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【ザルツブルク/オーストリア】雨のち晴れで人形フェチを開拓する話

2020年5月13日

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今日の旅の一曲!ふくろうずの “もんしろ"!
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………………..

ザルツブルク3日目!

昨日は大雨でなにもすることがなく、いつものようにこの旅の意義について重苦しく語っては、ひどく気を滅入らせていたおれ。

この日も、テントを叩く雨の音で目を覚ます。

うぎゃぁ今日も雨だ…

粘土のようにへばりつく重たい体と心を起こして、テントを片付け、街へ。

今日は宿を予約している!

ザルツブルグの街のど真ん中には、巨大に切り立った岩山がどかんとあるんだけれど、その山の上に立つゲストハウス!

天気が良かったら、森林浴最高ー!とか言ってバスローブ姿でワインでも転がすところであるが、降りしきる雨で、水の中の森林状態!

ちくしょう!なんでこんなとこにゲストハウス建てたんだよ!なんでおれはそんなところを予約したんだ!

とかブツブツ言いながらずぶ濡れで山を登る。

む!なんと山の中腹に、美術館のような小さな建物があって、その中に白壁の丸い、卵のような形をしたドームを見つける。

雨宿りのために、逃げこむように入ってみたんだけれど、

なんだここ!音が不思議に反響して面白い!

てっぺんに穴が開いていて、差し込む光と雨の雫が絡まって、まるでシャンデリアのようにキラキラと輝く。

おもしろくて、ギターを取り出して歌ってみた。

アンディモリの青い空。

青い空をみたいなぁ。

雨でびしょびしょの昆布みたいな体でなんとか宿にたどり着く。

うーぬ、ここも、天気が良かったら綺麗な景色なんだろうけどなぁ…

そんなで、外も雨なので誰もいないドミの部屋でしばらく置物のように硬直して過ごしたおれ。

あぁ、不毛だ…宿に泊まってまたお金使っちゃったから、歌って稼ぎたいのに…

あぁ、どうすればいいんだ…

と、落ち込んでいたんだけれど、しばらくすると、窓の外で小鳥がさえずり出した。

(はぁ。おまえたちはいいなぁ。なにも気にすることなく歌えて。おれは雨が降ってると歌えないんだ。

……ちくしょう、あいつら調子にのりやがって!焼き鳥にして食ってやるぞ!)

と、炭火焼きコンロを用意しようと外に出ると!!

む!!

雨やんでる!!!!!!

やるしかない!!いまだ!今しかないぞ!!

まだ空は雲に覆われているけれど、徐々に明るみかけてきてる!!おれは急いでギターを背負い、山を降りた!

ベストスポットの橋の上…

いない!いないぞ!!

ついさっきまで雨が降っていたのもあって、だれもやってる人はいない!雨で濡れた木製の桟橋はまだ乾いていないが、急いでギターを置いた!

歌い出すと同時に、日本人のお兄さんっぽい人が、な、な、なんと10ユーロ札を入れてくれて、がんばって!という感じにアイコンタクトして去っていく。

か、かっちょいい…!!

いけるで!いけるとこまでいったるでぇぇぇ!!!

…2時間くらい歌って、ギター持ったにいちゃんがウロウロしてて、場所を探してるっぽかったので止めた。

心地いい疲労感に満たされる!さっきまでの雨が嘘みたいに、青い空が見えてた。

持ち上げたギターバック、その形に雨に濡れたままの形が残っていて、なんか遠い昔から歌っていたような気分になる!

結果は65ユーロ、約8000円!

ヨーロッパの人たちの、音楽に対する想いの深さに感謝!

哀れみや好奇心だけではなくて、いつだって、ちゃんと聴いてくれていて、いいと思ったら入れてくれるのだ。

歌っていて、最高に歌に入り込めて歌えている時にはみんな興味を持って見てくれている。その逆もある。

愛を持って歌を歌うこと、惰性じゃいとも簡単に見抜かれちまう。

音楽の底知れぬ面白さと怖さを、ヨーロッパで、身にしみて学んでる気がするんだ!

