【ナイロビ/ケニア】キベラスラムで路地ライブと、電波悪すぎてうぎゃぁぁぉ!!!!な話
ナイロビ3日目あたり!
この日は宿の日本人メンバーで、アフリカ最大のスラムと呼ばれるキベラスラムの社会見学ツアーに参加することに!!!
この場所、なんとおれの好きな番組、"クレイジージャーニー"で、スラムジャーナリストの丸山ゴンザレスさんが訪れた場所でもあるのだ!!
すぶたのパイナップルよりゴンザレス好きと豪語するおれにとって、これは逃せない!
経済的に貧しい人たちが安い家賃の住居を求めて形成されるスラムという地帯。
そんな場所をおもしろ半分でツアーとか、社会派気取ってんじゃねぇよって感じですが、旅行者がそこに行って、未体験の世界を見る代償にお金を落としていく、そこに意味もあるんちゃうかなと。
一体どんな人々の暮らしがあるのか!
朝8時半!
キベラスラム出身のツアーガイド、レゲエ男ジョセフに連れられて、みんなでレッツゴーだ!!!
ナイロビ市内からはバスで30分ぐらい。
距離的にはたいしたことないんだけれど、かなり迂回するバスなので、わりと時間がかかる。
バスの中でジョセフと隣になったので、いろんな話をした。
が、彼の英語の言い回しがちょっと独特で、犬並みの英語力のおれにはよく聞き取れんかったが、どうやら彼はスラムで、ストリートチルドレンを保護し、勉強を教える非営利の孤児院みたいな施設を仲間とやっているらしい。
他のアフリカの国々同様、ケニアも、貧富の差からくる社会の闇はとてつもなく深いようで、物乞いの子供や売春・レイプで出来てしまった子供は育てることができずに捨てられるケースが頻繁にある。
そんな子供達のための活動を、先進国からの旅行者にも見てもらいたいからと今のガイドの仕事をやってるんだ。みたいなことを言ってる気がする。
あくまで気がするであり、もしかしたらAKBの推しメンについて話していたかもしれない。
うーん、確かに素晴らしい活動だけれど、話だけではいくらだって出来る、残念だけれどそんなことを言って嘘の寄付金を集めようとする詐欺師もたくさんいる国。
昨日も、おれは大学のプロフェッサーだ、貧しい学生を救うための署名と寄付を!なんて、オヤジがなんか言ってた。
すぐに信じることができないのが悲しいところだ。
閑静な住宅街や大使館の多い裕福そうな通りを抜けると、一気にトタンの継ぎはぎだらけの建物群が視界に飛び込んでくる!
キベラスラム到着である!!!
バスはガンガンスラムの奥まで進んでいく。
スラムと言っても、建物がボロいだけでそんなに怪しい雰囲気はなくて、軒先では果物や野菜、衣料品もマーケット式に売られている。
バス停に到着!!
恐る恐る降りてみる。
ん!?おれの家に帰ってきたのか!?と一瞬勘違いしてしまうほどの、漂うゴミの匂いが鼻をつくけれど、さっそく陽気なマッチョのにいちゃんに、
「ヘイガイハウアーユー!」
と握手を求められたりと、人々の雰囲気はわりと明るい。
細道を入っていく!
道はもちろん未舗装、溝にはゴミがどこにでも捨てられている。
日本なら考えられんことだけれど、途上国の人たちの中には、すべてのゴミは土に還る、と普通に信じている人がたくさんいる。
だからどこにでもゴミが捨てられており、分解されないプラスチックなんかはどんどん蓄積されていく。
文化的にまだまだ自然共存型の生活をしていた人たちの社会に、急にプラスチックやポリ袋など、先進国からの物が持ち込まれると、こういうことが起こるみたいだ。
教育、というか、知る事ができるという事って大事なんやな、当たり前とちゃうんやな、とか思わされる。
排水はそのまま家の外に垂れ流し。
悪臭がやばい!
しかし子供達は最強に明るい!
一応スラムの中にも学校がある。
通り過ぎる人たちも明るく「ジャンボ!」と声をかけてくれるし、スラムだからガラが悪いとか、そんなわけでもなさそう。
ちなみにそれぞれの家は実は貸し家らしく、家一軒につき、だいたい月8000円くらい家賃を払っているらしい。
物価考えると、意外に高いよな。
貧困層のスラム、なんて言うけれど、まだここに住めるだけいい暮らしをしているといえるのかもしれない。
そして、ジョセフが管理してるという学校へ!
