実際行ってみたら、日本での印象が180度変わった世界の国3選の話。
チャーオ!ぼっちシンガーです。
路上ライブで世界一周の旅を終え、現在は東京で音楽活動中。
旅の話や音楽の話を書いていくよ。
『あ、あったけぇ…!!』
2年前に、サッカー日本代表を応援する旅で、釜山を訪れた時のことである。
12月の韓国の極寒の夜、屋台のおでん屋の前で、思わず僕は声に出して呟いてしまった。
僕はこの時が初めての韓国旅行であり、当時は韓国に対して、かなりナイーブな印象を持っていた。
2019年は元微用工問題や半導体輸出制限の問題で、テレビから見る韓国の様子は反日ムード一色だったからだ。
(こんな時、韓国に渡航すること自体めちゃくちゃヤバい!
暴行されてネット上でネットで晒されて、
『こんな時に韓国なんていくからだよ!ボケが!』
なんてセカンドレイプされちゃう!!)
と怯えてはいたものの、どうしても見たい日韓戦、そして偶然の連休が重なり、
意を決して乗り込んだ大アウェーの地…
しかし、実際に韓国を訪れてみると、拍子抜けするほど普通であった。
特に反日団体に囲まれて暴行されるわけでもなければ馬鹿にされるわけでもなく、
むしろ親切に道を教えてくれたり、駅では切符の買い方を教えてくれたりと、優しい人が多かった。
日本代表のユニフォームを着て、日本人丸出しの恰好だったにもかかわらず、である。
試合では韓国相手にボコボコにやられ、悔しがりながらスタジアムを後にした帰り道。
立ち寄ったおでん屋さんで
「寒いでしょう?これでも飲みな。」
みたいな事を言われおばちゃんに手渡された、紙コップに入ったスープを口にして思う。
やはり、その国の事は、実際来てみないと分からないな。
と。
日本で報道されている外国の情報なんて、所詮は表面的なところだけ。
実際に韓国を訪れて思ったのは、ほとんどの人々は日本人の事なんて
好きでもなければそこまで嫌いでも無い、
『ただの観光客』くらいにしか思っていない、ということ。
日本人であることが判明した時点でボコボコにされる!
なんて怯えていたのは、ただの自意識過剰だったのかもしれない。
このように、その国の本当の姿はTVやネットの情報だけでは見えてこない。
実際にその場所に訪れて、街を歩き、人々と触れ合ってみて初めて、わかるものである。
中には、訪れてみると日本で思い描いていたイメージからかけ離れた国だった!という事も少なくない。
今回は、数年前世界一周の旅で実際訪れた国の中から、
『日本で抱いていたイメージと180度違った国』
を3つほど、紹介して行きたいと思う!
では出発!!
もくじ
イスラエル
イスラエルほど、日本でのイメージと実情が違う国はなかった!
一般的に日本人が考えるイスラエルのイメージっていうと、
『中東の軍事国家でミサイルたくさん持ってて、よくテロが起こってて、
パレスチナと終わらない紛争をしている危険な国…』
そんなイメージは無いだろうか?
全然違う!180度真逆!!(※1)
実はイスラエルは、
自由でオープンで、パリピ達がビーチでウェーイしている!
そんな国だった!
入国してすぐに滞在したエイラットと言う街は、ビーチのある海沿いの地域だったんだけれど、とにかくパリピの街だった。
周辺のイスラム教国家では絶対に見ることがなかった水着姿の若者達が、ビール飲んでマリファナ決めながらビーチバレーとかやってるし、
夜になればクラブミュージックガンガンで朝までパーティー!みたいな雰囲気。
最大人口の宗教都市エルサレム(※2)こそ、夜は静かだが昼間は割と自由。
おしゃれなショップがストリートに並び、音楽やアートが街を彩っていた。
日本だと紛争のイメージが強いイスラエルだが、実は世界有数のお金持ち国家で、非常に裕福な国である。
街の雰囲気はいかにもヨーロッパナイズドされており、人々の生活スタイルも中東というよりは欧米の感覚に近い。
周辺の厳格なイスラム教国(女性が髪を隠さないといけなかったり、お酒が禁止だったり)から入国すると、
特にその自由で開けた雰囲気に驚くことになるだろう。
※1追記。
この記事を書いた数日後、イスラエルとパレスチナで新たな紛争が勃発。イスラエルの都市テルアヴィブにロケット弾が発射され、報復としてパレスチナガザ地区に大規模な空爆を行うなど、日本から見た『戦争してる国』という印象が一層、強まってしまったように思います。本日付けのニュースでパレスチナのハマスとイスラエル側が停戦を宣言(2021/5/21)。平穏が戻ってきてくれることを願います。
※2 エルサレムについて。
パレスチナ側は、エルサレムはパレスチナの領土であると主張しており、そもそもイスラエルの建国自体、イスラム世界の国々の多くが認めていないのも事実です。当ブログでは分かりやすさを重視して、イスラエル・パレスチナ両国の都市であるという認識で表記しています。どちらかの主張のみを支持するというような意図はありません。
