【グラーツ/オーストリア】豆腐メンタルのおれがヨーロッパ暗黒時代編に突入する話
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グラーツ3日目!
人知れずおれは猛烈に落ち込んでいた。
ただぼんやりと、滴る雨の水滴を数えるおれ。
はぁ…
なにやってんだろおれ。
3日前、オーストリアの古都グラーツに到着したおれ。
早朝5時、誰もいない冷え切った無人駅のベンチで目を覚ました!
さ、さみぃ…
オーストリアは5月だというのに冷える。
とんでもない寒さである。
サラリーマンの皆さんなら、冷える年末の夜、残業で遅くなって帰宅したらテーブルの上に妻からのメモで
「勝手にチンして食べてね。」
と冷凍のシュウマイが置かれている、とか、そんなのをイメージしてもらえればその寒さが伝わるだろうか。
いや違うな!
妻がいて、冷凍のシュウマイが置かれてある時点で、なんかあったかいわ。
彼女もなくて、20代も後半に入ったというのに一人ぷらぷら旅をしてて、一人異国のベンチで野宿しとるみたいな、そんな感じかな….
うぬ、こんな冷えた体と心を温めるには音楽だ!昨日も土曜日の夜だというのに全然稼げなかったからな。路上するしかねぇぇ!
とか張り切っていたけれど、この日は日曜日!
日が登り切ってから街に飛び出してみたものの、
うぎなぁぁぁ、どの店もクローズしてる…
街を歩く人もわずか。
イスラエルにいる時も、休日の金曜日、土曜日はどの店も閉められて閑散としていたが、どうやらオーストリアも同じらしい。
休日は仕事せずに、家族で過ごす。
割り切ってて、いいなぁと思う。
仕方ないのでおれは、ほとんど人のいない市内を貸切プライベート観光である!!
まず、グラーツのシンボルとも言うべき時計台に登ってみる。
急な階段をモノともしない軽やかなステップを披露しながら山頂にたどり着く!
はぁ!!はぁぁ!!
なんて急な坂なんだ!息が!!息がきれるっ!!
はぁ…
はっ!!!!
なんと美しい景色!!
赤瓦の屋根の家々が一面に広がっていて、頭一つ飛び抜けた教会のとんがり屋根が目立つ。
すごいわヨーロッパ。
なんか、CDのジャケットとかに使われそうな景色がいたるところにある。
本当に素晴らしい風景だし、情緒もある。素敵やなぁなんて思うんだけれど、なんかやっぱりこういう景色は誰かと見てはしゃいで、初めて盛り上がれるんやろなぁ…とか落ち込むんだ。
冷たい風が吹いて、小雨が降り出した。
坂を下りたおれは、こんなやることのない日は芸術にでも触れよう!と、街中の美術館へ!
うーぬ…しかし、3階建ての館内の二階部分は準備中で閉じられており、三階はただの展望台。
一階部分の、オーストリアの歴史を展示した写真や謎の絵をちょろっと見て、終了。
くそう!!9ユーロもしたのに!
もういい!こんな日はさっさと宿に帰ってのんびりしてやるんだ!!
と意気込んだおれ。
今日は久々に宿を予約しているのだ!
駅前の、日本のビジネスホテルな感じの小綺麗な宿のドミトリーが20ユーロ(2500円)であったのだけれど。
午後4時にチェックインした時には誰も宿泊者はいなかった。
昨日の野宿で疲れ切っていたおれは、そのままベッドで横になると、あれよあれよと目覚めた時には午後10時、実に6時間も眠ってしまっていた!
辺りは真っ暗で、小雨が降り続いている。
う、うわぁ、こんなに長い間寝てしまうなんて、ぼくちゃん疲れてたんだね…昨日も歩きまわって大変だったものね…
と優しく頭を撫でてあげたりを一人二役で演じていて、ハッとする!
あ!そういやここドミだ!誰かに見られたんじゃ…
しかし、恐る恐る他のベッドに目をやるが、綺麗に畳まれたシーツがそれぞれのベッドに置かれているだけで、誰かがやってきた様子は…ない!
や、やったぁ!!一人部屋だ!!!!
となると!!!
このベッドもテーブルも、対して綺麗ではない微妙な夜景も、全部おれのモノダァァガハハハハ!!!
そして、おれはイタリア以来の奇跡の一人部屋に、あえて扉を開けてシャワーを浴びてみたり、コンセントを二箇所も使ってみたりと贅沢極まりない豪遊を見せるのだが。
…うん。
なんか
寂しい…
なんやろ、最近すっごく孤独。
ヨーロッパに入って、ウザいくらいに絡んでくる人たちがいない分、平穏に旅できるんだけれど、その分孤独をすごく感じることが多くなった。
今日くらいは、ドミに泊まった他の人たちとたわいもない話でも、したかったなぁなんて、ワガママなことを考える。
次の日!!今日こそは路上バシッと決めて昨日までのぐじぐじした気持ちを吹き飛ばすんだ!と宿をチェックアウトしようとしたんだけれど。
宿のにいちゃんに、この辺の安いお店を尋ねた時!
「この辺だったら、インター近くのショッピングモールが安いよ!まぁ今日は休みだけどな!」
「え?なんで休みなの?月曜日休みなの?」
「いや、今日は祝日なんだ!お店は全部クローズするよ!」
な、なんだと!!?
