シンエヴァ見たので感想と、宇多田ヒカルの主題歌『One Last Kiss』と『Beautiful World』について個人的に考察する話。
ナマステ!ぼっちシンガーです。
路上ライブで世界一周の旅を終え、現在は東京で音楽活動中。
好きな事について鼻息荒く語るのが趣味だよ!
見てきた!!
みてきたでぇぇぇぇ!!!
ついに公開された映画、
『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』
その30年に及ぶ物語の最後を!!
日本アニメの一時代の最終回と、その先に広がる新時代の幕開けを!!
垣間見てきましたでぇぇぇ!!!
あぁ!だれかと語りたい!!
この、エヴァの世界観のLCL溶液に浸され続けたおれ達の人生を、
誰かと共有したいのだっ!!
※この記事では物語のネタバレを軽く含んでいます。
これから見に行く予定の人は、僕の他のアニメ記事でも読んで帰ってね!(笑)
もくじ
おれ氏、これまでのエヴァンゲリオン。
ごめんなさい。
最初に謝っとくわ。
僕はブログ記事でエヴァを紹介できるほど、コアなファンではないかもしれない!
30年に及ぶ物語の最後!とか言うたけれど、
現在30代前半の僕がエヴァの存在を知った時にはすでに、アニメ版は終了していた。
初めてエヴァを見たのは、10数年前。
アニメ版をDVD借りたとき。大学時代だったな。
理由は大好きなバンド、BUMP OF CHICKENが歌う『アルエ』という歌。
ボーカルの藤原基央が綾波レイが大好きすぎて、綾波に向けて歌った歌だと知って、
これは一度、ファンとして見ておかなきゃな…
と半分義務感で見始めたんだけど。
衝撃だった。
なにがすごいって、何が何だか分からないところだ。
まず使徒ってなんだ。
神?そいつをなんで倒さなければならないんだ。
正義は人間なのか?それとも使途の方なのか??
そして、なんでシンジはエヴァに乗らないといけない?
なんでこいつはこんなに主人公らしくないんだ?
勇敢でもなければ、特殊な力があるわけでもない、
ただひ弱で軟弱ないじめられっ子。
俺やんけ。
エヴァに乗せれているのは、弱虫で陰キャな、おれやんけ!
謎が謎を呼ぶ展開。しかし、頼りない主人公、碇シンジに自分を重ねながら、
宇宙の真理に近づきたい一心で、あっという間に全話見てしまった。
『エヴァ、なんかよー分からんけど、おもしれー!』
この時感じた不思議な感情が、今作の公開までくすぶり続けていたんだ。
シンエヴァの感想。
そんな、ふわっとした理解だけでここまでエヴァを見続けてきた、
サラサーティコットン100くらいのライト層ファンの僕。
一応アニメ版、劇場版などすべて見てはいるものの、
『人類補完計画』や『ゼーレのシナリオ』について3分間で解説しなさい、
とか言われたら無言で愛想笑いで3分乗り切る自信があるくらいなんだけれど。
今作『シンエヴァンゲリオン』は、そんな僕でも本当に楽しめた映画だった。
不思議な2時間30分だった。
相変わらず後半の、各登場人物の思惑や登場するキーワードに関しては50%も理解できんかったが、
見終わったあと、心がきゅっとした。
そうなの。なんだか心がぽかぽかするの。
その理由は、それぞれの登場人物の背景に見え隠れする、人間臭さ、弱さを感じたからかな。
強く振舞うアスカやミサトさんにも、人に見せたくない葛藤や孤独があった。
『ヤバい』ことを実行しようとするゲンドウにも、
それをどうしてもやり遂げなければならない理由があって、
それはゲンドウなりの正義、
何も間違っていなかったのかな、なんて思えた。
んで、シンジが、やることなす事カラ回って
ニアサードインパクトを起こした自分に嫌気がさしてすねて、
湖のほとりでハンガーストライキを起こした時。(いや、ほんとに精神止んでたのか、ただこじらせてんのか、定かではないが)
綾波が持ってきた角パン(あれ、名前なんていうんだっけ?)を、
最終的には空腹に耐えられずに貪り食うシーンなんか、大好きだな。
やはりシンジはシンジ。
生きる本能にはあらがえない、ただの弱い弱い人間だ。
なんて思った。
そして、そんな人間模様を冷静に眺めながら、
ひとつづつ人間の感情を知っていく綾波(もしくは綾波のそっくりさん)。
なんか僕らはね、綾波を通して、人間とは何かを見せられている気がするの。
人に何かをしてもらって、うれしく感じる気持ちだったり、
人を好きになったりする気持ちって、
当たり前のようにみえて、実はすごく美しくて、尊い感情なんだよって、
一つ一つ丁寧にその感情に触れていく綾波の姿から、教えられている気がするんだ。
だから、物語中盤、ついにDSSチョーカーによって綾波が消されてしまった時、
綾波推しの僕としては『は、はやすぎるよ・・・』と喪失感を感じたんだけれど、
あまりにも淡々と、綾波らしく消えていく姿に、
『あなたはもう大丈夫。ちゃんと生きて生きるから。』
と諭された気がして、変に納得した。
綾波は、心のATフィールドを無意識に張り巡らせる僕たちの、
その純粋な弱さを映す鏡だったんだ。
そんな彼女が命を張って伝えたかったことを感じとって、
こうも『心がぽかぽか』するのかもしれない。
シンエヴァはそんな人間臭さを、より色濃く感じ取れた作品だったような気がしてる。
主題歌『One Last Kiss』が良い。
ということで、物語の詳しい解説や解釈に関してはたくさんの人たちが考察していると思うので、
この辺にしといて!(というかおれも知りたい)
ここからは、音楽活動をする者のはしくれとしては見逃せない、
シンエヴァの主題歌の話をしよう!
