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犬とギターとトウモロコシの話

2019年8月1日

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今日の旅の一曲!The Pillowsの “サードアイ"!
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早朝4時にボリビア、ウユニを出発したバスは朝7時ごろ、真っ赤な朝日の光を受けて、燃えるような色をした岩山の続く荒野をかけ抜けていた!

一面、木々の一本、雑草の一握りもないような究極に乾いた大地が続いていく。

ミニ四駆みたいに、肉抜きでもされとんちゃうかというほど、隙間風バンバンのこのバス、冷凍庫の中みたいに寒かった車内も、強烈な太陽の光で一気に温められてきて、おれは上着を一枚脱いだ。

太陽は偉大だ。

真っ暗な大地を切り裂くように朝日が昇った瞬間、そう思わずにはいられんかった。

この地域の人たちが太陽を神様として祭り愛する意味がよくわかる。

ちなみにこの太陽の神様のことを"インティライミ"って言うらしい。

話ずれるけど、ナオトインティライミって名前はこれから取ったらしい。

よく旅中に、ギター弾きながら旅してますって言うと、

「えぇー、ナオトインティライミみたいですごいですね!」

と言われるんだけど、正味おれはナオトインティライミ、ちょっと苦手なタイプのシンガーだ。

おれはひねくれものだから、3億ルクスの明るさの高圧電球で「笑顔を見せて!!」「愛してる!!!」と24時間営業で照らされ続けてる気分。

だけど、前にとあるサイトで、"なんでナオトインティライミは売れたのか?"みたいな記事を見た。

コロンビアの最大規模のフェスに飛び入り参加を主催者に直談判しにいって、(半ば強引に)歌わせてもらうことになったり、

緊迫状態だったパレスチナのPLO議会に(イリーガルに)侵入して、アラファト議長の前で歌ったり、

その目的を達成するためには手段を選ばない強引さと、"こんなことしていいのかな?"とかいう羞らいや一般論に流されない強靭なハートが理由に挙げられていた。

やった事はすごいが、冷静に考えたら、開幕直前の慌ただしいフェスの開催事務所にながながと直談判とか、それどころじゃない紛争地帯で「おれの歌を聴いてくれ!」とわけのわからん押し売りしたりとか、おれが当事者なら迷惑以外の何物でもないんやけど、

その実績が無かったら、話題性が無かったら、彼は売れてなかっただろうし、周りの人たちはともかくその行動はナオトインティライミ自身にとってはまったくをもって正しかったんだなぁと思うと、確かにすごい人だなぁとは思った。

人に嫌われたくない、冷めた目で見られたくないってすぐ思っちゃう弱虫のおれには絶対できないことだ。

自分の生きたいように生きるってすごい難しい。

自分の心に忠実にあろうとしても、周りの目や社会性の枠に、どこかで当てはめたがる自分が現れる。

そっちの方が生きやすいし、褒められるから。

でも、長期的に見たときに、最終的に満足な生き方を出来たと人生を振り返られるように生きるには。

ナオトインティライミみたいな、批判を恐れないエゴイズムみたいなのも、時には大切なんだろうな。

批判をされる人というのは、それだけの器を持った人間なんだろうなぁと、つくづく思うのだ。

自分が間違ってないと思うのなら、貫く勇気も必要なんだろうな、なんて最近かんがえる。


宇宙の彼方まで話を脱線させて、景色を見ながらもくもく考えていると、荒野のど真ん中にポツリと小さな石造りの建物が現れた!

ボリビアとチリの国境に到着したのだ!

ポツポツと、入国待ちの旅行者を相手にした屋台なんかも出てて、丸い民族衣装のハットをかぶったおばちゃんたちが、大きな鍋からもくもくと湯気を立ててスープを売ってた。

ほんまどこに住んでんだこの人ら。

あたりは一面の荒れ果てた岩と土だけの大地なのだ。

出国審査などと言ってもスタンプ押してもらうだけやろと思ってたが!!

出国審査員から謎の一言!

「入国時にもらったバスのスタンプは?」

は?

わけわからんことを出国審査官は聞いてくる。

「なにそれ?そんなのもらってないよ?」

「もらってるはずだ。ないならファインは50ボリ(600円)だ!」

「まて!ほんまに知らんぞそんなの!きっと入国審査官が忘れたんだ!聞いたこともないぞ!!」

「それはおれたち(出国審査官)の責任ではない!早く払いなさい!」

うそー!!?なにそれ!!何もしらねぇよそんなの!!

と抗議してみるも、どうしようもなく、財布の中をみてみると40ボリだけ残ってた。

「40ボリしかない!」

というと、

「仕方ない…」

という顔で受け取った審査官。バコンとスタンプを押してもらったんだが…

クソ野郎!!何もそんな話聞いてないぞ!きっと賄賂だ!!適当なこと言って旅行者から金を巻き取ってやがるんだ!!許さん!!許さんぞ…!!!!!

あ、あった…

後で、貴重品バックを探ると、出てきた…これだ…

ごめんなさい…。

でもこれが出国時必要なんなら、渡すときに言ってくれよ!!!

と怒ってみるのだけれど、もしかしたらスペイン語で説明はあったのかもしれんな…。ほんまに、南米を旅するにはスペイン語話せないと困ることばかりだ…!

英語が世界共通語だなんて感覚は、アメリカに付随する一部の国だけなんだ。

その後は、難なくチリのイミグレを終えて、バスがゲートをくぐると…!

よし!!28カ国目ー!!!チリ入国じゃぁぁぁ!!!!

