ぼっちで韓国で日韓戦を観戦するとこうなるという話 その2(サッカー日本代表vs韓国代表 IN 釜山)
アンニョンハセヨ。ぼっちシンガーです。
路上ライブで世界一周の旅を終え、今は東京で音楽活動中。
くだらない日々をブログで自慢げに語っては、承認欲求を満たすよ!
前回のあらすじ。
旅慣れした姿を得意げにブログにて見せつけながら、韓国釜山に到着した俺氏。
しかし、現地SIMカードや両替など、旅ビギナーがつまづきがちなトラブルにことごとく見舞われ、その失態をあろうことか未来の自分にブログに書かれてしまう。
実は韓国を訪れるのは初めての、エセ世界一周ブロガー系キモオタのおれは、未来の自分に呪怨を飛ばしつつ、今回の旅の目的地、釜山アシアードメインスタジアムへ。
現在開催されている東アジアサッカー選手権(E1選手権)、その大一番、日本対韓国が今、始まろうとしているのだ!
もくじ
日韓戦。
それは日本サッカーを愛する者にとって、特別な意味を持つ。
燃え上がるスタジアム、プライドをかけたぶつかり合い、結果が全ての残酷なまでの戦い…
サッカーにおいて、長く最大のライバルとして競い合ってきた韓国。
韓国にだけは、負けは許されない。
ハリルホジッチ前日本代表監督も、重要な大会ではないにもかかわらず、前回の東アジア選手権で韓国に1-4で敗れた事が決定打となって解任された。
まさに日韓戦とは、絶対に負けられない戦い、そのままなのだ!!
そんな伝統の一戦。果たして今回の結果は…
完敗である。
フルボッコ…!
結果は0-1の僅差ではあるが、内容では常に上回られていた。
ゴール決めた韓国選手に目の前で手でハート作るゴールパフォーマンスされちまったし。
くそう!あのやろう!あんまり近くまで来てやるもんだから、ちょっと興奮して思わずハートを作って返しちまっただろうが!
まぁ、試合内容をみると不甲斐ない日本代表の姿に悲しくなるのだが、大アウェイ韓国での試合観戦ではいろいろと感じることも多く、面白い経験だったと言える。
まず、スタジアムの観衆みんなが声を出して応援しているのが印象的だった。
日本での試合の場合、ゴール裏の一部熱狂的サポーター以外は静かに座って見ているのに対して、韓国のスタジアムではバック・メイン・ゴール裏関係なく、どこからともなく「テーハミング!」とコールが湧き起こり、それがスタジアム全体に伝染していく様子が見られた。
時々スタジアムの反対側の韓国サポーターからのコールとかぶったりするんだけれども、気にせず自分達で応援歌を歌ったりする。
コールリーダーの掛け声に従って応援歌を歌う日本の応援も統一感があってかっこいいんだけれど、韓国は応援に対してより自由な感じがした。
客層は中高生くらいの若者がすごい多くて、女の子はみんな入り口で売ってる光るツノのカチューシャを付けて、自撮りで盛り上がっていた。
このあたり、韓国サッカー協会がうまくマーケティングしてるんだろうな。
浮き彫りになる反日・反韓感情
もちろん因縁の日韓戦だけあって、穏やかでない雰囲気もあった。
一部韓国人からは、日本代表のコールにチョッパリ!(韓国での日本人への蔑称)と合いの手を入れられたり、日本サポの前でジャパンファーック!と言いながらムービーを回され、インスタライブされたりしていた。
日本人サポも韓国代表がボールを持ったらすごいブーイング、おっさんが日本語で汚い言葉を目の前の女子高生たちに言っていたのも聞いた。
ハーフタイム中、喫煙所で韓国人のおっちゃんが日本人の大学生っぽいグループににこやかに英語で話しかけていたのを見たのだけれど、その若者たちは完全無視。
英語が喋れないから話せないとか、そういう次元じゃなく完全に拒絶した態度で、おっちゃん悲しそうだったな…
そんな風景を見ていて、なんだか悲しくなってしまったおれ。
日本人がみんなそんな態度ではないんだ、と誰かに伝えたくなった。
そんな気持ちを消化するため、完全に自己満足オナニーマシン衝動で、隣でタバコをふかしていた韓国人の青年に
「韓国のスコアラーの名前はなんて言うの?いいシュートだったね。」
と話しかけてみた。
「ググれカス!」とか言われるかと思ったが、彼は
「僕は今日サッカー好きの家族に連れてこられただけで、正直選手の名前は分からないんだよね!」
と照れ笑いしなから答えた。
彼は、
「韓国は初めて?寒いでしょ?」
「英語はどこで勉強したの?」
などといくつかおれに質問し、
「わたしはキム と もうします」
と日本語を少しだけ話した。
「すごい!どこで日本語を勉強したの?」
「日本のアニメが好きだから、覚えたんだ。○○○はいい作品だよね。知ってる?」
と、おれも知らないアニメの話を興奮気味に話していた。
そろそろ試合開始時間になって、それじゃまた会おう!エンジョイ!と言って握手して別れた。
ほんの10分程度の出来事。
少しいろんなことで落ち込んでいたが、心がほっこりした出会いであった。
韓国人、確かに日本のことを忌み嫌いヘイトしてくる嫌な奴もいるんだけれど、彼のようなナイスガイもいるんだ。
彼が日本人に対してもそう思ってくれていたら、嬉しい。
そして、試合終了!!
