香川出身おれ氏、イキって家うどんしたら妻氏と喧嘩になった話【しっぽくうどんの作り方】
なんがでっきょんな?ぼっちシンガーです。
路上ライブで世界一周の旅を終え、現在は東京で音楽活動中。
日々の何でもない事を凄そうに語っては、周囲のみんなが眉をひそめるよ!
先日、うどん県イベントに出演するために、
東京にあの男がやってきた!!
おれの地元・香川県でうどん系Youtuberとして活躍する「ヤグタウン」である!
高校時代からの友人である彼。
イベント前日に蒲田で飲んだおれ達は、闇の取引を交わしていたのだ。
例のブツだ…
このおれがオススメする現地直送の極上品、飛んじまうウマさだぜ…?
フフフ…おぬしも悪よのう・・・
怪しげな白い粉を身にまとった、ずっしりと重量感のあるつつみを受け取ったおれ氏。
ククク…本場の手打ち生タイプ…こいつは上物だぜ…!!
さっそくキメるとするか…!!
饂飩狂信舞踏会(うどんパーティー)をなっ!!!!!
もくじ
うどん県民が生うどんを調理するとこうなる
ということで、お土産にもらった生うどんを調理していくのだっ!!!!
フフフ…腕が鳴るぜ…!
そう、香川県民にとって、うどん作りとは紳士のたしなみ。
おれ達は子供のころからうどん作りを叩きこまれて大人になる。
幼少期から幾多のやけど跡を作りながら、最高の湯で加減、ダシの配分、麺のコシを体現できるようになって初めて、うどん神から割礼の儀を受け成人として認められるのである。(※諸説あります)
ここは一つ、美しい讃岐うどんを茹で上げて、ようちゃん氏(香港人の妻)を感動させてやろうではないか。
うどん王国の偉大さ、奥深き文化の神髄を、ようちゃん氏に教えてやろう!!
PRIDE OF UDON!
香川県民が最高で最強のうどんを作ってあげますよ!!
は?うどんなんて茹でるだけやろ?
なに偉そうなこと言うとんや。
ちっちっち!
生めんはただ湯がくだけではないのです。冷凍うどんと違って奥が深いんですから!
そうだな…ここは生めんで作る際の醍醐味、「釜たま」!!
そしてそろそろ寒くなってきたから、香川県民の冬の風物詩「しっぽくうどん」!!
この2種類の絶品うどんを堪能してもらおうじゃないですかっ!!
まずはしっぽくうどんのダシを作る
まずはしっぽくの下ごしらえや!!
しっぽくうどんとは、ごぼうや里芋、にんじんなどの根菜と、肉や油揚げを入れた田舎風うどんの事である。
冬の風物詩で、香川県民はうどん屋の「しっぽく始めました」の文字で冬の到来を感じるのだ。
ということで、先にしっぽくうどんの「しっぽく」の準備に取り掛かる!
(「しっぽく」とは一体どういう意味なのかについては、現在マサチューセッツ工科大の研究チームによる調査が進められているが、その由来などは不明。我が家では具材たっぷりのダシの事をしっぽくと呼んでいる)
へへへ…まずは香川から取り寄せたヤベぇブツ、
「伊吹島のオリーブイリコ」
でダシを取っていくぜ…!!
くっくっく…!!
イリコ達よ…搾り取ったる…搾り取ったるで、お前たちの薫り高きダシのすべてをなぁ!!?
ん?イリコってどれくらい入れればええんや…?
まぁいいや、そのまま一袋全部入れちゃえ!
それで?えっと…適当に沸騰させたらえぇんかな…?
おい!イリコのはらわた取ったんか?
あとアクが出とるやん!それ早く取らないといかんのとちゃうんか!?
え?ハラワタって取るんですか!?
アク??はて??
んなもん常識やろうが!!
香川県民のくせにイリコのダシの取り方も知らないとは…このクズヒモニートが!
くっ…!!
ようちゃん氏は香港人ながら日本文化に精通しており、金毘羅山のうどん学校も修了しているエキスパート。
このうどん学校では、香川県民でも知らない特殊技能を教えているのだろうか!?
これは技術の国外流出につながるのでは…!?
由々しき事態である。うどん県当局には早急に対応に当たってもらいたいところだ!
