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【香港名物】休日になると街の道端でピクニックする外国人女性たちの話

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ぼっちシンガー
ぼっちシンガー

ネイホウ!ぼっちシンガーです。
路上ライブで世界一周の旅などを経験し、現在は東京で音楽活動中。
旅と音楽、香港人妻氏との日常などを語るブログだよ。

自由すぎるっ!!!!

この間、妻氏の里帰りで香港に行ったときのことである。

日曜日のセントラルの街のど真ん中、ビルが立ち並ぶ商業施設の道端に、

ずらぁ~~っと外国人っぽい集団が、レジャーシートを広げて何十人も座ってるのを見たのだ!

最初はホームレスかな?と思ったんだけれど、それにしても人数が多いし、みんな小綺麗な服装で楽しそうにおしゃべりとかしてて、そんな風にも見えない。

不思議に思って香港人妻氏ようちゃんに聞いてみると、

ようちゃん
ようちゃん

あぁ、あれは香港の休日名物、移民のピクニックや。

との答えが!!

この記事では、そんな香港の休日に街のいたるところで見られる『移民のピクニック現象』について、

解説していきたいと思うっ!!!

ピクニック集団の正体はフィリピン・インドネシア出身の家政婦(メイド)さんたち

香港の繁華街・モンコックの道端でピクニックする女性たち

集団を観察していると、道端に敷いたレジャーシートの上に各自がお弁当や買ってきた総菜を広げて、周りの人たちとシェアして食べたりしている。

ただぼーっとケータイをいじってチルしてる人もいれば、隣の人たちとおしゃべりしたりトランプしたり、

中にはスピーカーを持ってきて爆音で音楽を鳴らして、みんなで踊ったりしてる集団もいる。

そこが繁華街のど真ん中であることを除けば、その様子はまさにピクニックそのもので、

とにかく、めっちゃ楽しそうなのだっ…!!!

そして、そのほとんどがフィリピンやインドネシア系の外国人、しかも女性がほとんど、という特徴も。

そう、道端ピクニック集団の正体、それは、

『香港で家政婦(メイド)として働くフィリピン・インドネシア人移民たち』

なのだ!!

彼女たちは、普段は香港人ワーカーの家に住み込みしては家事や育児の仕事をこなしていて、

休日になると、同郷の仲間たちと思う存分羽根を伸ばすために、街角ピクニックを開催するのだとか。

決まって土日のみこの現象が現れるのは、香港人ワーカーたちが休みで家にいるため、家政婦業が不要になるから。

居候状態の彼女たちが雇い主の家に友達を招くわけにもいかないので、こうして近場の街の道端にみんなで集まる文化が出来上がったらしい。

フィリピン人の多くはキリスト教徒、インドネシア人はイスラム教徒と、それぞれ休日に家族や友達と集まって教会やモスクへお祈りに行くという宗教的な風習があり、その感覚もあるのかもしれない。

そう、街角ピクニックは、ふるさとを離れて異国の地で日々仕事に忙しい彼女たちの、週に一度の仲間との息抜きタイムというわけである。

香港は家政婦移民大国

高級住宅エリアの朝の風景。フィリピン風女性たちが高そうな犬をたくさん連れて井戸端会議している。
(移民で成功した人たちなのかな?)と思って見ていたが、どうやらメイドさんの朝のお仕事風景みたい。

こうした特殊な文化が見られる背景には、香港が世界屈指の「家政婦大国」であるという事実がある。

香港では、子どものいる家庭の3分の1が家政婦を雇っていると言われており、彼女たちの仕事は育児だけでなく、老人介護やペットシッターなど、幅広い役割を担っている。

今回の旅でも、おじいちゃんの車いすを押す若い女性がいたので「孫娘かな?」と思ったら、実は家政婦さんだったり、

朝の高級住宅街では、高そうな犬を何匹も連れて散歩させている家政婦さんたちが、井戸端会議をしている光景も見かけた。

こうしたシーンは、香港の日常の一部なのである。

実際、妻のおばあちゃんも足を怪我して歩けなくなったとき、「じゃあ、メイドさんをお願いしようか」と、日本でいう介護施設に入るようなノリで家政婦サービスを利用していた。

香港では、結婚しても女性が家庭に入るという考えはほとんどなく、男女ともにキャリアを大切にしている。

外でしっかり稼いでくる分、家のことは家政婦さんに任せるというのが一般的な感覚なのだ。

富裕層でなくても、家政婦を雇うことに抵抗がないため、逆に言えば「家政婦さんを雇えるくらいの収入がなければ、結婚や出産をためらう」という傾向があるのだ。

住み込みの家政婦を一人雇うには、月に10〜15万円ほどかかるため、この経済的負担が晩婚化や少子化を引き起こし、日本以上に深刻な問題となっているのも事実である。

家政婦さんの出身国の内訳をみると、英語が話せてコミュニケーションが取りやすいフィリピン人やインドネシア人の家政婦さんは人気が高く、続いてタイやマレーシアなどの東南アジア諸国が続く。

しかし、彼女たちにとっては、香港での仕事は全く異なる文化の中で行う出稼ぎ労働。

中華圏の香港と彼女たちの母国では、文化や生活習慣が大きく違うため、まったくの異国の地での仕事という感覚だろう。

そんな中、家政婦さんたちが週に一度集まって同郷の仲間と過ごす時間は、息抜きとして大切なだけでなく、彼女たちが香港で働き続けるモチベーションを保つためにも重要な役割を果たしているのかもしれない。

この「仲間との息抜きタイム」は、香港の家政婦産業を支えるための大事な文化だと言えるだろう。

異国で働く外国人労働者にもやさしい『自由な香港』が、続くといいな…。

以上が、休日になると香港の道端でピクニックをしている外国人女性たちの正体についてのお話でした。

日本なら、もしこんな風に公道の端を占拠して居座る外国人がいたら、すぐに通報されて一掃されるだろう。

しかし、香港ではそうした光景が公然と許容されているっていうのが、おもしろいな~と思った。

それは、彼女たちの貢献がいかに大きいか、香港人自身が理解しているからかもしれないし、彼女たちへの感謝の気持ちが、この寛容な文化に表れているのだろうか。

もちろん、近隣住民にとって迷惑になる面もあるかもしれないけれど、家政婦として働く移民たちは、香港社会を裏で支える重要な存在。

この絶妙なバランスが保たれ、許されている文化なのかな。

こういう移民に寛容で、自由で開かれた国際都市としての香港の雰囲気が、今後も続くことを願いたい、

そんなことを思った今回のお話でした。




そんなところです。


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