キリマンジャロふもとの村でウルルんツアーとおれのバナナの話(エロではない)
タンザニア、モシ滞在3日目ぐらい。
キリマンジャロの登山道の近くにマテルニ村というところがあり、チャガ族という人たちが暮らしている。
昨日街をぶらぶらしていたらこの村の出身だというドレッドのにいちゃん、サムに声をかけられた。
「村を訪れてみないか?おれが15ドルでガイドしてやるよ!」
む、これは安い!
実は、ちょうどキリマンジャロ登山を諦めたもんで、この村のツアーぐらいは参加してみようかなぁと思っていたところだったおれ。
着いた初日に勧誘してきた個人ガイドのオヤジは、70ドルだ!とかめちゃくちゃふっかけてきてたし、その後旅行会社を回ってもだいたい相場40から50ドルと言ったところだ。
15ドルとか!!
行ってみたら槍を持った村人に監禁されて、20万円の変なツボ買うまで帰れないとか、はたまた村へのバスに乗った時点でボコボコに殴られてお金全部取られてポイとか、そういう裏があるとしか思えんが、いやもしかしたら挨拶しに行った村の長に見そめられて、村一番の美しい娘との結婚を迫られる可能性も捨てきれん、その希望的観測にかけて、行ってみることにした。
結果!
予想はしてたけど、食事代は別だ!滝を見たいならオプション5ドルだ!などなど、チップも払ったら結局30ドルぐらいかかった!
そして村の娘との結婚オプションはやってないそうだ。
けどそれでも他のツアー会社等に比べりゃかなり安いから、とりあえず安く行きたい!という人にはオススメだ!
彼は個人でやってるガイドなので、Facebookページからコンタクト取れます!
もしツアーに興味おありの方や、かわいい女の子は下記のコメント欄にてメッセージください。ツアーの方には彼のFacebookを、女の子には僕の家の鍵をお渡しします。
ただ、この情報は2016年2月現在のあれなので、長い月日が彼を格安ガイドマンから優秀な観光客拉致強盗に変えていても、諸行無常の鉦の音であるのでご考慮下さい。
内容はこんな感じだ!
朝7時半に宿まで迎えに行くよ!と言われていれば、だいたい8時過ぎに来る。タンザニアタイムである。
ってか安定の雨!
おれがツアーつけたり、久々に観光地に出たりするといっつも雨!
濡れながらモシのバスステーションまで歩き、片道1ドルでマテルニ村まで。約30分。
まじで、ぎゅうぎゅうのローカルバスで30分とか、長えなぁ!という人は、
「ねぇ。マカロニって3万回言ってみて!」
「えぇーそれ絶対、言い終えたあとに、ではキリマンジャロのふもとのチャガ族の村は?って聞いてくるやつやんー。。はいはい言えばいいんでしょ。いくよ、マカロニ、マカロニ、マカロニ、マカロニ、マカロニ…..」
架空彼女とそんな話をしている妄想でもしていると、24600回あたりのマカロニで到着するのでおすすめだ。
別大はと福祉サービス!アフリカでは日本の中古車がたまに、こうやって乗り合いバンなんかに使われているのだ。
しかし、事情を知らない大分のおばあちゃんが介護施設へ行こうと乗り込んでくるケースもまれにある。
ご家族の方は注意が必要だ。
村からは、このように綺麗にキリマンジャロが見える。
快晴の空に突き刺すようにふてぶてしく立つその山肌は、なんと雄大な姿か。
深い森を歩く。
へんな虫や植物が多くてテンションが上がる!
サムがこの森の生き物や植物についてガイドをしてくれる。
ピンクの花。
サムいわく、この花は3日花というらしい。
よく見ると3種類の花ビラがあるのがお分かりだろうか?
それぞれ昨日、今日、明日、というわけだ。
いやいやただのつぼみと咲いてるのとの違いやんしょーもな!とか言っているとクラスの女子に嫌われるので、適当に
「うわ!ほんとだ!かわいー!」
と言っておこう。
バナナ!
サムいわく、一本のバナナの木はひたすらに上へ向かって芽を伸ばしていく。
いずれその先端にバナナの実をつけると、その重さで先端が垂れてきて、よく見るバナナのふさがぶら下がった状態になるんだそうだ。
人間のバナナはそこから再びピンと立ったりしおれたりを繰り返すが、こちらの場合は、一度垂れるともうそのまま起き上がることはなく、バナナの実が熟すと木は枯れてしまうらしい。男とはなんなのだろうか、と深く考えさせられる。
これはあれだ。あの、マメの、あれだ。
これ、エンジェルトランペットって言うんやって!シャレオツー!ナウい~!
