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【エルサレム-ラマラ/パレスチナ】パレスチナで路上ライブとニュースにならない現実の話

2020年2月20日

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今日の旅の一曲!それでも世界が続くならの “シーソーと消えない歌"!
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終了

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エルサレム7日目!

一週間滞在した宿を後にして、おれはバスに乗り込んだ!!

今日から数日間、パレスチナを旅するのだ!!

ユダヤ人国家イスラエル。

この国の中には、パレスチナという自治政府のエリアがある。

国連の認識からしたら、中国のチベット自治区やウイグル自治区みたいなもんなんかな?

国連やイスラエルは、パレスチナを国として認めてはいない。

もともとここにはアラブ人とユダヤ人がそれぞれ暮らしていた。

そんな彼らの土地に70年前、突然ユダヤ人が国家の樹立を宣告し、国連がなぜかそれを認めちゃった事から、力を持ったイスラエル人達はアラブ人(パレスチナ人)たちを隅へ隅へと追いやりだした。

追いやられた彼らが形成する自治政府、それがパレスチナだ。

日本のニュースでパレスチナと聞くと、しょっちゅう自爆テロを起こしたりするすこし危険なエリアってイメージを持ちやすい。

おれもなんとなく先入観で、パレスチナは危険だから行けない!と思い込んでた。

でも実際は、バス一本で簡単に観光に行ける開かれたエリアのようで。

エルサレムの街にもたくさんのアラブ人が、ユダヤ人達とある程度の関係を持って暮らしてるし、ユダヤ人でもパレスチナに暮らす人はいるらしく、ニュースで伝わるような紛争地の様なピリピリした雰囲気は今の所感じない。

うむ。ニュースのその先の、このエリアの現状を見に行こう!

いざ、パレスチナ!!!!!

バスが走り出して20分ほどで、壁が見えてくる。

イスラエル側が建設した、パレスチナ人達が簡単にイスラエルに入ってこれないようにする壁だ。

いかつい。ほんまにベルリンの壁みたい。(ベルリンの壁見た事ないけど)

この壁の向こう側が本格的なパレスチナ自治区、そのゲートともいうべき街、ラマラだ!

いよいよゲートを超える!!こんな壁があるくらいだ、きっとさぞかし厳重な荷物チェックと、女兵士にパンツの隅々までこねくり回されて身体検査されてはぁ!!はぁ!!って…

…..あれ?

バス、もうゲート超えたけど?

「おっちゃん!ここもうパレスチナ?」

「あぁそうだ!ウェルカム!!」

なんと!!あんな厳重に壁作っといて、バスを降りることもなく、パスポートチェックすらなくパレスチナに来れてしまった。

えぇぇこんなんでいいの?ちゃんと身体検査にそなえて昨日パンツ替えてきたっていうのに!!!

なにはともあれ!!!おめでとうおれ氏!!

19カ国目、パレスチナ入国だっ!!!

…へ?

長ったらしい前書きでパレスチナは国ではないとか言うときながら、カウントするの?という読者の皆さんからのお便りは、「長ったらしくて3行目まで読んでやめた」としか来ていないが、博識ぶって説明しよう!

だって!!イスラエルを国と認めるなら、パレスチナも国と認めたいじゃん!

国連基準が全てだとは言えないじゃん!

決して国の数稼いで、「今?もう20カ国は回ったかな~」とか言いたいわけじゃないし!!!

ってかまずおれがパレスチナを国と認めたからって誰が聞いとんなって話じゃん!!!ひっこんでろって話じゃん!!全然国の数稼ぎたいとかそんなんじゃないんだからぁぁぁ!!!

そして、特に視聴率もない必死な答弁を繰り返したおれを乗せ、バスはラマラへ到着!

なんだと!!

案外都会やん!!!

進行するイスラエル軍の戦車に石を投げて応戦する写真とか見てて、イメージ的にはパレスチナって言うとすごく貧しいエリアを想像してたけれど!

立ち並ぶ雑居ビルに行き交う車、ストリートには伝統衣装から流行りの洋服まで扱う服屋、飯屋、カフェ、なんでも揃う!

サブウェイだってある!ちくしょう、香川より都会じゃねぇか!!!!

ん?サブウェイって"subway “だった気が・・?

大通りではなにやら議員達の演説みたいなのやってて、観衆のパレスチナ国旗が揺れる!

ちかくのにいちゃんに聞くと、「プレジデント!プレジデント!」と言っていたので、大統領選でもあるんかな?

