えられていない。
すげぇそんな自分にもイライラする。
なんだろな、二年前、仕事辞めて、単発で初めてインドを訪れた時。
道端に転がる真っ黒に痩せこけた子供達やじいさんばあさんを見て、率直に、かわいそうだな、なんてひどい暮らしをしてるんだ!なんて、思った。
手を出してくる人がいれば、ポッケから小銭を渡してた。
ちょっとでも、彼らの生活の支えになればいいなぁなんて思ってた気がする。
だけれど旅を続けるうちに、悲しい顔をして当たり前に手を出してきて、礼も言わずに差し出されたコインを受け取るだけの彼らの姿に、思った。
こいつら金は当たり前に金持ちから恵んでもらえるもんだと思ってやがる。
何もしなくても、今の生活を続けていれば、ギリギリでなんとか生きていける。
なら今の怠惰に任せた生活のままでいいやって思ってんじゃねぇのか?
もしくは、他の稼ぎ方を知らないし、知ろうとも思ってないんじゃないのか?
そう思ってから、おれは彼らに対する接し方を変えた。
何かちょっとでも、お金を得るためのアクションを起こしている人にお金をあげよう。
下手くそでも太鼓をたたいて声をあげて歌を歌ってたナイロビの少年、エチオピアの争奪戦の長距離バスの席を取ってくれた青年、ツルミで写真を撮ってくれた子供。
自分が、助かったー、とか思ったり、ちょっとでも愉快な気持ちになれたりしたら、その対価はけちらない。
お金は、物を売ったり、人をハッピーな気持ちにして初めてもらえるもんだ。
「お金がないんです、恵んでください。」
蚊の鳴くような声で悲壮感ばかりを追求して声をかけてくる彼らに、だれが幸せにさせられるだろう。
そこにあるのは「いい事をした!」というあげる側の自己満足と、誰かの前でいい人を演じる道具としての見せ掛けの愛でしかない。
そんな気持ちからくるわずかなお金で人間と野良犬の真ん中の様な、そんな人生を歩む事を、なんだってできる小さな子どもが決めてしまうのはあまりにももったいない。
福祉の気持ちだけではもうどうにもできない馬鹿でかい貧困が途上国には転がっている。
残念やけど、石油王でもないおれは全員にほいほいお金を渡す事はできない。
俺たち旅行者にできる事は、しっかりとした価値にお金を払う事だ。
……..そんなことをいつも心にに止めて、旅を続けてるんだけれど、いつもこういうケースに出会うと何が正しいのかわからんくなる。
彼らはおれにつきまとうだけで、幸せにするどころかイライラさせた。
だからそこに価値は感じないから、どれだけ長い時間彼らが粘ったからって結局お金は払わなかった。
でも、旅行者なら自分たちを救ってくれると信じて、何十分も付いてきた彼らをおれは裏切った。
知らんがなという話だけれど、ふと彼らの気持ちになってみると、おれはすごい極悪人のようにも感じる。
アジスアベバ行きのバスに乗ってる。
彼らのことをずっと考える。
バスの時間がなければ、ギターを弾いて見せてやりたかった。
ペットボトルに石ころを詰め込んでそのリズムに乗せて歌うだけでも、おれだったらお金を払ってた。
でも、結局そんなことを教えるわけでも無く、彼らの気持ちをないがしろにしてバスに乗った、おれは正しかったのか?
アフリカの、特にエチオピアの旅はそんなん考えさせられることばっかりだ。
外国人は金づる、歩く財布、ぐらいにしか思ってない奴らが多すぎる。
自分たちは貧しいんだ、豊かな国の人が恵むのは当たり前だ、と、みんな考えてたいした価値も提供せずに寄ってくる。
たしかに一理ある。日本人の平均月給はエチオピア人の30倍だ。
おれも、エチオピア人に生まれてたら、貰ってあたりまえだって、そう思ってたんかなぁ?
