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バンビエンで友達ができるの話

2019年8月1日

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手こずっていたインドVISA申請でしたが、金曜日は大使館もオープン!!
なんとか申請書類も一発合格で、後は一週間後の発行を待つばかり!!

インドVISAを申請するにあたって、インド行きの航空券、帰りの航空券をそれぞれ手配して提出しないといけないんだけども、そんな先の予定も決まってないのに航空券なんて怖くて買えるかアホ!!ということで、UAEの航空会社を使うと、料金後払いで証明になるeチケットをゲットできる=証明だけプリントして、後はお金払わずにキャンセルできる!という裏技をネットで見つけて、チャレンジしてみた!

大使館の人「ちゃんと往復航空券で買ってるの??」とまじまじeチケットを確認されて、ヒヤヒヤだったけれどなんとか大丈夫だった!

んで、そのニセの航空券を、適当にスリランカからニューデリーの往復航空券で買ったんだけれど、一緒に申請に並んでいたおばちゃんが、それをみて、

「あら!!あなたスリランカに行くの??私はスリランカ出身なのよ!どこの町に行く予定なの?」

と嬉しそうに話しかけてきた!

大使館職員の手前、
「えへへ奥さん、あたしゃね、スリランカなんて行きやしません。なんたってこれはニセモノの航空券でしてね。へへへ」
なんぞ言えるはずもなく、

「本当ですか、僕はコロンボに行きます!(唯一知っているスリランカの都市)奇遇ですねぇははは」

と適当に合わせていたんだけれども。

どうやら見慣れない日本人がスリランカに来てくるれると知って嬉しかったらしく!

そっからおばちゃんはスリランカの良さについて存分に語ってくれて、もしコロンボに着いたらここのホテルに泊まるといいわ!と安宿の電話番号や、困ったら連絡きてきなさい!とおばちゃんの番号もメモしてもらったり。

あぁおばちゃん。
本当にごめんなさい。
おれは心で泣いて詫びていた。

もしおばちゃんが僕の到着に合わせて、得意のパイを焼いて家族総出でお迎えに来てくれていたらどうしよう。

eチケットの到着時間をとうにすぎ、小雨の降り出したコロンボの空港。

次々とやってくる空港に降り立った旅行者たちの群れに、しかしその東洋人の姿はない。

待ちくたびれた孫が機嫌を損ねている。
「おばあちゃん、その日本人、来ないじゃないか。きっとそのチケット、インドのVISAをとる為のウソのチケットだったんだよ!おばあちゃんは騙されてるんだ!」

不安な表情を浮かべながら、でもおばあちゃんは言う。
「そんなことは無いわ。彼はあんなにコロンボに来ることを楽しみにしていたんですもの。もう少し待ってみましょう。」

「もうやってらんないわ!」
とお手製の花の首飾りを投げつける別の孫娘。

「これこれ、そんな乱暴すると千切れちゃうわ。」

拾い上げるおばあちゃんを背に、去っていく孫たち。

「おかしいわねぇ。。。」

悲しい目をして入国ゲートの方を振り返るおばあちゃん。

手にかかえたフィッシュパイは、すっかり冷めてしまっていた。。。

ほんわほんわ。。。

ううううおばあちゃんっっっ!!!!!

抱えきれない罪悪感から、今すぐにでも書類をチェックする大使館職員が持つ僕の航空券を引きちぎり、野々村議員の絶叫会見のごとくみんなの前で泣いて詫びようかという衝動に駆られたが、ネット職人の手によってバンド音源に編集され「ガモウユウキが哀愁系ハードコアバンドを結成www」とかYouTubeに挙げられて笑い者にされるのではないかと思い、寸前で踏みとどまった。

そんなおばあちゃんの孫たちへの信頼と優しさを踏みにじりながらも、インドに行く必要はあるんだろうか。

消化しきれない胸苦しさを抱えながらも、なんとか大使館を後にしたのであった。

さて、このVISA、申請してからも発行まで一週間かかるし、パスポートを預けているので国外には出られない。て事で近くの田舎町、バンビエンまでバケーションしに行ってきた。(バケーションしている中のバケーションなのだ。)


近くといってもバスで5時間、グネグネガタガタの舗装もされていない道を行くこと5時間、やっとの思いで5時間かけてバンビエンに到着である。

ここバンビエン、前に行った友達の話を聞いたのでは、何もないけど物価が安くて、川遊びや洞窟なんかの自然アクティビティが充実しているよとのこと。

でも実はここ、マリファナの有名栽培地が近いのもあって、葉っぱ目的でやってくる欧米人も多く、夜は田舎町のくせにクラブミュージックもガンガン鳴ってるという、二つの顔をもつ街らしい。

