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【バラナシ/映画館/インド】クリスマスはボリウッド映画デートの話

2020年2月22日

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この日はクリスマス!

とは言ってもヒンドゥー教国のインドではとくにいつもと変わりない様子だ。相変わらず牛は牛歩で渋滞を作っているし子供達はプレゼントなんてなくても元気にやってる。サンタみたいなヒゲの爺さんは威風堂々と中央分離帯で立ちションをする。

うーん、インドはやっぱりインド、ぶれんな~!

逆に日本はどうだ?

日本のクリスマスは商業クリスマスだとよく言われるけれど、確かになんかおかしいよな。

クリスマスにはケンタッキーとシャンパンで乾杯して高いプレゼントを用意して交換しなきゃいけないといった具合の風習。

彼氏にプレゼントをもらうなら最低何万円以上じゃないといや?なんてアンケートを読んだこともある。

そんなの全部全部企業にとっておいしい話を鵜呑みにしてるだけなのに。

キリスト教国のクリスマスではプレゼントで手作りの編み物や手料理でささやかに祝うと聞いたけれど、日本のクリスマスパーティのプレゼント交換で、手作りプレゼントなんか持ってきてたらちょっとひかれるだろう。

日本には、形式にお金を払いたがる(お金を払わざるをえない)雰囲気に操られて無駄にお金を使ってしまうシーンが多い気がする。結婚式やお歳暮なんかもそうだ。

もちろん誰かに喜んでもらうためのプレゼントやクリスマスを祝う事自体は素敵な風習だと思うけれど、そこになんでもお金をかければいいという考え方を執着させるのは良くない。

常に本当に価値あるものを選択すべきだ。

うわ!おれいい事言った!日本人の金銭感覚のブレにメスを入れた高尚な内容の経済読本でも書こうかしら。

とワクワクしながら、まぁ実際プレゼント交換する相手もいないからいらない心配なんだけどね☆と自虐ツッコミを入れると、頬を伝う感傷のしずく。なにかしらこれ。

そして毎年のようにインスタグラムに溢れるカップル達の写真に呪いを飛ばしながら、今年もクリスマスを愉快に過ごしていたおれ。

夜には宿のオーナーのユキさんと、スーパーパティシエ19歳のデリーが寂しい男たちにクリスマスディナーとケーキを作ってくれるらしい。

ならばそれまでになにかやりたいなぁと思いながら宿にあったナオトインティライミの旅の本を読んでいると、インドの映画について書いてあった。

娯楽の少ないインドでは映画は最高のエンターテインメントであり、有名な音楽の発信もいつも映画からなのだそうだ。

ほほう!
インドの音楽を知るにはまずは映画からという事か!

よし!映画だ!映画に行くぞ!

同じく宿で一人ぼっちでインスタで呪いを飛ばしていたのであろう岡山出身の桃太郎系旅人シン君と出会い、おれたちは街の大通りにあるという映画館へ意気揚々と映画デートに出かけた。

このシン君がめちゃくちゃキュラリオスな人で、道端の変な屋台の食べ物を見ると毎回立ち寄ってチャレンジするのだ。

この時もおかしな色のアルミホイルがついたままのカップケーキや雑草みたいな匂いのする青臭いサトウキビジュースを飲んでいた。


この数十時間後に激烈な腹痛に襲われるとも知らずに、意気揚々と犬を引き連れ映画館を目指す桃太郎系旅人シンヤ氏。


映画館の前であたかも鬼ヶ島到着時のようにポーズを決めるも知らないおじさんに邪魔をされる桃太郎系旅人シンヤ氏

映画の方は、途中でインターバルが入るほどの長丁場、15年前に出会った2人がまた偶然出会うみたいなよくありがちなラブコメだったんだけれど、途中カーチェイスあり、ガンバトルあり、歌一曲丸々のPVやダンスありといったなんでもありの展開だった。

でも、やはり世界が認めるボリウッド映画だけの事はある、ストーリーはアホみたいにしても映像の迫力と美しさはピカイチだった。

しかし、じっと見ていると、インド特有の闇の部分が見えてくる気もした。

まず思ったのが、肌の色がモロにキャラ設定に影響されているところである。

主人公やヒロイン、重要どころの美男美女はみな、白人?ってくらいに肌が白くて鼻が高い俳優ばかり。

逆に、裕福な彼らにつきまとう貧乏人の、ギャグ的な役どころや、お手伝いさんの役なんかは皆、肌が黒い。

本当に露骨に感じるのだ。

意図して役の割り振りをしているのでないにしても、肌の色やカーストでの差別が色濃く残るインドでは、キャラクター設定に対する一般的なイメージに、これが浮き彫りに現れてくるのかもしれない。

また、映画を見ているとその世界観があまりにも現実のインドとかけ離れすぎていて、面白い。

主人公は高級車を何台も乗り回しながら、ヨーロッパの高級住宅街のような街の大きな家に住む。

周りの人たちも貧しさなど微塵も感じさせない暮らしぶりで、街には牛も犬も裸足でかける薄汚い子どももいなければ、立ちションをするジジイもいない。

光の当たる明るい雰囲気の、ゴミひとつない石畳のストリートを、美しいドレスを着たヒロインと歩く。

子供達は小綺麗な格好でスケートボードを楽しんでいて、道の片隅から初老の男が奏でるバイオリンの音が聴こえてくる。

あぁ、インド人たちはこういう生活を夢見てるんだなぁーなんて思いながら映画に浸って、終わった後映画館を出て目にする現実の混沌とのギャップがなんとも言えない。



マクロナルドとかあるしな。。

こりゃ理想の世界までにはあと1000年くらいはかかりそうだな。

しかしまぁ、インドの、このインドらしさこそが、旅人がこの土地を愛してやまない所以なのだけどね!

そんな思いを知ってか知らずか、今日も大混沌のインドの街角は夜になっても静まることはない。

夜は悲しい男たちでのクリスマスパーティ!

スペシャルクリスマスメニューの手作りシチューとケーキがめちゃうまかった!

ちなみに一緒に映画を見に行ったシン君はこの後極限状態の腹痛と吐き気におそわれ、夜中に不意の嘔吐でドミの部屋中に食べたばかりのシチューを全てぶちまけたらしい。

絶対あのサトウキビジュースだ。。。

そんな調子でおれの素敵なクリスマスは過ぎて行きました。

そんなところです。

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インド

Posted by gamoyuki