スポンサーリンク

課長に抱かれたくて太宰治読む話

2019年8月1日

スポンサーリンク

旅中に作った曲達をYouTubeにて公開中!
ぜひチャンネル登録して、鼻息荒くいきり立つぼっちシンガーをせせら笑おう!

今日の旅の一曲!My hair is badの “ミュージシャンになりたくて"!
↓↓↓

終了しました

↑↑↑
貪欲に上位狙うぜ!ブログランキングクリックよろしく!

………………..

さらばイキケ!

四日間、毎日路上で歌わせてもらったチリのビーチ沿いの街、イキケ!

街の奥に高くそびえ立つ砂丘と、見渡す限りの太平洋のだだっ広い景色とが不思議な感覚にさせる場所であった。

下町っぽい商店街の喧騒と砂埃の中、しかしあったかすぎる人達に見守られながら毎日お昼と夜とで1日5時間とかふらふらになるまで歌って、1日25000ペソ、4、5千円くらいは稼げた!ありがたい!!



宿もバス代もそのぶん高いので、そんなに貯金にはならんが、海沿いの街のもつ独特な受け入れの広さというか、穏やかな人たちの空気感が心地よくて、4泊もしてしまったのだ。

やはり海好きな湘南系サーファーのおれなので、宿も、波を感じる常夏な濡れ濡れバイヴスのとこに泊まってたんだけど、すごくいい宿だった。

ドミだったけど、シーズンオフだったのでほぼ貸切、朝食付きにウォーターサーバー、キッチンもある。

夜くたくたで路上から帰ってきた後自炊して、あったかいご飯とワイン、それを二階の、海が見えるオープンテラスで食べるのがもう涙出るほど心地よいのだ!まぁいつもひとりやけど。



これで1万ペソ、約2000円だったらまぁ悪くない。

宿の場所はこのへん。


この、ARTURO PRATというモニュメントのある広場が目印だ!看板にサーフボードが飾り付けられていて、中を覗くとエグザイル系のお兄さんたちがウェーイしていたら、そこである!体の震えを抑えて勇気を出して入ってみよう!

…うむ。やはりこまやかな気配りが評判の情報系ブログとして有名なこのブログである。これでイキケの宿選びに頭を抱える悩み多きティーンのみなさんも安心だろう。

え、宿の名前?

UMA…

なんだ、あの、

あの、あれだ、えーウマ…

そんなで、宿紹介するのに宿の名前を忘れるという大失態を犯したうっかり子猫ちゃんのおれは、可愛くテヘペロしたあと、バスに乗り込んだ!!


近代的な都市を見下ろしながら、砂丘をぐんぐんと登っていくバス。一面の砂の世界を3時間ほどひた走って、俺は次の町アリカを目指す!

なんて道だ!!!

バスの窓からは、これまでのボリビアやペルーの荒れ果てた荒野(日本語おかしいか?)のような、岩がゴツゴツ突き出た砂漠ではなく、日本で砂漠と言ってイメージするようなのが見えてて、柔らかな砂が丘を作っている。


すごい…!!

