【バラナシ/インド】バラナシ初路上ライブの話
あいかわらず風邪は治らず、ぼーっとした頭のままで、しかし何かに急かされるようにギターを担いで歩く。
今日はバラナシ初路上の日だ!
路上の前に、宿で出会ったコーさんと火葬場を見に行った。
聖なる川ガンガーに遺灰をまくことこそが最高の死に方とされるヒンドゥ教。
日本人的感覚で聞いたなら、火葬場を観光感覚で訪れるなんてお前らどんな神経してんのと言われそうだけれど、川沿いを歩けばごく普通に、なにかちょっと炊き出しでもしているんかな?ぐらいの風景感覚で火葬場は存在している。
牛が行き交い、商人達の大声が丘の上から聞こえ、洗濯するおばあちゃんとタコをあげて駆け回る子供達のその隙間で、マキが並べられ、その上に平然と死体が置かれる。
自然である。
とてもとても、葬儀という儀式が何か特別で厳かなものであるという思いは一ミリも受けることはできない。
晴れ渡った空、ガンガーの流れはゆっくりと、とてつもなく広くて、人が一人死にました。だからどうした?とでも言いたげた。
下衆なことにこんなところまで片言の日本語をしゃべる客引きが目を光らせているようで、ずっと隣で話しかけてくる。
これも自然。
全部自然なのである。
あぁ、なんか。
語弊あるかもしれんけど、
死ぬなんて、たいしたことねぇな。
自殺なんてするもんじゃないね。
たいしたこと起こらないから。
ただ唯一、ふっとすれ違った遺族の若い男の頬を伝っていた一線の涙だけが、目の前で焼かれている布に巻かれた塊が確かに人間であるというリアリティをわずかに、しかし確かに伝えてた。
熱と思考にうなされて少し川辺で寝た後、昨日アユさんという女性と出会った川辺の階段へ行く。
もう先に到着して、お手製のアクセサリー達を並べて座っていたあゆさん。
挨拶して、おれも隣に陣取らせてもらって、ギターを取り出す。
アユさんは、川辺で手作りアクセサリーを販売したりマクラメの教室をしたりしてもうバラナシでかなり長く暮らしている女性だ。
昨日この辺りを歩いていたら声をかけられて、隣で歌わせてくださいとお願いしていたのだ。
日本人で、一人で、異国の路上にたっている人が他にもいるんだなぁなんて思うと嬉しかった。
セッティングを終えてじゃりんとギターを鳴らす。
ガンガーを目の前に眺める絶好の景色!仲間がいるのもあってテンション上がっていい歌が歌えそうな気もしたけれど、熱と喉の痛みでうまくリズムがつかめない。
正味きちい。
でもぞろぞろと集まって来てくれる子供達やインド人旅行者達。
体を気遣ってなんて手の抜いた演奏はやらねぇ!
気合いで歌ってるとアユさんの元に近所の子供達がやってきて、彼女に手を取られながらリズムをとってはしゃいでくれてる。
彼らも歌える歌を、と、インドのパニパニ!とひたすら言うだけの流行りの曲を聞かされて、コードも知らんが雰囲気で弾いてやる。
ハズかりがりながらも歌ってくれてかわいい。
コーさんが地元の若者も巻き込んでくれて楽しそう!
途中で、昨日メシ屋でちらっと挨拶したくらいのピアニカとマンドリンの兄さん達も加わって、ノックノンザ・ヘブンスドアを輪になって歌ったり、韓国人のミュージカルシンガーが混ざってきて歌ってくれたり。
いいね、音楽はピースだ。
しゃれんならんほどの力を持ってやがる。
なんてまた今日も感じさせられた。
いい路上ライブだった!
またやりたいけど、
あぁ、とにかく早くこの風邪を治したい!
そんなところです!!
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