さらばマチュピチュと電車にはねられそうになる話
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昨日、帰り道は大雨に打たれてしまったが、なんとか無事マチュピチュ登山も終え、ふもとの村まで帰ってきたおれと、台湾人シェーンとファンチ。
昨日の大雨が嘘のように、今日は快晴の空に、高地の近い雲が柔らかく流れていた。
「グラシアス!」
朝、お世話になったいい感じだった宿のおねぇさんに挨拶をして、俺たちは歩き出した!
今日はふたたび、村からジャングルの中の線路沿いをひたすら10キロ歩いて、バス停まで戻る予定なのだ。
太陽が高く昇ってきて、上着を脱いで、生い茂る木々の隙間、線路の枕木を踏んで歩く。
シェーンがケータイでエドシーランなんか流して、みんなで鼻歌交じりに、一列になって進んだ。
途中、アンデスの高い高い山の上から湧いてきた水が、線路沿いを流れる大きな川に流れ込む、渓流のように綺麗な水場があった。
バスが出るまでまだ三時間ある。ここから歩いても二時間もかからんだろうからちょっと遊んで行こう!と、みんなで服を脱いで飛び込む!
「つ、つめてぇぇぇ!!!」
高い山から流れ込む水は氷のように冷たくて、歩いて火照った体をキンと冷やしてくれた。
「ユーキー!君はここでギターを弾くべきだよ!」
おやつのバナナをぱくつきながらシェーンが笑う。
たしかに、この純度100パーセントの自然の中で歌を歌えたら、気持ちいいだろうなぁ、と確信して、ギターを取り出して、渓流の上にかかった線路の枕木に腰掛けた。
電車が来たら一発アウトなんだが、まぁそんな速くは走らないし、来るペースも一時間に一本とかなんで、大丈夫だろ。
じゃらんとコードを鳴らす。
目の前の、そそり立つ山肌と緑の木々たち、それが照りつける太陽の光に包まれて、キラキラ光る。
とめどなく流れる水の音がうるさくて、大きく声を上げて、でも浸るように目を閉じて歌ってみた。
つむってた目を開けると、シェーンとファンチも隣に並んで座ってて、
「いいねぇ!!ディスイズワット、アイウォンテッドゥー、こういうのをやりたかったんだよおれは!」
なんて目をキラキラさせてくれる。
ギターをやるショーンと、交互に英語の歌や台湾の歌、おれの歌やら、歌いあっていると、
「ヘイガイズ!いいねぇ!」
おお君たちは!
行きのバンで同じだった、フランス人の四人組が声をかけてきた!
「ハイ!君たちもバス停まで歩いてるの?」
「そうだよ!ちょっと休憩だ!」
彼らもギターを弾くようで、みんなで橋の上に足を放り投げてボブマーリーを歌った。
「ハイ!ナイスじゃないか!ワンラーヴ!!」
「オラ!あなたたちも歩いてるの??」
つられるように、通りがかりのブラジル人、アルゼンチン人、ヨーロピアンのヒッピーカップルなどなど、みんな集まってくる。
みんなで、目の前の自然の空気を心いっぱいに感じながら、一本のギター、そしてそれぞれの歌声の、その周波数に体を揺らし、目と目が合ってにこりと笑いあう。
だれかれとなく、一本のたばこが回ってきて、なんか全て許しあえる気持ちになって、のんきにスタンドバイミーなんて歌ってみる。
国境も文化も宗教も思想も、音楽の前ではただの見せかけでしかなくなる。
ピースフルって、こういうことを言うんだろうな。
初めて会った人も多くて、でもまるで昔からの親友のように、音楽が俺たちをいとも簡単に結びつけてくれた、素敵な時間が過ぎていく。
ギター、持ってきてよかったなぁ、なんて思ってた…
その時!!!
「電車よ!!!!!!!!逃げて!!!!」
プォォォォォォォォおぉ!!!!!!
「ひ、ひぇぇぇ!!!!!!!!!!」
誰かの声がして、ふと横を見るとほんの数十メートルのところまで電車が来てて!
大急ぎでみんな立ち上がって、枕木を踏み外しそうになりながら必死で川の向こうまで走った!!!
プォォォォォォォォ!!!!!!!!!
転けた友達を引きずりながらスレスレのところでなんとか線路わきに飛び込んで…
なんて映画ほどではなかったが、慌てて橋を渡り終えた俺たちの真横を数秒後、轟音の汽笛を鳴らして、インカレイルのレトロな車体が通り過ぎた。
プォォォォォォォォ!!!!