砂丘と砂丘の隙間からは遠くに海がチラリズムしていて、なんともエロい。

うむ。こう、ばばぁぉん!と大海原が広がる景色も好きだけれど、こういう、ふとした瞬間に見える青の世界も、なんか正反対のものの対比効果で素晴らしい。

あれやな。

会社ではきっちりスーツで仕事をテキパキこなす将来有望な後輩の女の子が、休日に開かれた陽気な上司企画の海辺のバーベキューで、薄いブルーのワンピースなんか着てて…

「あれ、砂子ちゃん、今日なんか雰囲気違うね!」

「えっ、そうですか?私、青色が好きなんです。海の色だから。なんか、心晴れやかになれるじゃないですか!」

「そうなんだ。おれも海、好きなんだ。すごく爽やかで、似合ってるよ!」

「えっ!そ、そんな!ありがとうございますっ!あっ!やだ!(ポロ!)」

照れたような仕草で、お箸からバーベキューのお肉を落としてしまう砂子。

「あぁー、大丈夫まだ食べれるよ!」

拾い上げて、砂を払って口に放り込むおれ。

「えぇっ!ゆうきさん、お腹痛くなっちゃいますよ!あははは!」

「そうかなぁ、おいしいよ!もぐもぐ」

「でも、素敵です!私、おばあちゃんの家が農家だったから、食べ物を大切にできる人、素敵だなって思います!ゆうきさんって、ワイルドで自然派で、お風呂にも3日に一回しか入らない事で車内でも有名ですけど、本当なんですね!」

「え!そんなことないよ!パンツ交換は3日に一回だけど、夏場だったらちゃんと2日に一回は入るよ!失礼だなぁ!」

「それあんまり変わんないですっ!あははは!」

「おおぉぉいみんな!!!ビンゴ大会はじめるぞぉぉぉー!!つどぇぇぇ!!!!ひゃあははは!!」

奥から、企画者の上司の呼ぶ声が聞こえる。

「あぁ、なんだか課長、ずいぶん出来あがっちゃってますね…!」

「そうだね。おれ、みんなで集まってエグザイル系のウェーイなノリ、ちょっと苦手なんだよね…。酔っ払っちゃったフリして、向こうのビーチまで歩いてくるよ。」

「え、それ、わ、私も一緒に行っていいですかっ!?」

「え、う、うん。もちろん。」

「わ!ゆうきさん!見てください!ヒトデです!すごい不思議な色ー!!」

ロングのスカートを片手でめくり上げて、浅瀬ではしゃぐ砂子。

「ほう、こ、これはヤエヤマホシヒトデの一種だね…!この斑点の模様といい、サイズといい、素晴らしい!基本的に亜熱帯地方以南の浅瀬に生息するヒトデで主食は二枚貝、このヒトデが見られるということは海の生態系が多様に保たれている証拠で…

ハッ!」

いつものように自分の知識を鼻息荒くひけらかすように語ってしまい、ギクリとするおれ。

しかし、

「そうなんですねっ!!すごい詳しいです!私も、生き物大好きなので、すっごく興味ありますっ!」

「え、そ、そう?ポッ!」

「ゆうきさんって、会社ではキモオタニートの窓際族だけど、私の知らない世界をいっぱい知ってて、その、す、素敵だなって思います!」

「ほ、ほんと!?砂子ちゃんも、会社ではあんなシャキシャキしてるのに、なんかギャップあって、あの、その、いいよね…!」

遊び疲れて、ヤシの木を挟んでもたれかかり、とりとめもない話をいつまでも続ける2人。

サンサンと降り注いでいた太陽の光もいつか、なめらかな色の夕日に変わっており、海の色をオレンジジュースみたいに変えてる。

穏やかに打ち寄せては返す波の音を2人で聞きながら、砂子の顔をちょっと、見つめた俺。

少し頬が赤くなっていたのは、夕陽のせいなのかな?

(…やれやれ。あいつら、やっとその気になったみたいだな。)

ふぅ、とため息を、しかし嬉しそうな表情でついて、2人を遠くから眺める男がいる。

「よぉしみんな!明日は日曜日!まだ飲むぞ!!」

「エェェ課長、まだ飲むんですか!?もうよした方がいいですよ~!」

「ばか、あとちょっとだけ!な!」

横目で遠くの2人を見ながら、課長は優しく笑いかける。

とがぁぁぉぁぁぉ!!!!!とかいう感じのやつやぁぁぁ!!!!!
課長ぉぉぉぉぉ!!!!!!!!

やばい。課長、ほんと男前。一生ついていきます。抱かれてもいい!はぁ!はぁ!