そんなで、PRIDE OF UDONなどとのたまいながら、イリコからダシを取った経験などないエセうどん県民の片りんを垣間見せつつ、調理は続く。
ま、ハラワタなんて入ってても無くてもどっちでもええやろ。
なんとなーくダシが出たなーと感じるくらいまで煮込んだら、なんとなーく切ったしいたけを入れ、
これまたなんとなーくなタイミングで、肉と調理済レトルトの野菜を適当にどばーっと入れる。
…うむ。完全に野菜の量を間違えている。
出汁が見えないほど大量の野菜。
スープを作っているのか、煮物を作っているのかも不確かな状況。
しかし、人生とは常に不確かなものなのだ。
なにに従い、何を信じて生きるべきか。我々には選択の自由がある。
不鮮明な幸福の形に気付けずあらがい、迷い続けるのも、まやかしに心躍らせ熱狂し狂信するのも、また自由なのだ。
自由と幸福論を哲学しながら、自分でも何を言っているのか今一つ良く分からなくなりながら、ダシがいい感じに沸騰するのを待っていると…
!!!!
せやっ!!ひらめいたっ!!
このイリコの搾りかすを使って…!!
フフフ…一流の料理人は素材ひとつひとつを無駄にはしない。
出汁を取った後の伊吹島いりこに塩昆布・ごま・ネギを乗せてごま油をまわしたったら…
「絶品・ふやけたイリコの塩昆布和え」
の完成やっ!!!!
ぷはぁぁぁぁぁ!!!最高やっ!!!!
一杯やりながらダシが出来るのを待つ。
ダシが煮立ってきたらついに麺の調理に取り掛かる!!!
釜たまうどんを作ると喧嘩になる
さぁいよいよ麺を湯がいていくでぇぇぇ!!!
そして、まずは釜たまを作るんやぁぁぁ!!!
釜たまとは、湯がきたての、釜から揚げたてのうどんに卵と醤油を垂らすだけの、
シンプルかつ、新鮮なうどんにだけ許される至高の食べ方のことである!!
普通うどんは基本、湯がいた後に冷水でシメてコシを出すんだけれど、
釜揚げや釜たまって言うのは、シメる前の湯がきたての麺をそのまま頂く、これこそが最大の特徴なんだよね。
よく、冷凍うどんを湯がいてたまご乗せたやつが「簡単おいしい釜たまうどんレシピ」なんて紹介されていたりするが、あれは偽物。
江戸前すしと言われてカリフォルニアロール食べてるようなもんだ。
小麦の香りとぬめりをそのままダイレクトに味わってこそ、釜たまの醍醐味なのだ!
地元民の強烈なこだわりと謎のプライドめんどくせー。
うまければなんでもええやん。
フフフ・・・ようちゃんはまだ本当の味を知らないのです。
おれが、「真の釜たま」、
そう、レアル・カマタマーレを味わせてあげますよ!!
強そうなチーム名やけどJ3最下層やん。
き、きっと来年こそは…!!愛媛にだけは負けんぞっ!!(号泣)
生めんを湯がく際は、とにかくお湯の量が命!!
大量の湯で麺を躍らせながら湯がくのが一番なんだが、しかし我が家には小さな鍋しかない。
・・・まぁなんとかなるか。適当にぶちこんじゃえ。
うおぉぉ!!お湯冷めちゃった!!一定の温度で湯がき続けねばならないのにっ!!
火力上げろ火力!!
うわっ!!!沸騰でお湯があふれてきた!!あぁぁ麺があふれていくっ!!!
10分ほどの死闘の末、ようやく麺が湯になじんでくる!!
ふふふ…一流のうどん職人は湯でにタイマーなど使わないものだ。
表面の適度なぬめり、透明感、そして持ち上げた時のずっしりと箸に乗ってくる水分を含んだ麺の重み…
経験と感覚、研ぎ澄まされた嗅覚…五感のすべてでうどんと「対話」する。
うどんを茹でる際には、女性をエスコートする紳士のようなジェントルさが大切なのさ。
うどんの表情、動き、その一つ一つに気を配り、優しく語りかけるのだ。
「うどん子よ…君のベストタイミングを教えてくれないかい?最も美しい瞬間の君に出会いたいのさ」
うどん子「ぼっちさん、今よ!私のベストタイミングは今この時なのよっ!!」
よしイケるっ!!いまこそ完璧な釜揚げ時間っ!!おりゃぁぁぁぁ!!!
ちゅる(試食)
硬っ!!!まだまだやっ!!!
芯が残りまくりだったため、さらに数分湯がく。
さっきのうどんとの対話の下りは一体何の茶番だったのか?素直にタイマーを使えばよかったのではないか?などの野暮な考察が飛び交うなか、改めて試食…
「うまい!!!」
そして、ゆで上がった麺をそのままお椀に入れ、卵を落としネギと醤油・・・・
う…美しい…!!
黄金に輝く卵、純白の麺肌、そして小豆島産のダシ醤油!!
