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ダルエスサラームと路上ライブとチーナじゃない話

2019年8月1日

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ダルエスサラーム!!

うん、なんかこの名前の響きがええな。

ダルエスサラーム!!

うん。なんか何度も言いたくなる。

「ダルエスサラーム、ごきげんよう、今日のお客様は・・」

とか、徹子の部屋の挨拶なんかで使われそうな、なんかこう、貴婦人的な上品な響きがあるよな。

いやぁ13カ国目タンザニアに入国して、無事ダルエスサラームまでやって来たわけなんだけど。

いい!

いいぞこの街!

ダルエスサラーム、おれ好き!!

なにがって、もう貴婦人的でも全くなければ、上品な中世ヨーロッパな雰囲気も皆無な、汚く、ごちゃごちゃで、鼻に付くぐらいの人間くさい熱気に包まれた街の躍動感がこの街にはあるのだ!

インドのオールドデリーのような、バンコクのシーアムの屋台通りのような、ベトナムのハノイの下町のような。

ちょっと立ち止まって、日陰のある商店の軒先に座って、タバコを一本加えながら、一秒だって止まらないジャングルのような街のうねりを観察する。

砂埃をあげて店先をほうきがけするにいちゃん、
その砂埃を気にもせず、隣の火鉢で全然甘くない焼きトウモロコシを売る屋台のオヤジ、
その砂だらけのトウモロコシを200シリンク、約10円で買っては嬉しそうに頬張る少女と、彼女の手を引く女性はイスラム教徒なのだろう、上品なブルカをかぶっていて、
そんな二人をなんとなく、寂しそうに眺める少年の頭の上には竹カゴが乗っていて、量り売りのピーナッツと、一本10円のタバコのバラ売り。

その彼から買った一本と、路上のどこででも売り歩いている、おちょこサイズの5円のキリマンジャロコーヒーをすすりながら、
のんびりと午後の休憩を取る工事作業員のおやじたちと、おれもまた同じように砂にまみれながら。

どこを歩いても、

「ヘイチーナ!マンボ!」
「チーナ!ハウアーユ?」

と、クイっと顎を上げて声をかけられる。

割と中国系の移民が多いみたいで、中国語の看板も街でちらちら見る。

ほんとに、ごくたまに、中国人らしいアジアンともすれ違う。

彼らとアフリカンの関係は、悪いものではないようで、おれを見て「チーナ!」と声をかけてくる人たちも、かなり親しみを持って接してくれているよう。チーナじゃないけど。

この街には中華系だけでなく、ブラックアフリカンからアラビアン、インディアン、マサイ族も結構いて、様々な文化が融合していて面白い!

同じアフリカンでも、鼻が丸くて背の高くない人やその逆、目が細くてもし肌の色が違えばアジア人そっくりな顔や、マサイなんかは手足がびっくりするくらい長かったりと、オリジナリティで全然違う。

まぁアフリカも広いもんな。
アジアでも日本人とタイ人、フィリピン人じゃ顔の形も体格も全然違うし、それと同じか。

同じように宗教も様々、街にはモスクが割と多いので、ムスリムの文化が濃い感じはするが、同様に十字架を身につけたキリシタンも沢山いて、インディアンはもちろんヒンドゥ。

完全な多民族都市といった感じで、そんな様々な人たちがそれぞれの伝統衣装に身を包んで、胸を張って歩く。
それぞれの文化スタイルにプライドを持っているんだろうな。

そんな人たちを、どれも一緒だよと笑うように頭上でカラスが鳴いている。

アフリカのカラスはとにかくでかい。

そしてこんな感じで胸の辺りだけ白いのだ。

まるで白いノースリーズを着てるみたいでおしゃれでかわいい。女の子かな?

む?でも仮にあれがほんとに彼らの洋服だったとして、という事はなんだ、し、下履いてねぇじゃねぇか!おいおいノーパン!?超エロい、なに、なんかの撮影か!?タンザニアで開放的になった人妻が的なあれか!?、、って

いかん!!せっかく民俗学的観点からダルエスサラームの情緒を伝える高尚な記事を書いてたのに、危うく日本のエロカラス共にSODの最新作を紹介するところやった!危ねぇー!!!

え、SODがなにかは俺もよくわからんけど、帰って父さんにでも聞いてみればえんちゃうかな。

そんな感じで、日差しの強いお昼の時間はみんな、こうしてのんびりと過ごしている。

なんか、評判ではヨハネス、ナイロビに次ぐ危険な街とか聞いたけれど、昼間のうちはどこも人でごった返していて危険な雰囲気は全くない。

これは、いけるで!!!!

