タイ5年越しの路上ライブ
しょっぱなから客引きに騙されて高額なチケットで乗り込んだオンボロバンはタイの田舎町、クラビへ!!!
みんな the beach て映画しっとる?ディカプリオがでてて、ドラッグかなんかでディカプリオがデロデロになる映画らしいんだけど、その舞台になったピピという島にいける港町だ。
最初はこのクラビを超えて、プーケットまで行く予定だったのだけど、みんな、「プーケットはパーティピーポーの行くところさ。落ち着いた雰囲気が好きならクラビがいいよ!」、と遠回しに、「君みたいな根暗なコミュ症はパーティの聖地プーケットなんか行っても、誰とも話せずに隅でケータイつついてるのがオチさ、はは」と嘲笑われたので、泣きながらここに変更したわけです(被害妄想)。
さて、夜クラビに到着して、ホテルにチエックイン!
もちろんビンボー旅なので四人相部屋のドミトリーに泊まったんだけれど、
む!!!
むむむ!!!!!!
やったー!!!!!誰もいない!!!!
なんでも今はオフシーズンらしくて、1人部屋の半額で借りた四人部屋だけれど、宿泊客は俺1人!!!!!!
まるで一国の王子にでもなった気分の僕は、
うーん、今日はどのベッドで寝てやろうかな??ぐへへへ、1時間ごとに寝るベッドを変えてやろうか!!
このコンセントも、この夜景も俺1人で独り占めだ!!!
と、部屋の中では飲めや歌えやの大宴会が開始された!!!!
と王子気分を満喫するのもビールを開けて30秒で飽きて、一人で独り占めは当たり前だろ、とか自分にツッコミながら、なんか今まで10人ベッドとかでみんなで寝てたから、今度はすごく寂しくなってきた僕。
この日はまくらを抱えて震えて眠ったのでした。
そして、次の日。
タイでは全然英語が通じないので、路上の時に使う、このライブはチャリティで、ネパールの地震被災者の方に寄付します、的な文章をホテルレセプションの英語を話せるお姉さんに書いてもらった。
昼間は明日から行くピピ島へのチケット往復2500円くらいを買いに行った。
僕がオープンチケットの意味がわからなくて、チケット売り場のおばさまと
「オープンチケットってなに?」
「オープンチケットも知らないの?オープンチケットはオープチケットよ!」
「よく分からんけどこのチケット日付が出てねぇじゃねぇか!このチケット本当に大丈夫か!?」
「だからオープンチケットだから大丈夫だって言ってるでしょ!!」
「だからなんなんだオープンチケットって!!!」
という不毛なやり取りをしながら、なんとかチケットをゲット。
そのあと、適当に街をぶらつきながら、炎天下の中働くおじさんを見つけて、
世の中にはいろんな仕事があるんだなぁとか物思いにふけりながら、夜になるのを待った。
そして、日が暮れ出してきた頃、ついにタイ初路上ライブへ!!!!
レセプションのおねぇさんがオススメの場所よと言ってた、ナイトマーケットの辺りへ行ったんだけれど、確かに人が多いけど、デカデカとスピーカーから音が流れていて、大通りの辺りではやりづらい。
一本ずれた屋台通りにスペースを見つけて、隣でケータイのカバーを売っているお兄さんに聞いてみる。
ここでギター弾いていい??
お兄さん「???」
全然通じてない。
ギターのバッグを見せて、
プレイ!! ヒヤー!! OK???
とジェスチャーしてみて、やっと言いたいことは理解してくれたんだけれど、なんだか周りの店のにいちゃん達と気難しそうに話しをしだす。
横でチャリティ!!ノットビッグサウンド!!とか言うてみるけど、あっちでヤらせろよ!みたいなのを話してる気がする、、、
と思ったけど、意外に答えは
OK!!
thank you !!と笑うけども、明らかにマレーシアの時とは違う、よく分からない外者が来たよ。。的な雰囲気。
周りの人達もだれも目を合わせてくれない。
まぁ、許可もらったんやし思い切りやってやれ!!!とギターケースを広げ、歌い始める!!!
あぁ、五年前にタイに初海外一人旅で来た時は、ギターをホテルの外に出すのもなんか怖くて、何も出来なかったんだ。
それがどうだ、今は震えながらもこうやって全然知らない街で路上に立つことができた。5年前から比べたら、ちょっとは自分のやりたいことを素直に表現することができるようになったんだろうかな。
とか思うとちょっと熱くなって、すごく気持ちよく、感情込めて歌えた。
気がしたけど。
入らない!!!
全然チップが入らない!!!人が止まらない!!!!
たまに子供連れのお父さんや、向かいのおじさんが笑って見てくれて20バーツとか入れてくれたんだけれど、ほとんどの人達は身を合わさないように下を向いて歩いていく。
隣の兄ちゃんも関係ないよって感じでケータイをいじってる。
うーん!!!!!
正直、なんか自分が悪いことでもしているような気がしてきてしまって、最初の熱も治まっちゃって、一時間もせずにやめた。
結局、結果100バーツちょっと。約300円。
自分が上手く歌えてると思っていただけに、なんだよ!!!冷たいな!!!と悲しくなってしまった。
怪しい外人ギタリストに場所を与えてくれた、そんなやつに100バーツも入れてくれた。昼ごはん一食50バーツとかだから、決してタイの人からしたら安い額じゃないかもしれない。
それはわかっているけれど、わかってるんだけれど、路上ミュージシャンのはしくれとして、これは全然満足できない!
でも、タイの人が悪いとか、冷たいとか、そういうんじゃないんだよな!!
明らかにこっちの人は、英語の歌が全然馴染みがないって感じだ。
なにか、こっちの人が誰でも知ってるって歌を探さないといけないかもしれない!
路上ミュージシャンも僕の他に一人も見なかった。
日本みたいに、路上ライブを見て投げ銭をするって文化がないのかもしれない。
だとしたら、思わず投げ銭したくなるようなライブをするまでだ!
とにかく、このままでは終われないぞ、、、
とか心の川平慈英が熱く吠えている夜。
帰りの屋台の飯屋で、もんもんとしながらもちみたいなおかゆを食べた。
店の犬だろうか。背中がかゆくてもがいている。
おれもこのタイで、音楽で、もがけるだけもがいてみよう。
必死なのはカッコ悪くねぇ、むしろその逆。だ。
とにかく明日のピピ島!!
バカンスもディカプリオもそっちのけで、路上ライブしてやるんだから!!(じゃあいかなくてもいいだろとか言わないで)
そんな夜です。
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