これさえあれば何もいらない!!完璧や!!
さぁようちゃん!!揚げたての釜たまです!!
鮮度が命や!!すぐ食べてっ!!
いま仕事中や!!後で食べるから置いといて。
何を言ってるんですか!!!!時間との戦いです!!
釜たまは出来立てだからこそおいしいんです!!
仕事と釜たま、どっちが大切なんですか!!
仕事に決まってんだろうが!!
食べるタイミングなんておれに決めさせろ!!
お前は黙っとけ!!
びぃぃぃ…
びぃぃえぇぇぇぇぇん!!!!!
ええいやかましい!!これだから男は面倒なんだ!!
困った時は暴力で解決するようちゃん氏。
バシン!!!バシン!!
馬乗りでお尻を叩かれるおれ氏の快音が響く。
食べたくないなら食べないで構いません!!(号泣)
私が全部食べちゃうんだから!!
以前記事にもしたんだが、香港人には出来立ての料理を囲んで一家団欒、という文化が無い。
香港は超経済第一主義で男女共働きが一般的なので、だいたい食事は屋台のお惣菜やテイクアウトで、家族別々に好きなタイミングで済ませる。
そのため、料理を出来立ての内に、作ってくれた人に「いただきます」を言って食べる、という感覚がないのである。
日本人主婦代表おれとしては、「出来立ての料理を食べないなんてひどいわ!」
香港人ビジネスマンようちゃんとしては、「食事なんていつでも出来る!優先事項考えたら仕事だろ!」
国際結婚ならではの文化の違いからくる、永遠に終わらない戦争なのである!
あぁぁおいしいわ!!出来立ての釜たまったら本当においしい!!
こんなおいしいものが食べられないなんてかわいそうに!!
こんなおいしいものを食べないで、そんなに仕事って大切なのかしら?
グズグズ言うな!おれの仕事に口を出すんじゃねぇ!
男は黙って家事してりゃいいんだ!
しっぽくうどんも完成!!
そんなで、THE昭和のモーレツ社員なようちゃん氏の態度に涙にくれながら、残りの麺を冷水でシメる。
讃岐うどんのコシのつよい食感はこのシメで決まるんやっ!!
大量の水でぬめりを取って…
冷水で冷やす!!…んだが、氷がないな。
まぁいいや。
冷凍庫にあった保冷材でもぶち込んでおこう。
(そういえばおれ、夏の暑い日にこの保冷材、足の裏や脇に挟んで寝てなかったっけ…?)
などという淡いひと夏の思い出をエリーマイラブソースウィートしつつ、しっかり冷えた麺を上げる。
さっきのスープなのか筑前煮なのか分からないしっぽくに麺を全部ぶち込む。
うん…地獄のような光景だ。
ほぼ麺になっちまった。
汁気はどこに行った。おれがイメージしていたしっぽくうどんはなんかこう、もっとみずみずしい感じだったんだが…
否、讃岐の地は昔から水不足に悩まされてきたのだ。
先人たちはうどんの汁をも節約しながら、大事に大事に満濃池の水を使って来たのだ。
干ばつが続く日も、極悪高知県民による早明浦ダム取水制限などの嫌がらせにも耐え…
くっ…先人たちの思いを受け継ぎ、リスペクトの気持ちも込めて、ここは汁なししっぽくうどんと行こうじゃないか!!
これでこそ本場讃岐のアイデンティティ!!讃岐の民の節水の歴史をこの一杯に表現するんやっ!!!
都合のいい解釈で自分をだましだまし納得させることにかけては右に出る者はいない系ブロガーなおれは、最後の仕上げに取り掛かるっ!!
熱々になるまで沸騰させ、最後に刻みネギを振りかけて…
完成やっ!!
しっぽくうどん汁少な目ver.先人たちリスペクトエディションっ!!!
まとめ
うまぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!
キンキンに効きまくったイリコ出汁、そして最高の弾力・コシのあるうどん!!
なんか思い描いたしっぽくうどんのイメージとは違ったが、問題ない!!
うますぎるうどんが完成やっ!!
なんだかんだ言いながら全部食べたようちゃん氏。
本場の職人の作る奥深き味わいに深く感動したことだろう…。
おいしいですかようちゃん?
これぞ本場讃岐の味ですよ!
焼うどんと煮込みうどんの中間みたいな味やな。
3.2点といったところか。
びぃぃぃびぃぃえぇぇぇぇぇん!!!
とりあえず、今回判明した事実はこうだ。
うどんは店で食べたほうが早くて安い。
でもたまに、こういう家庭の味で楽しむのも楽しいよね。
そんなところです。
Tweets by gamoyou
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