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【プノンペン/カンボジア】日本対カンボジア観戦とネパール支援の話

2020年5月13日

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この日はついに!!!

サッカーW杯予選、日本対カンボジアをスタジアムに見にいく日である!!!

無類のサッカー代表好きの俺にとって、W杯予選なんて、台風で強風警報が出た日に気付かず登校する女子高生のスカートくらい必見のイベントである。

オレは燃えていた。

ユニフォームを前日夜からパジャマとして着て、周りの欧米人達にひかれていた。

それでも俺は燃えていた。

今日という今日は声の枯れるまで応援して、日本の大勝をこの目で見てやるのだ。

あまりもの熱意により、近隣の住宅二棟が全焼した頃、ついに出発!!

カンボジアオリンピックスタジアムまでは、宿で仲良くなったゆかりさんと一緒にやってきた。

ビールで勝利の前祝いで乾杯しながら、外科医だったという彼女からたくさんの事を聞けてよかった。

スタジアムに入る時、おれは警備員に止められた。

入れないだと!?

実は、おれはチケットを300円で、こっちでカンボジア人価格で購入したんだけれど、それでは日本人席には入れないのだという。

日本人席は1500円するので、当たり前といえば当たり前である。

しかし、ベトナムからの国境横断を、申告しなければ不法入国し放題という緩さで野良犬と一緒に入国したおれにとって、これは意外だった。

ちゃんと警備してる!
ウソだろ!?

日本人席に座れないなら、おれはカンボジア人サポーター達に囲まれて応援しなくてはならない。

一人盛り上がって日本の応援歌なんて歌っていたら、女達には白い目で見られ、子供には石を投げられ、怒る男達にレイプされ蹂躙されるに違いない。

あっさり入場したゆかりさんを見送りながら、おれは泣いた。声の続く限り大声で。

入れてくれ!頼むおれをいれてくれ!

力なく泣き崩れ倒れこむおれに、警備員達は
「ダメだ。このチケットでは入れられない」
と冷酷にひきつった目でおれを見下しながら、おれを蹴り、ムチを入れた。

滴る涙と血がカンボジアの乾いた大地を潤し、一輪のバラを咲かせた頃、(実際には「これじゃ入れないよ」「あ、そうですか。いっけね」ぐらいだったけど心の中ではそれぐらいの衝撃だったのだ。)1人の日本人のお兄さんが話しかけてきた。

「チケット、余ってるんだけどいりますか?」

えっ!????

なんですと!????

「捨てるのももったいないなぁと思ってたトコだからあげますよ!お金なんかいらないから!」

神様出現!!!!!!

地面に当たったおでこが深々とクレーターを作るほど深くお辞儀をして、チケットをゲットしたおれは、先ほどまでおれを罵倒し、殴り、ムチを入れていた警備員にチケットを見せつけた!

「このチケットが目に入らぬか!!!我こそは日本人価格1500円のチケットを手にする、超VIPサポーターなるぞ!!!」

「ははぁ!!!!!多大なる無礼、お許し申し上げ奉る!!!!」

そして数千人の兵士達の祝砲を聞きながら、黄金のソファを装飾した象にまたがってレッドカーペットを進み、おれは無事日本人サポーター席に入場したのであった。

燃えた。

本当に燃えた。


指定席を離れ、ウルトラス(日本の一番熱いサポーター集団)のちかくでやんややんやと応援歌を歌っていたりして、警備員に見つかり連れ出されたりしたけど、それでも歌って踊って大騒ぎだった。

持っていたカンボジア人席のチケットは、ゲートの向こうでなんとか試合を覗き見ようと集まっていたガキンチョ達にあげた。

グッチさんスピリットである。

試合の方は、カンボジア代表のファイティングなゲームに苦戦しながらも、なんとか2-0で勝利!

カンボジア代表、なかなか良いゲームでした。最後に日本ベンチ、サポーター席前まできてお辞儀をしていて、素晴らしいチームだなぁと思った。

試合中、指定席から同じく追い出された人達でウルトラスとは別のところで応援コミュニティを作って声を張り上げて応援してたんだけど、(といっても二人だけだけど)その相方として仲良くなったエンジェルハートのエイジくんに、

「この後飲み会があるから来ませんか?」

と誘ってもらって、のこのこついていった。

その飲み会というのが、日本代表の試合にほぼ毎回、サムライの衣装でやってくる有名なサポーターの方の誕生日会という名目だって、

なんとこの方、各方面でボランティア活動を行っている事でも有名な方で、先日エイジくんら学生を引き連れて、山間部に住むネパール地震の被害者の方達へ防寒具を支援する活動を行ってきたばかりということだった。

飲み会の最後にこの活動の報告会も行っていて、今やっているチャリティーバスキングのその先、「実際路上で貯めた金でなにすんの?」ってところを知れる素晴らしい機会だった。

飲みの後、ツンさん(サムライ)に直接話をさせてもらって、現地で繋がりのある信頼できる日本人の方の連絡先も教えてもらった。

おれは、路上ライブをやるのが目的だったから、正直その金はボランティア団体に寄付、とかでもいいかなーとか思ってたんだけど、話を聞かせてもらって、素晴らしいアイディアをもらった。

それは、現地、特に山間部では未だに壊れた家を捨てて、テント生活を余儀なくされている人達がたくさんいる事、公共のトイレや建物も壊れたままで、今一番のニーズはそこだと。

しかし、実際に大手ボランティア団体がそこまで手の行き届いた活動ができているかというと疑問であるという。

実際にそのお金で直接修理や復旧に関わる事、それはユウキくんのためにも素晴らしい経験になるよ!と。ギターができるなら学校訪問も出来るんじゃないか?などなど。。

とても、現場を見ていない自分からは予想できない、現状を見てきた人のアドバイスをもらえて、イメージがふくらんだ。

そのお金で修復費を買って、地元の修理工の人達と山に登り、可能な限りその仕事に付き添って一緒に働くのはどうだろう?
ちょうど大学生達は冬休みの時期だから、Facebookなんかでメンバーを募って、仲間と行動するのはどうだ?

などなど、いまいろいろ考えている。

とりあえず、なんかやると思うので、1月頃ネパールでボランティア活動、ちょっと過酷な滞在になるかもだけど、やってみたいって人募集!!

やればなんでも出来るんだな、と。

大事なのはニーズを知る事と、周りの協力だ。

この旅の第一ゴールであるネパール。

出来れば素晴らしい思い出にしたいから、必死こいてやる。

それでうまくいかなかったらその時だ。

やってやるぞ!!!

そんな、チャレンジ精神に火をつけられた、素敵な夜でした。

サッカーを通した、素敵な出会いに感謝!

そんなところです。

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