旅に出たくなる本・小説3選を妄想気味に語る話【世界一周するなら読むべき!】
ボンジョルノ!ぼっちシンガーです。
路上ライブで世界一周の旅を終え、現在は東京で音楽活動中!
旅の思い出などを得意げに語っては、「老害のたわごと」などと聞き流されるよ!
さて、今回はオススメの本について紹介していこうと思う!
皆さんは本は読みますか?
おれは読書家ってほどではないが、読書は好きだ。
毎月2、3冊くらいをコンスタントに読む習慣がある。
その習慣は小学生の頃からで、当時から放課後や昼休みには一人で図書館に行くことから、「うどん県の二宮金次郎」、またの名を「あいつ友達いなさすぎワロタ」の愛称で親しまれていたほどだ。
中学校の時には太宰治の「人間失格」に出会い人間不信になり、高校の時に「電車男」に出会いキモオタとなるほど、本にはいろいろと影響を受けてきたものだ。
そんなおれは数年前、路上ライブをしながら世界一周の旅を敢行した。
旅に出ようと思ったきっかけは色々あったのだが、その中の1つが本だった。
ビレバンでふと手に取った世界の絶景写真集に心奪われ、スリリングな旅の書に胸を熱くしたものだ。
今回は、おれが旅に出る前に読んで影響を受けた、そんな旅の名著達を、旅の先輩風風速3万キロメートルで紹介していく!!
とくと聞け!!そしてこの旅玄人の前にひざまづけぇぇ!!!
【注・好き放題書いているので無駄に長文です。暇人ニートだけ読んでください。】
もくじ
死ぬまでに行きたい! 世界の絶景 / 詩歩
ベタ!!!!
初っ端から手垢のついた世界一周旅のオススメ本紹介となってしまったが、実際影響を受けた本なので紹介させてくれ。
この本、まず写真が美しい。
世界の絶景が美しい写真とともに紹介されているんだけれど。
でも、これらの写真、実は著者が実際訪れて撮りためた写真ではないそうだ。
作者の詩歩さんが、当時どうしても行きたいって絶景をセレクトして、購入した写真からこの写真集を作ったらしい。
なので、
「こんなとこ行ってきたぜ!!どうだすごいだろ!!お前らこの玄人旅人の前にひざまずけぇぇ!!
」
みたいな、どっかの悪徳旅ブログみたいなスタンスではなく、
「こんなところあるらしいぜ?超行きたくない!?」
と、読者と一緒にワクワクしてくれるような構成が素敵。
絶対詩歩さんって人は南仏の田舎カフェのデッキが似合うゆるふわ女子大生だよ。間違いない。
んで実際、おれは旅に出る前、この写真集の「アンダルシアのひまわり」の写真の美しさに心奪われた。
なんて美しいんだ。とため息が出た。
その写真を見た時におれは決めたのだ。
絶対この光景をこの目で見てやる!と。
そう誓ったんだよね。
ちょっと、旅人ビギナーの皆には、少し厳しく言うようだけどさ。
やはり、こういう素敵な写真を見ても、それを自分の中でどこまで落とし込めるか、ってところが旅ビギナーと玄人との違いだから。
「ひまわり超綺麗〜!」
で終わりじゃ、まだまだだから。そこに行って何をして、どんな経験を得たいか。そこを具体的にフレームワークしてやらないとね。
例えば?
…まったく、しかたないな。
想像するんだ!その場所での旅が自分に何をもたらすのかをね…
このように。
ほんわほんわ…
ひまわり畑をバックパックを背負って旅をするおれ。スペインの太陽の光はすべてを焼き尽くす。午後四時を回っても外に出ていられないほどだ。日差しを避けようと偶然入った田舎のカフェで、ひとりの少女に出会う。少女は悲しげで物憂げな表情で、空を見つめている。
「セニョリータ。どうしたんだい?浮かない顔をして。」
「旅の人…ええ。少し考え事を。優しいのね。」
「君のような素敵な人がそんな暗い顔をしていたら、ひまわり達も太陽の方向がわからずに右往左往してしまうよ。元気を出して。」
「グラシアス、うれしいわ、セニョール。」
その夜は村の唯一の宿に泊まった。昼間の少女の表情が、なぜか胸に引っかかって眠れなかった。
次の日、村の広場にやってくると、なにやら騒がしい。村人たちが集まって愉快に飲んだり踊ったりをしている。どうやら結婚式のようだ。石造りのステージの上には派手な衣装に身を包んだ、花婿が座る。一際大きな歓声が上がって、花嫁が入場してくる。
おれはハッとした。
「彼女は…昨日のセニョリータ…!」
晴れやかな日のはずなのに、ベールを取った彼女の表情は冴えない。なんとも悲しい顔をしている。
「村一番の資本家なんだ!性格は乱暴だが、金には余裕がある。あの子も幸せになれるだろうよ!」
隣のおやじが話している声が聞こえる。
「あの娘の親父さん、上手くやったものだな!!結婚と引き換えに、大口の契約を結んだらしい。ガハハ!」
なるほど…そういうことか。全てを把握したおれは考えるよりも先にステージへと駆け出していた。ステージではいまにも誓いのキスが交わされようとしていた。花婿が、浮かない顔でうつむいてばかりの彼女の口元をクイと嫌味に持ち上げた。その瞬間!おれはステージに上がり、彼女の手を取った!
