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【超特急してみない?】妻氏の推しのコラボカフェにおじさん一人で行くとこうなるって話

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ぼっちシンガー
ぼっちシンガー

なんがでっきょんな。ぼっちシンガーです。
路上ライブで世界一周の旅などを経験し、現在は東京で音楽活動中。
香港人妻氏との生活や、旅と音楽について語るよ!

圧倒的異物感。

おれはこれまでの人生で、この感覚にいつも悩まされて生きてきた。

協調性がなく周りと足並みを合わせて行動できないイタいヤツのくせに、

今、周囲から自分がどう思われているか?と相手の立場に立って自分を見つめる想像力だけは異様に高い、

そんな俺の特性から生じる感覚である。

後先考えずに場違いな行動をとって、それで堂々と「これがおれらしさだ!」とか胸を張れればいいのだが、後になって

あ!今周りから「こいつイタいやつだなw」ってめっちゃ思われてる!泣く!最悪!

と、周囲の人々の感情の機微に敏感に気づいてむせび泣いたりするのだ…

あれは高校時代。

はんだ付けとかを学ぶ「技術科」と、裁縫とかを学ぶ「家庭科」、どちらかを選ぶ選択授業があった。

今年一年どっちを学ぶか?を自由に決められるわけだが、まだまだ男らしさ、女らしさ、みたいなのが根底にある時代だったので、男は技術科、女は家庭科と相場は決まっているようなものだった。

しかし、この時の俺は何を思ったか「機械とか全く興味ないしな~」とか思って家庭科を選択。

案の定、一年間その選択授業はクラスで男はおれひとりだけ、という地獄絵図が出来上がってしまった。

「うひょ~女の子ばっかりでラッキー!」

とか能天気に感じてしまえたらいいのだが、みんながどんな目で俺を見てるのかだけは、手に取るようにわかる。

(え?なに?女の子ばかりでハーレムだとか思ってんのこの陰キャww)
(てかまじでキモいんだけど見てくんなしwww)


とくに、赤ちゃんの育て方についての授業とか最悪だった。先生も男がいること想定してないから、授乳のしかたとかやるわけよ。抱き方とか実演で。

おれがラノベ主人公であればハプニングラッキー展開なのだろうが、あいにくおれは田舎のゲジマユクソださ陰キャモブだったゆえ、女子たちの冷酷な視線から感じる圧倒的異物感の重圧に今にも押しつぶされそうになりながら、

「こ、●ろしてくれっ!!!もう●ろしてくれないかっ!!!!」

と無言で絶叫するこの世の終わりみたいな時間だったのだ。

あれからというもの、おれはよくこの「圧倒的異物感」に悩まされるようになる。

整然とされたビジネス街で路上ライブするときや、異国の旅のローカルバスの中、先輩の卒業式で大声で感謝を叫んでみたり…

いつも思い起こせば、自分からイタい行動をとっては、人からこう思われているというのを想像して悶絶、を繰り返している気がする。

そして、先日も体験したのだ。お決まりの、異物体験を…

ようちゃん
ようちゃん

おい!表参道で超特急コラボカフェがあるんや。
金は全部払うからお前行って限定のカードもらって来い!

それは、香川県に住む妻氏からの連絡である。

なにやら妻氏がここ数年お熱の「超特急」というグループが表参道でコラボカフェイベントをやるらしく、

カフェで食事をすると、推しの写真カードや台詞などをもらえるとかで、東京に住むおれに代理推し活の命令が下ったわけである。

ようちゃん
ようちゃん

カフェでは推しのドリンクを選べるから、ユーキのセットで!間違えんなよ!

妻氏の推しは超特急の5号車、赤がテーマカラーの「ユーキ」くんである。

結成初期からダンステクニックでグループをけん引するダンスリーダーである。

ちなみにおれの名前も「ユウキ」なんだが、一度

へへへ…//おれと同じ名前だからユーキを推してるんですか?//

ぼっちシンガー
ぼっちシンガー

と聞いたことがあったが、

ようちゃん
ようちゃん

は?んなわけないやろ。
ユーキとお前が一緒とか調子に乗んな名前変えろ!

とのことであった。号泣

とりあえず、ユーキは俺の地元・香川県の隣、同じ四国の徳島出身なのだ。

共通点をアピールするうえでもTシャツは香川県民の制服、うどん脳Tシャツを着ていこうかな!!

よっしゃ気合い入れていくぞぉぉぉぉx!!!!!!

まずやって来たのは下北沢!!

表参道に向かう電車でぶらり途中下車、久々にシモキタのカレーでもしばいたろか、という魂胆である!

