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【ポンテべドラ/スペイン】歩き疲れては夜空と陸との隙間に潜り込む話

2020年5月13日

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今日の旅の一曲!Hiraku yoshimuraの “Inokashira”!
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ポンテベドラ2日目!!

特に観光地でもない、地元の人たちの集まるショップストリートが伸びるだけの、ただの地方の町なんだけれど。

昨日路上で、いい感じに稼げたし、街の雰囲気もなんかのんびりしててすぐ好きになった。

今日も朝から歌うで歌うでぇぇ!!とテントを片付けして、ギターを背負って飛び出した!

うむ、なんか、ヨーロッパの旅も終盤に差し掛かってきて、ようやくなんだか心地よくヨーロッパと戯れる感覚を手にしたというか。

すごく心地いい気分で旅をできてる。

路上でも、本当にのびのびと、心の底から浸って歌いたい歌を歌えるんだ。

足で刻むタンバリンのリズムに乗って、そのまま宇宙の果てまでホップステップジャンプできそうな体の軽さを感じる。

最初、イスラエルからイタリアに入って、オーストリア、ドイツくらいまでは、本当に苦しかった。

物価の高さと、思うように入らないチップにどんどん焦って、悪性腫瘍のようにぶくぶくと膨れ上がる脅迫観念に押しつぶされそうになりながら、毎日死人のような顔で路上に出てた気がする。

歌わなきゃ!歌わなきゃ!!

背中にいまにも突き刺さりそうな、焦りのナイフを突き立てられながら、冷や汗かいて歩かされてた気分。

そんなで、ちょっと弦切ったくらいで大袈裟におれはもうだめだ!なんてゆらゆら帝国歌いだす気分だったけれど。

でも、いま思えば、そんなに焦る必要なんてなかったし、地に足つけて、かっこつけすぎず、等身大で歌えばよかったんだ。

でも、それに気付けたから、あの頃の苦しさも、間違っちゃいなかったんだ。

スペインのアンダルシアで出会った、フラメンコ奏者のペニーさん。

まだそんな苦しみの闇につつまれて悶々としてた頃のおれに、

「音楽、好きなんだろ?それならその苦しみは何も間違ってないよ!」

と励ましてくれた。

朝、Wi-Fiをコネクトして、Facebookを開く。

そのペニーさん夫婦に2人目の赤ちゃんが生まれたらしく、真っ赤な顔してなきじゃくる赤ちゃんを優しく抱いて、幸せそうなペニーさんが写真に写ってた。

素敵だなぁ、と、なんだかうっとり、ため息がでる。

変わりゆく未来を常に愛して、受け入れていこう。

あの頃はよかったなんて、諦めの惰性で出来上がった人生にはしたくないのだ。

じじいになって、老けてシワだらけになって、それでも、

「明日のあの子とのデート、楽しみじゃのう!」

なんて、過去を振り返る暇もないくらいにワクワク出来てたら、幸せだ。

はっ!切れてやがる!!

バックを開けると、なんもしてないのに貴重な弦が切れてた!

しかし今はスーパーポジティブボーイなおれである。

近くの楽器屋に行くと、おれがいつも切ってしまう三弦が、一本たった1ユーロで売ってて、ラッキー!と思ってまとめ買い。

よっしゃぁ歌うで!!!!

昨日のショップストリートで、昼前から1本目!

最初は

“なんでこんなところで日本人が!??”

みたいな驚愕の目を向けられるんだけれど、1人のおばちゃんがニコニコとコインを入れてくらて手を振って去っていくと、みんな釣られたように、おれの路上ボードを覗き込みながら

「良い旅を!」

なんて声をかけてくれる!

1時間ほど歌って、街のはずれのカフェで、80セントのコーヒーを頼んで休憩!

「君はギターを弾くのかい??」

マスターのおっちゃんが、スペイン語だけどジェスチャーで、そんなことを聞いてくる。

「ギター弾いて、歩きとヒッチハイクでフィステーラを目指してるんだ!!」

ジェスチャーで説明すると、おっちゃん、あぁ!と納得した顔で、

「おぉ!カミーノ!カミーノサンティアゴ!!」

といってくる。

カミーノ??はて??

なんじゃそれと思ってスペイン語辞書で調べてみる。

“カミーノ”は”ジャーニー”。のサンティアゴということは…

あぁ!どうやらカミーノってのはサンティアゴへの巡礼道のことらしい!