中学生ぐらいの青年たちが12人、暮らしていた。現在世界中で三人、スポンサーとして定額を寄付してくれる人がいて、そのお金でなんとか成り立ってるという。
さっき、嘘の寄付金を集めてるかも、なんて疑ってしまったが、実際にちゃんとしたNGO活動のようで、きっちりと学校が運営されていた。
募金をお願いできませんか!?なんて聞かれる事もなかった。疑ってしまったのが悲しい。
いや、見た目超ハッパ大好き!な感じやけどほんまええ人やんジョセフ!!
たいがいどこに行くにも、ふいに歌いたくなったら悔しいのでギターを担いでいるおれ。
なにイキってるんこいつ痛ー・・といつも周りのみんなに冷めた目で見られがちなおれなのだけれど、今回は持ってきて正解!!
「おれはジャンベを叩くんだ。ギター弾いてくれよ!」
と青年に声をかけられて、おっしゃやろうぜ!と小さな学校の校舎に音を響かせる!
おいおい、おれが歌い出したら急に恥ずかしがって、お前叩けよ、いや、おれよりもお前が!なんて言い合ってる青年達。
気にすんなよ~なんも!たとえ下手くそでも、おれたちこそがこの世界で最高!なんて勘違いしちゃえるほど音楽に浸るんだ!そうやって感じたやつ勝ちだ!
しだいにリズムがギターに絡んできて、いいねいいね、ストリートの魂見せてくれよ!!なんて一人興奮気味に盛り上がっていると、
「もういくよー!」
あぁぁ待ってくれー!!
じゃぁな!またやろうぜ!!!
その後、わらわらやってくるがきんちょたちと遊んでやったり遊ばれたり、ヘドロかけられて殺意を覚えたりしながら、スラム全体が見渡せる丘を目指す!!
マンボ!ハウアーユー?と陽気に声をかけてくれる人たち。
軒先にはたくさんの物が売られている。
大量のスミを売る店。
これは映画館らしい。
揚げパンみたいなの。たった5円。
他の日本人メンバーが、あわあわと食べるのっ!?!?みたいな目でおれを見てたが気にしない(ふりして心で泣きながら)で食べきると、メンバーの一人ゲン君が笑顔で教えてくれた。
「ゆ、ゆうきさん、ここの揚げ物、油がとんでもなく悪いやつ使ってるから、絶対食べるなってジョセフが!」
早く言ってください・・
この学校は、日本人の方がボランティアで経営してる場所らしく、ちょっと値は張るがツアーもやられてて人気らしいです!すごいなぁ。
学校帰りのがきんちょたちはみんな銀袋を抱えている。
「なに入ってるのお嬢ちゃん、見せてよ、ねぇ?はぁはぁ」
「うわぁああロリコンだ逃げろ~!!!」
「袋のなか見るだけだ!待て待てー!!!」
「ぎなさやぁぁぁぁあ!!!!」
「ほら!捕まえたー!!!なになにー、おじさんに見せてごらん~!!!」
「殺してください!いっそ、殺してくださいー!!!!」
そして泣きわめき自らの舌を噛み切らんとせん少女に袋の中を見せてもらうと、ん!
コーンフレークだ!!
銀袋のなかには、よく貴族が朝にミルクかけて食べてる、コーンフレークが入ってる!
「毎日、学校で食料が支給されるんですよ。家に帰ってもご飯を食べられない子供達もいますからね。」
とポンと肩を叩かれる。
「そうですか。ところであなたは?」
「ナイロビ警察のものです。児童ポルノ違反法で、あなたに逮捕状が出ています。」
「そうですか。」
なるほどな、学校からご飯も支給されているのか。
やっぱり生活が厳しい家が多いという事か。
でも、コーンフレークというとおれがこれまでの人生で最もリッチだったサラリーマン時代でも、三日に一回食べられるかどうかという高級貴婦人向けブレックファーストではないか。
アフリカはトウモロコシ沢山採れるから安いのかな?
そして三年の刑期を終えて出所した頃、ついに俺たちはスラムが見渡せる丘へ到着していた。
うーん!さすがアフリカ最大のスラムである。でかい!
張り巡らされる電線!
