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【ジンカからバスでツルミへ】詐欺集団の乗り合いバンで、世界にたった一人ぼっちの話

2020年4月29日

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クソやろぉぉぉ!!!!

くぅぅぅぅっそぉぉぉ!!!!!!!

怒りがおさまらん・・!!!

………エチオピアの乗り合いバンはクソだ!

そこのあんた・・

おれの、おれの愚痴を聞いてくれるのかい?

ただただ愚痴るけど、聞いてくれるっていうのかい??

・・・む、誰もいなくなったか?

うううっ!ここまでスクロールしてまで、おれの愚痴を聞きたいやつもいないか・・

チクショォォォ一人で思いっきり愚痴ってやる!!!

今日はついに、ジンカから、エチオピア南下の旅の最終地点、ツルミまで向かう事になっていたんだ!

昨日のバンで一緒になった善人のカリヤン(みたいな名前の彼)に手伝ってもらって、ヒッチハイクしかないと思ってたここからツルミまでのバスがある事を知り、チケットをゲットしたおれ。

時間を確認した。

「明日のトゥウェルブオクロックだ!」

んで、今日。

予定より早く出る場合もあるので、余裕を持って朝10時にはバス停に到着したおれ。

受付のおやじにチケットを見せる。

「このバスはどこに来る?」

しかし。

チケットを見るなりなんか渋い顔してるおやじ。

首を振りながら切り出す。

「君はトゥーレイトだ。バスはワンオクロックには出発した。」

は?

何言ってんだこのおっちゃん。

わけわからん。

「今10時だよ?1時って、まだ3時間あるじゃん。」

と、時計を見せるが、

「ワンオクロック!バス!ゴーン!オールレディ!」

と頑なに首を振る。

おっちゃん日付勘違いしてんのかな?とか、ゴーをゴーンと言ってるのかな?とか、しばらく考えて、

はっ!とした!

「え!!もしかして、トゥウェルブオクロックって、ミッドナイトの事!??」

「イエス!イエス!」

うそやん!!!!!!!

なんと、12時集合って言われてたのが、実は今日の早朝、深夜の0時ってことのよう!!

待て!昨日の受付のおやじは12時って言ってたぞ!ミッドナイトは0時だろうが!金返してくれ!と頼むんだけれど、まぁもちろん返ってこんよな。

おやじはひたすらいう。

「ディスイズエチオピア!!!」

わけわかんねぇよ!

どういうこと?エチオピアではバスは深夜発が当たり前だよってこと!?

(※この意味はのちに判明したので、後に追記する)

とにかく、うわー金欠状態で、100ブルのチケット代パーにしたー!!きつー!!

とか思いながらも、どうやらツルミまでは小さな乗り合いバンが何本か走っているらしく、まだ席が空いていると言う。

おれはまよった。

ポッケの中には3千円分のブル。

正味ツルミまで行ったら超田舎だろうから銀行とか絶対ないだろうし、両替もできない。

主要都市までのバスも週二本とかしか無いって話だ。

ここでさらにチケット代を払うと、お金がもつかかなり不安ではあるが….

ここまで来たんだ、行けるなら行ってみたい!

バンの発着所はバス停のすぐ横にあって、向かってみた。

「ツルミ?ディスバン!ディスイズツルミ!」

ツルミ行きのバンはすぐに見つかった。

乗務員のドレッドのにいちゃんに値段を尋ねる。

「ツルミ、エイティーブル!エイト、ゼロ!」

む、80ブルか。なんだバスよりちょっと安いのか。

「オッケー!乗るよ!」

と荷物を預けた。

こういう感じのバンは乗客がいっぱいにならないと走り出さない。

まだ2時間ぐらい待つ事になりそう、という事なので、バス停のコーヒー屋でギターを弾きながら待つ。

みんな大はしゃぎで手拍子で盛り上がってくれた。


やっとバンの乗客が集まったそうで、出発!

ジンカの街を出て10分もすれば、一面の荒野、岩山だけの世界がどこまでも見えている。

そんな乾いた大地の一本道をひたすらかけている時だった。

バンのドレッドにいちゃんが、乗客から金を集め出す。

80ブル、と聞いていたので、にいちゃんに100ブル札を渡す。

が、

「ノー!」

と言って受け取らない。

あ?

80ブルでしょ?100ブル渡しとるやん。

「ノー!ファイブハンドレッド!」

は?

もう一人の、乗務員っぽい、10歳ぐらいの少年が割って入ってきて、まだマシな英語で話し出す。

「ツルミまで何キロあると思ってんだ?500ブル(3000円)だ!値段聞いてなかったのかい?」

鼻で笑いながら残りをよこせと手を出してくる。

いや!何言うとん!!?ふざけんな!