知らんもんな。親も周りの大人もみんなそう言ってたら、信じるわな。
彼らに一番必要なのは教育だ。
やればできるっていう自信を得るための、お金は物やサービスに払われるっていう理解のための教育。
貧しいから恵んでもらえて当たり前、では、彼らは一生あのままなんだ。
ここで見てきた物、感じた事は、日本に帰っても忘れないようにしないと。
途上国を旅するのが、いろんなしんどい思いも含めて、好きだ。
吐き気がするほどになんでも揃ってる、先進国育ちのおれには知らない世界が多すぎるから。
壮大な自然にも歴史ある教会や遺跡にも正味興味ない。
ただただ、この地球に生きる全ての人たちの当たり前を知りたいから。
次は行動だ。
何を感じようが、どんだけ知識が豊富だろうが、それでなんかできんとただのゴミだ。
もう走りもしないクラシックカーを家に飾っていつまでも威張っているようなやつにはなりたくない。
おれのこの人生の中で、なんかできる事あるんだろうか?
二年前、単発で行ったインドで見た世界、そこに暮らす人たちには彼らなりの普通があった。
俺たちの生活水準から見たらなんて可哀想なんだ、不幸な人たちなんだ、なんて感じるんだけれど、彼らは彼らなりの当たり前の生活の中で、そのステージに立ってる。
その普通が壊れた時、人は不幸を感じるんだと悟った。
そんな時に起こったネパールの大震災。
今回の旅で、普通を奪われた人たちをちょっとでもサポートしたいって、活動してみた。
思ったより大変だったが、間違いはなかった。
やってよかったなって思ってる。
次はなんだ?
この旅を通して、そんな感性を見つけにいくんだ。
なんかムズムズしてて、アジスで出会った、この寒い中半袖で暮らしてる子供たちに、いらない服をあげた。喜んでくれた。けどいい事をしたとかは思えない。何が正しいんかとか、ちいさいそんな事ばっか考えてしまう。
そんなところです。
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終了
↑↑
ニョウナンキンロッジ、部屋は最悪でしたが、併設のバーで生ジョッキ60円はアツかったなぁ。
ディスカッション
コメント一覧
いつもブログ楽しく見てます!
一生分の仕方なく、いい表現ですね!
がもさんって汚物系バックパッカーというよりはバックパッカー系汚物ですよね!
衣類など、不要な物を恵まれない国に送りたいと
は思うんだけど、送料負担してくれ、だの、汚いのはダメ、できれば新品で、などと要求されること
が多いんで、もう衣類は足りているのかと
思ったけど、そうではないの?
うんこさんコメントありがとうございます!
いやぁ、究極でした・・
やっちゃいます!!?日本帰ったら、汚物会開いちゃいますか!!?
あっきーさんコメントありがとうございます!
うーん、道端で転がってるような子たちは、ほんとにボロボロの半袖で10度くらいまで冷え込むアジスで、ダンボールや米袋にくるまってなんとか冷えをしのいでいるという感じです。どんなレベルだろうと、日本人の感覚で"着ることはできる"ものなら、絶対喜ばれると思います。
ただ、僕がネパールで被災者へ衣料を送ろうとした時にも、そういうことを街で話すと、たくさん服屋のバイヤーみたいな人が、「服をまとめて渡してくれたらおれが被災地まで持っていってやる!」と群がってきました。多分大量に手に入れて、売るつもりでしょう。そういう事を言って良心をふみにじってくるやつらは普通にいます。残念な事ですが。正味、キレイな状態で!なんて指定をしてくるというのは、本当に行くべきところに行かないんじゃないのかな?と僕は思ってしまいます。
いつも元気にいるかどうか応援してますが、
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もっとポイント数が増えると思いますよ!
ボッチさんによりぽっちが増えますように!
そのうち3位入賞も夢じゃないと思います!
愛ちゃんママさん、コメントありがとうございます!!
おおお!アドバイスありがとうございます!そんなに応援していただいて、うれしいです!さっそくやってみますね!ぼっちぽっちよろしくです!!!