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ヨハネスブルクで差別問題を考える話

2019年8月1日

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さて、あからさまなアフィリエイトで稼ぎたい系ブログも書いたところで、だ。(前回参照)

南アフリカはヨハネスブルグ滞在が長引いている。

入国後二時間で全財産の入ったキャッシュカードをうばわれ、8万円を抜かれたおれは、一刻も早くこの暗黒都市からの脱出を望んでいるのだけれど、日本からの送金待ちでしばらく動けない。

しかしうかつにちょっとちゃーでもしばきに行こかと街にくりだすのは、今日もあくせく働く強盗たちに給料をあたえにいくようなもの、まさしく飛んで火にいるサマーインセクトである。

と言うことで、そこまで治安の悪くない郊外の、宿の周りが主なおれの生活空間だ。

朝6時に起きて、昼間ぶらぶらあたりを散歩して、夜帰ってくる。

なんかネパールからの時差ぼけを直そうともせず、眠くなったらねて、朝早くに起きる生活が続いている。

宿での生活は本当に申しぶんないものだった。

200ランド1500円ぐらいでキレイなベッドに焼きたてパンの
朝食付き、開放的な野外共有スペースで、オーナーのイアンがワインを開けてくれて一緒に飲んだり、ギターを弾いたりする。

客層も、娯楽の少ない郊外に来るような旅人達だから、みんな落ち着いた雰囲気で好きだ。

オランダ出身の一人旅の女の子フィリピ、おなじく中国人女の子一人旅のジョウ、ケニア出身の気さくなナイスガイのイサク、いつもドミでひたすらケータイいじっている引きこもり南アフリカ人のエリック、ブラジル人カップルのふたりと、

この日はイサクがケニア料理をみんなに作ってご馳走してくれる!
チキンとマメをトマトで煮たやつ!かなり好き!

夜になると、インド系南アフリカ人のシェフ兼居候みたいなおっちゃんが、300ランド(210円)でたまらなく美味いご飯を作ってくれて、みんなでそれを囲むんだ。



ちょ、ちょっとこの写真ゲロみたいやけど、ほんまに綺麗でおいしいんやからな!

アフリカ、ヨーロッパ、南アメリカ、アジアと、考えられんほど多国籍な環境で、仕事の仕方や家族の事なんかを話す。

ヤバいなー!!いいなー!!

なんか、日本にいる時に、世界を見て回るんだ!と決めた時、なんとなく思い描いていた旅の仕方って、こんなやった気がするな。

案外海外出てみると、言葉や文化の壁を越えるのって容易くなくて、外国人と、楽しいって感覚を共有するのが難しくて難しくて。

日本のテレビに出てくる外国人ってなんかすごい陽気で、人懐こくて、だれとでもすぐ仲良くなれるようなイメージを与えているけど。

そのまんま受け止めてたつもりはなかったけれど、何人だろうと、底抜けに明るいと思ってた人がそれぞれ心に閉塞感を持ってたり、人種間のグループ意識が強かったりして、ちょっと驚いた。

相手の価値観や言葉の使い方に違和感を感じて、居心地のいい方に流れる、というか、やっぱり日本語で語り合うことの方がおれはもちろん得意だし、海外で出会う日本人はまた刺激的な人が多くて、一緒にいておもしろいし、深い話が出来るのが本当に好きだ。

これまで日本人の気があう人がいたら、その人と一緒に旅を共にしたり、そうしないまでも、ご飯を一緒したりすることが多かった。

だから、海外に出る前と比べて、せっかく旅してるんだから外国人と話ししなきゃ!などは思わなくなったけれど、アフリカの最南端まで来てみて、日本人どころかアジア人にすらほとんど会わない環境に来てみて、それでもこうやって仲間みたいに話し合えるのが楽しい。

しかしまだみんながガチで話しとるときの英語は半分ぐらいしかわからん。

キャッシュカード取られた話をすると、みんなit’s ridiculous !!! て言うんだ。

どうやらマジで!?あほやろ!?みたいな意味っぽい。

驚くだけでも、日本語やって
マジで? うそやん? ほんまに? 信じられん! なんてこった!
と、いくらでもある。

語学。

本当の本当に、大学の時もっとしっかり勉強しときゃよかったな~と、思うばかりである。

まぁ拙い英語でも、丁寧に話をしてくれて、聞いてくれるみんなに感謝だ。

話し変わるけど、今日の昼間、WiFiがいいので南アフリカのアパルトヘイト関係のYouTubeを見ていたら、リンクからwhat would you do ??というアメリカの番組を見つけて見た。