アラビア語なんでよくわからんが、イスラエルからの独立を!みたいなことを話している気がする!みんな拳を上げてイキってる。

盛り上がる観衆と、冷めた目で邪魔そうに通りを抜けていくイマドキの若者たち。

女の子も様々な色のヒシャブ(髪を隠すスカーフ)でオシャレを決め込んで歩き、陽気なにいちゃんたちは他のアラブの国と同じように、子供のような好奇心で珍しいアジアンと写真を撮ろうとわらわらとやって来る。

うむ、とてもじゃないが、つい最近まで戦車が行き交う紛争地だったとは信じがたい。

話によると、パレスチナの自治権が認められてからもイスラエル軍が街にとどまり続け、いざこざが絶えない、なんて聞いていたけれど、今これを見る限りはただの垢抜けた都会だ。

いい意味で、拍子抜けだなぁ~~なんてのこのこ歩いてたんだが。

直後、おれは現実を目の当たりにすることになる。

街を散策してると、じいさんに声をかけられた。

「ニーハオ!調子はどうだい?」

「ファインだ!おれは日本人だよ。」

「おおそうか。旅行で来てるのかい?時間はあるかい?」

「今日エルサレムから観光できたよ!今ぶらぶらしてるだけだから暇だよ。」

じいちゃんはアラブの人にしては珍しく上手に英語をしゃべった。

「よし!コーヒーでも飲もう!おごるよ!ついてこい!」

アラブの人は、砂漠地帯の風習なのだろうか?旅人に対するおもてなしの心が半端ない。

エジプトやスーダンでもこうやってコーヒーをご馳走してくれた事があった。

今回もありがたくいただくことにしたんだけれど、なんだかじいちゃんの声のトーンや誘い方が違和感があった。

なにか焦ってるような、使命感に満ちた表情。

ちょっと不思議に感じつつも、じいちゃんについていく。

しばらく歩くと、突然立ち止まるじいちゃん。

「これを見ててくれ!!!」

「え?」

道を挟んだ向かいには、焦げてススだらけの雑居ビルが立ってた。

火事でもあったのかな?と思ったんだけれど、じいちゃんは怒りに満ちた表情で話し出す。

「ほんの数日前にイスラエル軍がここにやって来てね!ビルを爆破したんだよ!!!!」

「え、えぇぇ??」

「ここにはこの街一番の大きさの両替所があったんだ!軍の奴らは、ここに突然乗り込んできて、たくさんのお金を略奪して、最後に火をつけたんだ!!」

訳が分からなかった。なんで?が3億個くらい浮かんだ。

「なんで?なんで彼らはそんな事をする?両替のスタッフがなにかやったのかい?」

「ノーリーズンさ!!きっとただお金が欲しかっただけじゃないか!?イスラエルのやつらはいつだってそうなんだ、突然意味もなくやって来ては、略奪や破壊をして帰っていくんだ!!これがリアルだ!!」

じいちゃんは怒っていた。

もちろんそうだ、突然やってきたやつらに意味もなく自分の愛する街を破壊されて、怒らないやつがいる訳がない。

この事件が起きたのはほんの二、三日前らしく、建物内では瓦礫を書き出し清掃する業者たち、それをずっとじっと見守る数人の男女がいた。

とてもとても、悲しそうな顔をしていた。

ここの両替商の家族だろうか?

カフェでコーヒーを飲みながら、じいちゃんが学生だった頃はこのあたりも平和だった事、でもイスラエル軍がやって来てから全てが変わったんだ、という話をしていた。

彼はパレスチナ人で、周りもみんなパレスチナ人だ。噂もニュースもアラビア語で入ってくる。

もしかしたら、この件はノーリーズンって訳じゃなく、その両替商がなにか悪さを働いたのかもしれない。どちらか一方だけの話を鵜呑みにするのは危険だ。

“ただ、だとしても。"

という思いがやはり残る。

たとえば日本で、10人殺した殺人犯がいたとして、あまりもの凶悪犯だからって自衛隊がそいつの家爆破して、そいつの全財産奪っていく、そんな事が許されるか?

価値観の違い、なんかじゃ説明できないほどの横暴だ。

そもそもこの爆発自体、なんかただの事故で、パレスチナ人がそれをイスラエル軍の仕業だと決めつけてるとか?

でもそんなの、前例があるからこそ広まる噂だよな・・

いろんな思いがめぐる。

おれがこの件を考えたところで何になるって話だけど、じいちゃんが見知らぬ旅行者をコーヒーに誘ってまで伝えたかった現実だ。

こうやって感じた事をネットでシェアするのにも価値はあると思った。

ラマラは昔、PLO(パレスチナ独立を目指すチームみたいなの)の中心都市だったようで、当時絶対的ヒーローだった指導者、アラファト議長のお墓が、丘の上に建てられてた。

墓うんぬんより、兵士ピクリともうごかねぇー!!