「聞いたよ!聞いてさっき80ブルって言ったろうが!」

「誰が言ってたんだ?」

「こいつだよ!」

ドレッドの、英語をほとんど喋れないにいちゃんを指差す。

「&(“$":&??」

「&(@49!;@:@@!!」

「&(@)!:@:"";"!!!」

二人でなんか話してる。

ドレッドのにいちゃんはなんかバツが悪そうで、ガキにせめたてられてる。

むむむ、推測するとこうだ、元々のこのバンの正規価格は80ブル、最初におれが尋ねたとき、ドレッドはおれに正規価格を教えた。

エイト、ゼロ!と。

んで、おれがそれを知ってるのには気付かずに英語の喋れるガキが乗り込んできた。

多分こいつはもともと乗務員じゃない。

元々このバンに乗務員は2人。
運転手と、料金集めのドレッド。

多分だけどガキは、英語がしゃべれない2人の代わりに外国人と交渉して、ぼれるだけぼったくるためにドライバーたちに雇われたんだ。

たぶん、ぼった分だけ後で山分けするとか、そういう事をやってるやつだ。

「とにかく君は500ブルを払わないといけない!彼は80だなんて言ってないと言ってるぞ!」

「500ブルも払えるか!おれは80ブルと聞いたから乗ったんだ!ふざけんな!」

「わかった、ならスペシャルプライスだ!250ブル(1800円)だ!これでいいだろ!?早く払え!」

「80ブルって聞いたから乗ったんだと言ってるだろうが!嘘をつくな!」

「ダメだ!君は日本人だろう?日本はリッチな国じゃないか!ワイドンチューペイ!」

本性表しやがった!結局外国人やから500ブルぐらいちょろっと払えるだろ、とか思ってんだろうが!

「払えるか払えないかじゃねえそんなのダズンマターだくそが!彼が80ブルだって言ったからおれは乗ったんだ!それにここでそんな大金払ったらおれはアルバミンチまで帰れなくなるんだよ!」

もう久々頭きて車内でガキと怒鳴り合っていると、突然!運転手が車を止めた。

あたり一面、木と岩しかないような荒地のど真ん中に。

そして運転手とドレッドも一緒になってなんか罵ってくる!

「&(@;@$@!!!!」

いいから払え!他の乗客の迷惑にもなるだろう!

そんな感じか?手のひらをぴんと伸ばしてバックシートを差しながら、すげぇ剣幕で怒鳴ってくる。

他の乗客も乗客だ!たった一人外国人が訳の分からんいちゃもんつけられて金を盗られそうになってるのに、言い合う俺たちを見てへらへら笑うだけ!

(早くしてくれよ~!)

みたいなこと言って、みんなでキャハハと笑って、茶化してくる。

なんなんだよ!!

どいつもこいつもクソみたいな奴らばっかだ!

本当に15人乗ったこの車内で、誰一人仲間なんていねぇ!

本当に本当に一人ぼっちだ!もう泣きそうになる気持ちを奮い立たせる。

ふざけんな!!!

一人一人胸ぐら掴んでやりたくなる気持ちをぐっと抑えて・・抑えるけど、抑えきれんで、人をかき分けて、止まってる車の扉を開けた。

「もうこんなクソみたいなバン乗るか!」

灼熱の荒野に飛びだした!

商店も民家も、ひたすらに伸びる一本道以外、人口のものなんて何一つ見当たらない荒野のど真ん中。

遠くのほうで陽炎が立ってた。

(え?ヤバくないか?)

なんて、一瞬で頭のなかでいろいろシミュレーションしてしまう。

でも、あほか!今更やっぱり250ブルで乗せてください!なんて言えるかくそが!

(水はある!ヒッチハイクすりゃそのうち誰か止まってくれるだろ!それでジンカまで帰ろう!大丈夫死にやしねぇ!)

ギターを担いで外に出たおれを、ヘラヘラ見てきながらガキが

「忘れてるぜ~」

なんて言ってる。

見ると右手におれのケータイ!

(うわ!ポッケから落としてた!あぶね!)

と、このときばかりはガキがバカにしながらも教えてくれたことに正味感謝しつつ、

「返せ!」

と奪い取って見せた!

この後に及んで、「あ、ありがと!」とか言えるか!照

どうやらガキ達はおれがこんなところで本当に下りるなんて、正味思ってないみたいで、

「言っとくけど戻ることはできないからね!ここで下りることになるよ!ハハハ!」

「ノープロブレムだこんな車乗るくらいならヒッチハイクで行ってやる!早く屋根に積んでる荷物を下ろせ!」

「無理だね、しっかり縛ってるんだ!君がここで下りるならこの荷物は僕たちが貰うことになる!ハハハ!」

「あぁ!!??ならおまえらは窃盗団と一緒だなクソ野郎どもが!」

おれの一言一言を、他の乗客も一緒になってハハハッ!とせせら笑ってくる。

時計を指差しながら、早くしろよと訴えてくるものもいる。

あぁぁぁぁぁ!!!もう無理だ!