村には小学校もある。
子供と触れ合って写真をFacebookやブログに乗せれば、みんなからの好感度アップに繋がるのでおすすめだ。
サムとバナナ。
観察力のある人はもしかしたら、サムのズボンの中にもバナナが一つ隠されていることに気付いたかもしれない。しかし彼は決してここから盗んだわけでは無い。時として我ら旅行者も、村人から盗難の疑いをかけられることがあるので、きちんと説明できる様スワヒリ語を身につけておこう。
またそんなことばかり言っていると、せっかく子供の写真で上がった女子からの好感度も急落する恐れがある。
たとえ思っていてもブログ等には書かない方が良い。
また雨が降ってきた。
白いナメクジちゃん。ご機嫌でお散歩中である。
「おやおや旅行者者さん、これはこれは遠く日本からいらしたのですね。本日はお日柄もよく、素晴らしい豪雨の中、最高の観光日和ではございませんか。どうぞ潤いに満ちたこの森の探索を、お楽しみくださいませ!」
…..ひねりつぶしてやろうか。
さてさて、まずはこの村の特産!コーヒーの試飲体験である!!
なんかさっきから森の中にこんなへんな木の実があって、なんやろかと思ってたんだけれど、実はこれがコーヒーマメらしい!
イメージ的には、静岡のお茶畑みたいに斜面に畑があって、みたいなのを思い描いていたけれど、森の中の、木々の間を縫うように背の低い木がランダムに植えられているというとてもラフな感じだ。
これには理由があって、サムいわく、オーガニックのコーヒーは強い太陽光に弱いらしく、背の高いバナナや他の木々の下で育てることで元気に育つという事らしい。
その分作業効率は上がらないので、大量生産には向いてないのだけれど、村の人たちは昔から伝わるこの方法で今も美味しいコーヒーを生産してるんだとか!
豆知識だぁ!マメシバっ!
日本の餅つきみたいに杵と臼で、掛け声をかけながら殻を取っていく。あぁ餅くいてー。
殻を取ったところ。へぇ、もともとはコーヒーの実って茶色ちゃうんや。餅くいてー。
殻が取れたらそれを煎る!あたりにコーヒーの香りが漂って、餅が食べたくなる。
お!やっとコーヒーっぽくなってきた!
それをさらに杵と臼でパウダーにする!
おお!チョコみたいでうまそう。餅につけて食べたい。
タンザニアではこのコーヒー粉をろ紙でこしたりせず、直接お湯と粉をかき混ぜて、ドロっとしたコーヒーを作る。
粉と砂糖を混ぜただけの"コーヒーパウダーキャンディ"と一緒に、素敵なコーヒータイム!
山の風景を眺めながら、ほんまもんの入れ立てコーヒーをいただく。
風がバナナの木々を揺らして、小雨など気にせずヤギの小屋の前で小さな椅子に腰掛けて、香りを楽しむ。
どこの貴婦人なってぐらい贅沢な時間。これはたまらん!
おれ、あんまブラックコーヒーは得意じゃなかったんやけど、こういう過程を追っていっての一杯、というのを感じると、すごく美味しく感じるわ。
ほんま、雰囲気で料理ってなんぼでも美味しくなるんやろな。
たとえただのマックのポテトでも、生産者のおっちゃんが汗水垂らして愛情込めてジャガイモを育ててるとこからドキュメンタリー番組みたいなんで見せられたのちに、出てきたら、涙出るほど美味いと感じるやろし、自然の恵みに感謝もするやろな。
毎回の食事に、そんなドラマを感じながら、いただきます!って言えたら幸せだな。
そういう人に私はなりたい。
そのあと、20分ほど山道を歩くと、滝!