てかシモキタ数年ぶりに来たけど駅前なんか広くなって変わったなーーー

相変わらず古着屋とか渋い店とか多いけど、なんかこう、ちょっと前のカビ臭い日が落ちた地下のライブハウスから小汚いヤニカスバンドマンたちが出てくるような、

ブラジャーのホックを外す時だけ心の中まで分かった気がしてそうな、会ったら飲んでできそうな軽い女に見られて吹いたら飛んでいきそうな軽い大学生たちがナンパしてそうな、そういう薄汚いモラトリアムの雰囲気はなくなってて。

オープンテラスのバーでインバウンドの外国人たちが昼間っからビールとマリファナやってそうな、カオサンとかホーチミンとかの、東南アジアの観光通りみたいな雰囲気になってた。

まぁこれはこれでオープンでいいんじゃないかしら。

いつまでたっても勝手なおぢのノスタルジックにとらわれて、変わらない美しさみたいなものに縛られた結果が今の日本の凋落である。

変わることを恐れずに、いつだって好奇心旺盛で、変化を楽しんでいきたいものだね。街も、人生も。

たとえその行く先が、バッドエンドの慣れの果てであったとしても…

などと知的に人生論を説き文豪気取りで街を闊歩しながら、しかし見た目変なうどんのTシャツのヤバイおじさんは、入店!

なんかおしゃれな路地裏の先、隠れ家的カレー屋さん!!

うままままm!!!!ココナッツミルク風味の(たぶん)東南アジア風カレーがまじで絶品だった!

ふむ…ちと高くて量は少ないが、ここはシモキタ…蒲田とは違うからな。

このおしゃれな雰囲気のカウンターで午後の昼下がりに本格派チャイでチルできる、なかなか幸福なものよ。

ふっ…クールな文豪の昼下がりだぜ…!(Tシャツうどんだけれど)

なんやかんや言いながら、その後やってきました!!表参道!!!

ディオール、グッチ、ルイビトン…

おれでも聞いたことある高級ブランドが立ち並ぶショッピングストリート、街ゆく人々もなんかラフでありながらも品のあるこなれた装い…!!!!優雅な紳士淑女たちの舞踏会のような昼下がり…!!!!

あれ、おれ、これもしかしてなんだが。いや、まさかとは思うんだが…

もしかして、着てくる服、ミスってる??

いやいやまさかな…そんな馬鹿な話は…

などと必死に自分を押さえつけながらも、すれ違う紳士淑女たちのさげすんだような視線におびえつつ、

な、なにみてんだ!!!香川ではこれが正装なんだよ!!!ニュージーランドの国会でもマオリ族は民族衣装だろうが!!うどん国先住民の文化を大切にしろ!!!

と好奇の目で眺めてくる通行人たちを麺棒で威嚇しながら、殺気立った目で歩くこと10分!

ついた!!超特急コラボカフェ「超特急してみない?」の会場であるBOXカフェだ!!

こういう細道の先にあるカフェだったんだけれど、入り口で女の子が記念撮影してて入りづらい…

「誰もいないからいまがチャンス!!」
「一緒にとろ!!」


あれ?なんかおれが通路の後ろで待ってるのに、まるで気づかないような素振りで写真を撮り続けてる…

これ、あれか!??新手のいじめか!??古参ファンの新規いびりか!!??

(見ない顔ね…こんなやつはこのカフェには入れないわよ!)

とか暗に圧力かけられてんのか!!??

くっ…!!!なんて仕打ちだ…!!あたかも男子禁制の女性向けアイドルカフェに変なうどんのTシャツ着た変質者おじさんが一人やって来たかのように俺を拒絶するなんて!!意地でも通ってやるっ!!!

いくら待っても撮影が終わらないので、もう緊張で心臓バクバクで汗がスプラッシュマウンテンしながら

「あ、すいませ~んwwwドュフフ…www」

レモンスカッシュ風味のさわやかな笑顔で颯爽と進もうとすると、意外にも写真撮影女子達は、

「あ、すいません!失礼しました!」

とすんなりと道を譲ってくれた。

ありゃ?「ここはキモオタが来るとこじゃねぇ!さっさと失せな!」とか言われるかと思ったが…

そう、どうやら彼女たち、入り口付近でふらふらしてるおれのことを

「超特急カフェにこんな変なうどんTシャツのおじさんが来るわけないよね」

と感じて、まさか入ってくるとは思ってなくて気にせず写真撮影してただけだったみたい。

おれが実はカフェに入りたかったのだと知ると、

(変なうどんTシャツの汗スプラッシュマウンテンなキモオタおじさんに失礼なことしちゃった!)