そう、宇多田ヒカルが歌う『One Last Kiss』と『Beautiful World』である。
まず、今作のために書き下ろされた新曲、『One last Kiss』がめちゃくちゃ名曲。
最初の空間系シンセから、こぼれる涙みたいに入ってくるディレイをかけたピアノの音。
映画館で、このエンディングの冒頭の、ピアノが鳴った時点で震えたわ。
これ名曲きたなと。
そして、歌詞がまた、いい。
宇多田ヒカルって、感情のままにただ『愛してる!』とか歌うんじゃなくて、
いい雰囲気のバックミュージックの中、突拍子もない言葉を持ってきて、
一瞬『何の話?』って聴く人を戸惑わせる歌詞作りが魅力の一つだと僕は思ってる。
この曲も出だしで、
はじめてのルーブルは
宇多田ヒカル One last Kissより
なんてことなかったわ。
なんて歌う。
『は?ルーブル?美術館?なんのこと?』
なんて、聴く人の興味を集めた瞬間に決まり。
その瞬間、宇多田ヒカルの勝利は決まってた。
言葉使いの一つ一つが、宇多田ヒカルだなぁ、なんて思った。
んで、この歌詞を深く聴いていくと、本作につながるものも見えてくるんだけれど、それはまた後程。
『Beautiful World』もほんと好き。
『One Last Kiss』が終わった後もエンドロールは終わらない。
そのまま、優しいアコースティックギターのアルペジオが流れ始める。
物語の余韻を感じさせるゆっくりしたヴァイオリンが響き、
そして懐かしいメロディが聞こえ始める。
劇場版エヴァンゲリオンのテーマソング的な扱いでこれまでもエンディングで使われてきた、
『Beautiful World Da Capo Ver.』
だ。
この曲、ほんと好きなんだ。
歌詞がほんと厨二っぽくて好き。いい意味で。
世界の終わり、その最後の夜明けを待つ二人、みたいな世界観をイメージさせられる歌。
もとはノリのいいキラーチューンだったけれど、『破』のエンディングで使用されていたアコースティックバージョン、
『Beautiful World PLANiTb Acoustica Mix』
が好きすぎて、眠れない夜とかよく聴いていた。(厨二すぎるぞ、おれ)
今回の『Da Capo Ver.』はよりしっとりと、この物語を回想するような聴かせるテイストに仕上がっていたな。
ちなみに、『Da Capo』っていうのはイタリア語で『最初に戻る』という意味らしく、
映画のタイトル、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の
『:||』←この記号も『曲の最初に戻る』という音楽記号であることから、
今作用にアレンジした曲って意味である。
どちらのVer.も公式動画は見当たらなかったので、オリジナルのほうを。
『One Last Kiss』は碇ユイの気持ち。
この二曲のエンディングソングが、僕にはそれぞれ
碇シンジの父、ゲンドウと、母ユイの歌のように聴こえた。
まず、『One Last Kiss』は死んでしまったユイの、夫ゲンドウを想う歌なのかな、なんて感じた。
もうわかっているよ
宇多田ヒカル One last Kissより
この世の終わりでも
年をとっても
忘れられない人
この歌詞が、アディショナルインパクトを起こしてでも自分に会いたがっているゲンドウに対し、
『それで世界が終わっても、年老いた姿でも、あなたの事を私も忘れられないんだ』
と言うユイ自身の気持ちを代弁している気がした。
そして、曲中で何度も歌われるフレーズ、
I love you more than you’ll ever know
宇多田ヒカル One last Kissより
は直訳すると『あなたが知ってる以上に、あなたを愛してる』となる。
これは、肉体が死んでしまって愛していることを伝えられなくなったけれど、
『この気持ちは、あなたが知っている以上のものなんだよ!』
なんてユイが伝えたかったのだと、そんな風に感じた。
また、
もういっぱいあるけど
宇多田ヒカル One last Kissより
もう一つ増やしましょう
忘れたくない事
この歌詞で歌われているのは、シンジの事なのかな。
