みのさん著『戦いの音楽史』を、日本の音楽の教科書に推薦したい話。【バンドマン・ミュージシャン必読!】
ナマステ。ぼっちシンガーです。
路上ライブで世界一周の旅を終え、現在は東京で音楽活動中。
どうも。
『旅と音楽』をテーマにしつつ急にラブコメアニメを紹介したりするブログを運営しております、
孤高のシンガー、またの名をただのキモオタニート、おれです。
今日は本の紹介記事を書いてみようと思う。
『戦いの音楽史』(著)みの
である。
最近読んだこの本が本当に面白かったので、音楽好きなみんなにもシェアしたいのだ!
この本は、音楽史というタイトル通り、音楽の歴史を書いた本である。
書いているのはみのさん。
お昼の番組でマダムに人気のあの人じゃないよ(古いか)。
Youtubeチャンネル『みのミュージック』でもおなじみのバンドマン兼ラジオDJ兼Youtuber兼…
なんかよく分からんけどすごい音楽通のあの、みのさんだ。
僕の中で『歌のお兄さん』と言えばこの人。
いつもYoutubeでポップ、ロックにまつわる興味深い話を聞かせてくれるおもしろいお兄さんなのだ。
この人、とにかく音楽にめちゃんこ詳しい。
全世界・全時代の音楽聴き込んでるんちゃうかってくらいに知識の幅が広くて、
毎度Youtubeで紹介されるちょっとニッチな音楽情報がめちゃくちゃツボでよく見ているんだけれど。
この人が先日、本を出版したんだよね。
YouTube「みのミュージック」で独自の音楽批評をおこない、多くの大人たちを魅了する著者。
本書は、20世紀ポップスの歴史にフォーカスし、世界そして日本の音楽がどのような発展を遂げてきたかを解説します。
戦いの音楽史 逆境を越え 世界を制した 20世紀ポップスの物語 アマゾンより引用 https://www.amazon.co.jp/dp/4046051671/
このように、この本では20世紀以降のポップスを中心に、
激動の時代背景のなかで移ろいゆく音楽シーンを、歴史と絡めつつ紹介していく、
いわばバンドマン・ミュージシャンのための音楽の教科書!!
今日は、音楽の歴史なんて興味ないって人にこそこの本を読んでほしいその理由を、
本紹介記事らしく、知的に、理性的に、聡明な文章で語っていこうと思うっ!!!
もくじ
音楽の歴史を避けてきたバンドマンこそ読んでほしい。
お、おいっ!!!
『歴史とか興味ねぇー』『大事なのは今っしょ。』
と思ってはブラウザバックしていく若者バンドマンたちよ!
まてまてぇぇい!!
おまえらのような、過去を知らない若輩ものどもにこそ、読み聞かせたい本なのだ!
温故知新って言葉があるだろ!?歴史を学び、今に活かしてこそおまえ…
あれなんだよっ!!(ハァッ‥ハァ‥高血圧)
…おっといかん!!
本の紹介記事で大事なのは理性的で知的な姿勢を保つ事だ。今のはカットで頼むぞ、未来の俺。
とにかく、この本は昔の音楽ってとっつきにくくて苦手なんだよねって人にこそ読んでほしい内容になってる。
かくいう僕自身が
『昔のバンドすげぇ、最近のロックはつまんない。』みたいに言ってる洋楽通ウゼェ…。
ってずっと思っているタイプの人間なのだ!
特に、温故知新だ!とか、歴史を学び、今に活かしてこそおまえ…あれなんだよっ!!などと声を荒げる老害とか、マジうざかった覚えがあるわ。
古臭い音楽ばっか聴いてないで、今を生きようぜ?とか思ってた。
でも実際、ちょっと食わず嫌いしてないか?
僕はそういうオールドバンド絶対主義のおじさんたちへの反骨心から、
昔から歴史的に有名なバンドの曲はほとんど聴いてこなかった。
なので、音楽を語り合う時に話題について行けず、
『この曲のリフの流れは90ティのグランジの影響を感じるよね。』
『あー確かに。(汗)』
『いいねぇ、このサウンド、黎明期のパンクの精神を感じさせるね。』
『あーやっぱり。俺も思ったわ。(大汗)』
などと、肩身の狭い思いをしては枕を濡らしてきたものだ!
