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客引きうざいわぁと思うその向こう側の話

2019年8月1日

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サファリから二日ぶりにアルーシャの街まで帰ってきた。

時刻は午後6時。

ツアーに出かける前に、庶民の生活エリアのきたねぇバーがあって、その奥に公衆便所みたいな雰囲気の素敵な安宿を発見していたおれ!

しかしうんこ並みの方向音痴のおれは公衆便所への道をすでに忘れてしまっていたのだけれど、

「うんこ!こっちだ!」

と、ツアー会社のぽっちゃりスタッフが、その公衆便所まで連れてってくれた。

丁寧にバッグまで持って運んでくれて、いいひとだなぁと思っていたんだけれど、到着して部屋に荷物を置いて、ホテル前のバーに座って一休みしてると、

「ところで次はどこに行く?キリマンジャロのツアーは?ナイロビならバスチケットは??」

とやっぱりビジネスの話。

まぁ、そんなもんだよな。裏切られたとかそんなんじゃなく、これが彼らの仕事だから仕方ない。

「このあとナイロビ行くんだけれど、ツアーバスじゃなくてローカルバスを使うから大丈夫だ。ごめんね。」

「そっか!いいんだいいんだ!おれたちは友達だからね!ところで晩御飯食べてないだろ?ここのバーで食べていきなよ!おれはここのコックと仲がいいんだ!安くできるよ!」

「確かにおなかすいたな。メニューは何がある?」

「今できるのはフライドチキンとポテトのセットさ!君は友達だから特別に、7ドルでいいよ!」

たかっ!!!!

タンザニアでの食事は基本1ドルとか、いって2ドル。

こんなきたねぇバーで、7ドルも出せるか!こいつ後でコミッションもらうつもりだな!知らないと思ってなめやがって!

「高い!それなら食べない!」

というと、すんなり元値であろう2ドルになった。

めんどくせぇ!

ここ、アルーシャは他のタンザニアの街に比べて観光資源が豊富で旅行者が多いため、こういう、ビジネスライクな付き合いをされる場合が多くて、仕方ないことなんだけれどうんざりくる。

でも、そんな裏の魂胆の探り合いを取り払うことができるのも、音楽だった。

その後、バーの他の客が飲んでいるビールの誘惑につられて、1ドルのキリマンジャロビールをひとりあおっていると、さっきの彼が弟だという細身の男を連れて帰ってきた。

2人で囲んでまたなんかツアー組めとか勧誘してくんのかなと思ったけれど、

「ユウキ!おれの弟はヒップホップが好きなんだ。君はギターを持ってたよね?2人でセッションしてみなよ!」

なんだと!こんなきたねぇバーでセッションなんて面白そうじゃねえか!と酔いに任せてギターを取ってきては歌い出す。

メロディに彼のアドリブヒップホップが、おれの歌の隙間を縫うように食いついてくる!

おもしろ!

さっきまでのビジネスフェイスも忘れて、ノリノリで踊り出すぽっちゃりスタッフ。

カウンターで一人飲んでたぼろ切れをきた爺さんも踊りに絡んできて、みんなで音を囲む!

音楽は不思議な力を持っている。

へらへらと笑ってほんとの心を隠していた彼らの、その扉を、いとも簡単に開いてみせる。
疑ってばっかだったおれの心も、だ。

三曲ほど歌い上げると、さっきとは全然違う表情で彼らが話しかけてくる。

「いやぁ楽しい時間だった!普段はどんな音楽を聴くんだ?」

「お前は彼女はいるのか?アフリカのオンナはいいぞ~」

「おれたちは日本の歴史に興味があるんだ。ヒロシマとナガサキにはまだ人が住んでいないって本当か!??」

むかしキリンラガーのCMで、

「一杯目は仕事の話、二杯目からは男の話になる」

みたいなキャッチコピーがあって、好きだった。

もちろん生きていくためにビジネスライクな付き合いも必要だけれど、そんな殻を破ったところにある、人と人との付き合い、心のあるままに話をしあえるというのが素敵だ。

おれにとっての、そのきっかけは音楽なんだ。

旅行者は、現地の人たちからはとんでもない金持ちだと見られがちだ。

彼らも生きていくためにお金を稼がないといけないから、ビジネス的な接し方をされるのは仕方ないし、それだけで嫌な人だ、とか、話を拒んでしまうのはもったいない。

できればこの旅の中で、そうやって旅行者に接してくる鬱陶しいだけの客引きの、その生活の内側の部分まで見ることができたなら、人間臭いところを感じることができたら、どんなに面白い旅になるだろう。

こういうの、タイのハッポンの繁華街でもあったなぁ。

まだネパール地震の被災者へのチャリティライブでアジアを回ってたころ、タイの、外国人向けの風俗街が立ち並ぶ怪しい通りで毎晩路上してたんだ。

正味あんまりお金の入る場所じゃなかったし、夜になると酔っ払いも多いので歌うぶんにはいい場所とは言えなかったんだけれど、歌いながらそんな怪しい社会を日常として働く人たちを眺めてるのが好きだった。

キラキラのマスカラで陽気に店先で声かけをしてたお姉さん。店を出た帰り道に、なんか悲しそうな、でも強い女性の目をして歩いていた。

スーツをビシッときこなして、マフィアちゃうかというほどの威圧感のある恰幅のいいおやじ。でも、おれの音楽にくるくる回りながら踊る少年を、急にお父さんの優しい笑顔をして抱き上げた。

どんなイメージを抱えていても、住む文化が違っても、結局同じ人間だし、その人なりの”普通”のなかで、暮らしているんだなぁ、なんて思わされた。

どんな時でも、心に小さな愛を持って、人として対等に見られる心を、胸に止めておこうと思った。

まぁ、よく客引きうぜぇとか思うし、難しいんだけどね!

そんなところです。

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