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【エルサレム】エルサレム到着とおれ世界一忙しい話

2020年2月21日

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今日の旅の一曲!ナンバーガールの “OMOIDE IN MY HEAD"!
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終了

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………………..

エイラットを去る日!

昨日の夜は眠れなかった。

10日間住み着いたエイラットの街が恋しすぎて・・

とか言いたかったが、ここ数日で急に暖かくなって、蚊がビックバン大量発生したのだ!

公園でいつものように寝ていたけれど、もう即座に聞こえてくるあの世界一不快な羽音!!

しかも一匹や二匹の話では無い!数千、数万もの羽音が耳元でリフレインを繰り返しながら、オーケストラのような壮大な演奏を行うのだ!

「へへへお嬢ちゃん!おじさんに血を吸わせてごらん??」

「ぐへ!ぐへへ!おいしいなぁ!アジアンの血は、ライスフレイバーでおいしいなぁ!」

うきゃぁあお!!!!!!

おれは発狂した!

寝袋にくるまって防ごうにも暑すぎるし、かといってこんな量の蚊達に血を分け与えていたら、おれ、干物みたいになっちまう!!持ち運びに便利なドライガモさんとして、若い女性を中心に人気商品になっちまうー!!!!!!!

そして、おれは歩いた。

(ドライガモさんになって、女の子が好きな時におれを水で戻してくれるのか。そ、それってどんな時なんだろう・・も、もしかして、その、ね、眠れ無い夜・・とか・・!??はぁはぁ!)

と鼻息を荒く考えながら、深夜4時の公園のまわりをうろうろと。

完全に不審者である。

あぁ、"お巡りさん!公園のまわりを怪しいニホンザルがうろついていますわ!"なんて通報されてたらどうしよう。

お巡りさんがでっかい虫網見たいなのもって、捕獲しにやってきたらどうしよう。・・

うん、それもいいかもしれんな・・

警察署でぐっすり寝られるのなら、それでもいいかもしれない・・

うむ、この時のおれは眠気と9日間連続の路上、一週間連続の野宿で完全に憔悴しきっていた。

まさに疲労困憊ハトパイ食べたいである。

あぁ、もうだめだ!お金貯めのために究極にストイックな生活を続けてきたが、もうさすがに限界!あぁ忙しい忙しい!!ぁぁハトパイ食べたい!!

と、「おれ世界で一番忙しい」アピールが鼻に付く系ブロガーのおれは、決意していた!

今日の朝の便でエルサレムに行ったら、ちゃんと宿泊まろ。。

そう、おれはついに今日、ここエイラットを離れる事となるのだ!!!

エジプトから無一文で飛び込んだこの町。

何もわからない不安な生活の中、路上ライブと野宿で、9日間のステイを終えて約3万円分の貯金を作ることにも成功した!

イスラエルなぞ、完全に未知な世界で路上ライブ何て出来るのか!?なんて不安だったけれど、なんとかなった、その自信は確かにこの胸の中にある。

昨日、エイラット最後の夜も路上ライブに出た。

いつもやってた橋の上。

午後6時、エジプトの方へ傾く太陽は未だ強い光を放ってて、日曜日の夕方の少しくたびれたムードの街。

それをぶっ壊したくなって、思い切り声を張り上げて歌った!

染み付いた匂いや、海沿いの人々の空気感をもう一度確かめながら。

だめだ、昨日の夜の5時間ぶっ続けで歌ったのが響いたのか、全然声が出ねぇ!

ガラガラに枯れた声で、でもそれでも腹の底から歌えば、なんか伝わる気がした。

地元バスカーのモウと、ドイツ人トラベラーのアレックスが、見に来てくれた。

アレックスのビートボックス(っていうの?口でドラムみたいに刻むやつ!)で、モウと一緒に大好きなOasisのdon’t look back in anger を歌った。