昔この場所で、一歩足を踏み外せば全面戦争となるギリギリの交渉が模索され続けていたのだな。

宿に帰ってきた。

さすがにパレスチナで野宿は怖いので、ラマラで最初のホステル(バックパッカー向けの安宿)だという、hostel in ramalla ってとこに泊まった!

50シュケル、約1500円!

いや、イスラエル側の宿よりいくらか安いんやけど、設備半端なくいい!!

いわゆるロンプラ系なホステルで、おれ以外みんな欧米人、夜ピンポンボールグラスに投げるゲームでショット一気でクラブミュージックヒャッホー!ビバフリーセーックス!!

…..みたいなのを予想して恐れおののいてたけれど、結構落ち着いた感じで、みんなで共同スペースで語り合ってて、なんか東南アジアのこういう宿より大人な雰囲気で好き。

フリーのコーヒーを入れてベランダに出ると、スイス人のカップルが話しかけてきた。

「パレスチナはどうだい?」

「人も優しいし、ここの宿も雰囲気いいし、いい感じだよ!」

「ここには何を見に来たの?遺跡?それともなにかリサーチ?」

「うーん、あんまり遺跡とかには興味ないけど、やっぱりイスラエルとパレスチナの間のギャップには興味あるね。」

「あぁ、僕らと一緒だ。街の人にどんどん声をかけるといいよ。いやでもいろいろ聞かされるから!」

仕事を辞め、なんとスイスから自転車でここまでやって来たという2人。

パレスチナももう一ヶ月近く回っているらしい。このあたりのことにも詳しく、

「イスラエルとの問題に興味があるなら、南にヘブロンという町があるよ。そこはパレスチナなんだけれど、未だイスラエル軍がたくさん駐在してて、興味深いエリアだったな。」

と教えてくれた。

気になってたことを聞いてみた。

「昼間、おじいちゃんに連れられて、火事の後みたいな黒焦げの建物をみたんだ。彼らはイスラエル軍がやったって言ってた。それは本当かい?」

「あぁ、エクスチェンジャーのビルのことだね。3日前だったかな?イスラエル軍がやってきて、そこで働いてた男2人を連行しようとした。彼らはそれを拒んだ。だからアーミーはボムを使ったんだ。」

どうやら、ほんとにイスラエル軍の仕業らしい。考えられん。

「なんで、軍は彼らを連行しようとしたの?」

「ビルの管理者が、"ハマス"の工作員の疑いをかけられたからさ。」

ハマスはパレスチナの第一与党の政権だ。

でも時に、彼らの中の過激派がテロを働くという報道もある。

自分の家で爆発が起きる前に、相手の家を焼き払っちまおうってことか。

結果としてやってることは同じだ。

「彼がほんとに危険な工作員だったかは分からないし、もしかしたらただ金目当てのアクションだったって話もあるけどね。外国人の僕らにわかるのはその辺りまでさ。何が正しいかなんて、当事者でもよくわかってない。」

なんなんだここは・・

街はほんとに、普通の雰囲気なんだ。

アフリカとかと比べると普通に発展してて、これまでおれが旅してきた中でも日本に近い先進的な街並み。

なにも不自由ない暮らしぶりに見えるんだけれど、逆にそれがものすごく怖い。

日本で、普通に暮らしてて、突然隣町から兵士がやってきて、建物に火をつけて帰る。

そんなイメージを見せさせる。

ありふれた生活が突如失われる怖さ。

パレスチナ1日目にして、すげぇ深い闇を見た。

でも来れて良かった。

イスラエルでハマスがビルを爆破した!なんてことがあったら、日本でもニュースになるかもしれん。でも、パレスチナでこれくらいのことは、全くニュースにならない。聞いた事もない。

でも現に起こってる。

シリアもそうだ。

すこし前シリア北部のロシア軍の空爆で200人と民間人が死んだ。

そんなニュースは芸能人の浮気ゴシップの後で30秒にまとめられ、パリでの事件は時間を延長してまで報道がなされて、みんなこぞってFacebookのアイコンを変えた。

世界はひん曲がってる。

それを知れて良かった。

やっぱり気持ちがムズムズして、これしかないって思って、夜ギターを持って街に出た。

すぐ警察が来て、3曲くらいしかできんかったが、たくさんの人が集まってテンションぶち上がりで楽しんでくれた。

ほんと、こんな風景は普通の街なんだけどなぁ。



見た目には普通の、都会の夜。

その夜景の裏側の闇へ、もぐりこむ様な気持ちの夜。

偉そうに話すもんではなくて、おれは好奇心で世界の実情が見たいだけなんだ。

自分の見た事感じた事が全てだから。

でも、だからなに?ってはなしで。

それでも見てみたい。

心はすこしもやつくけれど。

それでも、バラエティー番組で腹抱えて笑うだけの旅にはしたくないんだよな…。

そんなところです。

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