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【デリー/インド】コンノートプレイスで路上ライブと後味悪い話

2020年2月22日

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二日連続、歌いに出る。

コンノートプレイスという富裕層向けのショッピングモールにて。

白い壁の巨大な正8角形の建物は、確かに高級感があって、有名ブランドも多く出店しているんだけれど、相変わらずごった返す駐車場周りの道路はクラクションと罵声が絶えず響いていて、立ち込めるアンモニア臭が鼻をつく。

やはりインドはどこいっても、どこかインドなんだ。

しかしやはり道を行き交う人たちの服装はかなりきっちりしていて、金持ってんだろうなぁというのが一目でわかる。

最初に地下鉄駅からコンノートプレイスに出るそのゲート前で歌い始めるけれど、二曲ほど歌ったところでバイクに乗った警察官登場!!

悲しそうな表情で、ここはダメだと首を振る。

おおおインドでも止められるのか!

すみませんと言って片付けていると、遠くでちゃんと片付けているかまだチェックしている警官に見えないようにこっそりと、エレガンスな服装のおねぇさんが100ルピーを入れてくれる。

「ネパールのチャリティなのね!頑張って!」と小声でエールをもらえて嬉しい。

最初から見てくれていたおっちゃんらも、「警察はすぐにダメだダメだというが、諦めずにがんばるんだよ!キープゴーイングだ!」
と優しい。

ありがとうと言って歩き出す。

次にこのショッピングモールの中にある公園にきた。

結構人通りも多いから行けるかなと思ってギターケースを開けるんだけれど、近くにいた掃除のネェちゃんの甲高い声が聞こえてくる。

「こんなところで弾くなんてやめてよね!!」

ヒンディー語だけれど、多分そんな感じか。
かなりヒステリックに怒鳴られて悲しくなる。

なんだ今日はよく止められるなぁ。

最後に腰を下ろしたのは、ショッピングモールの裏手の、シャッターの閉まった通り。

ちょっと車のクラクションがうるさいけれど、これだけ奥ばっていたら止められないだろう。

あんまり人も通らないけれど、音がシャッター街から反響してきて気持ちいい。

マイペースに歌っていたら、やられた!!

ボロボロの身なりをした、ペットボトル回収の若者。おれの前に立ったと思うや否や、ギターケースのなかから40ルピーを拾い上げて、それをポッケに突っ込んだ。

青ざめた。

おい!!!!!

すぐに曲をやめてそいつの腕を掴む!

返せ!!!

若者は悲しそうな顔で、ヒンディー語でなんか言ってる。
少しくらい恵んでください。
そんなところだろうか?

違う!

これはおれの金じゃないんだ!募金なんだよ!施しが欲しいならおれの財布からいくらか払ってやる!だから今すぐその40ルピーを返せ!

しかし全く英語は通じないようだ。

無理やりにさっき金を突っ込んだそのポッケに手を入れて探る。

くそ、どんな細工しやがった、ポッケの中には何もない。

ほら見たことか!とでも言うように、おれを見下したそいつは、腕を掴むおれの手を振りほどいて去っていった。

追いかける?

無理だ、ギターも貴重品も全部置いているんだ。その間に他の奴らに全部持っていかれる。

どうすりゃよかったんだ。

くそやろう!

悶々とした空気が立ち込める。

目の前でバイクにもたれかかって、初めから歌を聞いてくれていたおっちゃんが苦笑いで見てくる。

なんだよなんで助けに来てくれないんだよ!?

そんな風に思ってしまう。

ベトナムでもあったんだ。

親切なオヤジだと思ってたら、200円ほどを盗まれた。

今回も、40ルピー、たった80円ほど。

でも金額じゃないんだ。

神経すり減らして歌ってためた大切な募金だ。ハングリーでかわいそうな貧しい青年にくれてやった、なんて気分には全然なれなかった。

くそやろう。

完全にアップセットしてしまって、もうだめだ、さっさと終わろうと最後の曲をやっていると、セレブリティな雰囲気のカップルがおれの座る汚い花壇の横に同じように腰掛けてきて、にこやかに歌を聴いてくれた。

「素敵な音楽だね!僕も楽器をやるんだ。そのハーモニカ、ちょっと貸してくれる?」

と言ってハンピでミズキにもらったCコードのハーモニカを手に取った彼は、軽快なメロディを奏ではじめた。

あんまり気分は乗らないけれど、ギターでcコードをストロークして合わせてやる。

「ありがとう!もしまたここでやるなら、見にくるよ!がんばってね!」

と高そうな財布から100ルピー札をサッと置いていく。

あぁ、、かっこいいなぁ。。

ああぁ、そうだよな。

なるべく、貧富の差や身なりじゃなくて、心でその人と付き合いたい、といつも考えて生きているようにはしているけれど、

今日みたいな事があると感じてしまう。

金持ちは余裕があっていい人で、

貧乏な人はその逆。

そんな決め付けはくだらない。

そう信じて生きてきたはずだけれど、綺麗事ではなく出会ったものや実際に見た事しか信じられない超一般市民のおれには、正直に、そう感じさせられてしまう出来事。

とてもじとじとした、心に闇がねっとりとまとわりつく、そんな1日だった。

うう、後味悪い!!!

そんなところです。

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インド

Posted by gamoyuki