声枯れてうまく歌えないんだけれど、それでもいい気がした。

「おれ明日エルサレムに行くんだ!」

「えええ!!!行くな!エルサレムよりもエイラットのほうがいい場所なんだ!なんでいくんだ!」

「もうチケット買っちゃったからね!でもマジで会えてよかったぜみんな!!!」

「うううっ!Facebookを交換しよう!いや、それじゃノットイナフだ!メールアドレスは!?ワッツアップは!??」

モウが本気で悲しそうな顔をする。

ほんとに、最後に彼らと音楽できてよかったなぁって、もしかしたら彼らと音楽やるためにおれは旅に出たのかなぁなんて、しょうこりもなくそんなことを考える。

「ユウキ!君はおれにたくさんのことを教えてくれたよ!君の足についてるそれ、僕が次に練習するテクニックだよ!」

「ん?タンバリンのこと?」

「え?それタンバリンって言うのか?タンバリンーメンーってボブディランの歌、これのことを歌ってるのか?」

「そうだよ!知らないの!?」

「イスラエルではノットポピュラーだぜー!!でもおれは新しいテクノロジーを知ることができたぜぇぇぇ!!」

モウ、ほんとに飾り気がなくて、誰にでもオープンマインドで、ギターあんまり上手くないけどハートは人一倍熱くて、いい奴だったなぁ。

「よし、そろそろおれはマイスポットで歌うことにするよ!生活のためにな!会えてよかったぜ!」

「こちらこそ!!!元気でね!また会おう!!」

とがっちりと男握手してみんなに手を振った。

またいつかなんて、便利な言葉だ。

でもそれぐらいの距離感も、おれは好きだ。

誰かにのめり込みすぎて、歩み寄りすぎると、自分の中の自分が死んでしまう。

上手く両立できればいいんだけれど、でくのぼうのおれは、どっちかに倒れこむ以外出来ないからな。

最高に熱くなって、でもさらりとまたね!って別れられる、そして、自分のやりたい道を気兼ねなく進める。

そんなぐらいの人とのつながりが、一見少しドライに聞こえるかもしれ無いが、旅には必要な気がした。

素敵な時間をありがとう!!

そのあと、ガラガラの声でもう一時間ほど歌った。

結果は96シュケル、約2800円。

帰りにビール買ってファラフェルっていう豆コロッケのサンドイッチで晩御飯!9日間お疲れさんおれ!

いやぁ、路上ライブできるのかどうなのかウルトラ不安だったイスラエル。
しかし飛び込んでみたら、なんとかなった。
貯金も作ることができた。

エイラットの海沿いのオープンな空気感の中で、寛容で音楽を愛する人たちの前で歌えたこの数日間はほんとに幸せだった。

おれの中での"紛争地帯のピリピリした国、イスラエル"というイメージを、180度変えた。

次に行く都市、エルサレム。

三つの宗教が聖地とする神聖で紛争の火種ともなっているエリア。

正直音楽で食っていけるのか、全然わからない。もしかしたら一瞬で警官に止められて、貯金も尽きて、すぐに去らないといけないかもしれない。

でも、たとえそうだとしても、本当の世界はこの目で見て、この足で歩いてみないと気が済まない。

最高に要領悪いポンコツだけど、おれは自分のそういうところは嫌いじゃない。

結局蚊に悩まされ続けたおれはしばらく公園をさまよったあと、蚊を避けるために寝袋にくるまって暑さに耐えていると、気づけば朝6時、明るくなっていた。

最高に最低な頭の中のぼんやりを、好きだった5シュケルコーヒー(150円)のパン屋で吹き飛ばして、バスに乗った!

バスに乗る直前から、イスラエルに入って、いや、エチオピアとか以来か!!?
実に50日ぶりぐらいで雨が降り出した!
そして乗り込むバスのナンバーは"444″….!!

え!?なにこれ!?なんか不吉!爆発のフリとかやめてくれよ!?「イスラエルでテロに合う話」とかブログ書きたくねぇぞ!!?

とか焦っていたが、5時間後、死海を横切り、

パレスチナとの境界線を沿うように進んだバスは無事何事もなくエルサレム到着!!!!!

おおお!!!ついにここがエルサレムかっ!!!



とりあえず、宿を探して旧市街を歩く!

石造りの建物が迷路のように入り組み、露天がところ狭しに並ぶ!

店屋のおやじが無愛想な顔つきでタバコをふかし、小脇の小さな路地に子どもがかけていく。

そこに住む人たちの生活が染み付いてるような、なんか渋い街だ!

ふらふらと、60シュケル(1800円)でオールドシティの中の安宿ドミトリーにチェックイン!

もうこの時点でくたくたのヨレヨレだったおれ。

まず1週間ぶりのシャワーを浴びる。

きたなっ!!!まじ汚物じゃん!!絶対私たちの宿には泊まらないでね!!!

と顔をしかめこのブログを閉じてしまったみなさん!

安心してほしい!一週間パンツは替えてこそないが、ちゃんと毎日エイラットの海で海水浴をして赤潮を発生させながらも、体は清潔に保っていたのだ!Tシャツも靴下も替えてはいないが、体は清潔に保っていたのだ!だから汚いだなんてそんなことは・・

て誰もいねぇ!!!

そして、ちょっとシャワーを浴びただけで大騒ぎのおれは、誰もいないドミの、ふかふかのベッドにスクリュードライブヘッドダイビングで倒れこんだ!

寝よ!!!

寝てやる!!!

ここ数日、ちょっとストイックに旅しすぎた!たまにはこういう休憩もいれていかんと体壊してしまうわ!体が資本やってゾロさんも言うとったしな!

このとき時刻は午後6時。

今から寝たら、深夜頃起き出してしまうかもしれんが、それでもいいのだ!

深夜目覚めて、TSUTAYAで借りてきたライブDVD見ながらコンビニで買ってきたビールとお菓子で朝までぐうたらしてやる!
とか思って深夜街に飛び出して、
「え!エルサレムTSUTAYAないやん!ローソンもないの!?そ、そんな・・」
とかブログに書いてやる!書いてやるんだ!!!

あぁ、布団ちゃんがおれの体をどんどんと吸い込んでいく!

あぁ、ねちゃう・・

寝ちゃうぞ・・

…..