正味、外に出たら、正規価格に戻すかな?とか、半分脅しの意味を込めてパフォーマンスで出てみた部分もあったけど、もう頭きた!

無理やりに屋根に手を伸ばした!

荷物を縛ってあるロープをほどこうとする!

もういやだ!本当に降りてやるんだ!

するとガキやドレッドが、「こいつ正気か?」みたいに焦りだした!

彼らにとっても、ここで一人降りて空席ができるとその分収入が減るので、都合が悪い。

「わかった!!これが最後のスペシャルプライスだ!150ブル(900円)!150ブルなら払えるだろ!」

「あぁ!!??そんなのダズンマターだって言ってるだろ!?80ブルがなんで150になるんだくそが!」

「彼が言った80ブルって言うのは、えっと、あの、リマカだ!リマカまでは80ブルだ!リマカからツルミはさらにダブルの距離があるんだぜ!?だから妥当な値段だろ!?」

ん!これも真っ赤な嘘だ!

バス停のおやじが言ってた!リマカという街はツルミの一個手前の街で、距離も20キロも離れてない!

正味リマカまで行ってしまえばあとはなんとかなる!

「言ったな!?リマカは80ブルなんだな!?ならリマカだ!リマカまで行く!おれは80ブルしか払わねぇぞ!」

「え?でもツルミまで遠いんだ!いいのか!?ダブルの距離があるんだ!150払ってツルミに行け!」

おれが街の位置関係も知らん観光客だと思って舐めやがって!!

「80でリマカならリマカだ!!それ以上は払わん!!それが嫌ならおれは降りる!」

「……乗れよ!貧乏人!」

そんなで、なんとか怒りのあまりの荒野で遭難コースは免れたものの、その後の車内はゲロ重苦しい空気、100ブル札で払うと、お釣りはないから返せない!と言われまた一悶着あったりと、もう最悪である。

くそが!なんでこんな嫌な気持ちで旅をせねばならんのだ!

やっぱりあの時無理やりにでも降りときゃよかったかな?なんて思いながら2時間半後、バスは田舎町リマカに到着!

屋根の荷物を下ろす時も、屋根に登ったドレッドが

「@($/&:@(&4′ !!!! ハハハ!」

とか馬鹿にした態度で煽ってきて、一緒に降りた数人の乗客たちとおれを笑ってくる。

投げつけるようにおれのバックパックを落としてくるドレッドと周りのクソどもを睨みつけて、埃立つ赤土を蹴ってその場を去った。

あぁ、エチオピアの乗り合いバンはほんまイラ立つことばっかりだ!

こんなんでエチオピア全部を否定したくはないし、いい人もたくさん会ったけど、今日会った奴らは、乗客もみんなクソ野郎どもばっかりだ!

あの狭い車内に誰一人仲間がいない感じ、ひどく冷たい空気、泣きそうになるくらい、嫌だった!

..そして、そんな風に怒りに任せてしまってる自分にも悔しくなる。

時刻は午後3時。

このままツルミ行きの車を探すのももうどうにも気が乗らず、声をかけてきた客引きに連れられた600円のボロ宿で、リマカに一泊する事にした。

なんか、リマカなんて全然知らんかったけど偶然今日、民族の人達が集まってくるトライブマーケットが行われてるらしい。

これも巡り合わせ、なんて言うにはひどく荒んだ気持ちではあるが、せっかくやし見に行ってみよかな・・

そんなところです。

※追記

バスの発車時刻を、「トゥウェルブオクロック」と聞いていて、バスを逃した件。

すごい後になって知ったけど、なんと、エチオピアには独自の時間、エチオピアタイムがあるらしい!!
それは、国際基準のエチオピアの経度が午前6時を示すとき、エチオピアタイムでは、0時(12時)になるらしく、つまりは世界時間マイナス6時間で計算した時間を彼らは使っているという事!
つまり、おれが乗るはずだったバスは、12時(国際基準の朝6時)に出発したよ、との事だ。
暦の数え方も、独自の方式を採用しており、13月が存在したり、エチオピア暦では今年はまだ2009年らしい・・

知らなかったおれが悪い訳だが。。
わけわかんねぇ!!わけわかんねぇよエチオピア!!笑

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ここまでスクロールしてくれて・・案外ツンデレなとこあるんですね・・ポッ


エチオピア

Posted by gamoyuki