遅い昼飯にトマトと牛肉のシチューみたいなのを食べて、おれはギターを持って飛び出した!!!

うぉぉ、なんか久々にご飯ー!ってご飯食べたわ!今までビスケットと揚げパンだけ、とかやったからな。。

商店や、風呂敷を広げて訳の分からん木の棒や、100年ぶりに沈没船から回収されたやつちゃうかみたいなきたねぇビン入りの化粧品を売る商人たちのひしめくマーケットを抜けたところに、開けた通りを発見!

スーパーの陰になってて、人通りは少ないがまぁやってみるかとギターを広げた。

不審がられながら一曲歌うと、隣のお菓子売りのにいちゃんが片言の英語で言う、

「ごめん、ここ、使う。あっちでやって。」

おお、ごめんよ!

撤収して再びマーケットを歩く。

この時時刻は午後5時半。

む!さっき歩いた時よりも確実にマーケットが広がって、通りを歩く人も増えている。

時間が遅くなればなるほど、その規模は広がってってるように見える。
普通に4車線の大きな道路が、ホコ天みたいな感じに。
どこまでもどこまでも屋台や風呂敷が並び、衣料品や食べ物、日常品の山、山。
それを物色したりひやかしたりしてる人、人!

なんて巨大なマーケットなんだ。
エネルギーがハンパない!

この日は水曜日。
ただの平日なので、つまりはこんなでかいナイトマーケットが毎晩開かれている事になる。

すげぇな!

マーケットが定期的に開かれるような文化って、東南アジアがメッカ的なのかと思っていたけれど、バンコクやマレーシアのよりも規模はでかい!
しかも、観光客用ではなく本当に現地の人のために開かれている、いわば生活の一部なんだろうな。

なんだろ、日本で言うたらイオンやデパートで買い物するみたいな、そんな感覚なのか?

とにかくすごい人だ。
路上をするならこのマーケット辺りだ。
これだけ人がいたら、誰かしら立ち止まってくれるだろう。
この熱気、エネルギッシュな感じも、きっと音楽にマッチするだろう。

でも、いくら歩いても路肩は店や商品で埋め尽くされていて、立ち入る隙がない。

やれそうな場所があっても、向かいの店のにいちゃんが爆音でテンポの速いレゲエを流してたりする。

そして、アフリカのどこの都市でもだったけど、ここでも路上ライブをやってるやつは見かけない。

うーん、他にやってるやついないと不安になるんだよな。

やっていいのかここ?とか。

やっぱ、マーケット付近は無理なのかな~きびしいな~と諦めかけたその時、シャッターの閉まった商店を発見。

5メートルほど向かいには風呂敷を広げてバッグを売ってるイカツイにいちゃんがいるが、こんだけのスペースがあったら大丈夫だろ!

ここでも隣の商店からのBGMはバカでかいがやれない程ではない。

「ここでギター弾きたいんだけど、できる?」

「おっ!!!チーナ!!なんだパフォーマンスか!??いいぞやれやれ!!」

隣の商店のドレッドロックラスタな兄ちゃんも快諾してくれる!チーナじゃないけど。

よっしゃやるしかねぇ!

ギターを取り出し、じゃらんとgコードを鳴らすと、買い物客のおばちゃんやませた女子学生やら暇してるまわりのおやじやら、わらわらと集まってきた。

「なんだなんだ??」

「チーナがパフォーマンスするって!」

「なに!チーナが!」

「ヘイチーナ!!早くやれやれ!」

この熱気!たまらん!!!チーナじゃないけど!

最近やっと、この、人に見られているって感じに、耐えられるようになってきた気がする。

一曲、ワンダーウォールを歌い上げると、やばい、向かいのバック屋まで埋めてしまいそうな人だかり。

マズイかな、と思ったんだけれど、ポチポチ100シリング硬貨(5円)とか入ってるので、テンション上がって二曲目。

あぁ、でも失敗。

やはり向かいのバック屋まで人混みが達してしまって、イカツイバック屋の兄ちゃんガチギレ!棒みたいなので観客を無理やり押し出そうとして、観客と揉めてる。

「あーごめんなさい!邪魔になってるんで止めます!」

と、すぐ曲をやめて撤収。

ばらける人混みの中、すぐにバック屋に謝りに行った。

「いや、あいつらが俺の商品を踏みやがったんだ、あいつらが悪いんだ、別にお前のせいじゃねえよ!」
とグッと親指を立ててくれたが、まぁ完全に俺のせいだ。

路上ライブするものとして、周りでもともと商売をしている人達へのリスペクトは絶対だ。あんなに人が集まるとは予想できなかった。嬉しいことでもあるけど、申し訳ないことをした。