まぁ、おれは葉っぱもやらないし、一緒に川に行ってくれる友達も出来ないだろうから、宿で積み木でもして過ごそうと思う。うう。泣いてなどいない。

到着して、一泊30000キップの安宿(約500円)を見つけてチェックインした。
夕方の街をぶらぶら散歩。



いいなぁあここ。

夕日に照らされて黄金に光る稲畑、小川の流れに群がる赤とんぼ。自転車でかけていく少年たち。

まるで日本の田舎町に来たような気すらするんだけれど、遠くにそびえる山は奇妙な形にきりたっていて、観光用の赤い気球が音もなく夕方の空を移動する。

なんか、懐かしい感じなのに、どっか他の星に連れてこられたような、不思議な世界。

一通り散歩も終わり、日も暮れたので宿に戻り、ラウンジでいつものように一人でさみしく飲んでいると、男の子が一人おれの前に座った。

酔って気分のよかったおれが珍しくこちらから話しかけたらすぐ仲良くなれて、今から晩御飯食べに行くから行こうと誘ってくれた。

彼の名前はダワン。

タイから会社の連休で、いとこの女の子と遊びに来てて、今からこっちで出会った別の女の子二人も加えてご飯に行くところなのだという。

そして。

これだよ!!おれはこういうのを求めていたんだ!!
あぁ、みんなで食べるご飯はなんて美味しいんだ!!
一人旅なんてするもんじゃないんだよまったく!!あぁ集団行動最高!!!
と久しぶりに出来た友達におれは有頂天になっていた。

ご飯の後は、噂の葉っぱ狂いの欧米人達が集まるという有名クラブ、SAKURAバーへ!

入ってみると欧米人よりも、韓国人、タイ人メインのアジア系の方が多かった気がする。
とにかくすごい混雑だったけど、みんなで飲んで騒いで。

普段、「おれはパーティピーポーみたいなやつらが一番嫌いなんだよ!!さわがしい!」
と妄想気味で論理外なロンリガイのおれだが、友達とならハメも外しちゃうおてんばムッツリパーティボーイなのだ。

テンションマックスでおどるタイ娘達に負けじと、ビール瓶を片手に得意のオクトパスダンスをおどるおれ。
かわいい子には吸い付いちゃうぞ!と華麗な舞を披露していると気付ば女の子達は何所かへ行ってしまい、知らない間に半裸のおっさんと踊ってたりして、夜はふけていった。

次の日。

女の子二人はタイに帰ってしまったので(オクトパスダンスのせいではない、と思う)、ダワンといとこの三人でバイクを借りて、ブルーラグーンという川みたいなところに遊びに行った。


ラグーンも泳いだり木の上からダイブしたり楽しかったんだけれど、その後行った洞窟がものすごくよかった。

看板もなくて足場もろくに舗装されていないような山道を登った場所にあったので、大したことないんだろうなぁと思っていたんだけれど、中に入ってびっくり。

小学校の体育館なんてもんじゃないとてつもなく大きな空洞が続いていて、歩けば歩くほど暗闇が襲いかかってくる。

途中から道も無くなって、ケータイの明かりを頼りに岩と岩をまたぎながらなんとか進んでいく。

足元で大きく口を開けた岩の隙間は、ケータイのライトを当てても底が見えないくらい深くて、足を滑らせたらまず帰ってこれないだろう。

日本だったら絶対に立ち入り禁止にされてるだろうな。

少し行くと、光の差し込む開けた場所に出る。

岩肌は緑のような、青のような、怪しげな色をして続いていて、そのど真ん中に黄金のブッダが肘をついて寝転がっている。


外からのわずかな光で十分に、キラキラとその体を輝かせている。

聞こえるのは僕らの呼吸の音と、天井から滴る水滴の音と。

それだけ。

息を飲んだ。

帰り道。夕暮れにかがやく稲畑のまんなかを突っ切る田舎道。

バイクでかける。

砂ぼこりを撒き散らしながら対向車が通り過ぎる。

砂ぼこりの向こう、ふと振り返ると、真っ赤な太陽がちょうど山と山の間、この道のずっと先の方へ沈もうとしていた。

ダワン達とバイクを止めて、しばらく眺めていた。

なんとなく、実家から見える夕日に似ていて、子供の頃のこととかを思い出した。小さな頃も自転車で友達と駆け回りながら、こんなふうに夕日を見ていたんだ。

ちょっとあの頃の友達に会ってみたくなった。

そんなところです。