とテンションを上げてみるが、しかし、国境付近には、ボリビアの時と同じ廃墟みたいな石造りの小さな家々がポツポツあるだけ。

エジプトからイスラエルにはいったときに、一気に建物が綺麗になって近代化したイメージがあって。

チリも南米ではかなり発展した国と聞いてたから、一気に先進国風の建物が広がるんかと思っていたが…!


1分も走ると、バスは小さな国境の村を抜け、窓の外には相変わらずの360度の乾いた世界が広がった。ほんまに、草木一つない。

チリも地震が多い国。火山帯なんかな?異様に盛り上がったハゲ山がどかん!どかん!と空高くそびえ立ってる。

なんか、ウユニ塩湖みたいな、真っ白な塩の干上がった池もあった。背景に広がるのは雪がかった山々。

なんでもない通り道に、他の惑星みたいなとんでもない絶景が広がってる。

たぶん、ウユニが偶然観光地としての売り込みに成功しただけで、世界にはまだまだ、誰も見向きもしないような場所に、息を呑むような絶景がたくさん隠されてるんだろうな。

3時間後、ついにバスは目的地カラマに到着!


思ったより小さい町。ボリビアみたいな廃墟みたいな家々もあるんだけれど、エリアによっては五回建てくらいのマンションやピカピカのショッピングモールもある。

安宿を探して歩き回るんだけれど、どこも粒子鉄線はられた塀に柵格子の門ががっちり閉ざされてて、チャイム押しても全然反応がない。

なんで?

閉まってるのか?

そしてどこも本当にセキュリティが厳重。小さな町なのに、ヨハネスブルグやナイロビみたいな、少し重苦しい雰囲気が漂う。

やっとこさ見つけた安宿、しかし10000ペソ、2000円…!!うぎゃぁぁ、ボリビアの4倍である!!高い!!噂には聞いてたがチリ、高すぎる…!!!

う、うるせぇ、いくら高かろうと、そのぶん稼ぎゃ問題ないんだよ!!

宿代を払うために50ドルを両替したんだけれど、よし、ここからはもう一切両替せんぞ!!

これで所持金は3万円を切った!一ヶ月後には飛行機に乗るため、3000キロ離れたコロンビア、ボゴタ間で行かなきゃいけない。

やってやる!!路上で生き抜くんだ!!歌って稼いで、生き抜いてやるんだ!!

と勇んで、午後6時、俺は町に出発した!!

薄暗くなってきた町、焦点の並び人通りが多いエリアは本当にわずかで、その道脇にはSDカード売りやお菓子売りのおばちゃんが大声でなんか叫んでて、酔っぱらったホームレスが道行く人に絡んで帽子を差し出して金をせびっては、邪険な目を向けられてる。

こ、こえぇ…。

旅した人に聞いたとき、チリはもうほとんどヨーロッパだと言ってた。物価も高いし街並みも綺麗だし…。と。

でも、ここはボリビア国境にちかいからかな?いたるところに薄暗い、南米らしい刺激的で危険な匂いがある。

旅行者なんてほとんど来ないような、内陸の地方都市である。

シャッターの閉められた商店の前にギターバッグを置いたおれを、

「なんだあいつ?まさかここでギター弾くのか!??」

なんて、好機のような、威嚇のような目で見られてる、気がする…!!

う、う、うるせぇぇぇ!!!負けるか!!生き抜くんだ!!おれはここで、歌って稼いで生き抜くんだぁぁ!!!

勢いよく取り出したギター!!バクバク高鳴る心臓をなだめるように深く深呼吸して、足につけたタンバリンを刻む!!ギターコードが絡んで、声をはりあげる!

一曲目…みんな目を合わせてくれずに素通り…

2曲目…買い物帰りのおばちゃんが、にこりと笑って、なんか100ペソ硬貨を投げてくれる!!

いける!いけるぞ!!

金曜の晩の浮き足立った雑踏と、目の前の車道のクラクションとどす黒い排気ガスに巻かれながら。

でも腹の底からひさびさに歌えて、なんかすごく心地よかった!

9時になってどの商店もシャッターを閉め始めたので、終了。

宿に帰って、もらったチップをぶちまけて、数える!

16000ペソ、約3200円!

やった!やったぞ!

精神の疲労度に比べて、安い賃金にはなるけれど、今のおれが生き抜くにはこれしかねぇ!

人々は、慣れてきてノリに乗って歌ってる時には、にこやかに輪になってみてくれては、拍手をくれた!

ギターをやってる地元の若者たち。熱心におれの路上ボードや弾いてる姿をケータイで撮りながら、キラキラした目で見てくれた!

ビートルズ革ジャンで決めたおっちゃんにlet it be を歌うと、一緒に声を上げて歌ってくれて、「アミーゴ!!」とがっちり握手を交わした。

基本100ペソ硬貨(20円くらい)と、物価の割に投げてくれる額は少ないんだけれど、ほんまにたくさんの人がにこやかに眺めてはコインを投げてくれるので、すごく歌ってて楽しい!ありがたい!

路上ライブの文化があって、でもヨーロッパよりももっとなにか、少し暑苦しいくらいの、気取らないフレンドリーさがあって。

チリ、ほんま物価高いけど、なんとかやっていけるかな。

いや、やってやる!!



ひさびさに路上で歌って、達成感たっぷりの疲労の中、ビートルズのおっちゃんにもらった屋台のトウモロコシケーキみたいなやつだけ食べて、寝た。

ベッドに入る前に一度宿の外に出て、タバコを吸った。

毛の長いモコモコした犬が、やつれた顔でトコトコ歩いてきて、一瞬立ち止まって、やる気なく舌を垂らしながらちょっとおれの方を見て、また歩いてった。

「へへ、だんな、お疲れさん。まぁぼちぼち、やってこうぜ。」

なんて、言ってるような顔してた。

そんなところです。

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チリ

Posted by gamoyuki