聖地である北スペインのサンティアゴ目指して、500キロとか800キロとかを歩く巡礼の文化が色濃く残ってるスペイン。

結構若者に人気で、日本人でも歩く人が多いらしい。

なんとその巡礼道、一般的なルートは北フランスからスペインを横断する道らしいんだけれど、何本か他にもルートがあるらしくて、そのうちの一本がここポンテベドラも通っているという事なのだ!

「うーん、まぁそんなところかな!」

おれは全くカミーノサンティアゴをやってるわけではないんだが、歩きとヒッチハイクでフィステーラまで行く、その特に意味もない行動の理由を説明をする方法が浮かばんくて、そういう事にしといた。

「よし、君のギターを聴かせてくれ!」

ニコニコしながら、おっちゃんがおれのギターを指差す。

「みんな!ハポネスの旅人だ!ギターを弾くぞ!」

なんて昼下がりにビールをちびちびやってた他のお客のオヤジたちに声をかける。

おうよもちろんよ!と、バーの奥のちっちゃなステージみたいな台に上がって、カントリーロードやスタンドバイミーを歌った。


酔って気分のいいおやじたち、この曲は知ってたようで、一緒に大きな声で歌ってくれて、人はガラガラのわりに盛り上がって楽しい。

「音楽をグラシアスだ!さ、飲みな!」

マスターが、白ワインをサービスしてくれる。

「腹減ってないか?これも食べなよ!」

なんとなんと!ピザやハムの乗ったパン、ほうれん草みたいなののバター炒めと、次々ごはんも持ってきてくれる!

「ひ、ひゃぁぁうまい!!」

感激してると、マスターが奥にあった古ぼけたレコードに針を落とす。

渋いブリティッシュロックが店内に響き渡る。

なにやらここは音楽好きが集う地元のバー的な感じの場所らしく、奥の棚にはズラリと、レコードケースが並んでた。

みんなお酒を片手に目を閉じて頭を揺らしたり、小さく手でリズムをとったりして、音楽に浸る。

うぉぉ、すげぇいい雰囲気の場所に出会えた!

「レコードが鳴っててね、右手にワインがあるだろ?これでね、人生の半分くらいは幸せだよ!!がはは!」

カウンターの隣に座った、白髪のかっぷくのいいじいさんが、片言の英語とジェスチャーで、そんな事を言う。

音楽がもたらす人生の幸福論を、垣間見た気になった!

マスター、ありがとう!幸せな気持ちになりました!


結局、ワインの他にも、気分よくなったマスターが、スペシャルドリンクだ!!と言って作ってくれたラムの強烈なカクテルなんかももらって、天にも登りそうな心地のおれ。

店を出ると時刻は午後6時。

素敵な街ともっと戯れていたくて、そのまま中心地で1時間、閉店して人気のなくなってきた商店街でも30分だけ。

あれだけ飲んだのに、不思議と喉の調子が良くて、軽やかに歌えて心地よかった。

急いで片付けて、午後9時の閉店間際のスーパーに駆け込んで、晩御飯を買って、家(草原)へ帰った。

テントを広げると、どっと疲れて、さっさと飯食って、タバコを一本だけくわえて、眠る。

歯磨きしながら、草原の虫の音に囲まれて、ハンバートハンバートの”生活の柄”という曲を聴く。

もともとは高田渡って人の歌で、

“歩きつかれては夜空と陸との隙間に潜り込んで、

草に埋もれては寝たのです。所構わず寝たのです。”

なんてフレーズから始まる、まるでおれの旅のために歌ってくれてるような歌。

ドイツで、毎日不安だった時、同じような事してる人もいるんだなぁなんて、これ聴いて心を落ち着けていたのを、なんか思い出した。

いつだって、一糸まとわぬ生身の暖かさで、おれに寄り添ってくれる音楽。

時には大丈夫だよって励ましてくれて、綺麗な月だねって言うと、そうだね、なんて頷いてくれる。

音楽音楽!君の目が君の髪が指が好きだ。

自己愛の塊みたいな、醜いおれを、いつまでも、しょうがないなぁ、なんて言って、包み込んでおくれ!

財布がメガトン超級に重い!!幸せの重みだ!!!

そんな夜!!

そんなところです。

※10月16日(日)、岡山の老舗ライブハウス、”岡山ペパーランド”にて、この旅のツアーファイナルをやります!チケット1500円(+ドリンク500円)。17:00スタート、僕の出番は19時過ぎの予定です!ゆるい雰囲気の大好きな箱でのライブです。のんびり飲みながら、みんなで音楽に恋しよう!詳細ご希望の方はコメントかtwitterにて!良かったら来てね!

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