「あ、あなたは!」
「迎えに来ました。セニョリータ。」
「旅の人…!!」
「さぁ!馬車はあちらに!急いで!」
「誰だ貴様は!」と気を動転させる花婿、混乱する観衆の隙間を縫って、俺たちは駆け出し、待ち構えていた馬車を走らせた。
村を抜け出したおれたちは、何時間もかけて10里を超えて馬車を走らせ続けた。
「これで良かったのかい?」
「ええ。とにかく、遠くに行きたいわ。アンダルシアのそのまた向こう。あなたが良ければだけれど…」
「君が望むならどこまでも、さ。」
まるで、二人を祝福するサファイアのように、沈む太陽は赤く輝いた。
アンダルシアのひまわり畑を、燃えつくすように。
ほんわほんわ…
と!!!!ここまで具体的に考えたからね!!!
やっぱりできる旅人はそこまで落とし込んで当たり前だから。
ぜひこの本を読むときに、実践してほしいマインドセットだよ。
深夜特急/沢木耕太郎
出た!!
またベタベタの、日本のバックパッカーなら知らない奴はいないとまでいわれる、旅のバイブル。
この本に影響を受けて旅に出たやつを見分けるのは簡単だ。
世界の街角で”ザック”を背負って(バックパックとは呼ばない)、
”目的もなく雑多な店屋を冷やかして”(観光して、とは言わない)
いる日本人がいたなら、確実にそいつは深夜特急に影響を受けて旅に出たたぐいの人間だ。
ストーリーとしては、主人公がインドのデリーからロンドンまでを、飛行機を使わずに陸路で、しかもバスのみで目指す、というもの。
作者の沢木耕太郎の実際の旅をまとめた、紀行文である。
この本の凄いところは、1970年代の旅の話をまとめ、1986年に発売されたものであるにもかかわらず、2020年を迎えた今もなお旅人達に愛されているところである。
そして、おれも例外なくこの本に魅了された一人。
インドにいるときに影響を受けて、おれも陸路ででヨーロッパを目指してやるっ!!と意気込んだものだ。(パキスタンのvisaが下りずに一瞬で諦めたが。)
いや、なんかね。貧乏旅の中で感じる心の葛藤や弱さ、心情をすごく上手に描くの。この人は。
個人的に、すごく好きなシーンがある。
最終巻の冒頭のあたりのシーンである。
旅も終盤、トルコで、ヨーロッパを目指すバスに乗るところなんだが。
出発ギリギリになんとか間に合ってバスに飛び乗った主人公。
運賃の支払いをする際に、12ドルだ!と言われたのを、それが正当な価格かボッたくられた金額なのかもわからないまま、「そんな高いはずはない!」とカマをかけて言う。
そして最終的に乗務員の手に10ドル札だけを握らせ、「これで良いことにしよう!」と半ば強引に値切ってみせる、というシーンだ。
もしこの乗務員が高い金額をふっかけてきていたのであれば、旅慣れした強気な対応で被害を抑えた、とも取れるのだが。
主人公はふと、思う。
その瞬間、自分が交渉慣れというより、交渉擦れしてきたような気がして、微かな嫌悪感を覚えた。
深夜特急5 14p/沢木耕太郎/新潮文庫
ひぃやぁぁぁぁ!!!!
これ、旅人にはめっちゃあるあるだと思う。
普通に言われる価格通りに払っていたら、ほんとに騙されまくるから、だんだんと人を疑い、値切ることに慣れてくるんだよね。
それに慣れれば慣れるほど、自分の横柄な態度や、いくら値切れた!などの金銭感覚でしか旅を楽しめなくなってくる。自らのスレに気づいて、悲しくなっていくんだ。
本当にやりたい旅はなんなのか?なぜ旅をするのか?そんな旅の真髄を模索させられる作品。
あぁ、この旅玄人の前にひざまづけぇぇ!!!とか言うような汚れきった老害旅ブロガーなどに読ませてやりたいわ!!!