そしてそして。

路上の後、正装(といってもボロボロのくつに穴の空いたジャケットだが)に着替えたおれ。

ザルツブルクマリオネット劇場へ向かうのだ!!

…ふはははは!!!!!

(マリオネット?マリメッコの夏の新色!?)

と思ったオシャレ女子の皆さんも、

(マリオネット?ネトゲーのスーパーマリオ復刻版のこと!?)

と思った引きこもりニートの皆さんも、残念ながらハズレである!!

あぁ、バックパッカーとは言えど、やはり庶民の感覚とは一味違う高貴な娯楽をたしなむ、オレくらいじゃないと意味なんて知らんよなぁ~~!!

マリオネットとはだ!あの、あれだ!人形であの、あれするやつだ!

そう!今夜おれは、音楽と演劇の文化に深い歴史を持つオーストリアの、その本葉を感じようと、人形劇版ミュージカル、"サウンドオブザミュージック"のチケットを入手しているのだ!

お値段、最安の席で28ユーロ、3300円!!!ひ、ひぇぇ!!宿一泊余裕で超えるがな…

否、人形劇もミュージカルもオペラも、そういう文化的なやつはちゃんと見たことが一度もないおれ。

オーストリアまで来たからにはここはひとつ、本場のマリオネットってやつを感じずして、なにがエンターテイナーか!なにが日本のオーランドブルームか!

と、だれも呼んでいない的外れな決意で勇んで、深く深呼吸をして高鳴る動悸と手の尋常じゃない震えを抑えるのに30分を要しながら、なんとか28ユーロを払い、チケットをゲットした次第である!!!

そんなで、朝までマリオネットはヨーロッパの小洒落たお菓子かなんかだと思っていたおれはついに劇場へとやって来た!

お…おお!!!

なんとも気品にあふれた館内…

洒落た洋風建築に、ドレス・スーツとまではいかないシックな正装に身を包んだ紳士淑女達がワインのグラスを片手に談笑している…

1人で、ゴミ袋かぶったみたいな服装のおれ、圧倒的異物感!

う、うるせぇ!これでもおれなりの精一杯の正装なんだ!!

「お客様?リュックサックは手に持ってくださりますか?」

「ひ、ひゃん!!へ、ショルダーはNGなの?ご、ごめんなさい今すぐここで切腹しますあのその…」

「それなら外でしてくださる?」

「ひ、ひぃぃぃ!!!!」

し、知らんかった。こういうとこではハンドバック以外、マナー違反のようなんだ。

こ、こえぇよなんだよ聞いたことねぇよ…

と、開演前からしょんぼりしながら席に着いた。

しかし、しばらくすると、明かりが落とされ…

は、はじまったぁぁ!!!

…!!

素敵。

いや、高い金払ってるからいやでもいいように感じなきゃ、とか無理矢理いうのとは違う。

純粋に、とっても素敵だった!!

透き通るような歌声がすごく美しくて、それに合わせて、人形がリズミカルに、時にコミカルに、動く。

命が宿るって、こういうこと言うんやなぁっていうぐらい、ほんと生きてるみたいなんだ!

なんか、開始1分で、おとぎの国の世界に吸い込まれていった感じ。

人形の一挙手一投足に、気持ちこもっちゃうの。

主人公のマリアが、大佐に恋心を抱かれていることを知って、どうしていいかわからなくなって修道院のマザーに泣きつくシーンとか、マリアが可愛くて可愛くて仕方なかったもん!

抱きしめたくなった!

ひしと抱きしめて、何も怖がることないんだよって、胸で泣かせであげたかった。

あぁ、やばい。

映画見てて、可愛い女優さんとか出てて好きになるのはよくあるけど(あるよな?)、それと同じ感覚!

ちょっと好きになっちゃったもん。

マリアが。

人形やけど。

マリアと手をつないで、その柔らかな髪を撫でていたい、なんて思っちゃったもんな…

やばいな。いよいよここまでくると素直にブログに書くのもはばかれる状態かもしれん。

日本ブログ村ダッチワイフ部門に移転したほうがええかもしれんな…!!