んー。

なんやろ、久々の布団に興奮してんのか?なかなか寝られない。

おれはイヤホンを耳にした。

昔、英語勉強しているふりをするために購入したテキストのCDを、英語勉強しているふりしながら聴いていると不思議とすぐ寝られるおれ。

さて、英語勉強しよ~と、白々しい嘘をつきながら再生ボタンをおす。

((Hi I am jon. I like to play soccer. This is a pen. I have a dog. Nice to meet you. Are you Ms. Green?? Hi I’m not Ms. Green. I am a dog as you can see. You really need to go to hospital, I guess. Seems to you had drag too much. You are fucking crazy now..))

ん?アズ ??ニード??やべ全然わかんねぇ…..ほら、眠くなって・・・

眠くなってきた・・

…..

…..バクンバクン

…..

…..バクンバクン

…..

あぁぁぁぉぉ!!!!!寝られねぇ!!!!

なんで!?さっきまであんなに眠たかったのに、心臓がバクンバクンして寝られない!!なんだ!?恋かしら!!??ちなみちゃん愛してるっ!!!!!

そんなでベッドの上で悶えていると!

(カランカラン!!!カランカラン!!!)

窓の外からキリスト教教会の鐘がなった。

近くにあるんだろう、かなり大きな音で鳴ってて、宿の軒先の鳩が驚いて羽音を立てて逃げていく。

それが鳴り止むと次は、

(アァァァァァァァラァァァァァァ!!
アァァァラァァアクバァァアルッ!!!)

イスラム教モスクがお祈りの時間を知らせる、"アザーン"の音。

こちらもかなり近くにあるようで、大音量で響いてくる。

エルサレムの東側に位置する、ここオールドシティ。城壁に囲まれた古い町並みのそれ自体が世界遺産の、歴史あるエリアのなかにこの宿はある。

この狭いエリアに、イスラム教、キリスト教、そしてユダヤ教のみっつの宗教、文化で暮らす人たちが住んでいて、それぞれがここを聖地と崇めている。

キリスト教の教会の鐘の音とイスラム教のアザーンが同じ場所から聞けるなんてことは普段はありえないんだけれど、この街ではそれが当たり前のなかで、一見それなりにみんな平和に暮らしてるように見える。

そんな彼らなりの普通の時間が流れる場所に、おれは突然やって来た。

不思議な感覚。

おれのなかでは全然知らない真新しい世界が、おれなんか生まれるよりずっとずっっと前から、普通に存在してたんだな。

うん。

おやすみ。

…..

…..バクンバクン

…..

ちくしょぉぉお寝られねぇ!!!

新しい街にやってきて、のんきに寝てられるか!!歌ってやる!!歌ってやるぞ!!!!!

なんか、胸の高鳴りが抑えられんで、おれはギターを持って飛び出した!!!

今日は話すだけで声が裏返ってしまう。
喉が枯れて、声が出ないのは分かっていたし、休まなきゃいけないんだけれど、なんかこの焦燥感を切り抜けるには歌うしかないって直感した。

バクンバクン!

胸が無駄に高鳴る。

“そんなもんじゃねぇだろ?まだやれるだろ?"

重い体を突き動かす鼓動が、そう煽ってくるような気分。

ずかずかと街を抜ける。

キラキラのガラス細工のお土産屋、ジュース屋さん、そんな商店の通りを抜けて、大人がすれ違うのがやっとみたいな小道を抜けると、旧市街を抜けた!

暗くなったトラム沿いを歩くと、それなりに人通りの多い通りに出た。

ほんと、50メートル置きくらいに、冗談抜きに、いまから戦争行くんですね分かります!みたいな、機関銃みたいなのもった警官が立ってる。

いやぁ、絶対止められるだろうなぁなんて思いながらも、カフェの軒先にギターケースを置いてみた!

バクンバクン!

しかし、相変わらず高鳴る胸はいつもの、

“怒られたらどうしよう"

なんて不安から来るもんじゃなくて、

“よっしゃ!歌うぞ!歌ってやるんだ!"

なんて、いまにも飛び上がりそうな抑揚感から来てるみたいだった。

いつになくストレートな気持ちで、ギターを構えた!!!

三曲目を歌ってる途中、また雨が降ってきて、意地でその曲だけ歌い上げて慌てて片付けた!

よかったー向かいの警察官たちはみんなこっちを見て笑うだけで、止められることはなかった。

仕事帰りのOLさんっぽいおねぇさんが、雨のなかワンフレーズ足を止めて聴いてくれて、「グッドラック」とウインクをして3シュケル(90円)入れて去っていった。

声は相変わらず上ずりまくりでひどいものだったけれど、心のままに歌を歌えた、そんな気がした。

ほんとばかなんだけれど、自分でも予測不明なこの胸の高鳴りに、素直に生きられることは、悪い気分じゃなかった。

バクンバクンと、まだ脈打つ心を

まぁのんびりやってけよ。

と優しい小雨がなでて、背中を濡らす。

エルサレム!負けねぇからな!見てろよ!

なんて、誰に勝つんかしらんが、妙に勇んで、8時のトラム沿いを歩いて帰った!

そんなところです。

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