ケニア
ケニアと言えば…
『広大なサバンナと野生動物!マサイ族がライオンを狩りながら口にお盆はめてて、旅人の我々をジャンプの儀式で出迎えてくれて…』
そんな事をイメージしていた時代が、僕にもありました。
全くの化石概念だった。
僕が滞在した首都ナイロビは全く違う。
ケニア、普通に都会です。
ナイロビは中央アフリカ屈指の経済都市で、ビジネス街では高層ビルが多数立ち並ぶ、洗練された街の雰囲気がある。
そして、驚くことに、杖持ってライオンと戦ったりジャンプの儀式したりするイメージだったマサイ族が、
なんとこのビジネス街で普通にシティボーイしているのだ。
出稼ぎで都会に出てくるマサイ族はシティマサイと呼ばれ、彼らの長身で運動神経抜群・勇敢な性格という特徴から、よくガードマンやホテルの管理人として雇われる人が多いと聞いた。
街を歩けば、マサイマントと呼ばれる民族衣装を都会風におしゃれに着こなしたマサイ族が、
小洒落たカフェでコーヒーを飲みながらスマホいじってる、みたいな光景をよく見かける。
もちろん大都会にライオンやヌーの群れはない。
たまにハイエナを飼ってて、犬みたいに散歩させている人は見るけど。
たしかに田舎の方に行けば、大自然の中で暮らす少数民族もいるにはいるのだけれど、
これら少数民族も、日本人が思い浮かべるような狩猟と採集だけの伝統的な暮らしをしているわけでは無い。
フツーにみんなスマホ持ってるし、服装も動物の毛皮ではなく、TシャツGパン。
観光客が来る時だけ民族衣装に着替えたり、口にお盆をはめたりしては、
写真を撮らせてお金をもらうという観光ビジネスが浸透しているのだ。(ちなみに口にお盆はエチオピアのムルシという民族で、マサイとは別だ。)
この現実をどう受け取るかは勝手だけれど、僕はこのギャップがめちゃくちゃ面白いな、と思った。
民族の伝統的な暮らしぶりと、先進的な都会の暮らしがミックスした、
まさに新しいアフリカの本当の姿を、目撃することが出来たからだ。
イタリア
イタリアはなかなか、いろんな意味で表裏のある国だった。
日本でイメージしてたイタリアと言ったら、
『ハイブランドに囲まれた華やかな街、芸術や文化遺産、そして陽気でロマンティックな人々!』
など、とにかくオシャレなイメージがあった。
特に当時、僕はアフリカを旅した後にイタリアに渡ったので、浮かれていたのだ。
『常に危険と隣り合わせだったアフリカでの緊張感から解放され、平和でゆるーくオシャレに旅するぜ!!!』
と意気込んでいたのだけれど…
なんと、そのあと即、ローマ駅でギターを盗難に合う。
どうなってんだ!!
オシャレで安全なヨーロッパの旅じゃなかったのか!!
と悔しがるも、仕方がない。
もちろんヨーロッパに安心しきって駅で気を抜いていた僕に100%の過失がある。
そう、とにかくイタリアの都市部は治安が悪いのだ。
大都市の駅周辺ではスリやひったくりなどの軽犯罪、偽物の警官による恐喝などが多く、
犯罪認知件数は年間250万件で、日本の約3倍。
その理由は、街を歩けばよく理解できる。
イタリア社会はとにかく貧富差が大きい。
グッチやプラダなどの高級ブランドが立ち並ぶハイセンスな石畳のストリートを一本入ると、
ごみの散らばった路地に酒とドラッグで参ってしまったホームレスの若者が一人、二人と転がっている。
駅周辺には移民たちのスラムが形成され、郊外の幹線道には売春婦のドライブスルースポットが点在していたりと、なかなかにカオス。
これは2010年ごろから続く南ヨーロッパ諸国の債務危機で大打撃を受けている経済状況と、
移民国家である側面も影響しているのだと思う。
しかし個人的には、ただただきれいなだけの国よりも、こういったリアルな姿を見せてくれる国の方が、好きだ。
そして、そんな苦しい状況の中でも人々は温かく、ユーモアにあふれている。
『ヨーロッパってキラキラしていておしゃれ』
と思ってる人にこそ、イタリア旅をお勧めしたい。
そしてその幻想を、いい意味で、ぶち壊されてほしい。
まとめ
以上!日本での印象が180度変わった世界の国の話でした。
そう、ここで書いている国はとにかく、おもしろいのだ。
イメージ通りの旅をして、予定調和の体験を得るだけなら、その国の観光協会のPR動画を見ていればいい事。
想像とかけ離れたリアルなその国の実情を見て、これまでの固定概念がぼろぼろと崩れ落ちていく、
その感覚がとても心地いいから、僕は旅が好きだ。
まぁ、僕らが毎日寿司食っているわけでも、罪を犯したら切腹するわけでもないように、
イメージ通りの国なんてまず、存在しないんだけれどね。
みなさんも旅をする際には、期待通りにいかない事・その現実とのギャップを楽しむ心を持って、
その国を見て頂ければと思う。
そんなところです。
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