【エルサレム】不思議な夜とハングドラムの音の話
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土曜日の夕方!!!
誰もいない土曜日のエルサレム新市街で、ついにトイレを見つけられずにちょっと漏らしたおれ。
すべての商店のシャッターは閉められ、こんな状態だが、宿の親父曰く、なんと夜には店がオープンして祭りのように激しく活気を取り戻すという!
こんなだれも歩いてやせんのに、ほんまかいな!と疑いながらも、今日もなんとか歌って稼いどきたいおれは、とりあえず夕方、もう一度街に繰り出した。
ええぇ!!もう静まり返っとるよ!?
いつも大量の人でごった返しているマーケットも、この調子である・・
ほんまに賑やかになるのか??
うむ猫しかおらん。
宗教上、金曜の日没後から、土曜日の日没後はまでは働いちゃいけないらしい。
そんなん、隙間産業で1店舗だけ開けてたらめっちゃ儲かるだろうに・・なんて思うんやけど、抜け駆けして商売やろうとすると、
「神に従わないズルくてで悪いやつだ!」
なんて目で見られるんだそう。
日本人なら、「休日もお仕事で大変ねぇ」なんてねぎらわれるし、なんなら褒められる風潮すらある。
欧米諸国がしっかり休んでしっかり働く、なんてスタイルでよく日本人から羨ましがられるけど、きっと宗教的な社会基盤からくるものなんだろうな。
感覚が正反対でほんま面白い。
日が暮れかかる街で、店が開くのを待ってる、というか、店が開いて、通りに人が増えるのを待ってる。
ベンチに座って、トラム沿いの通りを眺めていた。
時刻は午後7時。でもまだ太陽は沈んでいない。通りの店達もオープンする気配すらない。ほんとに夜には盛り上がるんだろうか?
少し冷えた風が吹き出して、優しい色をした半分の月がくっきりと見えるようになってきた。空は昼間までのカンカンな青空じゃなくて、水色の水彩絵の具のような滑らかさがある。
道行く人たちは少し多くなってきた。何にも急かされない足取りで、それぞれの方向へ向かって歩く。休日の夕暮れ時の、まったりしたムードが漂ってて。
トラム沿いのこの道は斜面になっている。
前のベンチに座ってた小さな女の子。
お父さんに行くよ!と呼ばれて、ベンチからポンと飛び降りて、歩き出した。
空いたビール瓶が立てっていた。
彼女がそれを蹴った。
石畳みの坂道をビンが転がっていった。
静まり返った通りに、ガラガラカラカラ!と音を響かせるハイネケンのビール瓶。
お父さんも女の子も、音に振り返った通りを行く人たちも、はたと立ち止まってビール瓶の行方を見守ってる。
カラカラ、ガラガラ!
自分が蹴ったがばっかりに、と女の子とお父さんは少し心配そうだ。
慌てて拾いに行くまででもないけれど、一体どこまで転がるんだ??
そんな困ったような顔で立ち止まって見ている。
ガラガラ、カラカラ!
転がっている間、まるで時を止めたように、俺も含めてみんながビンを見ていた。
蛇行しながらゆっくり坂を転がっていった瓶が、ついに電柱にぶつかって、止まった。
同じく行方を見守っていた、便の転がった先を歩いていたおねぇさんが、ニコリと女の子にウインクして、瓶を拾い上げてゴミ箱に入れた。
ホッとした表情で、振り返り、歩き出した女の子。
言葉のいらないコミュニケーション、週末の空気、乾いた空、薄暗くなっていく街と、明かりを灯した街灯、奥の車道の赤信号が、もうじき青に変わる午後7時半。
ありふれた街の感じが、なんだかたまらなくくすぐったい気持ちにさせた。
8時を過ぎて、ついに日が暮れて暗くなった!
少しずつオープンし始めた店。
でも人は全然だ!
9時を過ぎて、ようやく人通りがちょっとは増えてきたかな、いやでもこんな遅くからほんまに盛り上がるの!?と疑いまくりながらもメイン通りにでてみると・・
いるわいるわ、どこに隠れてたんなというほと人が!!!!
そして通りはバスカーだらけ!!!
くそう、完全に出遅れた!
それっぽいポイントではすでに何組ものバスカーがそれぞれのスタイルでガンガン音楽を鳴らしてた。
おれも訳も分からず隅の方でギターを取り出してみるけど、一曲目歌ってて気づいた、目の前アパートやん!
迷惑極まりないだろうから、すぐやめた。
たしかに時間が遅くなればなるほどに、人が増えてきている気がする。時刻はもうすぐ10時!なのに休日の昼間のように、小さな子供連れの家族やカップルが、街を闊歩する!
不思議だ!不思議すぎる!
外は真っ暗、おれの時計はたしかに夜十時なのに、なんか時間感覚が狂ってるような、時差ぼけしてるような、不思議な感覚!