最近まで電気のなかったこのスラムに、国が大規模な送電設備を建設したそうだ。
でも、住人は定額電気代を強制的に支払わなくてはならず、反対の声も多い。
クレイジージャーニーでは、電気や道など国が率先してインフラ整備に努めていて、住民の暮らしも改善されてきている!なんて言ってた。
しかしジョセフ曰く、排水設備も道路もマニフェストで掲げられていたのでとりあえず工事に取り掛かったはいいが、初期段階で建設はストップ、今も工事途中のまま放置状態であり、いい迷惑なんだそうだ。
うーん今のリアルな声という感じ。
相変わらず生ゴミの強烈な匂いはあたりに漂っているが、一面のトタン屋根が高地のナイロビの強い太陽光を反射してきれいだ。
まるで、巨大な宇宙基地かなんかが広がってるみたい。
昔、名前忘れたけどSF映画みたいなので、ヨハネスブルクのスラム街に宇宙人が舞い降りてきて、宇宙人と、地球防衛軍みたいなのの主人公と、その混乱を利用してスラムの利権を得ようとするマフィア達との三つどもえの戦いを描いたストーリーのやつがあった。
エビみたいな形で人間を食ってく宇宙人も怖いんやけど、なによりスラムのギャング達がほんまに非道で恐ろしいやつらで。
それから、ずっとスラム怖っ!!危ないやつらの溜まり場なんだー!!なんてイメージをずっと持ってたけれど。
ザンビアでもこんな感じのスラムでおっちゃん達と酒飲んで歌ったりして、思うのは、結局みんな、同じ人間だわ、ということ。
汗流して働いて、その稼ぎに応じて好きなとこに住んで、できる範囲で美味い物食って、遊んで。
ナイロビでは、その選択の範囲内にスラムという環境があるというだけの事。
世界には、日本の一般家庭で、とくに金持ちでもないが食べるものに困るような事もないという環境で育った、おれなんかのものさしだけでは、決して計り知れない「普通」がある。
でも、そんなありえない価値観のギャップも、音楽は軽々しく飛び越えていく。
ジョセフが、地元のにいちゃん達が飲んでいるパブ(と言う名のただのイスのある路地)に連れ出してくれた。
ヘイメンハウアユ!レッツミュージック!
と背中のギターを見てすぐに声をかけてくる!
待ってましたとギターを取り出す!!
おれの中にあったジメジメしたスラムの怪しい雰囲気はギラギラの太陽に照らされて、完全に乾いて埃になってく。
それはハラハラと、同じ人間の、生活の風に吹かれて消えていく!
どうにかなるぜ!
なんとかなるぜ!
生きてるんだもんな!
楽しもうぜ!
生きてるんだもんな!
クソみたいな事も多いけど、パートオブマイライフって歌っていようぜ!
スラムの片隅で音楽が鳴ってる。
音を囲んでハイになってる。
おれも、テルさん達ほかの日本人メンバーも、音の渦の中に巻き込まれて、包み込まれて、スラムだとか日本人だとか、言葉とか価値観とかもう関係なくなっていく。
おれたち人間同士で、それなりに働いてそれなりに笑って暮らして、たまに悲しんで泣いて、それ以外になんかある?
ジョセフに、「そろそろ行かないとね!」と声をかけられるまで、何度もにいちゃん達にアンコールをもらって、安いウイスキーをもらって、ハイになって何度も歌った。
音の瓦礫が、辺りに散らばったままで、興奮に包まれて握手を交わしてさようなら。
壁が壊れた!なんてはしゃいでいるのは、本当はおれだけかもしれん。
でも、それでいいんだ。
壁はいつも自分の中にある。
誰かを変える事はできんでも、自分の感じ方や見方を変えれば、自分の中の誰か、なんてどうにだってできるし、大好きにも大嫌いにでもなれるのだ。
堅苦しい価値観も、かしこまった表情も、全部ぶち壊してしまえ、なんて思う。
音楽だけはおれたちをありのままにしてくれる、と信じてやまないやまない。
ヘドロの川を歩いて、汚いなぁと嘆いていた、はねたドロがべとりついた右足の事なんてもう忘れてしまっていた。
ありのままの誰かを見ていたいって思う。
綺麗なだけの、飾られた世界を眺めるだけの旅なんて、ジジイになってからやりゃいいや。
今は精一杯、靴を汚して、汗を流して、ドロにまみれて、世界とじゃれあってたいって思うんだ。
そんな気取らないツアーだったので、楽しかった!
キベラに行けて、よかったなぁ。
ジョセフが、音楽をありがとうって、ケニアのスピリットカラーの腕飾りをくれた!ありがとう!!!
そして、テルさん、ほんま誘ってくれてありがとうございます!
そんなところです!
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