もう一度しっかり謝って、出て行こうとしたら、最初に声をかけたドレッドの兄ちゃんが変な言い回しの英語で、率直に言うと

「やらせてやったんだからチップをよこせ!」

みたいなことをニタニタ言ってくる。

「あぁちょっと英語わからない」

というと深追いはしてこなかったけれど。

うーん、なんか上手くいかんなぁ。

とにかく、もう7時も過ぎて、だいぶ暗くなってきた。

今日はもう帰ろう、と八百屋ばかりが並ぶ通りを歩いていると、おっちゃんが声をかけてくる。

「チーナ!ギターか!?ここで弾いてくれよ!」

ちょっと傷心していたので、誰かと話したかったのもあって、おっちゃんの座る鉄骨むき出しのコンクリ廃墟みたいな建物の前に、座った。

「飯食えチーナ!ウガリだ!うまいぞ!」

見た感じ、決して裕福そうな感じではない、路上生活が染み付いたようなおっちゃん。

ウガリってのはこのへんの主食で、なんかの穀物を練った、パン焼く前の生地みたいなネトネトしたやつ。

多分彼にとって1日で唯一のご馳走なんだろうけど、それを半分くらい手にとっておれに与えてくれようとしてくれる。

今そんなお腹すいてないとそれは断ったけれど、その優しさがなんか染みる。

お礼に歌でも歌おうとギターを取り出し、素足にタンバリンをはめて、ボブマーリーを歌った。

まわりの似たような風貌ののおっちゃん達も集まってきて、ヒュウヒュウ!!いいぞチーナ!!と楽しんでくれる。

気分を良くして2曲目、3局目と歌っていると「とっとけチーナ!」と200シリンク(10円)が飛んでくる。

それを見た他のおやじも「ナイスだ!」と硬貨を投げてくれる。

これに気を良くしたウガリのおやじが、
「曲を楽しんだならコインを頼むぜー!」
「ほら踊れ!!」
みたいな事をスワヒリ語で言って盛り上げてくれる。

彼のMCの調子が良いのか、5円ばっかだけど面白いようにコインが飛んでくる。

みんなガハハと笑ったり、リズムに合わせてダンスしたりする。

なんか純粋に、こうやって楽しんでくれたり、暇つぶしにでも見てくれて、その対価としてコインを投げてくれる。

いいね!

シチュエーションはとにかくきたねぇ建物の前で埃にまみれながら、おれも含めてきたねぇ男達の集まりでしかないけれど、なんかここに、路上ライブの真髄を見た感じ。

20分くらい座ったまま歌って、ウガリのおっちゃんとチップを山分けした。

ちょっと来いよ!と声をかけられて、彼の寝床だというコンクリ廃墟の奥に誘われる。

なんだ、もしかして強盗される!?なんて一瞬疑っちまったが、彼がポケットから一本の巻きタバコを取り出す。

「表じゃ吸えねぇからな。まぁ一緒にやろうぜ。」

そんな事を言って二人で一本を回しあった。

優しいなぁ。

こういう暑苦しい人間臭さが好きだ。

いつも思うんだ。

おれにとっては、旅をしていて良かったなぁと思う瞬間、それは有名な世界遺産を見たときでもなければ、豪華なディナーで非日常を味わうような事でもなくて。

知らない街角で、普通に暮らしているだれかの当たり前の価値観に触れて、優しさに触れて、生き方に触れたとき。

彼らにとっての当たり前が、おれにはすごく新鮮で、おもしろいなぁ、世界広いなぁってゾクゾクさせられたり、逆に、どこいっても人間みんな同じやなぁ、あったかいなぁ、なんて思わされたり。

そういう瞬間が、大好きなんだ。

そんな発見の、宝庫のような、雰囲気渦巻くこのダルエスサラームという町。

かなりおもしろい滞在になりそうだ。

今日のチップ、2600シリンク(150円)。
日本円になおすと涙出そうな額やけど、暖かさにまみれたコイン達だ。

ありがとうございます!

そんなところです。

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