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【ナイロビ/ケニア】さらばケニアと感じた事の話

2020年5月13日

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難関スーダンビザをなんとかゲットしたおれは、空港で無いとビザを取れ無いということでエチオピア・アジスアベバ行きの飛行機を160ドルでゲット!

ついにナイロビを離れる事となった!

ナイロビ・・

いい意味でも、悪い意味でも、なんでもある強烈な街だった!!

立ち並ぶ高層ビル群とおれのアフリカ旅の全予算つぎ込まな泊まれんのちゃうかという高級ホテルやブランド街。

東アフリカ最大の大都市ナイロビの名にふさわしい先進的で都会的な空気に吐き出されるようにモイアベニュー通りを越えれば、途端として食べ物屋や服屋や写真屋、それに怪しい貴金属売りやけばけばしい散髪やの看板が辺りを埋め尽くしている。

行き交う人たち、立ち止まる人たち、店先の親父、人々の生活臭とワキガの臭いが辺りに立ち込めていて、通りを挟んだスーパーへ向かおうと数十センチの車間距離で挑発的に前の車を煽りながらクラクションをあげる市営バスの排気ガスと砂埃にまかれたわずかな隙間をくぐりぬければ、キラキラに磨けあげられた革靴を誇らしそうに胸を張って歩くビジネスマンが早足で歩いていて、その足元に転がるのは木の枝のように腕と足の細い、しかし頭が風船を膨らませたように大きく晴れ上がった目の無い少女か、少年か、はたまたおじさんかおばさんかが「病気で困っています。神のご加護を。」と掲げられたボードの横で炎天下にさらされている。

自らの力では歩く事も手を伸ばす事も出来無いのだろう、口元に置かれたストローのつけられたペットボトルだけを所有しながら、何も言えずにただ管理人の迎えをじっと、唸りながら待つその姿にいたたまれなくなって20シリングを置く。と同時にやってくる中学生ぐらいの薄汚れた少年たち。おれたちにも何か食べ物をくれよ。100シリングがあればご飯が買えるんだ。
おれたち友達だろう?とへらへら笑う。

腕を掴まれる。振り払う。また掴まれる。手に持ってた食パンを2切れ、渡してやる。いらないと言われる。お金が欲しいんだ、パンはいらないと言われる。ならなんもやれないよ!と振りほどく。早足で歩く。

いちいち腹がたつ。

ヘイブラザー空港か?このバスに乗れ!とバス乗り場の威勢の良いにいちゃんが声をかけてくる。行かないと言うのに腕を掴まれる。行かないって言ってるだろ!また振りほどく。めんどくさいなぁ良い加減にしてくれ。

ホゥーアチャー!!とジャッキーチェンの真似をする彼らに今度カンフーを教えてくれと言われる。何回言ったらわかるんだおれはジャパニーズだ!なんてもうそんな細かい事にこだわっている自分がアホらしくなってもちろんもちろんと投げやりに言って握手をする。

イライラする。めんどくさいなぁと思う。早く早く宿に帰ってコーヒーでも飲みたい。飲みたいはずなのだけど、なんでだろう宿が見えてくるとちょっと脇道に入って遠回りしている自分がいて腹がたつ。

腹がたつんだけれど変に心地よい。

人々の生活臭にからみつかれたままで、足が重いなあってもがきながらまだ歩いていたい、不思議な感覚。また混沌に巻き込まれていく。そんな自分が嫌いじゃ無い。人々の暑苦しい好奇心とエネルギーが嫌いじゃ無い。

そんな不思議な街だった。

ナイロビを離れる前夜。

ドイツ人のやけにテンションの高いおっちゃんにエチオピアの秘境とも言われる、南西部の話を聞いた。様々な民族が、でも観光用では無いありのままの姿で暮らしているらしい。

近くの街まではローカルバスを乗り継いでなんとか行けるらしいので、行ってみよかな。

明日おれがエチオピアへ飛ぶよと言うと、いろんな人がエチオピアについて教えてくれた。

ご飯がクソまずいから、あんまり楽しくなかったな。

バスの移動がハードだってことしか覚えてないよ。

自然が豊かでいいところだよ。

人があまりフレンドリーじゃないね。貧困もものすごい。

優しい人ばかりで楽しかったよ。

アフリカで一番美しい国だよ。

同じエチオピアでも、どこに行って誰と話して、どう思ったのか。
それで印象も全然違ってる。

結局は自分の感じ方次第なんだ。

もう何もかも最悪の状態だった。財布もパスポートも盗まれた。だけど最高に楽しかった。

なんて、豪快に笑えたなら最強だ。

街をぼっちでぶらぶらしてて、帰りに宿の近くのパブに入ると、宿に今日から入ってたドイツ人の若者4人組グループがいて、仲間に入れてもらって一緒に飲んだ。

ライプツィヒの大学生だという彼ら。
酔ってるのでなんでも気兼ねなく話せるのが面白い。

日本人のことどうだと思う?と聞く。

日本人の印象は、とにかくストレンジ、ストレンジ。
いつも押し黙ってて、病的に働き者で、旅行でヨーロッパに来たら必死になって写真ばっかり撮ってて移動が早い。ドイツ人もまじめで働き者だって言われるけれど、それでも全然ちがうよ。って。