そう、にいちゃん曰く、この日も昨日と同じように街は静まり返るらしい。ということは路上できない…のか?
ショックを受けつつ、チェックアウトして一応街を覗きに行ってみる。
か、閑散としていやがる…
とりあえず、昨日みたいに雨は降っていない。
ほとんど人はいないが意地で歌ってみるんだけれど、たまに通る人もみんな、「なにこいつ寂しそう…」という哀れな目で見ては去っていくだけだ…
辛くなって、30分くらいでやめた。
結果は2ユーロ…
だめだ!今日もなにもしないままで過ぎていくだけじゃ、居ても立っても居られない!!
おれは、ある決心をした!
ヒッチハイクだ!ヒッチハイクしてもう次の街まで行ってやろう!!
そう思ったおれは、慌てて荷物をまとめ、市バスに飛び乗る!
北の街、ザルツブルクはモーツアルトの出身の地として有名らしく、音楽の都と言われている。
元セレッソ大阪の南野が所属してるサッカークラブでも有名な街。ちょっと行ってみたいなぁと思っていた。
となれば、北へ向かうインター近くでヒッチハイクをして、今日のうちに出来るだけ近づいてやろう!
イタリアで、2日間のヒッチハイクの末に一台も車を止められることなく惨敗してローマにバスで帰るという屈辱を味わっているおれ。
不安は多いが…まぁ、オーストリアはイタリアよりかなりオープンな雰囲気あるし、いけるんじゃねぇか!?と、この時は楽観的に考えてみる。
よし、このバス亭までやってきたら、次は65番のバスに乗り換えて…
なに!祝日は運休!!?
まじかよ…
と、そこからトボトボ歩き鉄道駅まで、そこから電車で、と大回りしてやっと、郊外のインターチェンジ付近へやって来る。
あぁ、無駄に時間とお金をつかってしまった…
時刻は午後3時!!おれは用意していた画用紙をかかげる!!
今からやればそのうち1台くらい捕まるだろ
…ん?なんか暗い雲がやって来て…
あら?ポツポツと水滴が…
お空が泣いてるのかしら?
ザァァァ!!!!!!!
…もういや…
やっとこさインターにやって来たかと思えば、急に雨雲に覆われ、大雨である…
なんだ?
おれなにしに来たんだ?
止みそうもないので、街へと引き返す。
WiFiを繋いで、それなりの模擬的な好奇心をくすぐられながらネットをうろつく。
海外で、オーストリアまできて、なにやってんだおれ。
この二日間の、不毛な時間を思い返してみる。
消費していくだけの財布の中身、なにもなせていないからっぽの二日間。
焦りが全身を駆け巡る。
歌って稼いで、旅をする。
ひどくギリギリの生活の中で、世界の路上で音楽をする、これを取ってしまえば、あんまり観光地にも興味のわかないおれの心の中。
それならなぜ、続けるんだ?
おれはただ意地になって、旅という時間にへばりついてるだけなんじゃないか?
何か見えるまでやってやるんだっていうけど、いずれ何か見えるという、根拠なんてないじゃないか。
日本に帰って、働いてそれなりの生活をしたほうがよほど豊かに暮らせる。やりたいこともできる。
今はすごく、日本にいた頃の当たり前が羨ましい。
おれはなんで旅をするんだ?
なんであえて、こうも居心地の悪い場所に自分を押し付けようとするんだ?
降り続く雨が駅の屋根を叩く音。
なんか一個一個、おれの自信がポロポロと削り取られて落ちている音のように、聞こえちゃう。
あぁ。明日には晴れてくれよ…
そんなところです。
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ディスカッション
コメント一覧
旅の途中、若かりし頃を回想して。
『旅に出て行き惑えば、そのままずっと行き惑ってしまうかもしれないという、切羽詰まった心持ちがそこにはあったのだ。でもそれにもかかわらず、僕はその当時本当によく旅をした。朝目が覚めて、何処かに行きたいと思ったら、そのまま家を出て長い旅をした。
たぶん僕はそんな「行き惑いかねない」旅が僕に向かって差し出してくれる幻想のようなものを切実に求めていたのだと思う。そのようなものを切実に必要としていたのだと思う。』
もっと歳をとって、家庭だったり仕事だったり戻る場所のある旅と、今のぼっちさんの行き惑いかねない旅は全く違う。
今しかできない旅を楽しんでください。
オーストリア、本当に羨ましいよぉ~。
うわっ、5時までに帰らなきゃってのもないんだし。
一人で日本じゃないとこ味わうの、いいなぁ。
日本で豊かに暮らす、
っていって毎日毎日同じで飽きるよ( ´艸`)
nicoさん、コメントありがとうございます!
おお…素敵です。村上春樹の小説ですか?ほんとにその通りで、自由とは心の中だけであって、ふと見渡してみると体自体は一歩踏み間違えばふらりと落ちてしまうようなギリギリのところに立っているような気がして、そのギャップに苦しむのです。が、それすらも認め、むしろそれを求めて旅に出ろという事でしょうか!?深いなぁ…ありがとうございます!
あっきーさん、コメントありございます!
うう、そうですよね、普通の暮らしをしていた時、僕はやはり旅をする事がとんでもなく輝いて見えていました…ひとはけっして満足できない悲しい生き物なのかもしれませぬ…