しかし、そんなみじめな思いをするのも今日で最後だ!
この本では、
『なにがええねんこんな古臭い曲!』
とか思ってた昔のバンドが、なぜ当時の人々にそこまで認められ、そしてどう世界を変えていったのか。
当時の世間の感覚や時代背景を踏まえた上で、事細かに説明してくれる。
何事も、その背景にある理由を理解すると、楽しめるものである。
例えば、でっかいコンポを担いだ兄ちゃんが、渋谷のストリートでDJをしていたとしよう。
何も知らない人は思うだろう。
『なんでそんなでかいラジカセ担いでんだよ。重くないのかな。DJやるならクラブとか行けばいいのに。』
しかし、あなたがもし、一見無意味に見えるスタイルの背景にある歴史を知っていたなら。
『ほう。ストリートでDJですか。
1970年代、ギャングの暴動で荒廃したニューヨークのダウンタウンで、黒人青年たちがクラブに行く金も無くバスケットコートに集い、音楽を流して踊り、日々のうっ憤を晴らした。この文化はブロックパーティと呼ばれ、後にHIP-HOPというジャンルが生まれるきっかけとなる。
なるほどこのDJは当時のNYのやるせない時代背景と、屈託した現代日本の状況を重ね合わせ、
渋谷発の新たなバイブスのスタンダードを発信しようとしているんだな。革命だっ!!』
と感動することができるだろう。(そしてだいたい、近くの人に『こいつなにいってんだ?』と思われるだろう。)
このように、音楽の成り立ちを知ることで、今まで聴き流していた音楽や気にも留めなかったファッションを、
いろんな方面から楽しめるのだ。
過去を知ると、これからの音楽シーンの未来がわかる。
音楽はこれまで、カウンターカルチャーを繰り返してきたらしい。
白人たちに馬鹿にされ続けてきた黒人音楽が、ブルースやゴスペルの人気で白人社会を席巻して、ロックの礎を築いたり。
クラシックやジャズを取り入れたプログレなんかが流行って、ロックがハイカルチャーな印象になってくると、
かしこまったサウンドを否定する存在として、パンクが生まれたり。
日本でも、民謡を古臭いと思った人々から生まれた歌謡曲を古臭いと否定しJ-POPが生まれたり、
ロックは英語で歌うもの、とする概念を日本語ロックが否定したりと、
音楽には、凝り固まった概念や形式を”ぶっ壊す”性質があるように感じられる。
こういう社会の流れを見たうえで、今の日本の音楽シーンを考えてみよう。
ロックやパンクが鳴りを潜め、ジャニーズやアイドルに一喜一憂するのにも疲れ、
ちょっと前からダンスミュージックや山下達郎が一周回ってきたようなシティポップが幅を聞かせ、
なんとなーく、差し障りないおしゃれで人畜無害な音楽がゆるーく、社会を満たしているように思える。
いや、いいんすよ。僕も好きですし。今の音楽。
しかしだ。
この空気感、この本で読んだことあるぞ…?
そう、ビートルズが解散し、セックスピストルズが解散し、
そしてTVではミュージックビデオが普及して、
みんなが、ゆるーく、楽しく音楽を楽しめる雰囲気のあった1980年代。
「ジェネレーションX」と呼ばれた当時のアメリカのティーン達が、その生暖かいムードに違和感を覚え、
自分たちを表現する象徴としてオルタナティブロックが生まれたあの頃…
そっくりじゃないかっ!!!
そう、現代日本は求めている。
この人畜無害な世界を光を切り裂く漆黒の闇を!!
ゆるふわな雰囲気をぶち壊す、ニルヴァーナみたいな存在をっ!!!(あくまで個人的な見解です。笑)
このように、ここまでの音楽の歴史を振り返ると、
今後の未来のムーブメントを先読みして、妄想して、にやにやして楽しむことも出来るのだ!!!