ゲンドウとの幸せだった日々はたくさんあるけれど、もう一つ大切なものを増やしたい。
それが二人の息子、シンジを生み育てることにつながっているのかも。
そして『Beautiful World』はゲンドウのアンサーソング。
『One Last Kiss』に続いて、エンドロールで流れる『Beautiful World』は、
ユイに対する、碇ゲンドウのアンサーのように感じた。
『Beautiful World』がゲンドウ側の歌だと思った理由は、単純に第一人称が『僕』だから。
僕の世界消えるまで会えぬなら
宇多田ヒカル「Beautiful World (Da Capo Version)」より
君のそばで眠らせて。
どんな場所でもいいよ。
サビで歌われるこの歌詞。
『僕の世界消えるまで』=死ぬまで 君に会えないのなら
と解釈でき、亡くなったユイを想う気持ちが想像できる。
また、『どんな場所でもいいよ』という歌詞から、
『たとえこの世界がとんでもない姿に変わろうとも(アディショナルインパクトを起こそうとも)、
君と一緒になれるならどんな場所でもいいよ。』
と歌っているように聴こえる。
言いたい事なんかない。
宇多田ヒカル「Beautiful World (Da Capo Version)」より
ただもう一度会いたい。
言いたい事いえない。
根性なしかもしれないなら
それでいいけど。
この歌詞なんか、本当に会いたい人がいる、しかし何をすべきか分からないくて自己嫌悪になる
『シンジっぽさ』が超感じられる。
もしかしたらゲンドウも本来は、シンジみたいな弱虫なのかもしれないし、
すんげー自分勝手で、『この世界を引き換えに、君に会いたい!』的な厨二な欲望に支配されるような、
実はとんでもなく脆く、弱い人間だったのかもしれない。
ユイはゲンドウにとって、そんな生身の姿を見せられる、
唯一ATフィールドの必要がない存在なのかもしれないな。
まとめ(あくまで個人的考察です)
以上、シンエヴァンゲリオンの感想と、主題歌の個人的解釈をしてみました。
詳しい解説や物語の概要を知りたかった人にとっては少々物足りない内容だったかもしれないが、
そういうのは専門化(往年のファンの皆さん)に任せるとして。
エヴァのすばらしさを代々に継承していくうえでも、
僕は僕にしか書けない、超個人的な解釈や感想を発信することにこそ意味があると考え、
『だれかにこの気持ちを共有しなきゃ!この感情を記録しておかなきゃ!』
という突発的衝動のままに今回の記事を書いてみました。(笑)
主題歌の歌詞の解釈に関しても、
宇多田ヒカルが完全に、エヴァの登場人物に当てはめて曲を作ってるとは、考えていません。
過去のインタビュー記事でも宇多田ヒカル本人が
だって、あまりにも物語とベッタリだったらだれにでも書けるじゃん! みたいな。
http://dekakoushi.blog110.fc2.com/blog-entry-326.html インタビューYahoo!ミュージックより引用。
と語っているように、
基本的には宇多田ヒカル本人の経験や考え方をもとに作詞作曲していると思う。
そのうえで、その彼女の中に刷り込まれた
『エヴァっぽいなにか』
が滲みでたものが、この二曲なんだろう。
だから、
『はじめてのルーブルは、なんてことなかったわ。』
って歌詞も、実際にユイがゲンドウとフランスを旅したことを歌っているとか、そういう話ではなく、
モナリザを見た感動よりも、あなたがいた日々の方がよっぽど美しかった。
なんて歌うその世界観が、『ユイとゲンドウ』っぽいし、
『エヴァっぽいなぁ』なんて、個人的に思っただけです。
音楽や映画って、その受け取り方に絶対の正解は無いと思うし、
視聴者一人一人が自分にとって最高で最愛の答えを探すべきであると思う。
出来れば、みんながこの作品を通して何を感じ、何を思ったのかも聞いてみたいな。
とにかく、こんな壮大な事を恥ずかしげもなく語りたくなる、心に残る作品、
『エヴァンゲリオン』
に出会えたことが、僕はうれしいのです。
そんなところです。
Tweets by gamoyou
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