日本サポーター達よ!!ゴミはちゃんと持ち帰れ!!!
帰ろうとすると、近くの日本人若者グループの席に、多数放置されたままのゴミ袋…
試合に負け、マナーでまで負ける気か!日本代表サポーター、そして日本人としてのプライドを汚すようなことはしてはいかん!!
そんなで、ご立腹であたりのゴミを拾い上げ、お利口さんにゴミ箱に捨てたおれ。
「慈善活動に精を出すぼっちさんえらい!」
と日本代表サポーター系女子たちに褒めてもらおうと、いやらしくその行いをブログに書き込み、承認欲求を存分に満たしたおれ。
ほくほくした気持ちで、いつものように一人でスタジアムを後にした。
冷える夜には、韓国のおでんが最高!
スタジアム周りの屋台がまだやっている!
もくもくと湯気を立てながら、魚の練り物が串に刺さったものがだし汁でぐつぐつ煮られている。
日本の屋台のおでん屋さんみたいな雰囲気だ。
(まぁおれ屋台のおでん屋さんなんてサザエさんの中でしか見たことないんすけどね☆てへ!)
などと一人でノリツッコミをいれてチャーミングに舌を出したりしていると、
「ほれ、そこの野良犬みたいに舌を出してるあんた!あったかいオデンはいかが!??」
「えええ!??これオデンっていうの!??」
なんと、これまさしく韓国でもオデンと呼ばれる食べ物らしい。
おばちゃんに勧められるままに、祝勝のビールをあおるおっちゃんらに混じって、一つ食べてみる。
一本1000ウォン(100円)。
写真撮ってもいい?と聞くとオッケーとのことだったので、張り切って撮らせてもらう人物撮影は大体ブレてる系シンガーのおれ。
今回も大いにブレブレでおばちゃんの優しい表情をまったくとらえられていない事など知る由もなく、かぶりつく!!
う、うまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
ふわふわの魚のすり身に、まさしく日本のおでんみたいなダシのきいたスープが染み込んでいる。
「ほれ!飲むかい?」
と、おばちゃんに紙コップを渡される。
中には熱々のだし汁が入っている。
しみるぅぅ!!!!
真冬の冷えた体に、染み渡るぜおばちゃん…!!!
見知らぬ韓国人のオヤジ達に挟まれて、なんとも渋い雰囲気。
韓国のおでん、冬に韓国を訪れるなら是非ともトライしてもらいたい。
そんなで、体に染みわたるおばちゃんの温かなDNAを脈打つ心臓の音に実感しながら(?)、おれは駅へ向かった。
ソミョンでローカル食堂へ
帰り道、乗り場がわからず迷子になってしまい、学生2人にわざわざ目的地まで案内してもらったり、乗り換え改札がわからずに途中駅で一度出てしまい、チケットを無駄にしてしまってむせび泣いたりしながら、夜11時ごろ、やっとホテルのあるソミョンに帰還。
は、腹減った…
ホテルのそばに、こんな時間でも開いている食堂みたいな店を見つけた。
看板を見ると、どうやら冷麺屋っぽい。
こんな寒いときに冷麺か…などと思ったが、他に空いている店も無さそうなので、入ってみる。
店内はまさしく日本の定食屋みたいな雰囲気。
エプロンをつけたおばちゃんがメニューを持ってきてくれる。
ヌードルホットと書いてあったので、それとビールを。
なんとキムチが食べ放題。辛くてうまい。
店内は飲み帰りっぽいサラリーマンのオヤジ達で賑わっており、やかましい話し声が響き渡っている。
飾らない、ローカルな雰囲気がたまらん。
バットを振るように腕を動かしながら、楽しげに話をしている。野球の話でもしているのだろうか。
今年の阪神はほんまにあかんわ!なんであんなに弱いねん!!!
みたいな話をしているのだろう。釜山は日本でいう大阪的な場所らしいので。
世界の旅をしていた時も、こうして現地の人の多い食堂などに忍び込んでは、人々の普通の生活を垣間見るのが好きだった。
観光名所だと見られない、その国の人々の生の姿を見られる気がするからだ。
人々が何に興味を持っており、どんな性格の人が多いのか、どんなことで笑ったり怒ったりするのか。
韓国では、言葉が違うだけで人々の見た目も話しかたも、思考の具合も、日本と近いなと思った。
こんなに似たもの同士なのに、いがみ合っている現在の二国間の状況が、滑稽にも思えてくる。
きっとアメリカ人から見たら日本人も韓国人も同じようなものだろうし、宇宙人からみたらアフリカンもヨーロピアンもユダヤ教徒もイスラム教徒も、みんな同じなのだ。
ビールが回ってきて、ほわほわとそんなことを考えた。
外国人に緊張しているのか、こわばった表情のおばちゃんだったけれど、食べ終わってお会計時に、カムサハムニダ〜!と感謝を伝えるとイェースカムサハムニダ〜!と初めて笑ってくれて、嬉しかった。
ほっこりマッコリな気分で、宿に帰る。
そんなところです。
次回予告。
まっこりもっこりな気分で、千鳥足でゲストハウスを目指したおれ氏。しかし、そこで待っていた非情な運命とは…!??そして、ゲストハウスを舞台に沸き起こる、愛と欲望の駆け引き、絡み合う思惑!ぼっちの運命はいかに…!??
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