あと、欧米人のこういうエンターテイメントの楽しみ方というか、文化も感じられた。

日本でこういうお高い感じの演劇なんか、静かにおしとやかに楽しむというイメージがあるが、場面が切り替わるシーンごとに、ブラボー!と拍手が巻き起こったり、コミカルなシーンはきゃははと声を上げてみんな笑ってたり。

インドで映画見たときに、観客がすごい盛り上がって映画を見てる光景がおもしろかったけれど、案外ただただ静かに楽しむっていう日本の文化のほうが特殊なのかも。

こちらはゲート前の人形の展示だ。劇中は撮影禁止だったのだが、楽しみに見てくれている熱狂的ダッチワイフファンの方にもすこしでも雰囲気が伝われば、と上げておく。






か、かわいすぎる…

そんなで、涙あり、笑いあり、フェチ開拓ありとチケット代金に恥じぬ素晴らしい体験ができたおれ。

宿にもどると、アジア系のカナダ人のカップルとコロンビア人が入ってて、高速4G回線の早口英語で盛り上がっていて、おれ絶対絶命!

ここの宿、景色は良くて安いが、共同スペースが無いのだ。

だからみんな話をするなら寝室で話すしかなく、おれは会話に混ざらずにケータイをいじるのも気まずい、しかし話が早すぎてうまく話にはいられん、という悪魔の八方塞がりを感じていた。

「あ、あの、みんなはどこ出身なんだ?」

恐る恐る質問して、話に加わろうとするも、

「おれかい!?おれはコロンビアの首都さ!ここに比べて暑い国だけど首都のパコダはそんなでもないんだ!ずっとヨーロッパを旅してて一昨日ネザーランドからきたのさ!君の名前は?どこ出身だい?え、日本?日本のどこだい?」

うぎゃぁぁそんなウルトラマシンガントークで話さないでぇぇぇ!!!NHKの"えいごであそぼ"レベルで話してくれぇぇぇ!!!

と、一秒間に三億メガトロンマイクロンのスピードで話す彼の話についていくのに必死だったのだけれど、

「ニホンジン!?私、お母さん、ニホンジン!」

と、カナダ人のカップルの女の子。

なんとカナダ人と日本人のハーフなんだそうで、たどたどしいけど日本語を話せるようだ!

そっから、えいごとたまに日本語で、みんなで話した。

「ギター弾くの?私たちもギターを弾くのよ!」

「うん、今路上ライブしながら旅をしてるんだ」

「えぇぇ!!?路上ライブで!?そんな事可能なの!!??」

と、目ん玉飛び出すんちゃうかいうくらいの勢いで驚かれた。

「え!?カード盗られて!?ギターもこないだ盗られただって!?なんてことだ!君みたいなエキサイティングな人は初めて見たよ!」

と、コロンビアの彼も飛び出した目玉を押し戻しながら驚いている!

アフリカやイスラエルとかで出会うような旅人はみんなすごい濃ゆい旅人が多くて、バスキング系旅人とか卵を投げれば当たるほどいて、いつも生卵でぐじゃぐじゃになっていたが、ヨーロッパで出会うのは長期休暇やバケーションを過ごす学生や会社員とか。

おれみたいなもう2年も日本に帰ってないようなやつはかなりアブノーマルみたいだ。

そりゃそうだ。いくらバケーションが長い彼らの国でも、なかなかできないことだ。

おれは普通と違ってる、という事、みんなと同じ方向を向いていないという事、たまに怖くなる。

今しかできない事をやりたいけど、それをやる事で未来にできるはずだった事を諦めないといけないかもしれない。

正しいかどうか、全然わからん。

けれど、この興味にただ忠実にありたいんだ。

やって間違いだったら、それはそれだ。

どうせ無理だと諦める事だけはやりたくないのだ。

今朝までの雨で随分落ち込んでいたこころのように、やっていけるんだろうか?なんて不安は、一生影としてついて回るんだろうけども。

1時間くらいいろいろ話しておやすみと電気を消す。

また今日という一日が終わった。

一日づつ、噛み締めていけたらなぁ。

そんなところです。

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