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アレキパで路上ライブと旅色カラーの空の話

2019年8月1日

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今日の旅の一曲!狐火の “29歳のリアル"!
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ペルー南部の街、アレキパに二日間滞在したおれ。


アンデスの山々に囲まれた、ペルー第二の都市だ。

前回立ち寄ったペルーの都市はどこも路上ライブ禁止の場所ばかりだった。

この町も。
ショップが立ち並ぶメインストリートも、その北側にひろがるお土産街も、人通りのあるところは全部バスキング禁止っぽい。物売りのおばちゃんらや物乞いの人々が出てないところは、そういうところだ。

カゴにお菓子やら詰めて売り歩いてる人たちも、このエリアから弾かれたように、人気の少ない通りにずらり並んでた。

チリがすごく寛容だっただけに、ちくしょうやりずれぇ!!と重い気持ちを抱えてメインストリートに戻る。

すると1人だけ、ストリートでなにかやってる。

骨だけになった、関節が変な方を向いた両足を行き交う人たちに見せつけながら、

「プレファボール!!プレファボール!!」

と叫ぶじいさんの物乞い。

マックとか入ってる一等地のど真ん中で、人々に蹴られそうになりながら座り込んで叫んでる。

直後に警察官2人が歩いてきて、

「どきなさい!」

みたいなことを言うんだけれど、

「うるさい!やらないと生きていけないんだ!」

そんな感じのことを言って、警察官も、やれやれ…という顔で去っていく。

周りのショップの人たちも警備員も、とくに注意もせずに見逃してくれている。

多分、このじいさんは特別枠、みたいな、名物じいさんなんだろう。

すごくやりづらい。

あんな痛々しい姿で物乞いをしてる人のそばで、なんの不自由もない暮らしをしてるように見られてる先進国の健常者が歌ってたら、おれがペルー人だったら気分悪い。

「なんだあのじいさんもやってるんだ!いいだろ!?」

なんていう気持ちもわかない。

おれはやっぱり、人に嫌な目で見られたくない。

おれも歌わなきゃいけないんだけど、いろいろ考えてまごついているうちに、自分の臆病な性格にズンと心重くなってしまう。

関係なしに目標を遂行するためにヒーローにも悪にもなれる大胆さに、少し憧れたりする。

仕方ない。おれはおれだ。おれの正しいと思う方法で、おれの中のきむずかしいルールを守って、いきるんだ。

結局歌えそうな場所を探して夕方まで歩いて、人通りの多い観光エリアから離れた新市街の、クラクションと雑踏の中でギターを鳴らした。

日も暮れて、帰宅ラッシュで戦争みたいになってる目の前の幹線道の音がうるさすぎたんだけれど、迷惑になることもなければ警察も気にしなくてよさそうで、思いのままに歌えた。

結果は20ソル、600円。

なんとか宿代は浮いた!


帰り道にまた、ライトアップされた教会からのびる、メインのショップストリートを通りかかる。

すごい人たちの中、あのじいさんはまだ必死に手を伸ばして物乞いをしてた。

今日もらったチップを入れた袋の中から、銀貨をひとつ取り出して、しゃがんでじいさんに手渡した。

必死な顔して「グラシアス!グラシアス!」と声をかけてくれるじいさんの表情と、受け取った手のシワの感触。

そんなひとつひとつが、日本では一生体験し得ることもないような、深い暗闇と悲しみと、人間臭さを放っている。

路上はうまくいかんかったけど、アレキパの町は、庶民の屋台の食文化みたいなのが色濃く残ってて、ちっちゃな台車からばぁちゃんがもくもくと白い煙を立ててなんか作ってる。

あんま稼げてないので、屋台をほっつき歩いて見つけたポップコーンと30円のカステラケーキで晩御飯。

次の日、首都リマへ行くバスに乗り込んだ。

1ヶ月前、スペインからやってきた南米最初の街に帰るのだ!

コロンビアのボゴタから出る飛行機まで、あと二週間を切った。

こっからは一気にバスを乗り継ぎながら、北へ北へ、向かうのだ!


バスの窓からは、どこまでも続く荒野が見えている。

その砂漠の世界に、真っ赤な夕日が沈んでく。


砂の丘をその光が照らしあげて、燃えるように輝いてて、綺麗。

イヤホンからは"日が暮れても彼女と歩いてた"ってthe ピーズの夕暮れの曲が流れてて、それが終わったら、フジファブリックの名曲、"若者のすべて"が、真夏のピークが去った、なんてそれっぽいことを歌い始める。

シャッフルで回してんのに、おれの気持ちをよくわかってくれてるじゃないか、なんてiPhoneを撫でたくなる。


今日は快晴で、本当にまん丸の、オレンジの飴玉みたいな甘ったるい色をした太陽が、砂の山の向こうに落ちていく。

やがて光はどんどんと彩度をなくして行って、砂漠は急激な寒さに包まれ始める。

永遠と続く砂の世界の、夜の訪れの瞬間。

草木の一本ない乾燥した荒野の、時間が止められた世界のようなしんと冷えた風景を眺めていると、まるで火星かどこか、別の惑星を探索するバギーカーにでも揺られているような感覚になる。

空を見上げれば不思議な輪郭をして、半分の月がうっすらと見えていて。車内では撃ち合いの戦争映画で、たくさん人が死んでる。

シュールな無音映画の世界に迷い込んだような、おかしな気分になる。

なんでもない移動の、こういう瞬間に、あぁ、おれ、旅やっぱ好きだなぁなんて思っちゃう。

美しい世界を見に行こう。

わずかにまだ赤い砂漠の向こう。

今頃日本に、朝が来てるんだなぁ、なんて想ったりしよう。

空高く飛行機が、孤高の旅人ぶった大げさな飛行機雲を一本引きながら、太平洋目指して飛んでたのだ。

そんなところです。

2年前、旅を始めるきっかけとなった瞬間衝動を切り立った作品、"where is utopia ?"のPVが出来ました!良かったら見てね!!

新曲の"Music is mine"のMVをYouTubeに公開しました!アフリカを旅した時の映像と共に。こちらも良かったら!

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