日本でいう「こんな時あなたならどうする!?」みたいな番組だ。

黒人女性が高級ブティックで服を選んでいる。

女性店員が「この店はあなたのような人が来るところじゃないわ。」と彼女を追い出そうとする。

明らかに女性店員は店内で唯一黒人の彼女を、その見た目だけで判断して追い返そうとしているのだ。

実はこの女性店員と黒人女性は仕掛け人で、店内の他の客がどう対応するかを観察するという、日本ならプライバシーがっ!とか言うてすぐ終了になりそうな番組。

他には、
マッサージ店で、英語を喋れない韓国人店員に「アジア人はこれだから。。こういう人たちはアメリカに入ってきて欲しくないわ!」などとののしる女性に対して、周りの客がどう対応するか、というのもあった。

これは、おれも英語が全然喋れないままオーストラリアで働いてて悔しい思いを何度かしたので、客観的に見るのはかなり面白かった。

まぁ、英語が喋れないことに呆れられるのは英語圏で生活するなら仕方のないことなんだけれど、アジア人だから英語が喋れない→アジア人は嫌い、と表面的に差別してしまうことが悪だという、そういう解釈だろう。

結果を見ると、ほとんどの人が被差別者をかばって、「こんな店はいたくない」「アメリカ人として恥ずかしい」と感情的になる。

ただ中には、「まぁ黒人はすぐ万引きするもんな、分かるよ」などと直接的に加担はしないが後で差別を肯定するような話をする人もいた。

そういう人をここぞとばかりに叩いて差別はダメよ、ちゃんちゃん!となるあたりはいかにも正義感の主張があつかましくて好きになれないのだけれど、事実、多国籍社会のアメリカでは、こういった日常的な差別はどこででも起こりうる事なんだという。

そういう問題定義を社会に投げかけて、視聴者自身に意見を投げかける番組って言うことでは、本当に意味のある番組だと思った。

こういうの見てると、日本ならどうだ?といつも考えてしまう。

世界でも稀に見る、ほぼ単一民族で成る日本という国。

人種差別、なんて無縁のように感じるけれど、未だにアイヌ民族への差別や部落差別、在日外国人への差別はとてもとても根強く残っている気がする。

ばあちゃんぐらいの古い代の人と車に乗ってたりすると、うちが田舎なのもあるのかも知れないけれど、よく言っている。

「この辺はむかし戦争の時に連れてこられた朝鮮人が沢山住んでるから変な人しかおらん。気をつけないかんで。」

「あそこは中国人の出稼ぎ労働者のアパートやから、近づいたらいかんよ。」

いやいやばあちゃん、そんなこと言う時代は終わったで、いかんでそんなん言うたら。

と言うんだけれども、もう偏見を持って外国人を見る、という事を罪だとは全く感じてないように、

「なんでな?」

と聞き返される。

未だにインスタントカメラのことを「バカチョンカメラ」などと言う人も多い。

オーストラリアやアメリカと違って、人種差別などに免疫がないからこそ、日本人としての誇りを持つからこそ、平気で他者を外見やバックグラウンドで批判してしまう、そんな病気に日本は陥っていると思う。

これは、国際社会の第一線を歩くべき経済大国にとって、ものすごく精神的発展途上を感じてしまう。

在日朝鮮人へのヘイトスピーチなどは考えられないほどの人権侵害だと思う。

「おいだせ!」「国に帰れ!」そんな過激な発言を続けるデモ隊を、日本の今の法律では取り締まることが難しいという。

おまけにそれに煽られて、ネット上では今日も外国人を中傷するスレッドで、みんな平気で差別的発言を繰り返している。

おれがもしオーストラリアで働いている時に、そんなことを言われていたら、悲しくて悲しくてたまらなかったろうな。

なんでこんな状態をみんなおかしいと思わないんだろう?

国やメディアは国際的観点からそういった行為を批判すべきだし、国民一人一人が、「韓国や中国が反日活動をするから黙ってられるか!」など子供の喧嘩みたいな考えはよして、捉え方を考えるべきだと思う。

日本人として誇りを持つからこそ、そんな風に思う。

世界各国、アフリカ、ヨーロッパ、アジア、アメリカ、黒人、白人、アジアン、インディアン。

なんの分け隔てもなくディナーをかこめるこのゲストハウスの今日の雰囲気に、そんなことを考えさせられた。

途中、食卓を照らしていた明かりが消えてしまった。

どうやら電球が切れてしまったみたい。

インド系のシェフおっちゃんがギャグを飛ばす。

「おい!白人のみんな集まって!食卓を照らしてくれよ!」

みんなでへらへら笑った。

ここで出会うみんなの、他人の特徴を尊重した上で、区別はするけど差別はしない、むしろそれを笑いの種にしちゃうほど、人種の垣根を越えた軽々しい雰囲気があって、好きだ。

心に常に愛とピースを!!

そんなところです!!!

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