と申し訳なさげな表情であった。

いやぁ拙者も悪かった。拙者も八号車(超特急ファンの名称)らしくふるまうべきだった!彼女らの近くでペンライトでも降って踊ったりすればよかったか…(いよいよ変質者)

まぁそんなハプニングもありつつ予約していた名前を告げて、時間になるまで待機…

名前を呼ばれて中に入る…あぁ、並んでいた時からうすうす感じていたが、あれだ。やっぱ大アウェイだ。

まじで100%女子。

周りの女の子たちから感じるんや。ひしひしと。

(え?なにあのおぢ…なんか間違って迷い込んでない?)
(しかもうどんのTシャツにギターて…ヤバくない…?)


ぎゃぁぁぁぁぁぁあぁあぁ!!!!!!!圧倒的異物感っ!!!!!!

やめてください!!!そんな目で見ないでください!!!決して変質者などではありません!!!ただのうどんTシャツ着たアニオタおじさんです!!好きなアニメはからかい上手の高木さんの、ただの普通のうどん好きなんです本当です許してくださいっ・・・!!!!うぐっ!!うぐっっ!!!!!

そんなで、号泣しそうになるのをぐっとこらえながら、店員さんに席まで案内される…

おれは願っていた…

(一番端!!!一番すみっこの周りから一切見られない席にしてくれ!!!店員さん!分かるだろ!!??それがホスピタリティってもんだr…)

「こちらのカウンターへどうぞ!」

ど真ん中っ!!!!!!!しかもライブ映像が流れるモニターの真正面っ!!!!!

カフェ内の女子達がライブ映像を眺めるたびに、否が応にも目に飛び込んでくる!!うどんTシャツの怪しいおじさんっ!!!

き、消えたい…!!!!!

その後は、心を無にして自らの存在を消し去っていたので、ほぼ記憶がありません。

楽天モバイルの電波が相変わらずクソでQR注文が出来ず、心臓飛び出しそうになりながら「ユーキセットで…」と頼んでは周囲の女子達から「あのおぢ、QRコードでの注文も出来ないのかよwww」と笑われている気になったり、

となりの女子グループがモニターに映るユーキくんを見て「ユーキかわいいよね~」とか語ってるのに聞き耳を立てては、「デュフフフ…拙者はユーキセットですぞ!」と一瞬誇らしく感じ、その直後(でも隣のキモおぢがユーキ推しなんだけどマジ最悪…)とか思われてたらどうしよう!などと被害妄想に陥ってはさっとユーキセットのグッズを隠したり、

モニターに映る超特急ライブの映像に集まるカフェ中からの視線を一身に浴びながら、沸騰したように顔を熱くしながら、

「このまま蒸発できたならどれだけ幸せか!おぉ神よ、自然よ!名も記録も置き去りにして、ビルの隙間を吹く風になれたならば!誰にも気づかれずに、君が休むベンチに木陰を落とす、初夏の新緑になれたなら!この街のノイズに身を潜め、一粒の埃として誰にも触れられず、誰にも憎まれず、静かに消えゆく水蒸気に、おれはなりたいのだっ!!!」

などと壮大な祈りを捧げたりしながら緊張で全く味のしないセットのパンをドリンクで流し込んでは、颯爽と風と共に去ったことしか記憶にございません…

…ぐふっ!!!

そんなで、吐血しながらも無事、妻氏の代理推し活を終えて圧倒的異物感から解放されたおれ氏。

妻氏に任務完遂の報告をし、

「ユーキのカード、ちゃんとクリアファイルに入れたやろうな!??折れ目付けたら●すぞ!」

との感謝のメッセージを受け取ったあとは、持ってきたギターで代々木公園で歌って帰る。

だれも歩いてないひっそりとした歩道橋の上、一人で歌い叫ぶうどんTシャツ。

人によっては、これこそがこの街の圧倒的異物であろうと感じられる方も多いかもしれんが、

路上ライブするときだけは違う。なぜか俺は感じるのだ。心の底から感じるのだ。

人と違うおれ、気持ちいいぃっぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!

と!!!!そう、路上ライブで歌っているときだけは、たとえその存在が浮きまくっててウキウキピクニックでも、イタすぎてクソダサくても、

今この瞬間、おれだけはこの街の中で確かに存在してる!周りと違う!ここにいるっ!!などと感じ取れてうれしいのだ!

歌っているその瞬間だけは、この社会の中に「おれ」という専用スペースが用意されているような、 世界の中心がここであるかのような…

結局おれはこの、圧倒的異物感という感覚が大嫌いなようで、実は大好きなのかもしらん。

そんな、承認欲求駄々洩れおじさんの気持ち悪い休日なのでした。


そんなところです。


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