あと、自撮り棒を使う!と言われて、それはコリアンだよと言うと、どっちでも一緒やん。という顔で笑ってた。

まぁ日本人からしたらヨーロピアンの行動も、別に悪い意味じゃなく十分ストレンジだ。
それぞれの生き方や考え方にギャップがあるから、おれたちは旅をするんだろうな。

最終日の昼間もシリングが残ってたのでバーに入る。

貯めていた日記を書こかなとケータイをいじって閉じこもっていると、いかにも話したがりな雰囲気のおっちゃんが、たくさん席が空いてるというのに「いいかな?」と隣の席に着く。

最初はめんどくさいなぁ。と思いながら話し始めるんだけど、だんたん、ゆっくりと。

やっぱり面白い。

なんて思わされる。

日本とケニア、とんでもなく距離の離れた場所で育ったローカルの人の話には、知ら無いことが多すぎる。

さすがアフリカ屈指のビジネス街だけあって、おれが日本から来たと知ると、

「もし日本の電化製品を大量に持ってこられるのなら、おれは大きなビジネスが出来る。知り合いに家電屋はいないか?」

なんて鼻息荒くビジネスの話が始まる。

ケニアでは今急成長にともなって家電製品が飛ぶように売れていて、自分の店を持てば、かなりの確率で当たるらしい。

二階建てのバーのテラスに座ったおれたちの眼下には、ごちゃごちゃのダウンタウンの商店街が見えている。

「確かにね、ダウンタウンにも家電屋多いな。みんな割と儲かってるのか。」

なんて言うと、

「いや、ダウンタウンの、ここらのやつらはイリーガルの副業が結構でかいのさ。ドラッグやマリファナ、そしてマリブさ。」

「なにマリブって?」

「ここらの嗜好品で、ガムみたいに噛むマリファナみたいなもんだ。そこの貴金属屋も、あそこの鍵屋も、みんな聞けばこっそり売ってくれるよ。そうだな、100gが1ドルってところか。一本やっとくか?」

「いや、やめとくよ。飛行機乗るし。」

そのあと、「この国の富裕層と言われる人たちはたった10パーセント。その他の貧困層の人たちを救っていか無いといけないのに、今の政府は全くダメだよ。」と日本の居酒屋でも聞こえてきそうな話をうなずきながら聞いて、

タバコいる?と差し出してくれたけれど、変なの入ってたら、なんて一瞬疑ってしまって、ありがとうと断って店を出た。

ほんと、いろんな社会がある。

闇の部分も光の部分も、最高に好奇心をそそられる。

ガイドブックにも社会の教科書にも載ってない、庶民の目線に立ったありのままの生活を覗いてみたい。

そう思ったならバーで一人飲み。

これに限るな。

フライトは夜の11時で、でもバスが無くなるからと5時にはバス停に行ったんだが、すでに空港への直行シャトルバスは最終便も出てしまっていて、ローカルバスを乗り継いでなんとか空港まで。

家族を空港まで迎えに行くというお兄さんが、こっちだよー!と乗り継ぎも助けてくれて、ありがたかった。

大きな空港だ。

インターナショナルディパーチャーの出発ロビーからは各国の航空機がそのロゴを自慢し合うように堂々と行き交っていて、どの機体もオレンジの西日に照らされてキレイだ。

陸路でこだわって南アフリカからここまで来たけど、こうやってながめる飛行機が、昔からたまらなく好きだ。

どこまでもいけるんだなって、そんな感じがいい。

この世界のどこまででも、空は繋がってるんだなぁって感じが。

ふと、なんでか、3年前の関空の事とか思い出した。

なんでだろ。

もう別れてしまったんだけれど、当時の彼女が留学に行く事になって、車で関空まで送って行った時のこと。

ゲートで彼女を案外さっぱり見送った後、展望台に一人移動して、一機一機と飛び立っていく飛行機を眺めてた。

当時まだ海外旅行なんてほとんど行ったこともなかったおれは、あの翼で、ずっと遠くの太平洋をさらに超えた空まで、飛んでいくんだなぁなんてドキドキしてた。

もう異次元の世界のような感覚になって、それまでさみしいとはちっとも感じなかったんだけれど、

彼女の乗ったやつだろうか?午後8時の暗くなった空に、赤い尾翼のジェットスターがきーんと飛び立って、高度を上げていった。

宇宙の果てのように思ってたゴールドコーストへ、本当に向かって行ってしまった。

なんか、それまで、駐車場に戻ってみたら「全部ウソでした~」なんて彼女が笑って立ってるような気がしてたんだ。

ほんとに行っちゃった。

なんて思って、その機体が雲の奥に隠れるまで、いつまでもいつまでも眺めてた。

なんか知らんけど、あの時のぎゅーっと締め付けられる感じを、ばかみたいに思い出していた。

そんなおれはもうこんなところまで来ている。

空は本当にどこまでも繋がってて、宇宙の果てのように思ってたアフリカでも、それなりにやっていけてる。

いけない場所なんて無かったんだなぁなんて思う。

過去ぐらいか。二度と戻れない場所なんて。

そんなら、もう戻りたくもねぇってくらいに精一杯、今を生きるしかないなぁ。

なんか訳わからんけど感傷的になるナイロビの空港にて飛行機を待つ!明日の早朝にはエチオピア、アジスアベバだ!!!!

巡るでー!!!!!!!!!

そんなところです。

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ケニア

Posted by gamoyuki