アフリカなんて二度と行くか!ボケ!!/さくら剛
深夜特急のようなロマンスでワイルドな旅には憧れるのだが、実際のおれなんて、貧弱でコミュ障なただのキモオタメガネだし…こんなおれに旅なんて…
と思っているそこの君!!
あぁ!そこの高木さんに夢中な君だ!
あるぞ!!!君のようなインキンタムシも思わず感情移入しちゃう、隠キャ向け、影の旅のバイブルが!!!!
それがこれ、「アフリカなんて2度と行くかボケ!」だっ!!!
アフリカ最南端から陸路で中国を目指す…
筆者、さくら剛氏の実際の旅をまとめた紀行文であり、この概要を見ると、まるで深夜特急そっくりの内容に見えるが。
【深夜特急】と【アフリカなんて…】の違いをあげるならば、前者が野心的でロマンシストな旅人なのに対して
後者の主人公のキャラクターが、
・隠キャ
・キモオタ
・ひきこもり
であると言う点である!!!
例えば、
アフリカに到着する前の機内からすでに、日本に戻ってプレステやりたい!とホームシックになったり…
旅中も友達はできずに一人で食事を取ったり…
サファリツアーで一緒になった女性が目を見て話してくれただけで、「おれのことが好きなんだろう。」と思い込んだり…
おれは思った。
これ、おれやんけ!!!
とにかく、この主人公のキャラクターに感情移入しまくり、その親近感たるやビクトリアフォールのごとく!!
そんな自分そっくりの主人公が、様々なトラブルに巻き込まれたり、妄想を繰り広げたりするのが、めちゃくちゃ面白いのだ!!
笑えるだけじゃない!
この本を読むと、アフリカ旅で一番不安な、治安に関して勉強することも出来る!!
とにかく怖がりで、もしかしたらこの角を曲がると強盗が待っているかも…などと妄想し、いつも怯えまくる主人公。
とにかくおどろおどろしくアフリカの治安について書いてあり、リアルな街の雰囲気の把握に大変参考になるし、その滑稽なまでの入念な防犯対策方法は実践の価値がある。
かくいうおれも、アフリカを旅する前にはこの本を読み込み、しっかりとその意識を備え、
記述の防犯テクニックなどを実践してリスク回避に努めた結果!!
…見事、南アフリカに入国して2時間で全財産の入ったカードを盗られるという散々な目にあったのだ!!!あーっはっはっ!!涙
そんなで、この本は旅のアドバイスには全くならないことを身を挺して証明してしまったわけだが、著者も途中ジンバブエで全財産を盗難にあっており、アフリカは本当に危険だ、という事だけはしっかりと理解できる内容であることは確かだ。涙
さくらさんの新しい本も超面白いので是非読んでみてね。
まとめ
いかがだっただろうか?
「いかがもクソも、お前の長い長い妄想を、こんな下まで読んでる奴なんていねぇよ!
…ただ一人、おれを除いてはな。」
「ど、読者…ポッ!」
「へへっ!ちょっくら旅にオススメの本でも探すかと思ってこのページを開いたが…フッ!なんだよこの長さはよ。お前のこのブログ自体が、くだらない小説のようさ。」
「くっ…お前ってやつは。」
「人生とは、旅する小説さ。お前のその物語の主人公は、いつだってお前さ。それがどんなにくだらない、ありきたりで平凡な人生だったとしても。その日々に胸を張って、精一杯生きることさ。きっと、クソくだらない、最高のエンドロールが流れることだろう。」
「へっ!言われなくたって、わかってるよ!」
プォォォン!(クラクションの音)
「おっと…もうバスの時間だ。またな若造。またどこかの検索エンジンで。それまでに少しは、マシな文書を考えておけよ。あばよ。」
「フッ…!お前もな!読者!ボンボヤージュ。」
茜色の空に照らされ、真っ赤な絨毯のように萌える荒野を切り裂いて、バスは大げさなエンジン音とともに走り出した。
その姿が消えるまで、おれは見つめていた。
頬を撫でる風が、隠してこぼした頬を伝う雫を乾かした。
読者との出会い、そして別れ。
これもまた、おれの旅の必然であったのだろう。
さよならまたいつか。
おれたちの旅は続く。
途方もなく遠く、遠くまで…
そんなところです。
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