通りの中央らへんで、ちょっと前おれが路上中出会ったハングドラム奏者の女の子発見!
ハングドラムというのはUFOみたいな形の鉄製の打楽器で、叩く場所で音程が変わる不思議な音の楽器だ。
ちょっと聴いていく事にした。
世界がぼんやりと溶けていくような、お母さんのお腹の中みたいな気分にさせる不思議な音感覚。面白いなぁ。
「この音、おれを宇宙に連れてってくれそうだよ!素敵だね!」
「ありがとう。私の場合は、なんだか逆で、この音を聞いているとどんどん地底深くまで潜り込んで行くような気分なの。メディテーションにすごくいいわ。」
バスカー同士での、こういう何気ないコミュニケーションが楽しい。
なにやら彼女もバスキングで世界を旅し始めたところらしく、おれみたいに長期で国を離れるスタイルではなく、休みを利用してヨーロッパに行ったり、アジアを少し旅したり、計画してるんだとか。
「死海沿いの、イスラエルとパレスチナのボーダーの近くに、ビーチがあるの。そこは、あなたみたいな音楽と旅を愛する人たちがナチュラルな暮らしをしてる、ヒッピーエリアよ。すっごく素敵な場所だから、行ってみるといいわ!」
とオススメされる。
おお、なんか面白そう!明日からパレスチナ行くからな!行けたら行ってみよ!
でもなんなん?エジプトでもそうやったけど、おれ、会う人会う人に、各地のヒッピー村紹介されるけど、おれ全然ヒッピーじゃないし…。
まぁとにかく面白い情報ももらって、「ハバグッドトラベル」「ユートゥー」と別れた。
うーぬ、場所も見つけられんし、気分ものほほんとしてきて、もう今日は路上やらずに帰ろうかなぁなんて思っていたけれど、そう決めたら決めたでなんか胸がムズムズする決断鼻炎少年のおれ。
帰り道、トラム沿いの飲み屋の端に、ぽちぽち人通りのあるスペースを見つけて、結局1時間程歌った。
やば!やっぱ歌い出すと楽しくてのめり込む!
72シュケル、2100円ほど。
宿代浮いた!ありがとう!
バスキングジャーニー!って看板掲げて歌ってると、若者が結構興味示してくれる。
「何カ国ぐらい回ってるの?」
「アフリカは危険じゃないの?」
「次はどこ行くの!?」
「この写真はどこの国なの!?」
音楽やりながら世界を旅するってスタイルをみんな面白がって見てくれて、
「いいなぁ、おれもそんな事をやりたいなぁって考えてるんだよ!」
なんて羨ましがってくれる。
これまで旅してきた国ではあまりそんな事を言われる機会はなかった。
イスラエルは日本以上に物価も高いぶん、ある程度働けば海外をふらり回るくらいのお金は容易に貯められる。
若者がそのお金でやりたいように世界を旅するってイメージも、ある程度伝わりやすいんだろうな。
音楽で食ってく面でも、正味、おれみたいな下手くそでもなんとかなるくらいだから、音楽であったり、ストリートパフォームする事が本気で好きならどうにだってなる。
でも、おれもそうだった。
二年前のインドで、その時世界一周という旅の仕方がある事すらしらんかった。
そんなおれに、「やりたいと思ったら、まず飛び込めば、なんとでもなるよ!」って話してくれた人がいた。
インドのジャイサルメールで出会った、その時世界一周中だった旅人、トシさんという人。
日本に帰った後個展開いちゃうほど写真が上手くて、カメラ一つで世界を旅するスタイルの人だった。
実際にそんな人に出会って、夢のまた夢だった世界を何年もかけて旅するってスタイルが自分の中で現実化した瞬間だった。
おれはその時得た胸のときめき通りに生きてきて、今のところは1パーセントの後悔もない。
本当にジャイサルメールでトシさんに出会えて、お話しさせてもらえて良かったなぁと今でもよく思い返す。
おれもこの旅で、誰かに「やりたい事やりなよ。自分の人生だろ?」と、伝えてあげられたなら、しあわせだ。
それが必ずしもその人をプラスに変えるわけじゃないだろうし、もしかしたら人生のはざまに転落させる原因になるかもしれん。
でも、やるかやらんか迷ったら、おれならやるから。
まず自分の生き方を見定めろって話だけれど、その中でだれかにそうやって影響を与えられるくらいの、熱い人生にしたいものだ。
まぁ完全に自己満の世界やけどな。
夜12時前のトラム沿いは、それでも若者たちがひっきりなしに歩いてて、感覚的には9時前の飲み屋街な雰囲気だ。
本当に不思議な時間感覚。
こういう発見に、後どれくらい出会えるかな?
おもしろい旅にするのだ!
そんなところです。
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