「は、はっ!!!はぁぁぁははは!!!」
「ま、まじで危なかったな!!川の流れの音で全然汽笛が聞こえなかったよ!!」
「ほんと!もうダメかと思ったわ!!あはは!!」
ホッとしたのと、数秒前の自分達のあまりもの必死さに腹の底からわらけてきて、みんなで顔を見合わせて笑った。
笑いながら、でも心臓はバクバクしてて、それがなんだかさらにテンションを加速させちゃう。
いや、死んでたらシャレにならんから、あんなところでダラダラするのは馬鹿なことなんだけれど、まるで青春映画みたいなドタバタ劇に、おれはこの旅のハイライトを感じて嬉しかった。
「やべ!!もう一時間以上だらついてたようだ!行こ!!」
時計を確認したシェーンが声をかける。
慌てて荷物をまとめて、また歩き出した。
「ファンチ!!!シェーン!!!ここだよ!!!!」
「うぉぉ、間に合ったんだな、よかったぁ!!!」
思いの外だらついてしまって、2時半のバンの出発ギリギリになってしまったおれら。
線路沿いをひたすら二時間歩き続ける中で、遅れ気味だったもやしっこファンチと、付き添ってたシェーン。
「ユウキ、君は先に行って、もしバンが出発しそうなら、少し待ってくれと声をかけておいてくれない!??」
と言われていて、一人急ぎ足でバス停に到着していたのだ。
やっと彼らの姿が見えて、ホッと一安心。
なんとかバンに乗り込んで数分後、ブルルン!!と大げさな音を立てて、砂埃を豪快にまわせながら車はクスコの町へと出発した。
歌ったりはしゃいだり、焦って歩いたりでいろいろ疲れてた体はぐだりとシートに吸い込まれていく心地で、出発した後すぐに、まぶたが重くなった。
目をさますと、バンはひたすらの山の中の、崖の上の道を走ってて、車内ではベース音のないペラペラした音楽に乗せて陽気なにいちゃんが歌うペルーの歌謡曲みたいなのが流れてた。
午後6時にパーキング(というか道端の店屋)に止まると、連なる山々の隙間から真っ赤に色づいた夕日が見えた。
山の夜は早くて、ぼんやり突っ立って見つめていると、あっとゆう間に太陽は沈んでしまって、辺り一帯を漆黒の闇が包み始める。
確実に時間は、進んでるんだなぁ、なんて当たり前のことをふと考える。
「行くぞ!」のクラクションの音で乗客を詰め込み、ふたたび走り出したバン。
数分も走れば、バンは再びひどくでこぼこな道を進み始め、太陽の沈んだ後のトワイライトもすぐに夜の黒に塗りつぶされて消えた。
窓の外では、民家の明かり一つも見えない、恐ろしいほどの永遠の闇に包まれたアンデスの山々が、どこまでもどこまでも連なっているのが見えた。
そこを照らすのは空にポツリ寂しげに浮かんだ満月だけで、月明かりに、一羽の大きな鳥が羽ばたいてる。
透明な夜の空に、高く高く飛んでいる影が見えたんだ。
何を見て、何を探してるんだろう。
まるでその鳥以外のすべての生き物が消えてしまった世界で、それでもなにか愛する人でも探しながら、泣いてるように見えた。
計り知れない自然の孤独を感じる。
アンデス、アンデス。
いつか生まれたお母さんのお腹の中で、
アンデス、アンデス。
儚い夢を見ていたんだ。
アンデス、アンデス。
砂ぼこりに埋もれて消えて。
アンデス、アンデス。
いつか崩れて化石になるのさ。
暗黒の世界を見ながら、心の底が熱く焦がれる音がする。
凍えるように透き通った世界が、人間の文明や争いや、そんなのをすべて通り越した場所で、美しく、存在し続けていたんだ。
バスは進んで行った。
そんなところです。
ランキング10位入賞を目指してブログランキングに参加しています。ぼっち参戦のマチュピチュ観光でしたが、帰りにはこうして素敵な仲間たちができている。人生とはそういうものだ!世のぼっち旅人たちよ、胸を張れ!↓↓
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コメント一覧
電車にひかれそうな話しとか
コメディ映画のワンシーンみたいやな。
思わず笑たわ。
それと来年の3月下旬ころって東京にいる予定?
僕来年の3月に野球の開幕戦を見に東京ドームにいくかもしれんけん巨人が勝っても負けても飲みに行こうや。
(都合つけば