と言ってもわりと寒くて泳ぐ気にはなれないし、
「マイナスイオンだぁ!気持ちいいねぇ!」
とはしゃいでくれる彼女もいない。ぼっちで滝を見ても、「ほう。」としか思わない。
これは地球の歩き方の読者情報欄でみんなと共有せねばならん特記事項だな。
とりあえず飛んどくか。
そしてこのあとマシンガンのような大雨。
途中の小屋にサムと駆け込むと、ドイツからの旅行者のおじいちゃんも別のガイドと一緒に雨宿りしてた。
ライプツィヒから来たというおじいちゃん。
彼もぼっちの一人旅のよう、しかもドイツ人には珍しくほとんど英語をしゃべれない。
それでもそんな事気にせず、好きなように行きたいところへ行く、自分の人生をしっかりと歩いているような、そんなアクティブさが素敵だなと思った。
なかなか降り止まない雨、小屋の中でサムと色々話をした。
タンザニアでは子供は10人くらい作るのが普通だけど、彼にはまだ娘が1人いるだけだという事、
実はバツイチで、でも今の奥さんに出会えて本当に幸せだという事、
でも一番愛している女性はもちろんママだよという事、
昔、生活苦から山奥でマリファナを育てて売っていたけれど、パブでバイヤーと売買しているときにポリスに捕まった事、
自分が刑務所に入ってしまうと家族が生きていけないから、持っていたホンダのバイクを泣く泣く売って釈放金にしたこと、
などなど。
どれも、日本人の感覚からはかけ離れすぎてて、語弊あるかもだけれど面白い話ばかりだった。
いろんな環境で生きている人がいて、いろんな価値観があるんだなぁ。
ファイティング オン サバイバルである。
サムが、あるスラング(若者言葉)を教えてくれた。
「ポア・キチジカマンディ・ズィバ」
直訳すると、
「バナナの様にいい感じだぜ!」
下ネタ?と思ったエロがっぱたちには申し訳ないが、ただの挨拶に対する返事、how are you??と聞かれたときの I’m fine!!みたいな感じで使うらしい。
この村での生活は、山の自然に密着していて、その中でもバナナは、青いものは野菜として、熟れたものはフルーツ、葉っぱは皿や傘、住居に、そして木は家畜のエサや燃料としてと、まさに村人にとってなくてはならない存在なのである。
自分がとても良い状態にあることを、万能で有益なバナナに例えているという訳か。
日本では、スーパーのフルーツコーナーのただの一種類でしかないバナナが、生活の全てに結びつく存在であること、そんな自然の恵みに心から敬意をはらっている様子が見て取れて、おれにとってはとてもエキゾチックで、しかし素敵な言葉だった。
雨が止んで、ぐちょぐちょの泥の道を靴を汚して村まで帰った。
おばちゃんが、そんなバナナを使った地元料理をふるまって出してくれた。
豚肉とバナナの煮付けみたいなやつ。
サムが、「エキストラ5ドルでご飯を出せるんだけど、もう頼んであるから食べてってね!」と、勝手にオーダーしていやがったのには腹が立ったけれど、
いや、これめっちゃうまいわ!
バナナの煮付けとか、日本人の感覚からすると気色悪!となりそうだけれど、多分まだ青い野菜バナナを使ってるんだろう、甘くなくて、ほくほくで、ジャガイモそっくり。
味もさっぱりした塩味で、タンザニア風肉じゃがってところか。
これに、おばちゃんが裏庭(ジャングル)で採ってきたアボカドを添えて、一緒に食べる。
裏庭からアボカドとか!アフリカか!
2ドルで買ったここの特産だというバナナワイン!
使い古しのハイネケンのビンに入っていて、赤さびが浮いてたのはちょっとイヤだけど、まぁエコでええわな。
白ワインみたいで美味しい!
一緒にご飯を食べたガキンチョと遊んでやる。
上がるで上がるでー!!!好感度の打ち上げ花火やー!!!!!
そして満腹になったおれは、
「ぐすん、ありがとう!まだぐるからねっ!!クソお世話になりまたっ!!」
と村人たちにウルルンしながら涙の別れを告げ、
「ありやっしたーまたおこしっしゃいませー」
と死んだ目をした深夜のコンビニ店員のようにハートフルに見送ってくれる彼らにいつまでも手を振りながら、村を後にするのであった。
ファミファミファミーマファミファミマー
まあ、
ほんの5時間程度の滞在だったし、やはり村人も少しでも外貨を得ようと売り込んでくるので、なかなか最初の言い値、15ドルで抑えるのは無理があるけれど、いい思い出にはなったし、楽しかった。
多分ツアー会社とかのよりも、フリーランスの彼に案内してもらえたことで確実に村人たちとの距離は近かったろうし、融通もきいた。
何よりサムの、かざらんちょっとラフな、でもわりとしっかりガイドはしてくれるという気取らないスタイルがおれは好きで、5ドルほどチップも払ったし、珍しくお土産にコーヒーも買っちゃった。
おれの財政難も深刻ではあるが、各地の路上でおれの音楽に対してお金を投げてくれる人がいるように、こうやって良いと思ったものにはケチらずお金を使えるような旅人でありたい。
それでお金がなくなったら、また稼げばいいや。
そんな、おすすめガイドを紹介しとるのかネタバレさせたいのか、はたまたただ下ネタを言いたいだけなのか分からん日記でした。
ありがとサム!!!
そんなところです。
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