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バラナシ到着とガンガーに入るということの話

2019年8月1日

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下がりかけた熱を、隙間風びゅうびゅう、極寒の深夜特急の車内で見事にぶり返しながら、おれは東へ東へと向かっていた。

目的地はヒンドゥ教の聖地バラナシ!!

珍しく定刻通り夜7時にデリーを出発した電車は、予定通り各駅で少しずつディレイを繰り返しながら結果、いつものように3時間遅れで聖地バラナシに到着した!

時刻は午前10時!風邪の熱で火照る体をフラフラフラダンスしながら、おれは二年ぶりにこの町に上陸を果たしたのであった!

電車内で仲良くなったリトアニア人の旅人と、「メインガードまで一緒にタクシーをシェアして行こうね☆」なんて淡い約束をしていたのだけれど、「やっぱりごめんね、おれ歩くわ☆」と駅到着後に爽やかに捨てられたおれは、しかしこの体調の悪さもあってしぶしぶ100ルピーを払って駅からメインガードまで。

最近出来たという日本人宿、サンタナバラナシにピットインしたのち、体調も少しマシになってきたので、夕暮れ時ちょっと散歩する。

牛と、その散らばるうんこさえ無ければ、小洒落たヨーロッパの小道に見えなくもない路地を進んでいくと、、

見えた!
ヒンディーの聖地、大河ガンガーだ。

やはりここに来ると、いつも深く感じるものがある。いや、カッコつけるんじゃなくて、底知れないなにかを、冗談なく感じるのだ!

二年前ここを訪れた際に、ガンガーで沐浴をする人、歯磨きや洗濯をする人、プール感覚で泳いではしゃぐ子供達、その隣で川沿いで焼かれ、ガンガーに投げられる黒焦げの遺体を見て、ありえないほどのショックを受けた。

なんでそんな事になるんだって言うと、ガンガーは生死も司る聖なる川、人々はその水で身を清めることですべての罪を洗い流せると信じ、死後のその体は火葬し、遺灰をガンガーの流れに抱かれる事こそが最も幸せな死に方だと言われているからだ。

とにかく、このガンガーへの信仰というのがとてつもなく”美しい”のだ。

確かに川の水はゴミだらけで、白く濁っているのだけれど、朝日に照らされて一心に祈りを捧げながら沐浴をするおじいちゃんのその姿は神聖そのものであった。

いったい何百年前から、人々はこの大河にこうやって祈りを捧げて生きてきてるんだろう、と、とてつもないロマンを感じる。

川沿いをふらふら歩いていると、サドゥーが階段に座っているのを見つけた。

サドゥーとは、ヒンディー教の修行僧の事で、一生立ったまま生活する、や、一生眠らない、など、常人には理解しがたい苦行を自らにかし、悟りを開こうとしている人たちのこと。

正直何者なのかおれもさっぱりなので、ここで何をやってるのかこっそり観察してみよう、とさりげなく隣に座ってみた。

ら、なんだこいつこれだけ広いのになんで隣座ってくるんだよきめぇな?と言ったか言わんか知らんが彼はすぐにどっかいってしまって、代わりに「こんにちわ!」と誰かに話しかけられた。

とっさに挨拶を返して振り返ると、それは日本人ではなくインド人のよう。

しかし「どこから来たの?」「沐浴しないの?」と、饒舌に日本語で会話を繰り広げる彼。

あーめんどくせーな。。

なんて正直思う。

バラナシにはこうやって上手に日本語を話すインド人がたくさんいて、ホイホイ話を聞いて仲良くなったかと思えば、最終的には「シルクを買わないか?」「お土産用チャイを買えよ」とビジネスの話になるのはわかっているのだ。
なので宿なんかでも日本語が話せる人は危ない!なんて注意されるくらいだ。

まぁおれ自身の考えでは、日本語が上手に話せるという特殊技術を活かしてそういうビジネスを行うというのは一向に構わないと思うし、多少ボラれていたとしても、「仲良くなったインド人の友達から買った」という旅の思い出価値がつくのだから本人が納得出来るのなら買えばいいと思うのだ。

だからそういう売り方を詐欺のようには感じないし、むげに見下した態度は取らないよう気を付けているのだけれど、

まぁ、

おれは実際世界一周中でお土産なんか買えないし、

この手の客引きが何度も続くと本当に疲れるのだ。

「はぁ..、、はぁい..」

とお疲れガモさんモードで適当に返事をしていたけれど、一向に商品の話にはならない。

気づかなかったけれど、奥には日本人らしい女性も。

日本人ですか?と聞くと、当たりだ、日本人らしいほごらかなレスポンスで答えてくれた。
もう一年前から彼の住むバラナシで一緒に住んでいるのだそう。

全く客引きなんかじゃなくて先ほど、おれが突然椅子に腰かけたのを見て、体調でも悪いのだろうかと心配で声をかけてくれただけらしい。

いや、サドゥー見ようとしただけですけどね、ご心配おかけしました。

なんかそうと分かればあんな適当な返事ばかりしてたのが大半申し訳ない、そしてもう少しいろいろとバラナシの話を聞いた。

あまり嬉しい話ではないが、
彼の話で印象に残ったものが。

今日、3人組の日本人学生グループが、ガンガーで沐浴中に足を怪我したらしく、血を流しながら岸に戻ってきたらしい。

それを聞いて、おれは思ったことをそのまま口にした。

「やばいじゃん!バイキン入っちゃうね!」

表情は優しく、しかし彼は言う。

「ガンガーは聖なる川だ。汚くなんてないよ。

本当に神聖なものだという気持ちを持って川に入ればバイキンなんて入らないし、病気にもならない。

今日の彼らがやっていたのは沐浴なんかじゃない。

彼らはダイブして川に入ってはしゃいでた。

ガンガーは神聖な場所だ。
きちんと祈りの気持ちを持って丁寧な沐浴をすれば、神様はそんな人間に悪さはしないよ。」

いやいや、このゴミ浮きまくってる状況で何いいますのん!病気になる時はなりますわいね!

と、思う反面、

すごく宗教的な話だったけど、たしかに結果としてもし神を敬う気持ちがあれば、そんな無茶しなかっただろうし、一応理にかなってるなぁ

なんて、思ったり。

とにかく、自分たちの信仰の場である神聖な川で遊び半分で入水をして怪我をして、やれガンガーは汚いだの危ないだの言うなんて、現地の人にしてみればとんでもなく失礼な話であることは分かる。

まぁ、インド人でも普通にプール感覚で遊んでいる人はいっぱいいるし、ガンガーに対する意識の違いは、現地の人でも分かれるのだろうけど。

インド人にとってのガンガーとは何なのか?

この大河をめぐる文化と信仰の輪郭を感じられるようになるまでには、もう少しここで過ごす必要がありそうです。

そんなところです。

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インド

Posted by gamoyuki