音楽の授業に推薦したい。
このように、過去を知り、今を楽しみ、そして未来に妄想を膨らませるという音楽の楽しみ方を提示してくれる本著。
僕は読み終えてみて、思った。
これ、音楽の教科書にすべきじゃね??
と。
だいたい今の音楽の教科書って、古すぎるんだよね。
なんで学校教育では、バッハとかベートーベンとかしかやらないんだ?
確かに音楽の根源をたどるって意味ではそういった古典的なオーケストラを学ぶ意味もあるとは思うけれど、
そこだけやって、現代音楽のルーツにつながるポップスの系譜を学ばないのは、ちょっと違う気がするよ。
例えるなら世界史の授業でローマ帝国やオスマントルコの話をした後に、
『まぁそのあといろいろあって、アメリカが世界の中心になり、ヨーロッパでEUが出来ました!』
みたいに、近代史をはしょっちゃうのと一緒ですわ。
第一次・第二次世界大戦はどこいった!?みたいな。
特に音楽においては、長年”演奏される曲を生で聴く”ことしか手段がなかった時代が続いていた中で、
レコードが生まれ、CDが生まれ、世界中誰もがそのオリジナル曲を楽しめるようになり、
それが理由でたった100年程度ですさまじい進化、そしてそれを壊しては再構築という、
文化の大成熟が見られたわけだ。
そんな時代のダイナミズムを、
『歌詞が性的で教育にふさわしくない』
とかそういう理由で学校で教えられないのであれば、なんかもったいない気がするなぁ。
性に関する話であったり、社会への反発であったり、音楽のもつ刺激的でアクロバティックな性質を、
多感な時期に知る事が出来たなら。
きっと音楽に対して、もっと興味を持つ若者が増えると思うんだよね。
それが素行の悪さにつながる事などを、教育者としては危惧しちゃうのだろうけれど、
若者は絶対にどこかで、なにかに、いつも反抗して戦っていたい生き物なのだ。
たとえばギャングスター同士の争いが絶えなかった80年代のニューヨークで、
ブレイクビーツが平和的に争いを解決する手段となった当時のストリート文化からも学べるように、
音楽が、血気盛んな若者にとってセクシーで、魅力的なものであるからこそ解決できる問題も多くあるはずだ。
そういう音楽の持つ特殊な素質を存分に思い知らされる授業なら、
毎週音楽の授業が楽しみでたまらなかっただろうに。なんて僕は思う。
まとめ
本の紹介というか、もはや僕自身の思いのたけを書き記しただけになってしまったが!
こういう風に読み終えた後にいろいろな事を考えさせられる”余韻をのこしてくれる”本って、いいよね。
とくにこの本、『僕は日本人離れした〇〇って言葉は使わない』という、みのさんの最後のあとがきが良かった。
音楽は、文化であり民族のアイデンティティでもあるので、日本人なのに日本人離れした音楽をやっちゃうのはもったいない、
邦楽が世界でもてあそばれたりしないように、プライドを持つべきだって趣旨のことが書かれていて、
なるほどたしかに、と。
僕も音楽をやっていて、アマチュアながら曲を作って発表しているんだけれど、
そのなかでも歌詞には人一倍のこだわりを持っているつもりだ。
日本語のもつ独特な音感や、跳ねたりぬめったりするリズムが好きだから。
何気なくしみついているこの日本語ロックの感覚も、実は過去からずっと引き継がれてきた
日本の音楽のアイデンティティなのかもしれない。
この系譜を受け継いで次につなげていく…とか大袈裟なことは考えていないけれど、
この感性を大切にしながら、自分の人生の鍋の中で、濃密に煮込み上げていきたいな、と思った。
やはり僕は音楽が好きなので、好きな事に没頭して魅了され続けて生きていくうえで、
より楽しくやっていくためのいいヒントを、この本からはもらえた気がするなぁ。
そんなところです。
●バンドマン・ミュージシャン諸君、ぜひご一読を。
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