そんなで、興奮気味に砂丘の擬人化に成功したおれは、最終的に結婚式を迎えることとなり、課長の挨拶でこのバーベキューの夜の真意を初めて聞かされて夫婦共々号泣、というところまでを妄想し終え、充実の表情で5時間後、アリカに到着!!

もう夜9時を過ぎていたので、夕飯にパンだけ食べてバス停近くの適当なボロ安宿にチェッインし、本を読んで過ごした。

ちょっと前、電子書籍のiBooksに、太宰治の全集が、全集なのに小説1冊分より安いというアホみたいな特価で出ていたので、買って読んでいるのだ。

その中の、大学の時に読んですごく影響を受けた、"人間失格"を読みかえした。

頭脳明晰容姿端麗で、お金持ちの家に生まれ何不自由なく育ったはずの主人公、"葉ちゃん"が、しかしその自己の内面から沸き立つ他人への恐怖や弱さに食いつぶされて、廃人になっていく様を描いた、言わずとしれた超有名な物語。

太宰治なんていうと、教科書にも出てくるような有名作家だし、走れメロスに代表されるような、愛とか友情だとかを描いたもんなんだろうと思ってたけど、全然違うんだ。

この本は太宰治自身の、半分自伝的な物語だと言われてて。

他人に嫌われたくないがための道化や、それから逃れるための酒・ドラック、んで生々しい性体験なんかが、まったくオブラートなしに描かれてて、その直球すぎる人間らしさ、人間臭さに大学時代、衝撃を受けたんだ。

そういう、一般的に眉にしわを寄せられるような、社会に拒絶されるような作品が、戦前の時代に認められ、今なお読まれ続けてるって言うのが、面白いなぁと思う。

多分、人間はみんな根本の部分で、"それを世に見せたら人間失格の烙印を押される"ような、どす黒い物を、実は誰でも持ってんだ。

読み進めていくうちに、そのドス黒いものを自分の中に見て、認めたくなくて嫌だ嫌だとのたうちまうような、そんな心の混乱を与える。

そこに、この作品の凄さがあると思う。

きっと音楽でも同じだ。

当たり障りのないこと、社会に好まれること、愛や夢や希望や、そんなんで満たされて毎日笑って過ごせる人ならいいんだけれど。

そんなんが全部嘘っぱちに見えちゃうような、ヘドロを吐きながらも純粋に生きる人。

そういう人の音楽は不意に、痛みを帯びた快感で脳を打ち付ける。

素敵な部分も、汚れた部分も、全部素直に見つめた上で出てくる、心の底から正直な音楽。

そういうものを、おれももっと歌いたい。

まったく読後の爽快感なんてないが、考える、ということを与えてくれる本に、また出会えた。

旅をしてると、本を読む機会が多い。

おれはテレビもYouTubeも好きだし、映画も好き。映像作品を否定するつもりはまったくないけれど、本を読んでるときに脳内にひろがる、無限のイマジネーションが好きだ。

脳内の映像の、主人公の顔を勝手に自分の顔に変えたり、ヒロインを、勝手にあこがれのあの子に変えたりする。

イメージしよう。

誰かの気持ちを思いやれて、自分に正直にいるために。

黙々と思考を巡らせながら、ふける夜。

次は、何を読もうかな。なんて考えながら、ねむる。

そんなところです。

2年前に作った音源、"where is utopia ?"のPVが出来ました!良かったら見てね!!

旅の写真を随時アップしてます。→Instagram

リアルタイムのおれ。どうでもいいことなんでもないことを大げさにつぶやいてます。→Twitter

ランキング10位入賞を目指してブログランキングに参加しています。下のバナーをクリックして、さらりと慈善行為ができる課長のような男になろう!↓↓

終了しました

↑↑ありがどうございますっっっ!!!

YouTubeにて楽曲作品公開中!!あと40万日で一億VIEW突破と噂される人気チャンネル、君はもう見たか!??




チリ

Posted by gamoyuki